混血のカレコレとLost evolution   作:Ks5118

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 今回はボトルだけですが、次回に変身します。また次回をお楽しみにお待ち下さい


第二期 最一章 フェーズ4
No.20 組織との再会と悪魔の解放〈前編〉《修正版》


 キリトside

 

 クリスが元に戻ってから、一週間が経った。

 

 あの騒動の余韻も、ようやく落ち着きを見せ始めた頃──俺の元に一本の電話がかかってきた。

 

 店のカウンターを拭いていた手を止め、ポケットの端末を取り出す。

 

『プルルルルップルルルルッ──ガチャ』

 

 呼び出し音が途切れると同時に、通話を繋ぐ。

 

「はい、どちら様ですか?」

 

 いつも通りの声音で応じる。

 

 すると、次の瞬間。

 

『おう、キリトちゃんお久しゅう』

 

 聞き慣れた声が耳に届いた。

 

 思わず、口元が僅かに緩む。

 

「お前か。それでどうした?」

 

 久しぶりの友人からの連絡。だが、こいつがわざわざ電話をかけてくる時は、大抵ロクでもないか、あるいは──重要な話だ。

 

 そして今回も、その後者だった。

 

『オタクが探している組織の情報を掴んだな、それを教えちゃろうと思ってな』

 

 その一言で、空気が変わる。

 

 手にしていた布をカウンターに置き、俺は僅かに表情を引き締めた。

 

「ほう。その情報の出所はわかるか?」

 

 慎重に問い返す。

 

 こういう情報は、真偽が命だ。

 

 だが電話の向こうの男は、軽く笑うような気配を見せた。

 

『こっちも偶然手に入れた情報だからのう、真偽は分からんのや。だがもし本当ならキリトちゃんの役に立つと思ってな』

 

 正直な答えだった。

 

 だからこそ、逆に信用できる。

 

 俺は一度、息を吐いた。

 

「そうか。すまん、頭に血が昇ってた。今度どこか奢るよ」

 

 自然とそう口にしていた。

 

 すると向こうは、すぐに食いついてくる。

 

『おっ! それは嬉しい話やな。ほな楽しみにしといちゃる、ほなさいなら』

 

 それだけ言って、通話はあっさりと切れた。

 

 静かになった端末を見つめながら、俺は小さく呟く。

 

「……相変わらずだな」

 

 だが、情報は手に入った。

 

 それだけで十分だ。

 

 俺はすぐに店を早めに畳んだ。

 

 シャッターを下ろし、鍵を閉める。

 

 向かう先は──カレコレ屋。

 

 カゲチヨ達に、この情報を共有するためだ。

 

 夜の街を抜け、カレコレ屋の前に立つ。

 

 いつも通りの外観。

 

 だが扉の向こうには、いつも通りでは済まない連中がいる。

 

 軽く息を整え、扉を開けた。

 

 中に入ると、やはりカゲチヨ達が揃っていた。

 

「どうしたんだ、おやっさんこんな時間に?」

 

「この時間だと、まだ店やっているよね?」

 

「もしかして、アーシ達に会いたくて来ちゃった?」

 

「カンナ、悪ふざけもその辺で」

 

「それで、店長はどうしてここに来たんだ?」

 

 一斉に向けられる視線。

 

 軽口と疑問が混ざる中、俺はゆっくりと口を開いた。

 

「先ほど、俺の友人からトッププレデターの情報が入ってきたって電話が来た。それをお前達に話すためにな」

 

 その瞬間──

 

 空気が一変した。

 

 先ほどまでの軽さが消え、場が一瞬で緊張に包まれる。

 

 カゲチヨが真っ直ぐ俺を見て、問いかけてきた。

 

「その情報は信用できるのか?」

 

「まだ分からない。そいつも偶然手に入れたと言っていたし、詳しい情報を取ってこようにも、そいつにも仕事があるみたいでな」

 

 正直に答える。

 

 するとカゲチヨは、少し考えた後、もう一度聞いてきた。

 

「おやっさん的には、どう思うんだよ。その情報について」

 

 少しだけ間を置く。

 

 だが答えは決まっていた。

 

「俺的に言うなら信用できるな。アイツはこういうことを俺に対して嘘ついたらどうなるかを知っているからな」

 

 その言葉に、皆が納得したように頷く。

 

「おやっさんがそう言うなら大丈夫なんだろ」

 

「お父さんの友達ってすごいんだね」

 

「今度、アーシ達に合わせてよ」

 

「このお礼を直接言いたいのですので」

 

「俺も、その人にはお礼がしたいな」

 

 口々に言う仲間達を見て、俺は心の中で少しだけ笑った。

 

(……今度連れてくるか)

 

 それからすぐに行動に移る。

 

 情報にあった場所──廃倉庫へ向かうため、カゲチヨ達は準備を始めた。

 

 俺もまた、装備を確認する。

 

 今回の戦いで、ある程度のエネルギーは回収できるだろう。

 

 そう判断し、俺はラグナロクトリガーを持つ。

 

 そして念のため──デビルロストロードボトルも。

 

 準備を終え、俺はカゲチヨ達を追った。

 

 だが。

 

 目的地へ向かう途中──

 

 俺達は、見慣れない連中に足止めされた。

 

「すまねぇが、此処からは立ち入り禁止でなぁ。どうしても行きてぇってんならぁ、俺を倒してから行ってくれぇ」

 

 両手に鎌を持った、痩せかけた男。

 

 その目は濁っているが、明らかにただ者ではない。

 

「そうよ、此処先はあたしたちを倒せたら行かせてあげても良いわ」

 

 続いて現れたのは、白髪の女。

 

 胸元を開けた、袖の無いミニ浴衣。

 

 その異様な雰囲気に、普通の人間ではないことがすぐに分かる。

 

 俺は一歩前に出た。

 

「そうかよカゲチヨ。お前達は先に行け。コイツらは俺が相手する」

 

 短く言い切る。

 

 そして、腰にドライバーを装着した。

 

 ドレイクロストロードボトルとライダーボトルを装填する。

 

『Lost Evol Driver』

 

『Drake』

 

『Ryder System』

 

『Lost Evolution』

 

 変身音が響く。

 

「変身」

 

『Drake Drake LostDrake ガァーハッハッハッハッハッハァ!』

 

 装甲が展開し、力が身体を包み込む。

 

 ロスト〈ドレイクフォーム〉。

 

 次の瞬間。

 

 俺は二人の頭を掴んでいた。

 

 抵抗する暇すら与えない。

 

 そのまま、カゲチヨ達の進路を確保するため、山の方へと移動する。

 

 カゲチヨside

 

 キリトが山の方へ向かうのを見て、ヒサメが叫ぶ。

 

「お父さん、待って! 戦うなら一緒に──」

 

 だが、それをカゲチヨとフィーアが止めた。

 

「やめろ。おやっさんの気持ちを無駄にするな」

 

「そうですよ。父様の強さは私たちが知っているでしょ」

 

 ヒサとカンナが反発する。

 

「どうして? お父さん一人だと危ないのに」

 

「そうだよ、アーシ達だって戦えるのに」

 

 だが、返ってきたのは揺るがない言葉だった。

 

「おやっさんはあんな奴らなんかに負けたりしないだろ」

 

「父様が私たちを置いてどこかに行くことは、あり得ません」

 

 それでも、カンナは小さく呟く。

 

「……アーシ達のこと、邪魔なのかな?」

 

 その瞬間──

 

 フィーアの平手がカンナの頬を打った。

 

「そんな事、もう二度と言わないでください」

 

 静かだが、強い声。

 

「それを聞いて父様がどう思うか、分からないわけがないでしょう」

 

 カンナは俯いた。

 

 それでも小さく言う。

 

「でも……置いてかれたし」

 

 フィーアは、少しだけ表情を緩める。

 

「それは、私たちが戦いやすい様にするためです」

 

 そして続ける。

 

「父様は、私たちを守るために動いているんです」

 

 ヒサが前に出る。

 

「そうだね。今は私たちのできる事をやろう」

 

 カンナを見る。

 

「そして、お父さんが戻ってくるのを待とう」

 

 カンナはゆっくりと頷いた。

 

「うん……そうだね」

 

 そして立ち上がる。

 

「お父さんがアーシ達を置いてどこかに行くなんて、無いもん」

 

 俺達は再び前を向いた。

 

 そして、廃倉庫へ向かう。

 

 キリトside

 

 二人を掴んだまま、開けた場所を探して移動する。

 

 だが、当然大人しくしているわけがない。

 

「お前っ! 良い加減、私たちの頭から手を離せ!」

 

 暴れ出す。

 

 俺は少し苛立ちを込めて言った。

 

「ウルセェな。そんなに離して欲しければ──!」

 

 一瞬、力を込める。

 

「離してやるよっ‼︎」

 

 そのまま、二人を地面に叩きつけた。

 

 衝撃で、頭が地面に埋まる。

 

 これで終わり──

 

 そう思った。

 

 だが。

 

「痛ぇなぁ……そんなひでぇことするやつはぁ、徴収するしかねぇなぁ」

 

「痛ぁい痛ぁい……傷を治す時だって痛みはあるんだからね」

 

 ゆっくりと、二人は起き上がった。

 

 崩壊した顔が──再生していく。

 

 俺は眉をひそめる。

 

「お前達、種族はなんだ?」

 

 問いかけると、男は笑った。

 

「なぁに言ってんだぁ? 俺達の種族は、鬼だぞぉ」

 

(……そんな鬼がいるのか?)

 

 疑問は残る。

 

 だが、関係ない。

 

 倒すだけだ。

 

 踏み込もうとした、その瞬間。

 

 四方八方から帯が飛んできた。

 

「……!」

 

 即座に反応する。

 

 フェンリルフォームへ移行し、その場から離脱。

 

「危ねぇ……いきなり何だあの帯は」

 

 女が笑う。

 

「あの攻撃を避けるとか化け物じゃない。それにお兄ちゃんとあたしのコンビは最強なんだから」

 

 男に絡みつく。

 

 それを見て、俺は呆れたように言った。

 

「最強って言いながら片方が居ないといけないって、ある程度一人でも戦えろよ」

 

 女は苛立つ。

 

「何よ! あんたの攻撃が効かないのはさっき分かったでしょ!」

 

「確かにな。だが──俺の攻撃はこれだけじゃない」

 

 ドリルロードボトルを取り出し、装填。

 

『ロストドリルクラッシャー』

 

 武器が生成される。

 

 男が突っ込んでくる。

 

「そんなので俺たちを倒せるわけねぇ!」

 

 タイミングを合わせる。

 

 横腹へ叩き込む。

 

 回転するドリルが肉を抉る。

 

 男は吹き飛び、木々をなぎ倒す。

 

「お兄ちゃん!」

 

 女が駆け寄ろうとする。

 

 だが──

 

『ロストドリルブレイク』

 

 必殺技で吹き飛ばす。

 

 それでも、二人は再生し立ち上がる。

 

「理不尽だよなぁ……」

 

「何で攻撃が当たらないのよ!」

 

 俺は静かに答える。

 

「戦いってのはな、当たらないようにしながら当てるもんだ」

 

 そして言い切る。

 

「再生にかまけて、回避を怠ってるだけだ」

 

 沈黙。

 

 そして、反発。

 

「俺達は人間より上だ!」

 

「昔は弄ばれてたのよ!」

 

 叫び。

 

 怒り。

 

 ──理解はできる。

 

 だが。

 

「そうか。それは大変だったな」

 

 俺は淡々と聞く。

 

「それで、お前達の名前は?」

 

「俺は妓夫太郎だぁ」

 

「あたしは堕姫よ」

 

 頷く。

 

「俺の名前はキリト。又の名を仮面ライダーロスト」

 

 静かに構える。

 

「お前達を倒す名前だ」

 

 デビルロストロードボトルを装填。

 

 禍々しいオーラが溢れる。

 

『ロストドリルブレイク』

 

 放たれた一撃は、二人をまとめて飲み込んだ。

 

 次の瞬間。

 

 二人はその場に倒れ、動かなくなった。

 

 俺はゆっくりと歩み寄る。

 

 そして、堕姫の隣に妓夫太郎を寝かせた。

 

「……終わりだ」

 

 短く呟く。

 

 そのまま、俺は廃倉庫へと向かった。

 

 仲間達の元へ。

 

 そして──

 

 次の戦いへ。

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