『G』の異世界漂流日記   作:アゴン

194 / 417
ペンギンなメルトリリスが可愛くて辛い……辛くない?


その33

 

 

────桜と別れ暗くなり始める空の下、幾つもの車が行き交う冬木の大橋で海を眺めていた。海と山に囲まれ自然豊かな街、こうして眺めれば聖杯戦争なんて抗争が起きているなんて嘘のように思えてしまう。

 

「………結局、桜ちゃんは何が言いたかったんだろうな」

 

店へ一人置いてきてしまった後輩に考えを巡らせるが、魔術師ではない修司が答えに辿り着ける事はなかった。分かるのはあの時の桜の様子が何処かおかしかったこと、魔術に関わる彼女がこれ迄どういう心境で生きてきたか、修司には想像すら出来なかった。

 

しかし、どれだけ彼女が聖杯に掛ける望みが大きくてもそれを叶えさせる訳にはいかない。10年前の災厄が再び引き起こされる可能性が僅かでもあるのなら、それを阻止する義務と権利が自分にはある。

 

結局の所、修司もまた戦うしかない。聖杯戦争を止めるために全てのサーヴァントを倒していくしかない。仮に桜が自分の前に立ちはだかるのなら、修司もまた退く訳にはいかないのだ。

 

「───まぁ、結局出たとこ勝負なんだよな。分の悪い賭け事は性に合わないんだけどなぁ」

 

その時が来ることを憂鬱に思いながら立ち尽くしていると、向こうからやってくるのはここ数日で見慣れた金髪碧眼の少女、ジャンヌ=ダルク。

 

「修司君、お待たせしました」

 

「いや、大して待ってはいないよ。それで、そっちの話し合いはもう済んだのか?」

 

修司が街に出ている間、ジャンヌは士郎とセイバーに今後自分達とどうするつもりか是非を問う為に衛宮邸へ向かい話し合いを行っていた。

 

セイバー陣営である彼等に協力を頼んだのは冬木の人々を魔力源にしているキャスターを叩く迄の間、キャスター自体討伐は叶わなかったが、それでも彼女の戦力の大部分を削ぎ落とす事は出来た。

 

聖杯戦争の審判役であるジャンヌは公平に戦いを見守る義務がある。故に彼女は協力関係の解消をしようとしたのだが……。

 

「どうやら、セイバーのマスターは私達に協力をしてくれる様です。聖杯戦争から無関係な人々を守るために協力していきたいと仰ってました」

 

「何て言うか、アイツらしいな」

 

困ったように笑うジャンヌに連れて修司も苦笑う。脳内で完璧に再現できてしまう友人のその時の状況に微笑ましく思うが、ジャンヌの言葉に違和感を覚えた修司は今一度彼女に問う。

 

「セイバーのマスター“は”って事は、セイバーさんは違うのか?」

 

「それは………」

 

修司の問いに何と返していいのか分からず、ジャンヌは頭を悩ませる。彼女が言うには話し合いの最中終始心此処に在らずといった様子で、マスターである士郎の言葉にもあまり反応を示してはいなかった。

 

だが、それも無理もない事なのかも知れない。聖杯に願いを聞き入れて貰う為に聖杯に喚ばれたと言うのに、それを阻止すると豪語する者と出会ってしまった。

 

それが敵対する魔術師であるならば斬り伏せるのみだが、相手は魔術師から縁遠い人間でしかも嘗ての聖杯戦争による被害者である。10年前の聖杯戦争に参加していたセイバーにとって白河修司の存在はある意味鬼門とも言えた。

 

そんな彼から10年前の大火災を防ぐ為に聖杯戦争に乱入すると言われてしまえば当時の当事者であるセイバーにそれを言い返せるだけの言葉など持ち合わせていなかった。

 

気高き騎士であるが故に開き直る事など出来はしないセイバーは、現在針の筵の状態だろう。そんな彼女の心境など露知らず、ジャンヌは曖昧な言葉で濁す事しか出来なかった。

 

「確かにハッキリと言葉として聞けなかったのは残念でしたが、彼女も騎士。きっとマスターの言葉には従ってくれるでしょう」

 

「………まぁ、如何にも生真面目そうな人だもんな。余程の事じゃない限り士郎に騙し討ちなんてするわけないか」

 

修司は万が一の事を考えるが、あの女騎士が意味もなく主に背中から斬りつける様な事をやらかすとは思えない。ジャンヌの言葉を信じる事にする修司だが、まだ一つ疑問は残されていた。

 

「て言うか、なら何で士郎達は此処に来ないんだ? アイツの事だからついてくるもんだとばかり思っていたんだけど」

 

衛宮士郎は良くも悪くもお人好しが過ぎる人間だ。義理堅いし、人の頼みは基本断らず、時々見ている此方が心配になるほどの善人。そんな彼がこれから聖杯戦争に乱入するという自分達をそのまま放っておく事なんて出来ないと思っていた。

 

するとジャンヌは再び困ったように苦笑いを浮かべて───。

 

「実は、その……セイバーのマスターは今風邪を引いているらしくって──」

 

「風邪だぁ?」

 

彼女の口から告げられる意外すぎる事実に思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

 

「風邪? 嘘だろ? アイツは私生活もバカみたいに真面目な男だぞ? 体調管理も普段から徹底しているみたいだし」

 

「私もそう思うのですが……現に彼は今少しばかり衰弱しています。これから戦地に赴くにはあの状態では些か以上に危険と判断したので……」

 

「士郎達は今回置いていく事になったと、まぁそれが正しいか。病人を連れていく訳にも行かないし」

 

「彼の事はセイバーに任せましょう。私達は私達で、出来ることをやりましょう」

 

「そうだな。………士郎にはあとで栄養ドリンクでも買ってってやるか」

 

風邪で衰弱し、動けなくなった士郎を連れていくわけにも行かない。彼の事は彼のサーヴァントであるセイバーに任せ、二人は行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───マジか。本当にあったよ」

 

冬木の郊外にある森の中、時折電気ショックの様な地雷に微かな痺れを覚えながら暗い夜の森を進んでいくと、其処には中世の時代を想起させる立派な堅城が聳え立っていた。

 

普段から森には近付かない様に過ごしていたが、まさか城があるとは思わず、修司の瞳は驚愕に開かれている。しかもその造りは何処と無くドイツで見た物と似ている気がするから二重の意味で驚きである。

 

アインツベルンの城。聖杯戦争を確立させた御三家の一つとされている魔術の家、これから相対するであろう者達を想像し、修司は無意識に緊張で体を固くさせていた。

 

「修司君、先程も言いましたが今回の目的は戦闘ではありません。バーサーカーの陣営と話し合いをしに行くだけです。今回起きている聖杯戦争の異常に付いて、彼女達から知っている情報を伺いにいくだけですから、そう固くならなくても大丈夫ですよ」

 

「そ、それは分かってるんだけどね。こう、トラウマが、ね?」

 

安心してくださいと諭すジャンヌ、修司もその事は重々承知しているが、何せ相手は自分を殺そうとしてきた幼女だ。恐怖感は大分薄れてはいるが、それでも身体があの時の戦いを思い出してつい臨戦態勢に入ってしまう。

 

既に聖杯戦争が始まって幾度となく戦いに首を突っ込んでいるのに、未だに修司の心は幼女とあの筋肉大男に過剰に反応してしまう。

 

「はぁ、では最後に深呼吸をしておきましょう。既に私達が侵入してきているのは気付かれています。対話を行うには先ずは此方に敵意が無いことを示す事が重要です」

 

「あ、あぁ……分かった」

 

言われて深く呼吸を繰り返す。全身の力を抜き、自然体で入られるように勤め、修司は何度も深呼吸を繰り返す。軈て全身の硬直感は解れ、リラックスな状態に差し掛かり。

 

「もう、いつまで待たせるの? 女の子を待たせるなんてお兄ちゃんてばマナー知らずなんだから」

 

突然聞こえてきた声に修司の身体はビクンと震えて息を呑む、完全脱力からの不意討ちに息を詰まらせた修司は窒息によって顔を青白くさせていく。

 

まるで狙っていたかの様なタイミング、呆れの溜め息を溢しながらジャンヌは城の玄関先で佇む白く幼い魔術師へ視線を向け。

 

「悪戯とは感心しませんよ。バーサーカーのマスター」

 

「フフフ、驚かしてしまってごめんなさい。でもそこのお兄ちゃんもいけないのよ? あまりにも面白い反応するものだから、つい遊び心が疼いてしまったわ」

 

年相応に笑う少女に毒気を抜かれたジャンヌは、話を変えようと態度を改め──。

 

「……この度は突然の来訪の無礼、お許しを。私はルーラージャンヌ=ダルク、バーサーカーのマスターである貴女にお尋ねしたいことがあって参上しました」

 

「えぇ、その話受け入れるわ。イリヤスフィール=フォン=アインツベルンは貴女達を歓迎します」

 

聖女の立ち振舞いに敬意を評してイリヤスフィールと名乗る少女も優雅な立ち振舞いで答える。尤も──。

 

「あの、挨拶が終わったなら、助けて、くれませんかね?」

 

「あぁ! 修司君ごめんなさい!」

 

青ざめて呼吸困難に陥ってる修司を見て、少女の口許は依然として笑みを浮かべたままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ、ハーブティーでございます」

 

「あ、どうも」

 

家主であるイリヤに連れられて二人が案内されたのは客間と思われる場所だった。促されて席に座り、イリヤの側で控えていたメイドが綺麗な所作で用意されたカップに紅茶が注がれていき、香り立つ紅茶を目の前に置かれた修司は先ずメイドに凝視し、次に部屋全体を見渡した。

 

そこは客間というには余りにも豪勢な造りだった。綺羅びやかなシャンデリア、大きな窓には綺麗なカーテンが掛けられ、そのどれもが素人から見ても一級品である事は分かるほどにその部屋は豪華に彩られていた。

 

ましてや蒔寺との付き合いや英雄王にそう言ったモノを見せ付けられて修司の眼はある程度物の知る事に肥えている。そんな彼からすればこの部屋はまるで財宝の宝庫だ。壁に掛けられた絵画、飾られた刀剣、傍らに置かれた騎士甲冑、そのどれもが偽りの無い本物である事は嫌と言うほど理解してしまう。

 

目の前に置かれているティーカップだって相当な年代物だ。果たしてこれに口を付けていいのだろうか? 隣にいるジャンヌへ視線を向ければ構うことなくティーカップに口を付けている。

 

流石英雄ともなれば胆力も違うなぁ。なんて思いながら修司もまた紅茶を口にする。うん、やはりこの紅茶も高級品だ。味が其処らの品とは訳が違う。魔術師と言う奴は皆こんな金持ちなのだろうか?

 

「──フゥ、美味しいお茶ですね」

 

「フフ、気に入ってくれた様で嬉しいわ。お兄ちゃんもお口に合ったかしら?」

 

「あ、ウン。オイシカッタデス」

 

出された紅茶を飲み干したコトだし、話の場は整った。いよいよ話を進めようとジャンヌが口を開こうとした時。

 

「あぁそうそう。話の前にお兄ちゃんに言いたい事があったんだ」

 

「え、俺?」

 

「うん。以前この街で騒ぎを起こした人間……深山町だったかしら? そこで起きた殺人事件、お兄ちゃんは知ってるよね」

 

「あ、あぁ……」

 

「あの犯人、私が殺しておいたからお兄ちゃんはもう気にしなくていいよ」

 

「………え?」

 

あっけらかんと、何事も無かったように微笑みすら浮かべて口にするイリヤに修司の思考は固まった。

 

殺した。見た目はまだ幼い少女が一人の人間をあっさりとそう口にすることに修司は魔術師の悍しさを初めて眼にした様な気がした。

 

「こ、殺した? 君が? 何故?」

 

「何故って、お兄ちゃん困ってたんでしょ? あの殺人事件の犯人、偶々見掛けたからバーサーカーに頼んで連れてきて、事情聴取? というモノをしてみたのよ。 そしたらその犯人何て言ったと思う?」

 

「“誰でも良かった”だそうよ? お金に困っていたから強盗序でにその一家を殺し、残った子供は気紛れに見逃しただけ、私達魔術師もそうだけど今の人間って中々凄いわね。意味もなく人を殺しちゃうなんて」

 

呆れた様に語るイリヤにジャンヌは痛ましく目を瞑り、修司は愕然とした思いで聞き入っていた。殺人を犯した犯人もそうだが、目の前の女の子もまた異常だ。人の生き死に全く頓着していないその在り方はあの日パリの地下で邂逅したネルロ某と全く同じ性質に思えた。

 

「その癖いざ自分の番となると泣き喚くんだもの、話聞くのも詰まんなかったし、適当に殺して燃やしたの。ほら、この国って火葬が主流でしょ?」

 

「───なぁ、イリヤスフィールちゃん」

 

「長いからイリヤでいいよ。なに、お兄ちゃん」

 

「君は、その殺人事件の犯人を殺した事になんの忌避感も感じていないのかい?」

 

「? ───なんで?」

 

「確かに、犯人のした事は許せるものじゃない。人を殺しておいて誰でも良かったなんて宣う輩は端から見れば死んで当然だと思う。でもね、だからと言って本当に殺してしまってはあまり意味がないんだ」

 

「え? どうして? だって皆困ってたんでしょ? 街で色んな人に聞いてたけど、皆同じことを言ってたよ? そんな犯人は許せないって」

 

「そう、許せないんだ。残された子供の事を考えれば誰だってそう感じる。そう思う。でもね、その犯人は一切その事を知らないんだ。自分のした事を何一つ理解していないんだ」

 

「────」

 

責める訳ではなく、何も知らない子供を諭す様に修司はイリヤへ語り掛ける。何故悪い奴を殺してはいけないのか、純粋に疑問に思うイリヤに修司は可能な限り分かりやすく言葉で伝える。

 

「罪を犯した奴には罰を与える。でも、その前に先ず自分が何をしたのか思い知らさなければならないんだ。殺された人達の無念を、人々の怒りを、残された子供の憎しみを、その全てを犯人は背負わなければならない。それを自覚して初めて罰は罰足り得るんだ」

 

「でも、それだと時間が掛かるんじゃないの? 自覚させるって言うけれど、そんなの結局は犯人次第じゃない」

 

「そう、だから時間が必要なんだ。犯人が自分のした事を自覚させる為に、被害者の心が癒えて犯人と決着をつける為に、時に人は時間を必要とするモノなんだ」

 

人は時間によって忘却し、時に癒され、時に立ち上がる事が出来る。犯人が捕まり、生き残った子供がそれを乗り越えられるまで成長し、犯人と法的決着を着けることで初めて今回の事件は解決となる。喩え犯人が反省しなくても怒りと憎しみをぶつける事は出来る。

 

けれど、犯人が死んでしまえばその感情も宙ぶらりんのまま、怒りや憎しみをぶつける相手がいないとなると、あの生き残った少年の感情は何処へ向かえば良いのだろうか。

 

「────」

 

「君が良かれと思って犯人を始末したのは分かった。結果的に言えば君の行いは街の人達の為にもなった。その事は本当に有り難いと思うし、申し訳ないとも思う」

 

「だから、今度また同じことをしようとした時、少し待って欲しい。 君が手を汚す事が無いように俺も頑張ってみるからさ」

 

そう語り掛ける修司に対して、イリヤは下へと俯いてしまう。何か言い方を間違えてしまったか、隣のジャンヌへ助けを求めるように視線を向ければ、頼みの聖女は困ったように顔を顰めて首を横に振るだけ。

 

心なしか彼女の両脇で控えるメイド達から怒りの感情が沸き立っているように見える。話をしに来ただけなのに結局は戦いになるのか、緊張感が高まりつつある客間で修司が身構えようとした時。

 

「でも、キリツグは来てくれなかった」

 

「………え?」

 

イリヤのその声は何処までも小さく掠れていた。

 

「私はずっと待っていたのに、キリツグは迎えに来てくれなかった。悪いことをしたのはキリツグなのに、キリツグは私にごめんなさいの言葉もなかった」

 

(キリツグって、もしかして切嗣さんの事か? 確か切嗣さんって士郎の親父さんだった筈……)

 

イリヤの口から紡がれる人物、それは士郎が小学校の頃に亡くなったとされる父親の名前の筈、何故此処で彼女の口からその名前が出てくるのか、困惑する修司がイリヤに何て声をかけようかと迷っていた時。

 

「「「っ!!??」」」

 

それは突然起きた。冷たく、重たく、粘りつくような濃厚な殺意。客間にいる全員に叩き付けられる殺意の暴威に冷や汗を流しながら、修司とジャンヌは殺意の元となる場所へ目を向ける。

 

イリヤの背後にある窓、その奥にあるテラスへ抜けると───それはいた。

 

森の奥から溢れるように涌き出る黒い泥、その中から現れるのは赤黒く刺々しい槍を持つ尾の生えた槍兵。

 

「なんだ───アレ?」

 

「あれは、まさかランサー!? でも、あれではまるで……」

 

別人。そんな言葉を呑み込んで這い出る殺意の槍兵を凝視するジャンヌはあれが如何に危険な存在か、そして自分が何故召喚されたのか理解する。

 

「───修司君、そしてバーサーカー陣営の皆さん。今すぐ此処から逃げて下さい」

 

「ジャンヌさん?」

 

「アレは───危険です。今すぐ逃げて体制を整えなければ!」

 

「悪いけど、それは出来ないわ」

 

一歩ずつ近付いてくる歪な槍兵を前に直ぐに逃げるよう告げるジャンヌだが、白く小さい魔術師は拒絶する。

 

「アレの相手は私とバーサーカーがする。その間に貴女達は逃げなさい」

 

「なっ、待ちなさい!」

 

イリヤはジャンヌの制止を振り切り、テラスから飛び降りる。アインツベルンとしての意地か、それとも先の修司の言葉で嫌な事を思い出したのか、今のイリヤはこの時少しばかり視野狭窄となっていた。

 

「バーサーカー!!」

 

「■■■■■■■■■ッ!!」

 

主の叫びに呼応して、偉大なる大英雄が姿を顕す。その肩に小さな主を乗せ、着地と同時に彼女を地面に置き、敵である槍兵を睨み付ける。

 

「殺して、バーサーカー。アイツを今すぐに!」

 

「■■■■ッ!!」

 

主の命令に従い、狂戦士は飛び出していく。その手を強く握りしめて佇む相手へと拳を振り下ろす。

 

その刹那。

 

「嗚呼、分かっている。精々そちらも上手くやれよ」

 

屈強な狂戦士の胸元に禍々しい槍が突き刺さる。貫かれた槍は内側から華が咲くように広がり、狂戦士の命を刈り取っていく。

 

「怖じ惑え、皆殺しだ」

 

殺意の牙が突き立てる。

 

 

 




Q.どうしてオルタ兄貴なの?
A.カッコいいから(あとノリと勢い)

設定云々は気にしない方向で!




if修司のいるカルデアWithマイルーム。

AUO(術)の場合。

「修司? 知らんな。あの男は我ではなく弓の我の臣下だ」

「故に我が気に掛ける必要は無いし、我が声を掛ける必要もない。そう、我と奴は無関係なのだ」

「だから弓の我よ、我を巻き込もうとするな! えぇいこのような事で鎖を使うでないわ!」

「おい。なんだその赤いモノは、麻婆? 止めろ、それを我に近付けるな! 死なば諸? た、たわけ! その程度で死んで堪るか! 唯でさえ昨今の我は過労死王などと呼ばれ──」

「おい。止めろ。本当に止めろ! だ、誰か! 誰かアッーーーー!!」

「お、おいAUO達が倒れてるぞ!」

「此方には女神イシュタルがいるぞ! うわぁ! エルキドゥさんまで!」

「指先で何か書いてる………まーぼー?」

「なんだ、一体何が起きてるんだ!?」



ホームズの場合。

「ふむ。彼か」

「確かに彼は有能だ。戦闘に関しては言うに及ばず、その頭脳もまたかなり優秀だ。彼のお陰で幾つもの窮地を脱する事が出来たのは疑い用のない事実」

「だが、何事も程々なのが一番なものさ。過ぎ足るものは時として毒にもなる。つまり、私がいいたいのはだね」

「人の推理を横で掻っ攫う真似は控えて欲しいんだよなぁ。折角人がいい感じに溜めようとしてるのにさぁ、アッサリと口にするのはどうかと思うよ?」

「報連相は大事? うん、だから正論でゴリ押しするのは止めようか。止めようか(切実)」



次回、反転(オルタ)

それでは次回もまた見てボッチノシ


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。