混血のカレコレとLost evolution   作:Ks5118

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 本編投稿が遅れて申し訳ありません。次回が最終回ですが、その前にまた間幕をやって終わろうと思います。


No.39 帰還と瞬きの休暇〈修正版〉

 旅行から帰って数日後。

 

 キリトの家のポストに、一通の封筒が入っていた。

 

 やたらと装飾が多く、無駄にキラキラしている。

 

(……なんだこれ)

 

 嫌な予感しかしないまま、封を切る。

 

 中には手紙とチケット。

 

 チケットの文字を見た瞬間、キリトの表情がわずかに歪んだ。

 

「ミレディーホテル」

 

(……またかよ)

 

 手紙を開く。

 

《ワクドキ! おいでませ! ミレディーホテルッ!》

 

 この時点で閉じたくなった。

 

《あはっ! お久しぶりぃ〜っ! この前、来てくれてありがとおぉ〜! 君たちって何でも屋なんだってぇ〜? もしそうなら、私達の依頼、受けてよ〜! お礼は〜、ミレディちゃんのあつ〜いキッ》

 

 ──グシャッ。

 

 キリトは無言で手紙を握り潰した。

 

(最後まで読む必要はないな)

 

 すぐにカゲチヨへ連絡を入れる。

 

「依頼だ」

 

「マジっすか……またあのホテルっすか?」

 

「ああ」

 

「この前行ったばっかじゃないですか」

 

(それは俺も思ってる)

 

「仕事だ。行くぞ」

 

 ヒサメたちにも話すと、案の定全員ついてくることになった。

 

(……まぁ、そうなるよな)

 

 京都、ミレディーホテル。

 

 中に入ると──

 

 支配人が土下座していた。

 

「いやぁ〜! 本当にすみませんでしたぁ〜!」

 

(……帰るか)

 

 一瞬、本気でそう思う。

 

 事情説明。

 

 昔ヤンチャしていたこと。

 

 敵に場所がバレたこと。

 

 襲撃される可能性。

 

 報酬。

 

 スイートルーム。

 

 アーティファクト。

 

 情報。

 

 カンナが即食いつく。

 

「え、スイートルーム? ジャグジーある?」

 

「ありますよぉ〜!」

 

「じゃあやる。アーシそれ目的でもいいレベルなんだけど」

 

(軽いな……)

 

 キリトはため息を一つ。

 

「……受ける」

 

 その瞬間、支配人が飛びかかる。

 

 ──バキッ。

 

 アイアンクロー。

 

「イダダダダダッ!!!」

 

(やっぱ帰りたいな……)

 

 そして──問題の話。

 

「……それで、その襲撃者は?」

 

 支配人が妙な顔をする。

 

「その組織なんですがぁ……昔、俺が壊滅させたまったんだよなぁ……あ、あははは」

 

「……は?」

 

(俺が潰した?)

 

 説明を聞いた瞬間、記憶が繋がる。

 

(……あぁ、あれか)

 

「俺が潰した組織の残党だ」

 

 カンナがすぐ反応。

 

「え、ちょっと待ってアーシ初耳なんだけど。一人でってマジ?」

 

「ああ」

 

「いやサラッと言うなって!」

 

 だが──

 

 結果的に、その襲撃は来なかった。

 

 理由は単純。

 

 キリトが“元を完全に潰しすぎていた”からだ。

 

 残党は存在していたが、統率も力もなく、襲撃どころではなかった。

 

 数時間後。

 

 ロビー。

 

 カンナがソファに寝転がりながら言う。

 

「……来なくね?」

 

 フィーアが静かに答える。

 

「来ませんね」

 

 カゲチヨが腕を組む。

 

「これ……もう終わってるんじゃないっすか?」

 

 ヒサメがキリトを見る。

 

「お父さん……」

 

 キリトは外を見たまま答えた。

 

「……来ないな」

 

(完全に潰しすぎたか)

 

 支配人が慌ててやってくる。

 

「えぇ〜っとぉ……そのぉ……来ないみたいでぇ……」

 

「そうか」

 

「で、でもぉ! 依頼は依頼なのでぇ!」

 

 キリトは小さく息を吐いた。

 

(まぁいいか)

 

 その後。

 

 完全に──オフになった。

 

 スイートルーム。

 

 カンナがドアを開けた瞬間、テンションが爆発する。

 

「うわっ、広っ!? やばっ! アーシここ住めるんだけど!」

 

 ベッドにダイブ。

 

「ふわっ!? 何これ柔らかっ!」

 

 ヒサメは苦笑。

 

「カンナちゃん、はしゃぎすぎ……」

 

 フィーアは静かに部屋を見回す。

 

「……確かに、すごいですね」

 

 ジャグジー。

 

「うわぁぁぁぁ! マジであるじゃん!」

 

 カンナが即飛び込もうとする。

 

「ちょっと待て」

 

 キリトが止める。

 

「風呂くらい順番守れ」

 

「え〜ケチ〜」

 

 レストラン。

 

 豪華な料理が並ぶ。

 

「……これは、すごいな」

 

 カゲチヨが素直に感心する。

 

「でしょぉ〜?」と支配人。

 

「うまっ! これうまっ!」

 

 カンナはすでに食べている。

 

「アーシこれ一生食えるんだけど」

 

 夜。

 

 それぞれがくつろぐ中。

 

 キリトは窓際に立っていた。

 

 外の夜景を見ながら、静かに思う。

 

(……まぁ、こういうのも悪くないか)

 

 戦いはなかった。

 

 だが──

 

 平和だった。

 

 それだけで十分だった。

 

 数日後。

 

 ホテルを後にする一行。

 

 支配人が手を振る。

 

「また来てねぇ〜!」

 

 キリトは振り返らずに言う。

 

「依頼がまともならな」

 

 カンナが笑う。

 

「いや普通にまた来たいんだけどアーシ」

 

 こうして。

 

 戦いのない依頼は終わった。

 

 京都、ミレディーホテル。

 

 依頼として訪れたはずの場所は、結果として──

 

「ただの高級ホテル滞在」になっていた。

 

 ロビー。

 

 豪華なシャンデリアが光を反射し、磨き上げられた床が景色を映している。

 

 そんな中、カンナは遠慮なくソファに寝転がっていた。

 

「……ねぇ、やっぱ来なくね?」

 

 気の抜けた声。

 

 フィーアが静かに紅茶を口に運びながら答える。

 

「ええ、現時点では気配すらありません」

 

 カゲチヨが腕を組んで苦笑する。

 

「これ、完全におやっさんがやりすぎたパターンっすね」

 

 少し離れた場所で外を見ていたキリトは、短く答えた。

 

「……その可能性は高い」

 

(完全に潰したつもりだったが……ここまでとはな)

 

 ヒサメが近づいてくる。

 

「お父さん、大丈夫?」

 

「ああ。問題ない」

 

 そう言いながらも、視線は外のまま。

 

(違和感は……ないな)

 

 敵の気配も、異常もない。

 

 ただ──平和だった。

 

 数時間後。

 

 完全に緊張感は消えていた。

 

 スイートルーム。

 

 ドアが開いた瞬間、カンナのテンションが爆発する。

 

「うわっ、広っっ!? なにこれ、ホテルってレベルじゃなくない!?」

 

 走り回る。

 

「ちょ、見て! このソファふかっ!」

 

 そのままダイブ。

 

「やば、沈むんだけどこれ! アーシここ住めるわ普通に!」

 

 ヒサメが苦笑する。

 

「カンナちゃん、はしゃぎすぎだよ……」

 

 フィーアは静かに部屋を見回していた。

 

「……落ち着いた空間ですね。嫌いではありません」

 

 カゲチヨは天井を見上げる。

 

「いやマジで高級っすねここ……」

 

 キリトは一歩遅れて部屋に入る。

 

 全体を一瞥。

 

(……確かに、悪くない)

 

 ジャグジー。

 

 カンナはすでに浴室の前にいた。

 

「ねぇこれ絶対入るやつでしょ」

 

 扉を開ける。

 

「うわぁぁぁ! マジであるじゃん!」

 

 テンションがさらに上がる。

 

「アーシ一番乗りでいい?」

 

「ダメだ」

 

 即答。

 

「え〜なんで?」

 

「順番だ」

 

 カンナは頬を膨らませる。

 

「ケチ〜」

 

(こういうところは子供だな)

 

 夕食。

 

 ホテルのレストラン。

 

 料理が運ばれてくるたびに、全員の視線が集まる。

 

 カゲチヨが一口食べて、固まる。

 

「……うま」

 

 ヒサメも目を見開く。

 

「これ……すごいね」

 

 カンナはすでに食べ続けていた。

 

「いやこれヤバいって! アーシこれ無限に食える!」

 

 次々と皿を空にしていく。

 

 フィーアは静かに頷く。

 

「確かに……質が高いですね」

 

 支配人がどこからか現れる。

 

「どうですかぁ〜? 自慢の料理なんですよぉ〜!」

 

 キリトは一口食べて、短く答える。

 

「……悪くない」

 

 それだけだったが、支配人は満足そうに笑った。

 

 夜。

 

 それぞれが部屋でくつろぐ中。

 

 キリトは一人、窓際に立っていた。

 

 夜景が広がる。

 

 静かな街。

 

(……本当に、何も起きないな)

 

 依頼として来た。

 

 だが戦いはない。

 

 緊張もない。

 

 ただの──休息。

 

(……たまには、こういうのもいいか)

 

 その時。

 

 背後から声。

 

「お父さん」

 

 ヒサメだった。

 

「どうした」

 

「……無理してない?」

 

 キリトは少しだけ間を置いた。

 

(無理、か)

 

「していない」

 

 短く答える。

 

 ヒサメは少しだけ安心したように微笑んだ。

 

 翌日。

 

 ロビー。

 

 カンナはジュースを飲みながら言う。

 

「いや〜、完全に旅行じゃんこれ」

 

 カゲチヨが笑う。

 

「依頼とは何だったのか、っすね」

 

 フィーアが静かに言う。

 

「ですが……平和なのは良いことです」

 

 キリトはそれを聞きながら、外を見た。

 

(……ああ)

 

 数日後。

 

 チェックアウト。

 

 支配人が大きく手を振る。

 

「また来てねぇ〜!」

 

 キリトは振り返らずに言う。

 

「依頼がまともならな」

 

 カンナが笑いながら続く。

 

「いや普通にまた来るわアーシ!」

 

 こうして。

 

 戦いのない依頼は終わった。

 

 だが──

 

 その時間は確かに、彼らにとって意味のあるものだった。

 

(……次は、どうなるか)

 

 ??? side

 

 壊れた工場跡。

 

 鉄骨は歪み、壁は崩れ落ち、かつての面影はない。

 

 だが、その奥──

 

 広い空間には、異様なほどの人数が集まっていた。

 

 ざわめき。

 

 低く、不気味な熱気。

 

 その中心。

 

 祭壇の上へ、一人の男がゆっくりと歩み出る。

 

 その腰には、エボラドライバー。

 

 手に握られているのは──ハザードトリガー。

 

 男はそれを見つめ、わずかに笑った。

 

『さぁ、実験を始めよぉ』

 

 次の瞬間。

 

 親指でボタンを押し込む。

 

『Hazard.ON!』

 

 乾いた機械音が空間に響く。

 

 そのまま──

 

 ハザードトリガーをドライバーへ装着。

 

『カチャカチャカチャ』

 

 続けて取り出されるボトル。

 

 グレートコブラエボルボトル。

 

 振る。

 

 内部の液体が禍々しく揺れる。

 

 それをグレートクローズドラゴンへ装填。

 

 さらにドライバーへ。

 

 空気が一変する。

 

『Great Cross-Z Dragon』

 

『Super Evol Match!』

 

『ドンテンカン! ドンテンカン!』

 

『ガタガタ! ゴットン! ズッタンズタン! ガタガタ! ゴットン! ズッタンズタン!』

 

『Are You Ready? Over flow』

 

『Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! An Control switch! Black hazard! ヤベェーイ! ブラブラブラブラブゥラァ!』

 

 爆発的なエネルギー。

 

 黒と紅が渦巻き、煙が噴き上がる。

 

 その中心から現れたのは──

 

 仮面ライダー ブラッドプライムローグ。

 

 ゆっくりと両手を広げる。

 

 まるで世界を支配するかのように。

 

『変身完了……さて』

 

 一歩踏み出す。

 

『パネルを頂きに参りましょうか。ねぇ、皆さん?』

 

「「「「「うおぉぉぉ──────ーっ!!!」」」」」

 

 群衆が一斉にネビュラスチームガンを構える。

 

『Gear Engine』

 

『Gear Remocon』

 

『Funky Match! Fever!』

 

『Perfect!』

 

 煙が包み込む。

 

 そして現れる──

 

 バイカイザー。

 

 ヘルブロス。

 

 無数の軍勢。

 

 男はそれを見下ろし、静かに告げた。

 

『それでは──』

 

 腕を上げる。

 

『進軍開始!』

 

 重い足音。

 

 一斉に動き出す軍勢。

 

 その進行方向はただ一つ。

 

 ──キリトの住む街。

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