『G』の異世界漂流日記   作:アゴン

185 / 417
シンフォギアXV二話、見ました。

凄かった。ヤバかった。

これは………ボッチ出動案件かな?


その24

 

 

 

「───うん、うん。そうなんだ。今士郎の家にいて……うん、夕飯戴く事になって、うん。ごめんねシドゥリさん。また留守番させて……そう、レティシアさんも一緒なんだ。うん、気を付けて帰るよ」

 

「──修司くん、シドゥリさんはなんて?」

 

「ご迷惑を掛けないようにってのとお小言を幾つか、それと気を付けて帰って来るようにだってさ」

 

「連日遅く出掛けているのに敢えて詰問せず、ですか。彼女にはほとほと頭が上がりませんね」

 

「因みに、お小遣いの事も言ってたよ。アレは来客である貴女に不自由させない為に渡したもの、貴女が納得して使うのなら私が特に思うことはありません──だって」

 

「うぐぅ。本当に彼女には頭が上がりません」

 

日が落ち、辺りは夜の暗闇に包まれる時間帯。人目を避ける為に急遽衛宮邸に訪れた修司とジャンヌ、自宅で留守を任せてしまっているシドゥリに詫びの電話を入れ終えると、居間の方へ戻り彼女の隣に並ぶようにテーブル前に腰を下ろす。

 

今この場にいるのは修司とジャンヌ、士郎とセイバーの四人だけ、白の少女───イリヤは士郎と修司の元気な顔を見れた事に一先ず満足し、そそくさと自陣の拠点へと引き返していった。

 

「士郎も、電話サンキューな。携帯の充電が無くなりかけてたから助かった」

 

「別にそれくらい良いさ」

 

「それで士郎、何故彼等をワザワザこの家に上げるのですか。確かに彼等はこの聖杯戦争の枠外、絶対の敵対者という訳ではありませんが、それでも気を許して良い相手では無い筈です」

 

「その前に質問があるんだがセイバーさん。貴方には留守番を任せていた筈ですよね? 何故に彼処でイリヤと口論してたんでせうか?」

 

「うぐ、そ、それは……」

 

「それは私にも責任があるのです。セイバーのマスター、彼女があの場にいたのは偏に私の話を聞いて貰うため。無理を言って行動を共にして貰っていたのです」

 

「ルーラーが? そりゃ何でまた?」

 

「円満な話し合いの為にせめてもの誠意と思って幾つかご馳走する事にしたのですが……まさか彼女が彼処までの健啖家だったとは思いもせず、つい手痛い出費となりました。うぅ、本当なら私も鯛焼き食べる筈だったのに……」

 

「ジャンヌさん。本音、本音はみ出ちゃってるから」

 

「セイバー?」

 

「ち、違うのですシロウ! サーヴァントには魔力の供給が不可欠で、それを補う為にある程度の食事が必要で、決して彼処の露店の品々に惑わされたとかそう言うものでは決して!」

 

「うーん、強情なのか素直なのか」

 

「まさかの腹ペコ枠が二人とか、何だか嵐の予感」

 

話し合いの場なのに早速ぐだぐだしてきた。必死に取り繕うセイバーを無視して、士郎は咳払いを一つ溢し無理矢理話の流れを戻す。

 

「オッホン。……で、その話ってのは何なんだ? ルーラーがワザワザセイバーに直接言いに来たって事は用件は結構切迫していたりするのか?」

 

本来ならサーヴァントではなく、マスターに話を通すべきなのにジャンヌはそれをせず、逆にサーヴァントであるセイバーから先に事情を話そうとした。それはルーラーである彼女が優先順位を変えたのは偏に士郎の人物像を彼女なりに把握したからである。

 

彼女から見て衛宮士郎という人間は正義感の強い男子だ。強きを挫き弱きを助ける、その在り方は聖女と呼ばれたジャンヌから見ても最初は多少なりとも共感できた。

 

だが、彼はそれが些か強過ぎる傾向にある。正義感が強いという言葉だけでは片付けられず、その他者への行き過ぎた奉仕精神はジャンヌには少し歪に見えた。

 

彼に頼めば二つ返事で了承してくれるだろう。しかし、それは少々狡いのではと思い止まり、士郎本人ではなく彼よりも警戒心が強く、聖杯戦争を知るセイバーから先に話を通すことを選んだのだ。

 

尤も、その甲斐なくジャンヌの目論見は砕かれる事となったのだが……。

 

目を一時伏せ、軽く深呼吸をするジャンヌ。よほど重大な事を口にするのか、つられて三人も真剣な表情となり。

 

「──聖杯戦争の審判者(ルーラー)、ジャンヌ=ダルクがセイバーのサーヴァントとそのマスターに要請します。私と共にキャスター討伐に協力してください」

 

───そしてその口から出される言葉にセイバーと士郎は揃って目を見開く。

 

「キャスター討伐って、どういう事なんだ?」

 

「掻い摘んで説明します」

 

それからジャンヌはキャスターが行った内容を簡潔ながら説明した。今、キャスターは冬木の街のあちこちから無差別に魔力を供給していること、その影響で巷ではそれがガス漏れ事故による昏睡事件の原因であること、聖杯戦争の審判者である彼女から見ればキャスターのしている事はルール違反に当たっていると。

 

「しかし、それだけ派手に動いていれば他の陣営だって気付くだろ? マスターも令呪を持ってるし、そう簡単に好き勝手させるもんなのか?」

 

「キャスターはその名の通り魔術に秀でている者です。そして実力も恐らく一流、適正もあり、知略策略にも長けた者がキャスターとして召喚されたのなら、恐らく聖杯戦争の抜け道など幾らでも模索出来るのでしょう」

 

「そして、可能性の一つとしてキャスターのマスターは既にキャスターの傀儡となっている可能性が高い。と、貴方はそう言いたいのですねルーラー」

 

セイバーの付け足す説明にジャンヌは肯定するように頷いて見せる。キャスターが持つ危険性、その可能性を考慮したが故にセイバーは彼女の要請に異議は唱えなかった。

 

「そうか、キャスターが昏睡事件の犯人……なら、断る訳にはいかないな」

 

そして、それは士郎も同様で彼がジャンヌの誘いを断るのは有り得なかった。キャスターを倒し街の人々を助ける。それは衛宮士郎が望む正義の味方の正しい在り方だと思えたから。

 

「そして、修司君は……」

 

「今の話を聞いて俺が大人しくしていると思う?」

 

本当なら一般人である修司には関わって欲しくはなかった。しかし、キャスターの話を耳にした以上、彼も当然の如く関わって来るだろう。口で言った所で聞く耳持たないのは彼と同じ屋根の下で過ごしていやというほど理解した。

 

「───はぁ、仕方ないですね。その代わり約束して下さい。無理はしないと」

 

「……まぁ、善処はするよ」

 

そこで素直に分かったと言わない辺り、修司も相当な意地っ張りだと理解したジャンヌは本日幾度目かの溜め息を吐き出す。

 

これで話し合いは終わりか? 士郎も修司も互いに異議は唱える様子はない。ならばそろそろこの話を終わりにしようとジャンヌが締めに入った所で……セイバーが待ったを掛ける。

 

「シュウジ、一つ気になった所があるのですが……宜しいですか?」

 

「ん、なんだ?」

 

「貴方は何故、そうまでして聖杯戦争に関わろうとしているのです? 貴方は魔術師でもなければマスターでもない、只の人間だ。何故自ら死地に赴く様な事をする。幾ら腕に覚えがあっても人間が英霊───サーヴァントに勝てる道理はない。正直言って、貴方のやろうとしていることは唯の蛮勇だ」

 

セイバーにとっては当然の疑問、そして修司にとってその問は既に答のある聞きなれたモノだった。セイバーの隣にいる士郎は表情暗く俯き、ジャンヌは目を閉じて瞑目している。

 

真っ直ぐに見詰めてくるセイバー、対する修司もまた彼女の視線から逃げず、彼女の瞳を正面に捉えながら応えた。

 

「それは、俺が聖杯戦争に全てを奪われた人間だからだ」

 

「───え?」

 

「10年前、冬木の新都の方で起きた大火災、あれは当時の魔術師達が起こした聖杯戦争によるものらしくてな、それの所為で俺も其処にいる士郎も家族を失った」

 

「……そう、なのですか、シロウ?」

 

目を見開き、微かに震える声でセイバーは隣に座る士郎へ訊ねる。返ってきたのは無言の肯定、静かに頷く己のマスターにセイバーは今度こそ言葉を失う。

 

「10年前に起きた惨劇が今再び起きようとしている。俺はそれをなんとしても阻止する。いや、しなければいけない。聖杯戦争に乱入し、元凶たる聖杯を破壊する」

 

「聖杯を……破壊?」

 

「あぁ、万能の願望器だが知らないが、そんなものがあるから俺達の街は壊された。多くの犠牲者を生み出し、深い傷痕を刻まれた。故に、俺は聖杯を破壊すると決めた」

 

修司の戦う理由である聖杯の破壊、それはセイバーにとって寛容し難い話で、当然認められるモノではない。だが、彼女にはそれが出来なかった。

 

「戦争なんて血腥い戦いに進んで参加したんだ。セイバーさん、アンタにも譲れない願いってのがあるんだろ。それ自体は否定しない、けどな」

 

「聖杯戦争の果てにあの地獄が待っているなら、俺は全力を以てそれを阻止するぞ」

 

目の前の少年は嘗ての聖杯戦争の被害者だ。当時の理不尽に抗い、払拭する為に体を鍛え、今日まで力を付けてきた。そして今、嘗ての災厄が10年の時を経て再び訪れようとしている。

 

セイバーに、彼の言葉を否定するだけの材料など持ち合わせてはいなかった。だって、彼の言っている事は何処までも正しいからだ。彼の怒りはこの街に住まう人間にとって当然抱くモノだからだ。

 

それを否定する事など、自分には出来ない。その資格すらない。10年前の聖杯戦争に参加していた(・・・・・・・)セイバーに修司の言葉は何処までも深く、重かった。

 

「じ、じゃあそろそろ飯にしようか。そろそろ藤ねえも来るし、人数分用意しないと……」

 

重苦しくなった今の空気を可能な限り払拭しようと、努めて士郎はそう言って立ち上がり、台所へと足を進める。

 

「んじゃ、俺も手伝うよ。流石に此処から一人で作るには時間が掛かる。士郎、冷蔵庫借りるぞ」

 

「わ、分かった。んじゃ修司は前菜を頼む」

 

台所に並ぶ修司と士郎、互いにそつなくこなし邪魔になるような事はならず、男二人による調理は恙無く進んだ。

 

「……あの、最後に一つ質問して良いですか? ルーラー」

 

「は、はい。何でしょうか?」

 

「何故、共闘を我々に提案したのです? 私達以外にもアーチャー達の様な適任は他にもいるかと思われますが?」

 

顔色悪く、力弱く手を上げて質問してくる剣士の少女。昨夜の力強さは何処へいったのか、力なく項垂れ、特徴的なアホ毛も何となく萎びてるようだった。

 

「えぇ、最初は私もそのつもりでした。ですが先程見掛けたときは気絶していた様で、アーチャーに抱えられていた状態でしたから、呼び止めるのに少し躊躇してしまったんです」

 

そして、不思議そうに応えるジャンヌの言葉に調理していた男二人の肩はビクリと震えるのだった。

 

「修司……」

 

「お、俺は悪くないもん……」

 

その後、やって来た藤村大河教諭と一緒に食卓を囲み、多少の騒動に見舞われながらも、本日の夕食は無事に終了するのだった。

 

「桜ちゃん、来なかったな。安心した様な、少し残念な様な……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───その後、衛宮邸での夕飯を済ませ、自宅へと戻った修司達。少しの休息を挟ませ弛んだ気持ちを引き締めながら、修司はお手製である山吹色の胴着を身に纏う。

 

時刻は深夜、魑魅魍魎達が動き出すには最適な時間帯。シドゥリはとっくに眠りに付いているし、圏境を用いれば気付かれること無く外へ出ることが出来る。

 

防寒用の上着を羽織り外に出ると、既に鎧を身に纏うジャンヌが待機していた。

 

「修司君、準備は良いですね?」

 

その口ぶりから彼女にはもう修司を止めようと言う意思はない。あるのは修司だけはなんとしても五体満足で生還させるという覚悟と決意、それを汲み取ってか修司も力強く頷いた。

 

「あぁ、キャスターをぶちのめして街の人達を解放させる。ジャンヌさん、頑張ろう」

 

修司とジャンヌの気持ちは同じ、唯一違うのは修司だけでも生き延びさせようとするジャンヌと共に生き延びようとする修司の決意だけ。しかし、そのズレさえも認め合い二人は夜の冬木へ跳躍する。

 

向かった先は柳洞寺、聳え立つ階段を前に修司はもう一方の陣営の到着を準備運動をしながら待った。

 

「さて、約束の時間にはまだ時間があるな。ジャンヌさん、今の内に作戦の確認をしておこうか?」

 

「……いえ、どうやらそんな暇は無いようです」

 

「それは、どういう?」

 

「この魔力の流れは───やられた! キャスターはセイバーのマスターに術を仕掛けています! 今、柳洞寺にはキャスターの他に士郎君がいます!」

 

「っ!!」

 

叫ぶようなジャンヌの言葉に反応し、修司は柳洞寺へ続く階段をかけ上がる。呼び止めようとするジャンヌだが、既に修司は山門の前にまで足を進めている。

 

何と言う脚力か、修司の身体能力の高さに改めて驚愕するが、呆けてばかりもいられない。追い縋ろうと彼の後を追うジャンヌだが………意外にも彼は山門の所で足を止めていた。

 

彼の気質なら囚われの士郎の所まで一直線に駆け付けるだろうと思っていただけに不思議に思いながら彼の隣に立つと………その理由に納得する。

 

修司の行く手を遮るように悠然と佇む一人の青年、その背に身の丈にも迫る長刀を背負い、その長い髪を夜風で靡かせるその姿、異国の出自であるジャンヌは理解する。自分の前にいるのは嘗ての日本という国の象徴、即ち───侍だと。

 

「先ずは名乗っておこう。我が名は佐々木小次郎、此度はアサシンのサーヴァントとして現界した」

 

「………自ら真名を名乗るのですか?」

 

「元より隠すほどの名ではないのでな、それに其方は裁定者(ルーラー)だ。真名が既に暴かれている以上、隠す意味は然程あるまい?」

 

その姿勢は何処までも自然体だった。まるで風に揺れる柳の如く………その佇まい、その心構え、武術を嗜む修司には一目で理解した。

 

目の前に佇む男は紛れもない強者だと。

 

「………ジャンヌさん、先に行ってくれ。コイツの相手は俺がする」

 

「修司君!?」

 

「今、士郎はキャスターの手の内なんだろ? 多分、俺が行った所で大した助けにはなれない。魔術に長けたサーヴァントにはそれに対抗出来る力を持ったサーヴァントを当てるのが得策だ」

 

「で、ですが!」

 

「頼む、行ってくれ。アイツは俺の友達なんだ。友達が死にかけているのにそれを見過ごす真似だけはしたくない!」

 

戸惑うジャンヌだが、修司の差し迫った言葉に圧され有無を言えなくなる。全ては修司の見解が正しい、しかしそれを行うには目の前のサーヴァントを修司一人で相手をするという事を意味している。

 

士郎を助けるか、修司を守るか、迫る選択肢を前にジャンヌが迷っていると……。

 

「来ないなら───此方から往くぞ」

 

一息に長刀を抜き放ったアサシンが、修司に向けて肉薄する。振り下ろされる刀、物干し竿と呼ぶに相応しい得物を前に修司は人生初の真剣白羽取りを実行する。

 

そして、それは成された。振り下ろされた刃を両手の掌で受け止めて見せ、それを目の当たりにしたアサシンは感心の声を漏らす。

 

「今だ! 行ってくれジャンヌさん!」

 

「っ!」

 

そのダメ押しの一言にジャンヌは今度こそ覚悟を決め、山門の向こうへと走り出す。その後ろ姿を見送って、修司は薄く微笑むアサシンを見てその疑惑を確信させる。

 

「お前、やっぱワザとか(・・・・)!」

 

「フッ、いやなに折角一人の男が覚悟を見せたのだ。ならばその後押しをしてやるのが人情と言うものだろう?」

 

「はっ、随分と気遣いの上手い侍がいたもん……だ!」

 

肉薄するアサシンの刃を蹴りで弾き飛ばし、石段の踊り場へと着地する。見上げれば未だ佇み、追撃する素振りを見せないアサシンが静かに修司を見下ろしている。

 

(コイツ、俺を待っている。俺がその気になるのを待ち望んでいやがる!)

 

それは侍の矜持───否、佐々木小次郎という一人の男の誇りだった。彼が望むのは全霊に全霊を重ねた至極の一時、聖杯戦争という戦いに戦いその物に願いを抱いた武士(モノノフ)の在り方だった。

 

「さぁ、来るがいい。未だ未熟な拳士よ、貴様が挑むのは剣の極致。ここより先は紛れもない死地と知れ」

 

あからさまな挑発を前に修司の闘志はメラメラと沸き立つ。明らかに乗せられたのに、目の前の男を前にするとそれすらも心地よくなってくる。

 

「───上等。ならばその極致、俺の拳で抉じ開ける」

 

上着を脱ぎ捨て、拳を構える。夜の風が凪ぎ、月の光が二人を照らす。包まれる沈黙、空気も、時間さえも止まるような錯覚を前に───動き出したのは。

 

「フッ!」

 

「ダラァッ!」

 

両者。石畳の階段を踏み抜き、駆け出した二人が剣と拳のそれぞれを振り抜く。ぶつかり合った衝撃が山の木々を揺らしていく。

 

 

 

 

 




Q.もしも、ボッチが魔術師として時計塔にやって来たら? part2

A.フラット君と出会えば時計塔及びエルメロイの胃が死にます。



if修司のいるカルデアWithマイルーム。

エレシュキガルの場合。

「ふぅん、貴方があの英雄王の臣下ねぇ。随分と物好きがいたものだわ。貴方、よく今まで死ななかったわね?」

「王様の無茶振りは大変だったけど、楽しかった? そ、そう。何とも出来た臣下ですこと」

「え? それはそうと貴方は少し自分を労った方がいい? べ、別に其処まで無理をしているつもりはないのだわ」

「え? このケーキ貴方が作ったの? お、美味しい……え? この紅茶も一緒に? な、何だか至れり尽くせりなのだわ」

「ふん、相変わらず未熟な腕前よ」

「その割にはさっきのケーキ美味しそうに食べてたよね。ギル」


パッションリップの場合。

「貴方は、私を苛めたりしないんですね。マスターと一緒でとても優しいんですね。あっ、でも私危ないし重いから、余り近寄らない方が良いですよ」

「え? そんな事はない? わわ! 私、浮いてる! お姫様抱っこされちゃってます!」

「私の様な女の子でも夢を見る権利はある? 何時かその腕も何とかして見せる? フフ、本当に優しい人なんですね」

「あっ、でも、私の体を素で持ち上げる人って……ちょっと不気味ですね」



「おーい! また修司さんが大の字なって倒れてるんだけどー!?」

「今度は……泣いてないな。泣いてないけど……」

「あっ、やっぱ泣いた」

「なんなんだこの人!? 滅茶苦茶強いのにメンタル弱すぎない!?」

「ギル……」

「えぇい! 一部の女にだけ弱味を見せおって!」




次回、魔女。

それでは次回もまたみてボッチノシ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。