混血のカレコレとLost evolution 作:Ks5118
カゲチヨside
俺達は、どうしたらいいのか迷っていた。
目の前で起きたことが、あまりにも突然だったからだ。
そんな俺達に、ボティスとオーナーが落ち着いた声で声をかけてきた。
「落ち着かんか、お主ら」
ボティスの口調は冷静そのものだ。
表情にも不安の色は一切見えない。
「そうだぞ、お前達。まず身体検査をするぞ」
オーナーも穏やかに言った。
二人とも、内心では多少の不安があるのだろう。
だが、俺達にはそれを悟らせないように、平静を保ってくれている。
そのことが、今の俺達にはありがたかった。
──-
二人に導かれ、俺達は知り合いの病院へ向かった。
病院に到着すると、医師が俺達を迎える。
俺とシディは検査台に寝かされ、身体の状態を一つ一つ確認されていった。
血圧。
脈拍。
筋力。
感覚。
その他の身体機能。
検査は丁寧に進められていく。
ボティスは順番に身体を確認していき、オーナーは横でメモを取りながら状況を確認していた。
「血圧正常、脈拍安定、筋力も問題なし」
一つ一つ確認されるたびに、俺の緊張は少しずつ解けていった。
検査はさらに続く。
手を軽く握られ、腕を押され、足の筋肉を確かめられる。
その途中、俺はシディの手が僅かに震えていることに気づいた。
俺は何も言わず、シディを見る。
シディも俺を見る。
そして俺達は、小さく頷き合った。
大丈夫だ。
そう伝え合うように。
やがて、ボティスが検査結果を確認しながら口を開いた。
「……異常なしだな」
オーナーも穏やかに頷く。
「お前達、特に問題は無い。力が変化した形跡も見当たらない」
その言葉を聞いて、俺達はようやく肩の力を抜いた。
少なくとも、身体そのものに異常が起きたわけではないらしい。
──-
検査を終え、俺達はカレコレ屋へ戻った。
すると、店の中からヒサメ達の慌てた声が聞こえてきた。
「カゲェー! なんかサングラスをつけたチャラそうなおじさんが来た!」
「アイツ、何なの? すごい嫌な感じなんだけど!」
「オーナーも手伝って下さい!」
「シディさん! 助けて下さい!」
「おいおい、何があったんだよ……」
俺達はヒサメ達を宥めながら、部屋へ入った。
そこには、赤いサングラスとアロハシャツ、カジュアルなズボン、短い麦わら帽子を被った男が、客用の椅子にどっしりと座っていた。
男は俺達に気づくと、ゆっくりと顔を向ける。
「いやぁ、ただ少し気になってな」
軽く笑った。
だが、次の瞬間。
男の顔から笑みが消える。
鋭い瞳が俺達を射抜き、言葉には冷たい殺気が混じった。
「お前達、俺の兄貴から力を奪ったのか?」
俺達は思わず身体を固めた。
「……兄貴って、いったい?」
俺が尋ねる。
男は一瞬目を細める。
だが、俺達の反応を見て、殺気を少しだけ弱めた。
「あぁ、そう言えば言ってなかったな。俺の兄貴の名前は〈ロストル〉っていう」
その名前を聞いた瞬間、俺達は自然と距離を取った。
「その名前を知っているってことは……お前、エボルトなんだな?」
俺が問いかける。
男は一瞬だけ目を見開いた。
「……兄貴から聞いたのか?」
「ああ。おやっさんから聞いてる」
俺が答える。
その言葉を聞いた瞬間、男はニヤリと笑った。
「なるほどなぁ……兄貴はちゃんと俺のことを話してたってわけか」
そう言って、特徴的な笑い声を響かせる。
「クハァーハッハッハッ!」
俺達は警戒を解かない。
目の前にいる男が、あのおやっさんの弟。
エボルト。
その存在については、おやっさんから聞いていた。
だが、俺達とエボルトは今日が初対面だ。
エボルトもまた、俺達のことを知っていてここへ来たわけではない。
「それで、お前はどうしてここに?」
俺が尋ねる。
「ああ」
エボルトは椅子に座ったまま答えた。
「兄貴の力を感じ取って、ここまで来たんだ」
「おやっさんの力を?」
「ああ。ただ、大まかな方向しか分からなくてな」
エボルトは肩をすくめる。
「だから、その力を辿って来たら、ここに着いたってわけだ」
「俺達を探してたわけじゃないんだな?」
「当たり前だろ。俺はお前達のことなんか知らなかったんだからな」
エボルトは軽く笑う。
その言葉に、俺達は少しだけ警戒を緩めた。
少なくとも、最初から俺達を狙って来たわけではないらしい。
「それで……兄貴はこの星で何をしてたんだ?」
エボルトが尋ねる。
「おやっさんは、ここで暮らしてたんだよ」
「暮らしてた?」
「ああ。喫茶店をやってた」
俺が答える。
「喫茶店【AGIΩ】っていう店だ」
オーナーが続ける。
「キリトはそこで暮らしながら、料理やコーヒーを作っていた」
「へぇ……兄貴が喫茶店ねぇ」
エボルトは少し意外そうに笑った。
「なんか、想像つかねぇな」
「結構似合ってたぞ」
俺がそう答える。
「それに、料理もコーヒーもかなり美味かった」
「ほぉ……」
エボルトは興味深そうに頷く。
少し考えるような仕草をしたあと、口元を吊り上げた。
「なら、俺のコーヒーも飲んでみるか?」
「……お前、コーヒー作れるのか?」
「地球に来てから覚えたんだよ」
エボルトは笑う。
「せっかくだ。俺流のやつを作ってやるよ」
「なんか……嫌な予感がする」
俺の呟きを無視して、エボルトは店の奥へ向かった。
コーヒー豆と器具を用意すると、慣れた手つきで準備を始める。
そして──
「できたぜ」
目の前に置かれたコーヒーを見て、俺達は固まった。
漆黒。
まるで光そのものを吸い込んでしまいそうなほど黒い。
「……これ、本当にコーヒー?」
ヒサメが恐る恐る尋ねる。
「ああ。俺特製、ブラックホールコーヒーだ」
エボルトは自信満々に答える。
「ブラックホールみたいな色にしてみたんだ。なかなかいいだろ?」
そしてエボルト自身が一口飲む。
「……」
数秒の沈黙。
「ぐぉっ!?」
突然、エボルトが吹き出した。
「な、なんだこれ……!」
俺達も恐る恐る口に含む。
「……うわあああああ!」
「なんだこの味……砂利混じりの墨汁か!」
オーナーも一口飲んで顔を歪める。
「こ、これは……コーヒーというより人体実験か!?」
エボルトは口元を押さえながら苦笑する。
「いやぁ、味はひどいが色は完璧だ。ブラックホールの色に限りなく近い」
「いやいやいや、こんなん客に出せるわけないだろ!」
俺は思わずツッコむ。
エボルトは肩をすくめた。
「まぁ……色だけは完璧だからな!」
俺達は顔を見合わせる。
やっぱり駄目だ。
これは客に出せる代物じゃない。
そんな俺達を見ていたオーナーが、何かを思い出したように立ち上がった。
「……そういえば」
「どうした?」
俺が尋ねる。
オーナーは店の奥へ向かい、一冊のレシピ帳を持って戻ってきた。
「これを渡しておこう」
「何だ、それ?」
エボルトが尋ねる。
「キリトから以前、私が受け取ったレシピ帳だ」
オーナーはレシピ帳を開く。
「料理やコーヒーのレシピがまとめてある」
「兄貴のレシピか」
「ああ」
エボルトは興味深そうにページをめくる。
そして、あるページで手を止めた。
「……ブラックホールコーヒー?」
そこには、先ほどエボルトが作ったものと同じ名前が記されていた。
「これは……」
エボルトがレシピを読み進める。
そこに書かれていたのは、ブラックホールをイメージしたコーヒーの作り方。
しかし、先ほどエボルトが作ったものとは明らかに違う。
黒い見た目は維持しながらも、味は普通に飲めるように調整されている。
さらに、眠気覚ましとしても有効になるよう工夫されていた。
「これ……俺のブラックホールコーヒーじゃねぇか」
エボルトが呟く。
オーナーは静かに頷いた。
「そうだ」
「……兄貴が?」
「ああ」
オーナーはレシピ帳を見ながら答える。
「お前が地球で作ったブラックホールコーヒーを、キリトが後から改良したものだ」
エボルトはレシピ帳を見つめる。
「俺が作ったコーヒーを……兄貴が改良したのか」
「ああ。キリトは以前、お前達の作る料理やコーヒーを再現したいという話を受けて、いくつかのレシピをまとめていた。その中に、これもあったんだ」
オーナーはそう説明する。
エボルトはしばらく無言でレシピを眺めていた。
そして、ふっと笑う。
「……なるほどな」
俺達もレシピを覗き込む。
そこには、おやっさんが作った改良版ブラックホールコーヒーのレシピが、細かく記されていた。
「これなら、ちゃんと飲めそうだな」
俺が言う。
「ああ」
エボルトも頷く。
「俺の作ったやつを、兄貴がちゃんとしたコーヒーにしてくれたってわけか」
エボルトはレシピ帳を閉じる。
「……兄貴らしいじゃねぇか」
その表情には、先ほどまでのような警戒心も殺気もなかった。
俺達も少しだけ笑う。
最初はどうなることかと思った。
だが、こうしておやっさんが残したものを通して、俺達とエボルトの間に少しずつ新しい繋がりができていく。
それは、不思議な感覚だった。
おやっさんがこの世界で築いたもの。
そして、残していったもの。
その一つ一つが、こうして新しい形で繋がっていく。
窓の外では、夕日がゆっくりと沈み始めていた。
俺はその景色を眺めながら、これから先、この世界で何が起きるのかを考えていた。
少なくとも──
今日という日は、まだ終わっていない。
カゲチヨside out
キリトside
光に包まれた扉を抜けると、世界は一変した。見慣れた街並みのようでいて、どこか異質な光と空気。風の匂い、音の響き方、すべてが現実とは微妙に異なる。まるで夢と現実の境界に立つような感覚が体を包んだ。
「……ここは……?」
小さく呟く。だが答えは返ってこない。背後から、静かで落ち着いた声が響いた。
「ここにおいででございましたか、キリト様」
振り返ると、光に淡く縁取られた存在──ヤハウェが立っていた。圧倒的な威厳と、柔らかな温かさを同時に感じさせる姿に、思わず俺は立ちすくむ。
「……ヤハウェ……」
理屈では知っている。しかし目の前に立たれると、言葉が出ない。胸が高鳴り、心は戸惑いでいっぱいだった。
「お久しぶりでございます、キリト様」
その声は丁寧で静か。しかしどこまでも神々しく、空間に響く重みを持っていた。
「……あ、あぁ……久しぶりだな」
なんとか返事を返す。しかし、まだ胸の奥は緊張で硬直している。
その時、体に軽い感覚が走った。見下ろすと、自分の手や顔が少し滑らかになっているのがわかる。
[……あれ? なんだ、見た目が……21歳くらいに若返ってる……? ]
転生の副作用か。これで今回も転生2回目、体も心も新しい状態で異世界へ行くのか、と納得する自分がいた。
「キリト様、実はお伝えしなければならないことがございます」
ヤハウェはゆっくりと言葉を紡ぐ。その一言ごとに、心臓が少しずつ早鐘を打つ。
「……何だ?」
警戒を混ぜ、声を張る。
「貴方様には、この先、別の世界での生活をお願いすることになります。その世界は……シンフォギアの世界と申します」
「……ああ、あのシンフォギアの世界か……」
俺は思わず小さく息を漏らす。名前は知っていた。戦いが激しい、あの世界。しかし、自分が行くことになるとは、一言も聞かされていなかった。転生経験があるから落ち着きを多少保ってはいるが、それでも未知の世界への驚きは大きい。
「はい、キリト様。貴方様の力の波動が、別世界にまで影響を及ぼしておりました。生き残ったブラッド族の一部が、その力を求めて侵攻を企てておりました」
「……は? 何言ってんだ……」
頭が混乱する。異世界、自分が知っているシンフォギア、ブラッド族の侵攻──未知の情報が一気に押し寄せる。
「ですがご安心ください、キリト様。貴方様が行く前に、残るブラッド族はすべて処理済みでございます。したがいまして、残るのは貴方様とエボルト、二人だけでございます」
俺は目を見開く。エボルト……あいつだけは生き残っているのか。だが今は、それよりも現実の重さに圧倒される。
[……異世界に行く……ってことか。俺が……? ]
「キリト様、あちらの世界でも貴方様には自由に過ごしていただきたいと考えております。生活に必要な身分証や資金も、すでに整えてございます」
「……自由に……?」
言葉にしてみるが、まだピンとこない。
「そして、シンフォギアの世界でも貴方様は変身可能でございます。ですが、そのためには新たな変身アイテムが必要となります」
ヤハウェの手から光が放たれ、六本のロードボトルが宙に現れる。パトカー、シールド、レーダー、チェンソー、ランチャー、ミキサー車──どれも無機物でありながら、圧倒的な力を放つ。
[……え……? マジでヤハウェが……ロードボトル持ってるのか……? どういうことだ……? ]
思わず目を見開く。これをどうやって手に入れたんだ? ロストルも作っていないのに……。
[……いや、でも……ヤハウェだしな。最高神だし、そりゃ持っててもおかしくはねぇか……]
疑問はすぐに納得に変わる。神ならば、こういうことも可能だろうと、理屈で割り切るしかない。
「キリト様、渡すタイミングはお決めになられますか? ご希望の時に、あちらの世界へお送りいたします」
「……そうだな……あの錬金術師の親子の父親が殺される一週間前に行きたい」
俺は静かに答える。あの事件の前に現地に行けば、少しでも動ける。転生経験と若返った体を活かし、今回は介入のタイミングを自分で指定する。
「承知いたしました、キリト様。その時に合わせて、あちらの世界へお導きいたします」
ヤハウェは静かに頷く。全能の神であるからこそ、俺の希望する時間にも自在に合わせられるのだろう。
「……ああ、わかった。じゃあ、その時に頼む」
最初の戸惑いは完全に消え、口調は自然にフランクになった。
ヤハウェは微笑を浮かべ、光の粒子が微かに揺れる。まるで世界そのものが、俺の希望を祝福しているかのようだった。そして俺は、再び前を向く。目の前に広がる未知の世界に、戸惑いながらも歩を進める覚悟を決めたのだった。
キリトside out
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総合ロードボトル・アイテムリスト
幻獣系ロードボトル
旧幻獣系
・ヒュドラロードボトル
・ドレイクロードボトル
・フェンリルロードボトル
・ガルーダロードボトル
・ライジュウロードボトル
・ベヒモスロードボトル
新幻獣系
・デビルロードボトル
・グリフォンロードボトル
・ケルベロスロードボトル
・バジリスクロードボトル
・スレイプニルロードボトル
・クラーケンロードボトル
・セイレーンロードボトル
・ミノタウロスロードボトル
・アラクネロードボトル
・アクルートロードボトル
・キメラロードボトル
無機物/機械系ロードボトル
旧無機物系
・ショベルロードボトル
・フォーミュラロードボトル
・ダンプロードボトル
・クレーンロードボトル
・ドリルロードボトル
・ソードロードボトル
新無機物系
・パトカーロードボトル
・ミキサー車ロードボトル
・シールドロードボトル
・レーダーロードボトル
・チェンソーロードボトル
・ランチャーロードボトル
動物系ロードボトル
・カジキロードボトル
・キングクラブロードボトル
・センチピードルロードボトル
・カラスロードボトル
・バイソンロードボトル
・アノマロカリスロードボトル
・カマキリロードボトル
・バッタロードボトル
・モグラロードボトル
・オルカロードボトル
貰った物・持ち越した物
・新しい身分証
・カレコレ世界で持っていたお金〈九千兆円〉
・ロストパンドラパネル〈白、黒〉
・ロストエボルドライバー
・ラグナロクトリガー
ロストロードボトル(別管理)
・ケロベロスロストロードボトル
・バジリスクロストロードボトル
はい、彼の行く新しい世界はシンフォギアの世界になりました。ただ、彼の行くシンフォギアの世界は、原作ガン無視で作って行きますので、よろしくお願いします。ただ、次の投稿は、ベリアルの方がひと段落着いてから、投稿します。それでは、また読んで下さい。
シンフォギアの世界で、キャロルを主人公の身内のうち、どちらにしますか?
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娘
-
妹