あなたの知らない世界   作:屋根裏散歩

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第2話 這い回るもの。

ーーー這い回るものーーー

 

あれは俺が大学生の頃、当時同棲中だった今の妻と寝ている時の話です。

 

「!!」

 

深夜2時位だったか、寝苦しく目を覚ました俺は身体が動かない状態になっていた。

 

「何だ…」

 

俺は隣で寝ている美雪に声を掛けようとしたが、声も出せず身動き一つ取れなかった。

 

「何だ、今度は…」

 

何か小さな物が布団の周りを動き回る気配がした、

 

「何が動いているんだ…動物っぽいようだけど」

 

暫くするとそれは消えた。

 

「何か懐かしい動きだったな…昔飼っていた猫みたいな…」

 

俺は朝食の時に美雪にその事を話した、

 

「何か起きるから注意しろって言ってんじゃないの?」

 

俺はまさかとその時は思っていた…その時までは。

 

「じゃあ、今日はバイト終わったらお花見顔出すね」

 

美雪が急遽入ったバイトへと向かった。

 

「あいよ〜」

 

そして昼過ぎ。

 

「行くか…」

 

俺は酒が呑めないので、買い出しや先輩の送迎を担当する事になったていた。

 

「つまみ足りないか…追加の買い出し頼む」

 

俺は幹事の先輩から頼まれると、近くのスーパーへと向かうことにした…そして…。

 

「俺も行く」

 

とある先輩が同行を言ってきた。

 

「先輩呑んでないですよね?」

 

俺は飲酒を確認した。

 

「もち…今日は全く飲んでねぇよ」

 

その先輩は飲酒を否定すると、

 

「俺が運転するよ」

 

俺から車の鍵を取ると運転席に座った。

 

「オートマなのに加速はスゲェな、流石スープラのツインターボだ…」

 

先輩は調子に乗ってフル加速させようとしていた…が俺の意識は此処までだった。

 

「何が??」

 

俺は後部のラゲッジスペースで気が付いた。

 

「わりぃ…事故った」

 

それだけ言うと、運転席の先輩はぐったりしていた。

 

「おい、大丈夫か!」

 

たまたま対向車線にいた別の先輩が駆け付けてくれた。

 

「お前…こいつに運転させたのか」

 

その先輩は驚き呆れていた。

 

「飲んでないっていったから…」

 

俺は先輩が飲んでないと言ったことを話した。

 

「お前…後輩に嘘付いて…ふざけんな!」

 

どうやら別の場所で呑んでいたようだった、

 

「警察です、飲酒の検査を…」

 

俺は飲んでないから当然出ないのだが…運転していた先輩は酒気帯びを通り越して飲酒運転のレベルだった。

 

「君は知っていて運転させたのか?」

 

警察官に聞かれたが、俺は知らなかったと話した、勿論運転していた先輩も同じ事を言ったそうだ。

 

「○○時△分、飲酒運転の現行犯で逮捕する」

 

先輩は警察官に逮捕された。

 

「君は病院で少し話を聞かせてもらう位だから」

 

俺は到着した救急車に乗せられた、勿論先輩と別に到着した救急車に乗せられていた。

 

「肋骨にヒビが入っているくらいだね…まぁ今晩は念の為に入院」

 

俺が診察室からでてくると、美雪と父が待合室に来ていた。

 

「馬鹿っ!」

 

俺は美雪の平手打ちを受けた。

 

「事故ったって聞いて…どれだけ心配したか…」

 

美雪が俺に抱きつくと泣き出した…。

 

「痛っ!」

 

抱きつかれたが肋骨にヒビが入っているので痛かった。

 

「ねぇ…朝言っていたあの猫の話って…この事故に気を付けろって云う事だったんじゃない」

 

美雪がそんな事を言ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

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