混血のカレコレとLost evolution   作:Ks5118

51 / 55
No.41 究極の形態と最後の敵〈後編〉《修正版》

「ふざけるなぁ!」

 

 その声が渓谷に轟く。ブラッドプライムローグは周囲のバイカイザー達を巻き込みながら俺に向かって突進してくる。俺は瞬時に横に逸れ、左腕を掴んだまま地面に叩きつけ、拘束する。

 

「俺はキルバスやエボルトと喧嘩したことはあるが、ブラッド星で戦ったことはない!」

 

「そうだろう。だが、俺の親が死んだのは名もない星でのことだ!」

 

「名もない星……?」

 

 その言葉に、数百年前の記憶がフラッシュバックする。

 

 ──数百年前、名もない星──

 

『いい加減にしろよっ! 愚弟どもっ!』

 

『ハッハァ! そんなに怒んなよ、兄ちゃん。別に良いだろ?』

 

『そうだぞ、俺達は兄貴の保持している星だとは知らなかったんだから』

 

 エボルトとキルバスは、ロストルが育てていた星々を勝手に喰らい尽くしていた。怒りに燃えるロストルは、名もない星に二人を連れて行き、戦いを挑む。

 

『それで、はいそうですかって言えるわけねぇだろうがぁっ!』

 

『ヤベェ、こりゃあ本気だぁ』

 

『俺は巻き込まれたくはないな』

 

 ロストルの攻撃を避けたエボルトは距離を取り、瞬間移動で逃げる。

 

『っ! 待てぇ、エボルトッ!』

 

『Ciao』

 

『くっ、たく、あの野郎……』

 

『それじゃあ、俺も』

 

 キルバスも逃げようとしたが、ロストルが肩を掴み防ぐ。

 

『ハッ、ハハッ』

 

『一辺死んで来いっ!』

 

《Ragnarok Tex Over Finish!》

 

《Ciao!》

 

『グワァ────ーッ!』

 

 必殺技の余波で、キルバスは銀河系の外へ吹き飛ばされる。名もない星は何もなく、ただ消滅した。

 

 ──現代、渓谷──

 

「ま、まさかっ! あの時に居たのか⁈」

 

 俺は、あの時戦っていた星にブラッド族がいたことを思い出す。

 

 [何やってんだよ、ロストル]

 

 ブラッドは俺の拘束から抜け出し、距離を取る。

 

「そうだ、俺はあの時、お前達のせいで親を失ったブラッド族だ! さらには、お前達のせいでブラッド星は滅んでしまった! 俺はお前達の王族を許せなくなった。だから一度、パンドラボックスを手にして、別の地球でブラッド星を復活させようとした。だが、エボルトにより負けた。ならば……王がいないこの地球でやろうとした時、お前が現れた。お前を倒してパネルを奪おうとしたが、全ての刺客は倒され、俺自身が出た。しかしお前は俺を忘れ、憐れみやがった。それが許せなかった。だから手下を引き連れ、お前と家族を殺しに来たのに、この始末だ!」

 

 その怒りに満ちた告白と共に、ブラッドは殴りかかる。俺は攻撃を交わし、隙を窺う。

 

「お父さんっ!」

 

 声が渓谷に響く。街に戻ったはずのオーナーと、カゲチヨ、ヒサメ、シディ、カンナ、フィーアが捕まっており、ボティスには風魔の首輪が巻かれていた。

 

「何やってんだお前ら? どうしてここに⁈」

 

「だって……お父さんがどこかに行くかと思って」

 

「すまない、私は止めたのだが」

 

「おやっさん! 何で俺たちを置いていったんだ!」

 

「お前達が居たら、コイツらの人質になる。それにここから先は、俺の戦う場所のことだ」

 

「そんなの関係ないよっ!」

 

「そうだよ! アーシ達だって強くなったんだから!」

 

「今捕まっているだろ」

 

「……あまり責めてやるな」

 

 俺は仲間達の顔を見る。恐怖と緊張、でも確かな意志が瞳に宿っている。

 

 ヒサメ達を逃す

 

「今だ、逃げろ!」

 

 ヒサメは抗うが、俺は彼女に手を添えて押しながら言う。

 

「俺を信じろ、必ず戻る」

 

 カゲチヨがヒサメを抱え、シディやカンナたちも仲間を守りながら街の方へ駆け出す。砂塵を巻き上げ、渓谷の縁を越えていく。

 

 俺の視線は彼らを追いながら、覚悟を決める。家族、仲間、世界──守るべきもののため、全力で立ち向かう。

 

「ここから先は、行かせねぇぞ」

 

 胸のロストパンドラパネル(黒)に、初期から持つ12本のロードボトルを装着する。ボトルがパネルに装着されると、紫色のエネルギーがパネル内で反応し、全身を駆け巡る。

 

『Over Over the Ragnarok Evolution!』

 

『〜〜〜♪ 〜〜〜♪』

 

『Ready GO!』

 

『Fever Flow!』

 

「フェーズファイナル」

 

 パネルに付いたロードボトルの力が融合し、紫の光が渓谷に渦巻く。頭部の角、肩の蛇頭装甲、足首の装甲が現れ、全身がエボルト怪人態(最終形態)に似た姿に変化する。

 

「家族を人質にしてしまったせいで、ハザードレベルが上がったか」

 

「そうだな、これで俺のハザードレベルは10だ。俺の家族に手を出したんだ、さぁ終焉を始めようか」

 

 ブラッドは俺の前に立ちはだかり、拳を握りしめる。その瞳には復讐だけでなく、ブラッド族を復活させようという熱意が渦巻いていた。

 

「今のお前を倒せば、俺はブラッド族の王になれる! エボルトやキルバスより強いお前を殺せば!」

 

「そんな簡単じゃねぇんだがな」

 

「だが、お前を倒せば、エボルトやキルバスより強いと言う事だろう」

 

「そうだが、今のお前じゃエボルトはともかく、俺やキルバスには勝てねぇぞ」

 

「ダマレェ──ーッ!」

 

 その咆哮と共にブラッドは突進してきた。俺はすぐにレバーを回す。胸のパネルにロードボトルを装着した力を解放する。

 

『Ready GO!』

 

『Ragnarok Tex Finish!』

 

『Ciao!』

 

 必殺技の衝撃が渓谷に響き、ブラッドの体を吹き飛ばす。紫の光が散り、砂塵と岩が空中に舞う。

 

「ちく……しょう、お前……さえ……居な……ければ、グワァ────ーッ!」

 

 〈チュドォ────ーンッ! 〉

 

 ブラッドの体が爆散し、渓谷に静寂が戻る。しかし、その瞬間、残存していたバイカイザーやヘルブロス達が動き出す。

 

「逃す訳、ねぇだろうがぁ!」

 

 俺は空間転移を使い、残った敵たちの間に立つ。バイカイザーやヘルブロスが逃げようとした瞬間、蹴りや投げ技で道を塞ぐ。渓谷の岩壁に当たる衝撃が、さらに砂塵を巻き上げる。

 

 その混戦の中、突然、大量の敵が吹き飛ぶ。

 

「すまん、遅ぉなった」

 

 死神ゲデとサトウ、スズキが姿を現す。

 

「な、何でお前らがここに?」

 

「あ? んなもん、仲間を助けに来たからだが?」

 

「いやだって……私たち、サトウ君達と余り会わないし……」

 

「アーシもかなり迷惑かけたし……」

 

「俺も不甲斐なく思います……」

 

「そんなの気にしなくて良いって」

 

「俺達は、お前達を救いたくなっただけだ」

 

 スズキの言葉に少しだけ渓谷に温かさが戻る。ボティスがゲデを見て尋ねる。

 

「それに、お主はゲデとか言うたな、何故お主まで?」

 

「ん? あぁ、俺かてキリトちゃんの友人やで。友達が困ってはったら助けるのが当然やろ、それにな」

 

 ゲデは息を整え、刀を敵たちに向ける。

 

「俺は、アンさんらの殺しも請け負ってんのや」

 

 その衝撃的な言葉に、俺は思わず息を飲む。

 

「それは……どういう事だ?」

 

「キリトちゃんが相手してった奴さんは、本来ならとぉに死んでおる存在なんや」

 

「それって……」

 

「せや、地獄の閻魔様もカンカンやで」

 

 その言葉により、俺は以前戦ったバイカイザー達が弱く感じた理由に気付く。

 

 [そうか……前より弱く感じたのは、俺自身のハザードレベルが上がったからだと思っていたが、奴ら自身がリビングデッドになっていたからだったのか……]

 

 俺は両手で押さえるバイカイザーとヘルブロスを吹き飛ばし、カゲチヨ達を捕まえている敵たちに必殺技を叩き込む。

 

『Ready GO!』

 

『Ragnarok Tex Finish!』

 

『Ciao!』

 

「グワァ────ーッ!」

 

「今のうちに逃げろ!」

 

 ヒサメは反抗する。

 

「嫌だよ、逃げるならお父さんも……」

 

 しかしボティスが首筋を叩き気絶させる。

 

 カゲチヨが俺に叫ぶ。

 

「必ず帰って来てくださいね。俺たちだっておやっさんの事、好きなんですから!」

 

 その言葉に胸を熱くしながら、俺は彼らを渓谷の縁まで導き、無事に街へと逃がす。

 

「ここから先は、行かせねぇぞ」

 

 俺は再び戦闘態勢に入り、ブラッドや残った敵たちに向かって立ちはだかる。胸のパネルにロードボトルを装着し、力を解放する。紫の光が渓谷全体を包み込み、戦場は再び狂気の渦に染まる。

 

 残ったバイカイザーやヘルブロス達は、恐怖と混乱の中で後ずさる。砂塵に包まれ、紫色の光がまだ渓谷に残る。

 

「クソッ……くそったれぇ!」

 

「お前……絶対に許さねぇ……!」

 

「こんな……こんな……バカな……!」

 

 口々に悪態を吐きながら、彼らは必死に逃げようとする。しかし渓谷の岩壁に囲まれ、自由な退路はほとんどない。

 

 俺は瞬間移動で彼らの前に立ち、紫のオーラを纏いながら声を上げる。

 

「逃がす訳ねぇだろうがぁ!」

 

 バイカイザー達は恐怖と怒りの入り混じった叫び声をあげる。

 

「うわあああああ!」

 

「殺してやる……!」

 

「この野郎……ぶっ潰す!」

 

 しかし、俺の攻撃は止まらない。蹴り、肘打ち、肩で押し飛ばす。逃げようとした者は次々と岩壁や地面に叩きつけられる。衝撃で砂塵が舞い上がり、渓谷全体が戦場のように荒れる。

 

「グワァ────ッ!」

 

 吹き飛ばされたヘルブロスが岩に激突し、口からも「ぐああっ!」と呻き声を漏らす。その隙を突いて、俺は両手で衝撃波を生み、渓谷の左右に吹き飛ばす。

 

「くっ……くそっ……あいつ……!」

 

「許さん……絶対に……!」

 

 逃げながらも口から悪態を吐くバイカイザーやヘルブロス。だが、俺はそのすべてを潰す勢いで間合いを詰める。瞬間移動で背後に回り、蹴り上げ、肩で押し、投げ飛ばす。

 

『Ready GO!』

 

『Ragnarok Tex Finish!』

 

『Ciao!』

 

 紫のエネルギー波が放たれ、悪態を吐きながら逃げようとした者たちを巻き込み、渓谷全体に吹き飛ばす。空中で回転し、岩壁や地面に叩きつけられる彼らの叫びは、砂塵の渦に消される。

 

「この野郎……くそっ……!」

 

「お前……絶対……ぶっ潰す……!」

 

 口から悪態を吐きながらも、残存する敵たちは逃げ切れず、次々と倒れていく。渓谷に残るのは、俺の紫のオーラと、粉塵に沈む彼らの呻き声だけだった。

 

 俺は荒れた渓谷の中央に立ち、深く息をつく。残党はもはや戦う力も残していない。

 

「……これで残党は片付いたか」

 

 砂塵が徐々に落ち着き、紫色の光も消えかかる中、俺は次に進むべき戦場を見据えた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。