混血のカレコレとLost evolution 作:Ks5118
翌朝、俺はいつものように目覚めた。だが両手が妙に重く感じられ、布団から身を起こすと、右には悪魔の姿をしたボティスが静かに座っていた。そして左に視線を移すと、そこには俺とほぼ同じ身長で、褐色の肌に金髪のロングヘア、背中には大きなコウモリの翼が生え、腰にはサソリの尻尾を携えた女性が眠っていた。しかも彼女は裸だった。
その光景を見た瞬間、思わず俺の口から声が漏れた。
「ギャヤャァァァァ──────ッ!」
その絶叫は家中に響き渡り、階下からヒサメたちの声が聞こえてきた。
「お父さん、どうしたの?」
「お父さんが叫ぶなんて、いったい何事?」
「敵ですか?」
三人は寝室に駆け込んできて、俺の横で眠る女性を一目見て、冷たい視線を投げかけた。
「女性を連れ込むなんて、サイッテー」
「なんで叫んだと思ったら、女性がいてびっくりしたなんて」
「見損ないました」
俺は慌てて言い訳を口にした。
「んなわけあるか。誰かが部屋に入ったらフィーアがすぐ気づくだろ」
ヒサメたちは少し納得したようで、揃って小さく頷いた。
「「「確かにそうですね」」」
俺たちは横にいる女性の正体について考え込んでいると、ボティスがゆっくりと起き上がった。
「なぁ、ボティス。お前、この子を知ってるのか?」
問いかけると、ボティスは静かに頷いた。
「知っておるぞ」
俺は思わず驚きの声を上げる。
「えっ? 知ってるの?」
ボティスは落ち着いた声で説明を始めた。
「コヤツはクリスじゃよ。人の姿に変わっておるが、魂の色は変わっておらんのでな、すぐにわかったわ」
俺はそっとクリスを揺り起こしてみた。
「おーい、クリス、朝だぞ。起きろ」
クリスは目をゆっくり開け、自分の姿を確認すると、驚きと戸惑いが入り混じった声を出した。
「ご、ご、ご、ご主人……あ、あ、あ、あたしの身体、どうしちゃったんですか?」
俺も肩をすくめる。
「俺だって知らないよ。朝起きたらお前がその姿になっていたんだから。何か心当たりはあるのか?」
クリスは少し考え込んだ後、答えた。
「そういえば、昨日飲んだ水の味が、なんだかいつもと違っていました」
俺はクリスが使った水入れの成分を調べた。すると、最近異宙で流行している“ペットを人型に変える薬”が混入していたことが分かった。
そこでヒサメたちに尋ねる。
「なるほど、この薬が原因か」
「どういうこと? お父さん」
俺はヒサメたちに瓶を見せると、カンナの顔がみるみるうちに青ざめた。
「カンナ、お前、この瓶のこと知ってるのか?」
カンナは目を逸らしながら、極度に動揺した声で答える。
「ア、アーシはな、な、な、何にもし、し、知らないよ……」
俺はアイアンクローでしっかりと問いただす。
「もう一度聞く。この薬が入った瓶のこと、知らないか?」
カンナは悲鳴にも似た声を上げ、手を震わせながら白状した。
「イタタタタタタッ! わか、分かった! 話す、話すからやめてえーっ!」
俺は床にカンナを置き、厳しい目で問い詰めた。
「それで、なんでお前がこの薬を持っているんだ?」
カンナは必死に説明する。
「この前の単独任務の報酬で貰って、カリンに使ってみたかったんです! でも間違えてクリスに入っちゃったみたいで……あぁぁ、イタタタタタッ! ごめんなさい、もうしませんから!」
俺は頭から手を離し、再度聞き直した。
「で、解毒薬とかあるんだろ?」
カンナはまた目を逸らす。
「あ、いやぁ……知らないなぁ?」
俺は少し力を込めて頭を掴もうとすると、カンナは慌てて叫んだ。
「ワァ────ッ! ごめん、解毒薬貰うの忘れてましたぁー!」
俺はため息をつき、仕方なく自分で薬を作ることに決めた。
「とりあえず解毒薬を作る。これを飲ませてもらうぞ」
ヒサメたちは慌てて止めに入った。
「ちょっと待ってよ、お父さん!」
「人が飲んじゃダメなんだよ!」
「命を捨てないでください!」
俺は笑みを浮かべ、改めて説明する。
「イヤ、ブラッド族には毒は効かないし、体内で毒や薬を生成できるんだ」
ヒサメたちはその説明を聞き、納得したように頷く。
「「「あっ!」」」
クリスにも説明してから薬を飲ませる。解析には三日ほどかかることが判明したが、とりあえず一安心だ。
俺はふと、クリスが裸のままだったことを思い出した。
「すまん、ボティス。お前の服から適当な物をクリスにやってくれないか?」
ボティスは軽く頷き、裁量で服を選んでくれることになった。
「よかろう。此奴はワシの友だからな」
俺は朝食の準備に取り掛かりながら、ヒサメたちに指示する。
「朝食の準備をして、ヨーメイも起こしてこい」
しばらくすると、ヒサメたちとヨーメイが階下に降りてきた。
「おはよぉございまぁす」
ヨーメイの髪はボサボサで、俺は軽く注意する。
「ヨーメイ、お前は髪を整えてから顔を洗って来い」
クリスはボティスに服をもらい、背中が少し開いたトップスに、腰に穴が空いたジーンズを身に着けて現れた。その姿を見たヨーメイは驚きと嫉妬を隠せずに叫ぶ。
「誰ですかっ! 昨日までいませんでしたよねぇ?」
俺はヨーメイに、クリスの正体と経緯を簡単に説明した。ヨーメイは少し悔しそうに顔をしかめるが、俺はすぐに話題を変えた。
「今日は面接だろ。さっさと準備しな」
ヨーメイは慌てて洗面台に駆け込み、髪を整え、スーツに着替え、メイクを整える。その後、全員で朝食を囲んだ。クリスは初めて人型で食事をしており、ボティスが食べさせてくれていた。ヒサメたちは少し意外そうな視線を向ける。
「ボティスは身内には優しいんだぞ」
朝食後、俺たちはヨーメイの就職先であるリサイクルショップに向かった。オーナーの前に到着すると、オーナーはにこやかに出迎える。
「お前がヨーメイか。話は聞いているから、こちらに来てくれ」
俺は小声でヨーメイに質問する。
「なぁ、何で混血児の君がこんなところに?」
ヨーメイはびくっとし、惚けた表情で答えた。
「さ、さぁ、何のことだか分かりませんねぇ」
俺は静かに告げる。
「敵対しなければ攻撃しない。もう一度聞く、君は誰だ?」
ヨーメイは観念したように事実を話し、バイトは無事に合格した。だが家は満室で、住む場所がないことが判明する。
「ノオォォォ──ッ!」
ヨーメイは四つん這いになり絶望する。俺は思わず手を差し伸べる。
「お前が良ければ、これからもウチで暮らしていいぞ」
ヨーメイの目は輝き、俺の手を握った。
「よろしくお願いしますっ!」
ヒサメたちも微笑みながら、ヨーメイを歓迎した。
シディがカレコレ屋から出てきて、ヨーメイに声をかける。
「オーナーの所で働けて良かったな」
ヨーメイは顔を背け、慎重に答える。
「あまりそういうことを言い回らない方が良いですよ」
シディは少し落胆したようだが、俺たちは何も言わなかった。
ヨーメイが家に住むことが決まり、俺たちは再び家へと戻った。ヒサメたちは嬉しそうに、ヨーメイを囲むように歩き、クリスはボティスの隣で少し緊張した面持ちで座っている。俺は台所で手際よく朝食の後片付けをしていたが、目の端には常に全員の動きが入る。
「ヨーメイ、まずはこの家のルールを覚えてくれ。ご飯の時間、風呂の時間、掃除の順番……」
ヨーメイはしっかりと頷き、メモを取り始めた。彼女の真剣な姿は、初めて見る表情で、少し微笑ましい。
クリスはボティスからもらった服に身を包み、ふわりと伸びをした。背中の翼が軽く震える。俺はその光景を見て、思わず小さく息をつく。
「……やっぱり、クリスは落ち着く姿でも人型の方がいいな」
ボティスは肩をすくめながら答えた。
「フン、当たり前じゃろう。人型の方が、魂の色も見やすいしな」
ヒサメたちはその会話を聞きながら、ちょっと意地悪そうに笑う。
「ボティスが優しいなんて、信じられない」
「ほんとに、見損なった」
俺はクスリと笑い、手を振る。
「まあまあ、ボティスは意外と身内には甘いんだ。信じてやれ」
その言葉に、ヒサメたちは口々に納得したように小さく頷く。そしてヨーメイも、少し安心したように微笑んだ。
「じゃあ、今日はバイトの初日だ。行く準備はできたか?」
ヨーメイは目を輝かせて答える。
「はいっ! 行く準備できました!」
俺たちは全員で家を出た。道中、ヨーメイは少し緊張しているようで、手をぎゅっと握りしめている。その隣でクリスはボティスの軽い手助けを受けながら歩き、ヒサメたちは普段通りの明るさで話しかけてくる。
「ヨーメイちゃん、緊張してる?」
「大丈夫だよ、俺が一緒にいるから」
ヨーメイは少し笑みを返し、深呼吸を一つして、リサイクルショップの扉を開けた。オーナーが笑顔で迎えてくれる。
「おう、ヨーメイか。話は聞いているぞ。さあ、奥に来い」
俺は小声でヨーメイに囁く。
「緊張しなくていい。落ち着いてやれば大丈夫だ」
ヨーメイは頷き、深呼吸をしてからオーナーの前に立つ。
「えっと、よろしくお願いします」
オーナーは優しく微笑み、簡単な質問を始める。ヨーメイは少し戸惑いながらも、一つ一つ丁寧に答える。その様子を見て、俺は思わず背中を押すように手を置いた。
「落ち着け、ヨーメイ。君はやれる」
ヒサメたちも傍で小さく頷く。クリスはその後ろで翼を小さく震わせながら見守っている。ボティスは腕を組み、少し誇らしげな表情を浮かべていた。
面接が終わると、オーナーはにこやかに言った。
「うむ、バイトは問題なく合格だ。だが、うちのマンションやアパートは全部満室だぞ」
ヨーメイは四つん這いになり、声を上げて絶望する。
「ノオォォォ──ッ!」
俺は手を差し伸べ、軽く肩を叩く。
「落ち着け。バイトは受かったんだ。住む場所はウチが用意してやる」
ヨーメイの目が再び輝きを取り戻す。
「本当ですかっ⁉︎」
俺は笑顔で頷く。
「ただし、これからはウチで面倒をみる。ルールは守れよ」
ヨーメイはしっかりと頷き、俺の手を握った。その握手は、今日から家族として一緒に歩む誓いのようにも感じられた。
ヒサメたちは微笑みながら、ヨーメイを歓迎する。
「これからもよろしくね、ヨーメイちゃん」
「アーシからもよろしく」
「私からもよろしくお願いします」
家に戻ると、シディがカレコレ屋から出てきて、ヨーメイに話しかける。
「オーナーのところで働けて良かったな」
ヨーメイは少し警戒しながら答えた。
「あまりそういうことは言わない方が良いです」
シディは苦笑いを浮かべ、俺たちはそのやり取りを見守るだけだった。
家族が増え、日常は少しずつ賑やかになっていく。クリスも人型としての生活に慣れ始め、ヒサメたちは新しい仲間を楽しそうに迎え入れている。ボティスは相変わらず不器用ながらも、家族に寄り添う姿を見せていた。
俺はふと、この穏やかな日常が続くことを願いながら、台所の片付けを続ける。今日から新しい家族が加わり、俺たちの物語はさらに色鮮やかに進んでいくのだろう。
ヨーメイは家に戻ると、少し緊張した面持ちでバッグを置き、制服を整理していた。俺はキッチンで朝食の片付けをしていたが、視線の端でヨーメイの動きを追う。小さな肩が微かに震えているのが見える。
「大丈夫か?」と俺が声をかけると、ヨーメイはぱっと顔を上げて微笑んだ。
「はい、頑張ります!」
その自信はまだぎこちなく、でも心からの決意を感じさせるものだった。ヒサメたちは後ろからそっと見守りながら、思わず顔をほころばせる。
「ヨーメイちゃん、ファイトだよ」
「アーシも応援してる」
「私もね」
クリスはボティスの腕に寄り添いながら、静かに頷いた。翼が小さく震える。俺は台所から、彼女たちのやり取りを見つめ、ほっと息をつく。
「よし、じゃあ行こうか」
俺はヨーメイの肩に軽く手を置き、家を出る。リサイクルショップまでの道のり、ヨーメイは少し早足になったり、立ち止まったりしながらも、真剣な眼差しで前を見据えていた。
「お前、緊張してるな」
「はい……でも、頑張らないと」
店の扉を開けると、オーナーがにこやかに迎えてくれた。
「おう、ヨーメイか。話は聞いているぞ。さあ、奥に来い」
ヨーメイは深呼吸を一つしてから、しっかりと足を踏み出す。その隣で俺は、少し安心した気持ちで見守る。ヒサメたちも後ろから「頑張れ」と小さく声をかける。
面接は簡単な質問から始まった。オーナーは柔らかい声で、しかし厳しい眼差しでヨーメイを見つめる。
「君、以前の経験は?」
「特にありません。でも、覚えは早いですし、誠実に働きます」
ヨーメイの声はまだ少し震えていたが、目は真剣そのものだった。俺はその様子を見て、心の中で小さく拳を握る。
「大丈夫、君ならできる」
ヒサメたちも、顔を見合わせて小さく頷く。クリスは翼を軽く広げ、ボティスは腕を組んだまま無言で見守っていた。
面接が終わると、オーナーはにこやかに笑った。
「うむ、バイトは問題ない。やる気も十分だな」
ヨーメイは思わず両手を握りしめ、嬉しそうに跳ねる。
「本当ですかっ⁉︎」
「もちろんだ。だが、マンションやアパートは満室だから、住む場所はお前の家族と相談だな」
ヨーメイは一瞬絶望の表情を見せたが、俺がそっと肩に手を置き、微笑む。
「ウチで一緒に暮らすなら、問題ない」
その瞬間、ヨーメイの瞳が光を取り戻す。小さく頷き、再び目に輝きを宿した。
家に戻ると、ヒサメたちは待っていた。
「ヨーメイちゃん、どうだった?」
「うん、合格だよ!」
俺はみんなを見渡し、微笑む。クリスはボティスの隣で少し緊張しながらも、ほっとした表情を浮かべる。
「じゃあ、今日から新しい日常が始まるな」
ヨーメイは小さく頷き、俺の手を握った。その温もりが、今日から家族として生きる決意を象徴しているようだった。
午後になり、ヨーメイは初めてのバイトに向かった。俺は家でヒサメたちと、クリスとボティスの世話をしながら、少しの緊張と期待を胸に抱えて時間を過ごす。
「お父さん、ヨーメイちゃん大丈夫かな」
「うん、でもきっとすぐに慣れる」
ヒサメたちの声に、俺は軽く頷く。家の中には、微かに笑い声と静かな生活音が流れていた。新しい日常が、少しずつ色を帯び始めている。
ヨーメイはリサイクルショップの扉を押し開けると、店内の独特な匂いと、人々の動きに少し戸惑った様子で立ち止まった。制服はまだぎこちなく、少し大きめに見える。それでも背筋は伸ばし、目は真剣そのものだ。
「おはようございます、ヨーメイです。本日からよろしくお願いします」
オーナーは微笑みながら頷き、店内を案内する。商品の並べ方、接客の基本、金銭のやり取り──ヨーメイは一つ一つ慎重に確認し、メモを取りながら学んでいく。
最初の客が入ってきたとき、ヨーメイは少し固まった。言葉が出ない。店の奥に立っていた俺がそっと声をかける。
「大丈夫、ゆっくりでいい。焦らなくていい」
その声にヨーメイは小さく頷き、深呼吸を一つしてから、ぎこちなくも丁寧な口調で応対する。
「いらっしゃいませ……あの、こちらの商品にご興味はございますか?」
客は少し驚いた様子で微笑む。ヨーメイの声はまだ弱く、少し震えていたが、その真剣さは伝わったらしい。客は小さく頷き、商品の説明を受けながら選んでいく。
店の奥で俺はヒサメたちと共にその様子を見守る。カンナは少し顔をしかめながらも、ヨーメイの一挙手一投足を真剣に見つめていた。
「お父さん……頑張ってるね」
「うん、初めてにしてはかなりしっかりしてる」
クリスはボティスの腕に軽くもたれながら、静かに頷く。翼がわずかに震えるのは、緊張のせいだろう。ボティスは何も言わず、ただ腕を組んで見守っていた。
その後、ヨーメイは何度か接客を重ねるうちに少しずつ慣れてきた。商品の場所を覚え、客の質問にも答えられるようになり、少しずつ自信を取り戻す。
「お父さん、ちょっと見てください! 私、笑顔で話せるようになってます!」
その声に俺は微笑みながら頷いた。ヒサメたちも後ろで「すごい!」と小さな歓声をあげる。
昼休みになり、店内が一段落ついたころ、オーナーが声をかける。
「ヨーメイ、少し話がある。ついて来い」
ヨーメイは少し緊張した様子で俺に目を向け、俺は肩に軽く手を置く。
「大丈夫、ちゃんと聞くだけだ」
オーナーの事務所に入ると、椅子に座るヨーメイを前に、オーナーは真剣な表情で話し始める。
「今日一日見ていて、君の誠実さと努力はよく分かった。まだ慣れていないこともあるだろうが、それでもこのまま続ければ必ずお客様にも評価される」
ヨーメイは小さく頷き、胸の奥で決意を固める。
「ありがとうございます! 必ず頑張ります!」
オーナーは微笑み、軽く頭を撫でる。ヨーメイの頬が少し赤くなる。
家では、俺とヒサメたち、クリスとボティスが昼食を囲んでいた。ヨーメイの様子を聞きながら、みんなで和やかに話す時間が流れる。
「ヨーメイちゃん、初日どうだった?」
「緊張したけど……お父さんがそばにいてくれたから、なんとか」
ヒサメたちは笑顔で頷き、クリスは小さく翼を広げて安堵の息をつく。ボティスは腕を組んだまま、ただ静かに微笑んでいる。
午後、ヨーメイは再び店に戻り、商品の整理や接客の練習を続ける。失敗もあったが、俺が横でフォローし、ヒサメたちが見守る。
夕方、店の閉店時間が近づくと、ヨーメイは少し疲れた顔を見せたが、目には満足感と自信が光っていた。
「今日一日、ありがとう……お父さん、頑張れたのは、やっぱり家族がいてくれたからです」
その言葉に、俺は胸が熱くなる。家族として、一緒に戦い、支え合ってきた日々が、こうして少しずつ形になっていく。
家に戻ると、ヒサメたちが声を揃えて迎えた。
「おかえり、ヨーメイちゃん!」
「頑張ったね」
「疲れたでしょ、さあ座って」
ヨーメイは少し照れながらも、家族の温かさに包まれ、自然と笑顔になる。クリスはボティスに寄り添いながら、翼を小さく震わせ、微笑む。
「これからも、みんなで一緒に頑張ろう」
俺は静かにそうつぶやき、家族全員の顔を見渡す。小さな家の中には、笑い声と温かさが満ちていた。新しい日常が、ゆっくりと、確実に動き始めているのだ。