混血のカレコレとLost evolution   作:Ks5118

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No.29 組織の目論みと悪魔の再誕〈前編〉《修正版》

 霧に包まれた後、俺たちはカゲチヨと合流し、これからの作戦を話し合っていた。

 

「これからどうするかな」

 

 俺が尋ねると、カゲチヨは前に出て言った。

 

「それなら俺が先行する。おやっさん達は俺の後ろをついてきてくれ」

 

 ヒサメは眉をひそめ、少し声を強めた。

 

「何でカゲが前に出るの……自分の身体、もっと大事にしてよ!」

 

「俺なら、不意打ちが来ても死なないからな」

 

「何言ってるのっ……!」

 

 ヒサメの声には怒りと同時に心配が入り混じっていた。拳をぎゅっと握り、目に力をこめて俺を見つめる。

 

 俺はため息をつき、顔を手で覆った。……そして少し間を置いてカゲチヨに向き直る。

 

「カゲチヨ……」

 

 その名前を聞いた瞬間、カゲチヨは一瞬ビクッと体を強張らせた。

 

「お前は不死身だと思っているようだが、俺から言わせれば再生能力が高いだけだ。お前だって死ぬ時は死ぬ。だから、自分のことをもっと大事にしろ」

 

 カゲチヨはうつむき、小さく息をついた。

 

「……わかった、ヒサさっきは死なないとか言ってすまなかった。これからはできるだけ無茶をしないようにする」

 

 ヒサメは肩の力を抜き、柔らかい笑みを浮かべる。

 

「うん、それでいいの。私だって心配してたんだから」

 

 その場には、ほんの少しだけ落ち着いた空気が流れた。

 

 霧の中を進んでいると、「ニャアァ──ッ!」という声が聞こえた。塀の上を見ると、一匹の黒猫がじっとこちらを見つめている。

 

 女子たちは思わず顔をほころばせた。

 

「かわいい……!」

 

「触ってもいい?」

 

「ちょっと待って、抱っこしてみようよ!」

 

 黒猫は軽くしっぽを振り、まるで応えるかのように塀の端へ移動する。女子たちは互いに譲り合いながら、そっと手を伸ばして毛並みをなで始めた。

 

 俺はその光景を見て眉をひそめる。こんな場所に猫がいるのは不自然だと感じ、そっと黒猫を抱き上げた。

 

 女子たちは名残惜しそうに顔を曇らせ、手を伸ばすこともできず少し後ろに下がった。黒猫が抱えられてしまったことに、みんな少し残念そうだ。

 

「なぁ、お前、霧を出している奴を知っているか?」

 

 黒猫はびくっと体をこわばらせ、目をそらしてわざとらしく鳴いた。「ニ、ニャアァ〜〜」

 

 俺はヒサメたちに聞こえないように囁く。

 

「なぁ、お前……おとなしく正体を現せ。俺のペットにマンティコアがおるんだけどな、今は居ない。だがお前が正体を現すまで一緒に暮らしてもらうからな」

 

 すると黒猫は慌て出し、俺の手の中から逃げた。地面に足を付けると、煙を出して褐色の肌に黒い猫耳、三股に分かれた尻尾を持つ女性の姿に変わった。

 

「す、すまんなぁ! 霧を出しておる奴の場所に連れて行く、だから見逃してほしいのじゃ!」

 

 俺とボティス以外の全員は目を見開き、口々に驚きの声をあげた。

 

「ええぇぇ──っ!」

 

 夜一は笑いながら言った。

 

「アッハハハハハ! やっぱりこれが正常じゃのう」

 

 俺はため息をつき、核心に迫る。

 

「それよりも、情報を渡してもらおうかのう」

 

 夜一はうなずき、名乗った。

 

「ワシの名前は夜一じゃ」

 

 九重が目を見開く。

 

「夜一様と言いますと、ここいらでは名の知れた猫魈様では……」

 

 夜一は九重の頭を撫でながら笑った。

 

「おっ! そこの者は博識じゃのう」

 

 ボティスも手を差し出し、握手を交わす。

 

「ワシ、ボティスじゃ。お主とは友人になれそうじゃのう」

 

 夜一も応じた。

 

「ほうっ! ワシもなかなか長く生きておる様じゃのう」

 

 俺は少し焦れったそうに言った。

 

「仲良くなるのはいいが、早めに犯人のところに連れて行ってくれんかのう」

 

 夜一は猫の姿に戻り、道を歩き始めた。俺たちもついて行く。

 

 霧はさらに濃くなり、俺は夜一に尋ねた。

 

「なぁ、このまま着いていけばいいんだよな?」

 

「うむ、このままワシに着いてこれば霧を出しておる奴に会えるのじゃ」

 

 その声は先ほどの女性の声とは打って変わり、低く太いオッサンの声になった。

 

 俺たちは一斉に驚く。

 

「待て待て待てっ! お主、さっきと声が違うのじゃが!」

 

 夜一は楽しそうに笑った。

 

「かっかっかっ、初めて聞けば驚くのも無理はないのう」

 

 俺は首根っこを掴み、少し強めに言った。

 

「あまり舐めておると、潰すぞ」

 

 夜一は殺気の形を見て慌てた。

 

「すまん、正直に言うから許してくれんかのう?」

 

 俺は殺気を少し強めて笑いながら言った。

 

「最初から本当のことを言ってくれればよいのじゃ」

 

 夜一は素直に謝った。

 

「すまんのう」

 

 俺はうなずき、先を急ぐ。

 

「なら、さっさと霧を出しておる奴のところに連れて行け」

 

 夜一はうなずき、案内を始めた。

 

 夜一に案内され、俺たちは霧の中を進んだ。霧はますます濃くなり、視界はほとんどゼロに近い。

 

「なぁ、夜一。このまま着いていれば、霧を出している奴に会えるんだよな?」

 

「うむ、ワシについてこれば間違いなく会えるのじゃ」

 

 夜一の声は、先ほどの女性の声とは打って変わり、低く太いオッサンの声になっていた。俺たちは一斉に驚いた。

 

「待て待て待てっ! お主、さっきと声が違うじゃないか!」

 

 夜一は楽しそうに笑う。

 

「かっかっかっ、初めて聞けば驚くのも無理はないのう」

 

 俺は首根っこを掴み、少し殺気を漂わせて言った。

 

「あまり舐めておると、潰すぞ」

 

 夜一は殺気の形を見て慌て、正直に告げた。

 

「すまん、正直に言うから許してくれんかのう?」

 

 俺は殺気を少し強めながら笑い、言った。

 

「最初から本当のことを言ってくれればよいのじゃ」

 

 夜一は素直に謝った。

 

「すまんのう」

 

 俺はうなずき、先を急ぐ。

 

「なら、さっさと霧を出しておる奴のところに連れて行け」

 

 夜一はうなずき、猫の姿になって先導する。俺たちも後をついて行った。

 

 しばらく進むと、霧はさらに濃くなり、周囲が白く覆われて何も見えなくなった。だが俺は感覚を研ぎ澄まし、霧を操る奴の気配を探る。すると、少し離れた位置で、明らかにこちらを警戒している人物を見つけた。

 

 俺はその人物に向かって駆け寄り、声をかける。

 

「お前が、この霧を出した犯人か?」

 

 相手は慌てて後ずさる。

 

「な、何であの結界を破壊できるんだよっ!」

 

 俺は冷たく答える。

 

「それだけ聞ければいい。それじゃあ、敗者に相応しい結末を見せてやる」

 

 俺は相手を空中に投げ飛ばし、ロストエボルドライバーを腰に装着。フェンリルロストロードボトルとライダーロードボトルを手に取り、変身準備を整える。

 

『Lost EvolDriver』

 

『Fenriru』

 

『Ryder System』

 

『Lost Evolution』

 

『♪ 〜〜〜♪ 〜〜〜』

 

『♪ 〜♪ 〜』

 

『Are You Ready』

 

「変身っ!」

 

『Fenriru Fenriru Lost Fenriru』

 

『ガァーハハハハハハァ!』

 

 変身を終えるとすぐ、必殺技を放つ。

 

『♪ 〜〜〜♪ 〜〜〜』

 

『♪ 〜♪ 〜』

 

『Ready Go』

 

『Lost Tex Finish』

 

『Ciao』

 

 俺は拳を上空に振り上げ、上層気流を作り出す。霧はその気流に飲まれ、裏京都の姿が視界に現れた。少し離れた場所で、霧の操作をしていた敵が驚いた顔をしてこちらを見ている。

 

「お前が、この霧を出した犯人だな?」

 

 相手は青ざめ、必死に抗議した。

 

「な、何で結界を……」

 

 俺は冷酷に答える。

 

「それだけ聞ければ充分だ。さぁ、終わりを見せてやる」

 

 そして再びレバーを回し、上空から飛びかかる。ヒサメとカゲチヨが止めに入ろうとしたが、俺は制止する。

 

「ダメだ──っ!」

 

『Ready Go』

 

『Lost Tex Finish』

 

『Ciao』

 

 霧を出していた犯人は、俺の力によって消滅した。

 

 空から着地した俺を、九重と夜一が見上げる。

 

「キリト様、何故あの者を殺したのですか?」

 

「殺す必要はなかったはずじゃ」

 

 俺は彼らに向かって言った。

 

「それじゃあ何だ、あいつを倒しても、見逃してまた同じことをするかもしれんだろ。それにヒサメたちに渡した武器も同じだ。もし嫌なら返せ」

 

 ヒサメたちは渋々、ロストスチームブレードとロストスチームガンを取り出し、俺に渡してきた。俺はそれを受け取り、その場で破壊する。三人は名残惜しそうに見ていたが、俺は構わず次の忠告をカゲチヨに言った。

 

「カゲチヨ、これは忠告だ。これから先、こいつは殺せないと思ってはいけない敵に会うことになる。その時、お前はその考えのまま仲間を守れるのか?」

 

 カゲチヨはうっ、と言って後ろに下がるが、俺は気にせず夜一に言った。

 

「案内してくれてありがとう。俺たちはもう行く」

 

 暗い顔をしているカゲチヨを連れ、先に進もうとすると、夜一が言った。

 

「待て、お主らに着いて行く方が面白そうじゃ」

 

 ボティスはにやりと笑う。

 

「ほお! お主、どこまで戦えるのかのう?」

 

 夜一は笑いながら答える。

 

「ワシの実力はそこの小娘が知っておろう。其奴に聞けばよい」

 

 俺は小さくうなずく。

 

「わかった。これからよろしくな」

 

 夜一を加えて、俺たちは先へ進んだ。

 

 道中、俺は夜一に尋ねた。

 

「そういえば、夜一、何であそこにいたんだ?」

 

 夜一は少し困ったように答える。

 

「ワシも最初はお主たちの足止めをしようと思ったのじゃが、お主の殺気に負けたのじゃ。此奴だけには勝てぬと思ったのじゃ。じゃからワシはお主側につくことにしたのじゃ」

 

 俺はうなずき、続けて尋ねた。

 

「それなら、八坂の居る場所も知っているか? それと何故、八坂を攫ったのかも」

 

 夜一は正直に答える。

 

「まず、ワシは八坂の監禁場所を知っておる。そして、何故攫われたかと言うと、彼奴の力を使い、人類以外の者を皆殺しにするためじゃ」

 

 九重は震える声で聞いた。

 

「そ、その様な理由で母を攫ったのですか……?」

 

 夜一は首をかしげる。

 

「ワシとて、その理由を聞いた後では忠誠心が弱まった。じゃから時を見て八坂を救おうとも思ったのじゃが、ワシも人質を取られておったのじゃ」

 

 俺はさらに確認する。

 

「その人質は家族なのか?」

 

 夜一は首を横に振る。

 

「彼奴は、浦原は、ワシの唯一の人間の友なのじゃ」

 

 俺は決意を固める。

 

「なら、そいつも救わないとな」

 

 夜一は目を見開き、驚いた。

 

「それはまことか? 助けてくれるのか? 敵であったワシの友を?」

 

 俺は力強く答えた。

 

「その代わり、八坂を絶対に救ってやる。俺は浦原って奴を救ってくる。浦原のいる場所を教えてくれ」

 

 夜一は地図に浦原の居場所を書き込み、俺はボティスと共にその場所に向かって歩き始めた。

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