混血のカレコレとLost evolution 作:Ks5118
カゲチヨside
カゲチヨたちは、どうしたらいいのか迷っていた。
そのとき、ボティスとオーナーが落ち着いた声で声をかけてきた。
「落ち着かんか、お主ら」
ボティスの口調は冷静そのものだ。
表情には不安の色は一切見えない。
「そうだぞ、お前達、まず身体検査をするぞ」
オーナーも穏やかに言った。
二人とも、内心では少しだけ不安があるのだろう。
だが、カゲチヨたちには悟らせず、平静を装っている。
──-
二人に導かれ、知り合いの病院に到着した。
医師が迎え、カゲチヨとシディは検査台に寝かされた。
ボティスは順番に身体を確認していく。
血圧、脈拍、筋力、感覚──
一つ一つの動作に無駄はなく、丁寧にチェックしていく。
オーナーは横でメモを取りながら落ち着いた声で説明を続ける。
「血圧正常、脈拍安定、筋力も問題なし」
一つ一つの言葉が、カゲチヨの緊張を少しずつ溶かしていく。
──-
検査は丁寧に続いた。
手を軽く握られ、腕を押され、足の筋肉を確かめられる。
カゲチヨは、シディの手の震えに気づいた。
「大丈夫だ」と心の中で言い、二人で小さく頷き合う。
やがて、ボティスが微笑みながら言った。
「……異常なしだな」
オーナーも穏やかに頷く。
「お前達、特に問題は無い。
力が変化した形跡も見当たらない」
カゲチヨとシディは肩の力を抜き、少し安心した。
冷静を装うボティスとオーナーの存在が、味方としての確かな安心感を与えてくれる。
──-
検査を終え、カレコレ屋に戻ると、ヒサたちが飛び出してきた。
「カゲェー! なんかサングラスをつけたチャラそうなおじさんが来た!」
「アイツ、何なの? すごい嫌な感じなんだけど!」
「オーナーも手伝って下さい!」
「シディさん! 助けて下さい!」
カゲチヨたちはヒサたちの慌てぶりに戸惑いながらも、部屋に入った。
そこには赤いサングラスとアロハシャツ、カジュアルなズボン、短い麦わら帽子を被った男が、客用の椅子にどっしりと座っていた。
男はカゲチヨたちに気づくと、ゆっくり顔を向けた。
「いやぁ、ただ少し気になってな」
軽く笑ったその表情のまま、次の瞬間、男の顔は鋭く変わった。
その瞳はカゲチヨたちを射抜き、言葉には冷たい殺気が混じっている。
「お前達、俺の兄貴から力を奪ったのか?」
カゲチヨたちは思わず体を固める。
「……兄貴って、いったい?」
カゲチヨの口が自然に動いた。
石動は一瞬目を細めたが、殺気を少し弱め、説明を始めた。
「あぁ、そう言えば言ってなかったな。俺の兄貴の名前は〈ロストル〉っていう」
その名前を聞いた瞬間、カゲチヨたちは自然と距離を取り、警戒態勢をとった。
「その名前を知っているってことは、お前はエボルトなんだな?」
問いかけるカゲチヨに、石動はクハァーハッハッハッと特徴的な笑い声を響かせた。
「クックックッ、いやいや……お前達、まさか兄貴から力を貰ったのか?」
笑いと殺気のギャップに、カゲチヨたちはさらに身を引いた。
石動は少し遠くを見つめるような目で言った。
「なら、この星を喰うことは諦めるか」
「え?」
カゲチヨたちは声を揃えて驚いた。
「ん? 意外か?」
石動は笑いながら続ける。
「ブラッド族は星狩りをする一族で、特に兄貴やキルバスはおやっさんに届きそうなほど強いって聞いていた。
だから、この星も狙われるかと思ったんだ」
「確かに、この星レベルのエネルギーを喰らえば、兄貴に届くかもしれない。
しかし、その後が怖えぇんだよ」
「怖い?」
「兄貴はブラッド族最強にして最恐だ。
兄貴に勝てる奴なんて、火星のアイツぐらいか……いや、もしかしたら」
カゲチヨたちは、おやっさんがブラッド星でどんな存在だったのかを知り、息を呑んだ。
それでも、他者を思いやる優しさを持つおやっさんに、改めて尊敬の念を抱く。
──-
「暫くは、この星で暮らす。
住居はどこかないか? できれば喫茶店もやりたいんだ」
カゲチヨたちは、おやっさんが暮らしていた場所を貸すことにした。
「ほぉ、兄貴もコーヒーを作れるのか?
それで、兄貴のコーヒーはどうだった?」
「え? うぅ〜ん……かなり美味かったと思うぜ」
「彼奴の作るコーヒーは大変、美味よな」
「私も毎朝飲んでいたくらいだ」
石動は興味深そうに頷き、少し嬉しそうに笑った。
──-
カゲチヨは、シディやヒサたちの顔を見渡した。
みんなの表情に、少しずつ緊張が溶けていくのを感じた。
この瞬間、カゲチヨの胸の奥に、ほのかな温かさが広がった。
おやっさんがこの星で築いたもの、守ろうとしたもの──
それを、これから自分たちが受け継ぐのだと、強く意識する。
石動はゆっくり立ち上がり、アロハシャツの裾を整えた。
「じゃあ、少しだけこの星でのんびりしていくか。
あぁ、コーヒーの味を確かめに行くのも悪くない」
カゲチヨは笑い、シディも少し顔を緩めた。
ヒサたちはまだ少し落ち着かないが、安心感が少しずつ広がっていく。
窓の外には、静かに夕日が沈みかけていた。
オレンジ色の光が、カレコレ屋の中に柔らかく差し込み、長い一日の終わりを優しく包み込む。
カゲチヨは心の中で思った。
「これから、この星で何があっても、俺たちは負けない」
そんな決意が、胸の奥で静かに燃え上がっていた。
そして、カゲチヨたちは石動とともに、新しい日常
喫茶店【AGIΩ】。普段は静かな喫茶店だが、この日は少し様子が違った。
「さて……まずは俺流にブラックホールコーヒーを淹れてみるか!」
エボルトは得意げに豆を挽き始めた。しかしその液体は見るからに不穏。漆黒で、光を吸い込むかのような色をしている。
「ふむ……ブラックホールの色に近づけたらどうなるか、試してみたんだ」
彼自身、一口──
「ぐぉっ!?」
突然吹き出した。口の中で何かが爆発したかのようだ。
俺たちは恐る恐るカップを受け取り、口に含む。
「……うわああああ!」
「なんだこの味……砂利混じりの墨汁か!」
オーナーも一口飲んで顔を歪める。
「こ、これは……コーヒーというより人体実験か!?」
エボルトは苦笑いし、口の中の違和感を押さえながら言った。
「いやぁ、味はひどいが色は完璧だ。ブラックホールの色に限りなく近い」
俺はカゲチヨと顔を見合わせ、笑いをこらえる。
「いやいやいや、こんなん客に出せるわけないだろ!」
その時、オーナーが棚からレシピ帳を取り出した。
「これ……おやっさんが残してたレシピだぞ」
エボルトは目を丸くする。
「な、なに!? こんなものが……!?」
「知ってたのか?」とオーナー。
「知らなかった……!」とエボルト。
俺たちは笑いをこらえながら、レシピを見せる。そこには、キリトが長年かけて完成させた完璧なレシピの数々がびっしりと書かれていた。
「なるほど……こうやって淹れれば、普通に美味いコーヒーになるわけか」
エボルトは慎重にレシピを読み、再挑戦。今度は見た目も味も普通のコーヒーらしくなった。
「……おお、飲める! さすが兄貴の知恵だな!」
オーナーがニヤリとしながら言う。
「ふむ、ブラックホール級の不味さから脱出か。いや、笑いすぎて腹筋痛いわ」
カゲチヨも顔を歪め、ツッコミを入れる。
「ちょっと待て、最初の一杯、拷問だったじゃねえか!」
エボルトは苦笑いしつつも、自慢げに肩をすくめる。
「まぁ……色だけは完璧だったからな!」
俺たちは笑いながら、エボルトの不器用さと、キリトの偉大さを改めて実感するのであった。
レシピを参考に一応飲めるコーヒーを淹れることには成功したものの、エボルトの目はまだギラギラしていた。
「……ふむ、味は良い。だが、色がまだ物足りないな」
「はあ!? もう十分だろ! 飲めるようになったんだからそれで終わりだ!」
カゲチヨが必死に止めるも、エボルトは完全に聞く耳を持たない。
「見ろ、この黒さではまだ満足できん。もっとブラックホールに近づける必要がある」
「お前、客殺す気か!?」
オーナーも慌ててツッコミを入れるが、エボルトは既に豆を再び挽き始めていた。粉が飛び散り、コーヒーミルは奇妙な光を帯びる。
「ぐぉっ!?」
思わずまた一口飲んだ自分が吹き出す。
「くっ……くそっ、まだ甘い!」
「甘い!? 甘いとかいうレベルじゃないぞ、それ!」
俺はカゲチヨと顔を見合わせ、笑いをこらえながらも恐怖を感じていた。
そしてついに、エボルトはブラックホール級の極黒コーヒーを完成させた──見た目は漆黒、光を完全に吸い込むその液体は、まるで小さな宇宙そのものだった。
「……これが真のブラックホールコーヒーだ」
俺たちは恐る恐る口にした瞬間、カゲチヨの顔が歪む。
「ぎゃあああああ! な、何だこの味は!?」
オーナーはマグカップを放り投げ、テーブルにこぼれた液体を見て絶句。
「これ……飲み物じゃない、化学兵器だ!」
エボルトは誇らしげに胸を張る。
「ふふ、ブラックホールの色だけでなく、ブラックホールの“破壊力”も追求してみた」
俺たちはツッコミどころ満載で言葉を失い、しばらく絶叫と笑いの嵐が続いた。
「もうやめろ! 俺たちの胃と精神が持たん!」
「ふむ……まだ改良の余地ありだな」
「いや、あんたの改良は不要です! 改悪です!」
エボルトは少しだけしょんぼりした顔を見せつつも、すぐに笑顔に戻り、次の挑戦を考え始めるのであった──カレコレ屋の平和は、今日も微妙に崩壊している。
カゲチヨside out
キリトside
光に包まれた扉を抜けると、世界は一変した。見慣れた街並みのようでいて、どこか異質な光と空気。風の匂い、音の響き方、すべてが現実とは微妙に異なる。まるで夢と現実の境界に立つような感覚が体を包んだ。
「……ここは……?」
小さく呟く。だが答えは返ってこない。背後から、静かで落ち着いた声が響いた。
「ここにおいででございましたか、キリト様」
振り返ると、光に淡く縁取られた存在──ヤハウェが立っていた。圧倒的な威厳と、柔らかな温かさを同時に感じさせる姿に、思わず俺は立ちすくむ。
「……ヤハウェ……」
理屈では知っている。しかし目の前に立たれると、言葉が出ない。胸が高鳴り、心は戸惑いでいっぱいだった。
「お久しぶりでございます、キリト様」
その声は丁寧で静か。しかしどこまでも神々しく、空間に響く重みを持っていた。
「……あ、あぁ……久しぶりだな」
なんとか返事を返す。しかし、まだ胸の奥は緊張で硬直している。
その時、体に軽い感覚が走った。見下ろすと、自分の手や顔が少し滑らかになっているのがわかる。
[……あれ? なんだ、見た目が……21歳くらいに若返ってる……? ]
転生の副作用か。これで今回も転生2回目、体も心も新しい状態で異世界へ行くのか、と納得する自分がいた。
「キリト様、実はお伝えしなければならないことがございます」
ヤハウェはゆっくりと言葉を紡ぐ。その一言ごとに、心臓が少しずつ早鐘を打つ。
「……何だ?」
警戒を混ぜ、声を張る。
「貴方様には、この先、別の世界での生活をお願いすることになります。その世界は……シンフォギアの世界と申します」
「……ああ、あのシンフォギアの世界か……」
俺は思わず小さく息を漏らす。名前は知っていた。戦いが激しい、あの世界。しかし、自分が行くことになるとは、一言も聞かされていなかった。転生経験があるから落ち着きを多少保ってはいるが、それでも未知の世界への驚きは大きい。
「はい、キリト様。貴方様の力の波動が、別世界にまで影響を及ぼしておりました。生き残ったブラッド族の一部が、その力を求めて侵攻を企てておりました」
「……は? 何言ってんだ……」
頭が混乱する。異世界、自分が知っているシンフォギア、ブラッド族の侵攻──未知の情報が一気に押し寄せる。
「ですがご安心ください、キリト様。貴方様が行く前に、残るブラッド族はすべて処理済みでございます。したがいまして、残るのは貴方様とエボルト、二人だけでございます」
俺は目を見開く。エボルト……あいつだけは生き残っているのか。だが今は、それよりも現実の重さに圧倒される。
[……異世界に行く……ってことか。俺が……? ]
「キリト様、あちらの世界でも貴方様には自由に過ごしていただきたいと考えております。生活に必要な身分証や資金も、すでに整えてございます」
「……自由に……?」
言葉にしてみるが、まだピンとこない。
「そして、シンフォギアの世界でも貴方様は変身可能でございます。ですが、そのためには新たな変身アイテムが必要となります」
ヤハウェの手から光が放たれ、六本のロードボトルが宙に現れる。パトカー、シールド、レーダー、チェンソー、ランチャー、ミキサー車──どれも無機物でありながら、圧倒的な力を放つ。
[……え……? マジでヤハウェが……ロードボトル持ってるのか……? どういうことだ……? ]
思わず目を見開く。これをどうやって手に入れたんだ? ロストルも作っていないのに……。
[……いや、でも……ヤハウェだしな。最高神だし、そりゃ持っててもおかしくはねぇか……]
疑問はすぐに納得に変わる。神ならば、こういうことも可能だろうと、理屈で割り切るしかない。
「キリト様、渡すタイミングはお決めになられますか? ご希望の時に、あちらの世界へお送りいたします」
「……そうだな……あの錬金術師の親子の父親が殺される一週間前に行きたい」
俺は静かに答える。あの事件の前に現地に行けば、少しでも動ける。転生経験と若返った体を活かし、今回は介入のタイミングを自分で指定する。
「承知いたしました、キリト様。その時に合わせて、あちらの世界へお導きいたします」
ヤハウェは静かに頷く。全能の神であるからこそ、俺の希望する時間にも自在に合わせられるのだろう。
「……ああ、わかった。じゃあ、その時に頼む」
最初の戸惑いは完全に消え、口調は自然にフランクになった。
ヤハウェは微笑を浮かべ、光の粒子が微かに揺れる。まるで世界そのものが、俺の希望を祝福しているかのようだった。そして俺は、再び前を向く。目の前に広がる未知の世界に、戸惑いながらも歩を進める覚悟を決めたのだった。
キリトside out
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総合ロードボトル・アイテムリスト
幻獣系ロードボトル
旧幻獣系
・ヒュドラロードボトル
・ドレイクロードボトル
・フェンリルロードボトル
・ガルーダロードボトル
・ライジュウロードボトル
・ベヒモスロードボトル
新幻獣系
・デビルロードボトル
・グリフォンロードボトル
・ケルベロスロードボトル
・バジリスクロードボトル
・スレイプニルロードボトル
・クラーケンロードボトル
・セイレーンロードボトル
・ミノタウロスロードボトル
・アラクネロードボトル
・アクルートロードボトル
・キメラロードボトル
無機物/機械系ロードボトル
旧無機物系
・ショベルロードボトル
・フォーミュラロードボトル
・ダンプロードボトル
・クレーンロードボトル
・ドリルロードボトル
・ソードロードボトル
新無機物系
・パトカーロードボトル
・ミキサー車ロードボトル
・シールドロードボトル
・レーダーロードボトル
・チェンソーロードボトル
・ランチャーロードボトル
動物系ロードボトル
・カジキロードボトル
・キングクラブロードボトル
・センチピードルロードボトル
・カラスロードボトル
・バイソンロードボトル
・アノマロカリスロードボトル
・カマキリロードボトル
・バッタロードボトル
・モグラロードボトル
・オルカロードボトル
貰った物・持ち越した物
・新しい身分証
・カレコレ世界で持っていたお金〈九千兆円〉
・ロストパンドラパネル〈白、黒〉
・ロストエボルドライバー
・ラグナロクトリガー
ロストロードボトル(別管理)
・ケロベロスロストロードボトル
・バジリスクロストロードボトル
はい、彼の行く新しい世界はシンフォギアの世界になりました。ただ、彼の行くシンフォギアの世界は、原作ガン無視で作って行きますので、よろしくお願いします。ただ、次の投稿は、ベリアルの方がひと段落着いてから、投稿します。それでは、また読んで下さい。
シンフォギアの世界で、キャロルを主人公の身内のうち、どちらにしますか?
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娘
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妹