混血のカレコレとLost evolution   作:Ks5118

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No.30 組織の目論みと悪魔の再誕〈後編〉《修正版》

 キリトside

 

 霧の夜、俺はカゲチヨたちと別れ、夜一に紹介された場所へ向かっていた。街は霧に包まれ、街灯の柔らかい光が揺れる。路地を進む足音だけが響き、普段なら落ち着く夜も、今は何かが潜んでいるような不穏な気配を帯びていた。

 

「何故あの者の願いを聞き届けたのだ?」

 

 背後から、年寄りじみた声が響く。振り返ると、ボティスがいつもののじゃ口調で問いかけてきた。

 

「別に、ただ大切な奴が死ぬのは誰でも嫌だろう」

 

 俺は肩をすくめる。するとボティスはケッハッハッハッハッハッと笑った。

 

「娘たちの目の前で敵を容赦なく殺したお主が言うか」

 

「まぁ、その通りだけどな。俺にだってやりたいこととやりたくないことはある」

 

 霧の街を進む俺の前に、夜一が示した店が現れる。古めかしい商店街の一角にあり、どこか懐かしい匂いが漂う。俺は腰からドライバーを取り出し、その冷たい金属の感触に緊張が走る。

 

『Drake』

 

『Ryder System』

 

『Lost Evolution』

 

『♪ 〜〜〜♪ 〜〜〜』

 

『Are You Ready?』

 

「変身」

 

『Drake〜! Drake〜! Lost Drake〜! ガァーハッハッハッハッハッハァ!』

 

 光が眩く瞬き、俺を包み込む。拳を結界に叩き込むと、ヒビが一筋走る。その瞬間、店の奥から声が響いた。

 

「ちょっとちょっと、いきなり何してくれるんですか!」

 

 お窯帽をかぶった、どこか胡散臭い男が現れる。腰には見慣れない装備があり、警戒心が一気に高まった。俺は問いかける。

 

「お前が夜一の友達か?」

 

「おぉぉ、夜一さんの知り合いでしたかぁ。いやぁ、突然襲われたもので、やっとのことで自分の店に入り結界を張ったのですがね、貴方のせいでヒビが入ってしまいましたよ。あっ、私の名前は浦原と言います。どうぞよろしく」

 

 男は言いながら俺の身体を弄る。ボティスは眉をひそめて尋ねる。

 

「お主、いつもこの様なことをしておるのか?」

 

「貴方も、夜一さんと同じ喋り方ですね」

 

 浦原は俺達の質問に答えず、得意げに笑う。俺は思わず拳を飛ばした。

 

「少しは人の話を聞けっ!」

 

 浦原はぐぅおぉぉぉっと呻くが、言葉を返せなくなる。俺は続ける。

 

「とりあえず、お前は俺と一緒に来い。店の方はこの騒動が終わったら何か買ってやるから許せ」

 

 こうして浦原を連れて、俺は夜一達の元へ戻った。霧は濃く、街灯の光が影を引き伸ばす。俺は常に周囲に注意を払いながら歩いた。

 

 キリトside out

 

 カゲチヨside

 

 おやっさんと離れた俺たちは、夜一さんに連れられ、八坂さんのいる城に到着していた。夜一さんは慎重に歩みながらも、普段通りの微笑を浮かべる。その姿に少し安心する俺たち。

 

「夜一さん、大丈夫かな……」

 

 ヒサが小声で呟く。俺も心配だったが、夜一さんの微笑みに少し安心を覚えた。だが、城に着いた瞬間、轟音が響いた。

 

『ドッカァァァ──ッン』

 

 城の一部が崩れ落ちる。俺たちは素早く身を伏せ、人目につかない場所に隠れる。敵に発見されぬよう慎重に距離を取り、数分後、夜一さんが着物の塊を抱えて現れた。

 

「こやつが、この裏京都の頭領の八坂じゃ。これでお主達に渡したし、ワシはこの場から離れる。お主達も早めに離れるのじゃぞ」

 

 夜一さんは告げると霧の中に消えた。俺たちは残された着物の塊を抱え、安全な場所へ急ぐ。途中、幾つかの敵が現れたが、俺たちは咄嗟に戦う。

 

「じゃぁまぁ──ーっ!」

 

「どけろぉ──ーっ!」

 

「カゲチヨも戦ってください!」

 

「わぁーたよぉー!」

 

「イィィヤァァ──ッ!」

 

「えーいっ!」

 

 互いに声を掛け合い、必死に戦いながら進む。八坂さんを抱えたヒサメも、恐怖に震えながらも戦う。その姿を見て、俺は胸の奥で決意を固めた。

 

 やがて、おやっさんとの合流地点が見える。先に到着していた夜一さんと、胡散臭い男、ボティスが俺たちを待っている。ヒサメたちは先に到着し、俺は慎重に最後尾で進む。

 

「やっと着いたか……」

 

 俺は息を整え、仲間たちの無事を確認する。だが、視界の端に敵の気配を察知する。

 

「おっと、そいつを連れていかれちゃぁ、困るな」

 

 前方から声が響き、ローブを巻いた男が立ちはだかる。その姿を見た九重が指差した。

 

「あ、あの者です。あの者が母を攫った犯人です」

 

 九重は顔を赤らめ、慌てて訂正した。

 

「嘘ついてすみません。実は母が連れ去られるところを見ていました」

 

 俺は深く息をつき、男を睨む。

 

「お前が八坂を攫ったんだな?」

 

 男は冷たく笑う。

 

「そうだ。そいつの妖力を使って、この世界を人間が頂点に立たせるためだ。お前たちは邪魔だ」

 

 男は腰の装備を操作し、攻撃の準備を整える。俺たちは即座に戦闘態勢に入る。城の石畳に足を踏みしめ、仲間たちと目を合わせ、合図を送る。

 

「気を抜くな!」

 

「了解!」

 

 敵の攻撃が迫る。俺は身を翻して防ぎ、連携で反撃する。ヒサメやカゲチヨと共に八坂さんを守りながら、敵の動きを封じる。

 

「まだだ……! 守り抜くぞ!」

 

 霧の中、俺たちは信頼と連携で一つのチームとして戦う。敵が一瞬でも止まった隙に、俺は突撃し、鎖やロープで動きを封じる。

 

「くっ……何故お前たちがここまで……!」

 

 敵は呻くが、俺たちは止まらない。八坂さんの安全を最優先に、仲間たちと共に城の奥へ押し進む。

 

 戦場が落ち着きを取り戻すと、敵の退路を塞ぎ、一時的に安全圏を確保できた。俺たちは息を整え、互いの無事を確認する。八坂さんはまだ震えているが、少し安心した表情を見せた。

 

「よし、これで一段落だな」

 

 俺は拳を握り、仲間たちに視線を向ける。カゲチヨたちも疲労の色を見せながらも、達成感のある表情を浮かべていた。

 

 カゲチヨside out

 

 キリトside

 

「お前ら、コイツは俺が引き受ける! だから彼女を早く連れてけ!」

 

 ヒサメたちは渋々、八坂を抱えて後方へ下がる。俺は前に出て、敵と対峙した。相手は腰から見慣れないスクラッシュドライバーを取り出し、変身の準備をしている。

 

『Danger』

 

『Basilisk!』

 

『♪ 〜〜♪ 〜〜』

 

 紫色の液体がビーカーに満たされ、男の身体を覆い始める。次の瞬間、蛇のような鎧が彼を包み込み、変身が完了した。

 

「俺の名はヴェノム、仮面ライダーヴェノムだっ!」

 

「コイツらを渡すわけにはいかない!」

 

 俺は腰に装着したロストエボルドライバーから音を鳴らす。

 

『Lost Evol Driver』

 

「暴走する前に終わらす」

 

 デビルロストロードボトルを取り出し、ドライバーに装填。レバーを回すと、音楽が鳴り響く。

 

『Devil』

 

『Ryder System』

 

『Lost Evolution』

 

『♪ 〜〜〜♪ 〜〜〜』

 

 前方に手を軽く伸ばす。

 

『♪ 〜♪ 〜』

 

『Are You Ready?』

 

「変身」

 

『Devil〜! Devil〜! LostDevil〜!』

 

『ガァーハッハッハッハッハッハァ!』

 

 俺の身体が紫の装甲に包まれ、力が漲る。ヴェノムが怒声を上げて突進してくる。拳を構え、俺はすばやく回避。

 

「お前こそ、戦闘を知らないからじゃないのか? 俺は命をかけて戦っている、だがお前は有利だから戦っているだけだ、違うか?」

 

 図星をつかれたヴェノムは苦悶の声をあげ、次の攻撃の態勢に入る。しかし俺は一瞬の隙を逃さず、回し蹴りを浴びせた。ヴェノムは変身解除され、転がる。

 

「グハァッ! な、何故だっ! 何故この俺が倒れているんだっ!」

 

「そんなのお前が弱いからだ。それと、お前が持つロードボトルとロストロードボトルをよこせ」

 

 ヴェノムは唸りながらも抵抗する。

 

「ふんっ! その様なことを言われようとも渡すわけがないだろう」

 

 俺はロストスチームガンを構え、額に狙いを定める。

 

『バァンッ!』

 

 額に銃声が響き、物言わぬ死体がそこに転がる。周囲には、ただ彼が来ていた服だけが残った。

 

 俺は息を整え、仲間たちの安否を確認する。八坂たちも無事で、街は一時的な静寂に包まれた。

 

「よし、これで一段落だな」

 

 仲間たちに視線を送ると、カゲチヨたちも疲労の色を見せながらも達成感に満ちている。

 

 キリトside out

 

 カゲチヨside

 

 戦いの余波で城の石畳は砕け、瓦礫が散乱している。俺たちは夜一さんの言いつけを胸に、八坂を抱えながら慎重に進む。

 

「夜一さん、無事に逃げられたかな……」

 

 ヒサが小さな声で呟く。霧の中で視界は悪く、ほんのわずかな物音にも神経が張り詰める。

 

「気を抜くな、奴らはまだ追ってくるかもしれん」

 

 俺は咄嗟に木の陰に隠れ、周囲を警戒する。八坂は震えながらも、俺の背にしがみつくようにしている。

 

「カゲチヨも戦ってください!」

 

 後方からヒサメの声が響き、俺たちは互いに目配せをする。無駄な戦闘は避けつつ、八坂の安全を最優先に行動するのだ。

 

 霧の中、突然の気配。斬撃や矢の音が辺りに飛ぶ。俺たちは素早く身を翻し、敵の攻撃をかわす。

 

「えーいっ!」

 

「どけろぉ──ーっ!」

 

「わぁーたよぉー!」

 

「イィィヤァァ──ッ!」

 

 互いに声を掛け合い、瓦礫を盾にしながら進む。八坂は震えながらも、俺たちの腕の中で少しずつ落ち着きを取り戻していった。

 

 やがて、合流地点が見えてきた。夜一さんとキリト、ボティス、そして浦原もすでに到着している。ヒサメたちも無事で、安心の色が仲間たちの顔に広がる。

 

「よし、全員揃ったな」

 

 俺は息を整え、八坂をそっと地面に下ろす。周囲を警戒しながら、俺たちは次の行動を考える。敵が再び襲ってくる前に、安全な場所へ移動しなければならない。

 

「さぁ、行くぞ!」

 

 八坂やヒサメたちを中心に、俺たちは街の狭い路地を縫うように移動する。霧は濃いが、仲間たちと一緒なら恐れることはない。

 

 前方ではキリトがロストデビルの力を駆使して、追ってくる敵を制圧してくれている。轟音と共に敵が吹き飛ばされ、前方は一時的に安全が確保される。

 

「俺の娘を馬鹿にするな!」

 

 キリトの怒声と共に、強烈な攻撃音が響き、敵の動きは完全に封じられる。俺たちはその隙に八坂とヒサメたちを連れて、街の奥へと進む。

 

「ここまで来れば大丈夫か……?」

 

 ヒサが八坂を抱き、ほっと息をつく。俺たちは互いに目を合わせ、無事を確認する。戦いの余韻で疲労はあるが、安心感に包まれた空気が辺りを満たす。

 

「よし、ここからは俺たちが守る。ゆっくり進め」

 

 俺は仲間たちに声をかけ、八坂を抱えるヒサメを先導する。夜一さんやキリト、ボティスもそれぞれ警戒しながら後方と側面を固める。

 

 霧の街を抜け、静かな路地に差し掛かると、徐々に安全圏に入ったことが分かる。瓦礫の残る街を後にし、俺たちは一息つく。

 

「ふぅ……これでひとまず、落ち着けるな」

 

 ヒサは疲れきった表情で八坂を抱き、少し安心した笑みを見せる。俺たちも肩の力を抜き、静かに呼吸を整える。

 

 だが、戦いはまだ終わらない。夜一さんは霧の中で微笑みながら、我々に合図を送る。これから先も、決して油断はできない。しかし、今は一瞬でも安らぎを感じることができる。

 

「よし、これで全員無事だ。次の安全な場所へ向かおう」

 

 俺たちは互いに目配せし、八坂とヒサメを守りながら、静かに街の奥へと歩を進めた。

 

 カゲチヨside out





 次回のネタを募集します。来月までに選び投稿します。
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