これもきっとパワハラ様の仕業なんだ!(唐突の鬼滅の刃推し)
「───私達の方針は冬木の聖杯、即ち大聖杯の破壊という事で話を進めるけど、ぶっちゃけその辺りはどうなの?」
桜を殺すのではなく、聖杯を破壊するという方向で話を進め始めた衛宮邸での円卓会議(居間のテーブルは四角)その際に行き着いた最初の難関はその聖杯が本当に破壊できるかについてだった。
聖杯という存在は前回からの戦争によって確認されている。だが、それはあくまでアインツベルンが用意した別枠の聖杯、聖杯戦争の根幹を為している大聖杯はその規模も大きさも依然として不明なままだ。
ただ、大聖杯は冬木の霊脈に密接に繋がっていると思われる事から、間違っても片手に収まる程度の規模でないことは確実の筈。過分な魔力を吸い上げて顕れる大聖杯はまさに一つの極大な魔力炉心、生半可な魔術攻撃ではびくともしないだろうというのは、予想出来た。
「因みに、私のアーチャーでも難しいみたいよ。実物を見ない限り何とも言えないけど、私の方は宛に出来ないと思って頂戴」
「私のバーサーカーも………かなぁ。バーサーカーは力こそ他のサーヴァントより遥かに強いけど、大聖杯を破壊するだけの一撃ってなると、ちょっと難しいかも」
どちらかと言えばバーサーカーはその力こそが宝具みたいなもの、狂戦士としてではなく、弓兵として召喚されたなら或いは可能性があっただろうが。
「こうなってくると、セイバーが落ちたのが悔やまれるわね。彼女がいれば大聖杯だろうと一撃で粉砕出来ただろうに」
「セイバーって確か士郎のサーヴァントだったよな? 彼女って其処までの力があったのか?」
士郎とセイバーとは同盟関係ではあったが、実際に戦っている所は見たことがない。セイバーというから剣士であることは解るが、果たしてあの細身の女性に其処までの力があるのだろうか。
疑問に首を傾げる修司にジャンヌが遠坂に代わり説明する。
「セイバー……彼女の真名はアルトリア=ペンドラゴン。嘗てブリテンの王、アーサー王その人です」
「────マジで?」
明かされるビッグネームに修司は目を丸くして再度訊ねる。サーヴァントとは過去に英霊として名を世界に刻まれた英傑達、確かに彼の騎士王が召喚される可能性も零では無いだろうが、まさか此処でその名前を耳にするとは思わなかった。
「いや、アーサー王って確か男だった筈じゃ……」
「当時のブリテンには超一流の魔術師がいるとされています。夢魔と人の混血児マーリン、彼の大魔術師の力ならば性別を偽る位造作もないかと」
ジャンヌの説明を補足するようにバゼットも口を挟む。まさかあの騎士王が、ゲームやアニメ等で知られるイギリス最大の偉人がまさかの女性だった事実、世の歴史学者が知れば卒倒するであろう真実に修司は困惑しながらも納得した。
アーサー王伝説に於ける最大の宝具、聖剣エクスカリバー。成る程、確かにあの聖剣ならば大聖杯を破壊するに足る力を有していると言われても納得してしまう。
だが、そんな最大火力の戦力はもういない。神代の魔術師であるキャスターなら次点で候補に上がるのだが……。
「私の令呪は既に一度彼女に使用しています。加えて彼女は稀代の魔術師、迂闊に此方の手札を切るのは悪手かと思いますが……いよいよとなったら」
「令呪で何とかする……か、具体性が欠けてるけど確かにあの魔術師にはそれくらいしかできないわね」
神代の魔術師、キャスター。その真名はコルキスの王女メディア。柳堂寺に居城を構え冬木の人々から魔力を吸い上げてきた慎重さと実力を兼ね備えた一流の魔術師。
彼女の有する火力は実際に目にしたジャンヌをして舌を巻くほど、あれだけの力なら大聖杯を破壊するに足る火力を生み出せるのではないかと思えるが……同時に、不安要素でもあった。
キャスターは未だに姿を眩ましている。様子見を決め込んでいるのか、それとも何か企んでいるのか、嵐の前の静けさのような沈黙を保っている事に不気味さを感じる。
あれだけ慎重な彼女だ。此方が隙を見せた所で一気に逆転の不意打ちを狙ってきそうな気さえする。
「まぁ、キャスター相手ならバーサーカーで充分だけどね」
「ん? どういう事だ?」
「バーサーカーの真名はヘラクレス。メディアとは面識があるのよ」
サラリとバーサーカーの真名を明かす遠坂に修司の目は再び丸くなる。
「アーサー王に魔女っ娘メディア、佐々木小次郎に更にはヘラクレスとか………マジか」
「その内の一人を貴方は倒したけどね」
聖杯戦争という戦いの凄まじさを改めて実感した修司は頭を抑えて机に伏せる。過去の偉人達、その中でも有名処が惜し気もなく登場していた事実に、修司は自分が如何にヤバイ相手と戦ってきたのかを改めて思い知る。
尤も、そんな過去の英霊………即ちサーヴァントを現代の人間が打ち倒している事は遠坂達魔術師にとって充分信じられない話ではあるが。
「てか、ギリシャの大英雄を一人の小僧殺すために使うかね。えぇ? そこのロリッ子」
「テヘペロ」
ジト目で恨めしそうに睨むも当の本人であるイリヤは全く堪えた様子なくしている。これが魔術師かとゲンナリした所で修司はふと思った事をジャンヌに訊ねる。
「因みに、桜のライダーの真名は分かるのか?」
「彼女はメドゥーサ。かの有名なギリシャの怪物、ゴルゴーン姉妹の一人です」
ギリシャに於けるヘラクレスやコルキスの王女メディア、それに加えてメドゥーサまでもが聖杯戦争に参加していた事実。
ギリシャ勢が多くね? そう疑問に思うよりも前に修司は再び頭を抱え………。
「嘘だろ。よりにもよって薄幸少女メドゥーサちゃんかよ……」
「は、薄幸少女メドゥーサちゃん?」
「し、修司君? 薄幸少女メドゥーサちゃんとは?」
「ん? 魔女っ娘メディアちゃんの次に放送された深夜枠のアニメだよ。あのアニメも王様……俺の保護者が関わっていたアニメでさ、姉達にイジられたり女神アテナに苛められたりしながらも健気に頑張る日常系アニメの主人公なんだよ」
「懐かしいなぁ。僕も昔桜と見てたっけ」
「俺も、藤ねえに巻き込まれた形で見てたけど深夜枠なのになんか惹き付けられるんだよなぁ」
「でも、あのアニメでは小さな女の子だったじゃん。何であんな大人な女性になってるんだ?」
「そりゃ、史実とでは実際には異なる部分もあるんだろうよ。俺もアーサー王が女の子とは思わなかったし」
「そう言う意味では期待外れだったね。せめてあのアニメ位可愛気があれば、僕としても気分よかったのにさ」
修司の呟きから始まった当時のアニメの話題、よもやメディアに続きメドゥーサまでもがあの英雄王の毒牙に掛かっていたとは、色んな意味で酷い黄金の王の所業にジャンヌは目眩を覚えた。
「はいはい男共のバカ話は置いといて話を進めるわよ。現状私達は戦力こそ揃ってはいるけど何れも決定打に欠けている状態よ。大聖杯の破壊に足る手段、他に案のある者はいないかしら」
遠坂はそう言って辺りを見渡すが、やはり誰も声を上げるものはいなかった。当然だ。長い間冬木の霊脈に巣食い、魔力を貯めてきた大聖杯は謂わば大規模な魔力炉心、それを完全に破壊するとなると生半可な火力では心許ない。
誰もが口を閉ざす中、修司だけは心当たりがあった。大聖杯を破壊して余りある力───即ち、あの魔神の存在を。
(でも、使って良いのか。あの魔神を喚んで果たして俺は無事でいられるのか?)
思い出すのは夢で見たあの光景、星よりも強大で星雲すら呑み込み、永遠に闘争と破壊を繰り返す埒外の化生。あの時夢で見た光景が自分の待つ末路だと思うと、握り締めた手が震えてしまう。
しかし……。
(違うよな。今考えるべき事はそこじゃないよな)
今、この瞬間に誰よりも怖い思いをしているのは間桐桜に他ならない。彼女を助ける為なら今は自分に対するリスクは度外視するべきだ。
彼女を助ける。それが今の自分の望みなら、それだけに気持ちを割くべきだ。
気持ちは固まった。沈黙するこの場の空気を払拭しようと修司が手を上げようとした時───。
「あの、大聖杯の破壊は私に任せていただけませんか?」
修司の言葉を遮るように先にジャンヌの声が沈黙を破る。挙手をして言い切る彼女にその場の全員の視線が集まる。
「え? ジャンヌ=ダルクって対軍宝具レベルの宝具って……そんな由来貴女にあったかしら?」
「ていうか、貴女の宝具って護り特化じゃなかった?」
英霊───サーヴァントには基本的に一体に付き宝具は一つとされる。生前に於ける偉業や伝承を宝具として昇華させる事によって有することを許される。
だが、当然ながら由来とされるモノが一つでない場合その場かぎりではない。偉業とされるモノが複数あるのならば、有する宝具が複数であることも有り得る。
だが、果たしてジャンヌ=ダルクにそれだけの宝具が、他にもあっただろうか? 本人を前にして失礼ながらも思い付かない事に遠坂とイリヤはウンウンと頭を唸らせていると……。
「詳しいことは話せませんが、大聖杯は私が責任を以て破壊します。どうか、今は私を信じてください」
「………ルーラーの貴女が其処まで言うなんてね。分かったわ。取り敢えず大聖杯の破壊は貴女に任せる事にするわ。イリヤもそれで良いわね?」
「私はそれで良いけど……お兄ちゃんはそれでいいの?」
「──え? あ、俺?」
まるで自分の代わりの様に切り出したジャンヌに、修司は先程の決意が霧散していくのを感じた。何故此処で彼女が出るのか、疑問に思う修司だが此方に顔を向けて微笑む彼女に修司はまさかと思った。
もしかして、彼女は自分に………あの魔神について何か知っているのではないだろうか。自分とあの蒼い魔神との関係に何かしら心当たりがあるから、だから自分の代わりに大聖杯を破壊すると言い出したのではないか?
だとするならば彼女を止めるべきだ。彼女が有する二つ目の宝具が何なのかは定かではないが、大聖杯を破壊するにはそれだけの魔力の確保が必要になる筈だ。
これ迄の短い付き合いではあるが、修司は目の前の女の子がどれだけ意志が強く、優しいのかを理解している。もしその宝具が何かしら自分を犠牲にするモノだとしても、構わず使いきる覚悟が彼女にはあることも修司は知っている。
「私なら大丈夫ですよ。修司君、貴方は貴方にしか出来ないことを成し遂げて下さい」
けれど、慈愛の笑みを浮かべる彼女に修司は何も言えなくなった。間桐桜を助けたいのなら、それだけに集中し、やり遂げて見せろ。微笑みの裏でそう強く言ってくるジャンヌに修司は彼女を引き留める言葉を完全に失ってしまった。
そうして話し合いは続き、作戦の内容が固まり始めた頃、遠坂の背後に紅い弓兵がその姿を現した。
「作戦立案の進捗はどうかな?」
「アーチャー、ごめんなさい。もう少し煮詰めておきたいの。もう少し待ってくれるかしら?」
「いや、此方も急かすつもりはない。万全を期すのは戦場に携わるものなら当然の事だからな。しかし、一つ解せない事がある。その作戦を立てるのに何故この家で行う必要があるのかな?」
何気なく言い放つアーチャーの一言に場の空気は一気に凍り付く、何故今になってそんな事を言うのか、まるで士郎を敵視したアーチャーの物言いに修司はふと違和感を覚えた。
「───どういう意味だ? 言いたい事があるならハッキリと言ったらどうだ」
「なに、私からの細やかな気遣いのつもりだったが、どうやらお気に召さなかった様だ。ならば言わせて貰おう。聖杯戦争から降りろ衛宮士郎、ここから先の戦いで貴様が役に立つ事は何一つありはしない」
「んだとっ!?」
「事実だ。現に貴様はこの場にいる誰よりも脆弱で、誰よりも何も出来ていない。吼えることしか出来ない貴様は足手まといになる前に降りろと、そう言っているのだ」
ハッキリとお前は邪魔だと言い放つアーチャーに士郎は何も言えなくなった。目を逸らしていた現実を前に士郎の敵愾心はドンドン萎んでいく。
「ちょ、ちょっとアーチャー。いきなり何を言ってんのよ!」
「これでも、其処の小僧や皆を考えての事なんだがね。これから我々が行うのは失敗の許されない戦い、即ち決戦が待っている。戦う術もなければ自衛の手段もない、相手からすれば的でしかない者を連れていってもデメリットしかないだろう」
「そんな事、あるもんか! 俺にだって何か一つ位出来る事が………」
「では聞こう。貴様に遠坂凛やイリヤスフィール並の魔術の知識はあるか? 其処にいる執行者や白河修司の様な実力がお前にはあるか」
「っ!」
「無いだろう? 聖杯戦争が始まるまで貴様がしていた事は魔術の基礎にすら満たない戯れでしかない。執行者の彼女から聞いただろう。貴様が呑気にしている間、白河修司は世界中を巡り死徒を斃して回っていたと」
(え、使徒? 俺、いつの間に人類補完計画に参加してたの?)
(多分、違うと思うぞ)
後ろでこそこそ言っている二人を無視して弓兵は続ける。
「今の貴様に出来る事はなんだ? むざむざ人質になる事か? 戦場でも救助の場でも一番被害を増やすのは何も出来ないのに出来る気になっている輩だ。そんなものは正義の味方ですらない」
「っ!?」
それは士郎が切嗣と約束し、唯一己に残された願望、正義の味方。そう在りたいと願う士郎にとってアーチャーの言葉は死刑宣告にも聞こえた。
そんな筈はない。と、口にしたかった。こんな自分でも、魔術師としても半人前以前の自分だけど、それでも出来る事はある筈だと吼えたかった。
だけど、アーチャーの言う通りこれ迄の自分は何も出来なかった。ランサーに抵抗虚しく殺され、バーサーカーには為す術なく胴体を切り裂かれ、キャスターには抵抗すら出来ず人質に成りかけた。
同盟相手である修司とジャンヌに多大な迷惑を掛けてばかりだ。自衛の為にセイバーに剣の稽古を付けて貰ったりしたが、それを見せる場面も結局今まで無かった。
もう、自分には出来る事は無いのか。自分では正義の味方に成り得ない、唯一自分に残った願望も否定され、力なく項垂れる士郎に誰も声を掛けることは出来ず……。
「いや、普通にあるだろ」
それでも、白河修司は見捨てない。魔術も碌に扱えず力もなく、無力と断じられた士郎を修司は違うと否定する。その一言にアーチャーの視線が修司へと向けられ、その目には呆れと苛立ちの色が濃く滲み出ていた。
「───正気か? この期に及んで、この小僧に出来る事があると? 無力な輩がいた所で足手まといにしかならないと何故分からない」
「確かに人を助けるにはそれなりの知識と力は必要だ。でもな、人を救う事に関して言えば力の有無は関係ないんだぜ」
「───なに?」
人を救うのに力はいらない。そう語る修司にアーチャーは目を見開き、対して修司は確信を得た様子で不敵に笑っていた。
そう、人を救うのに力の有無は関係ない。何故なら白河修司自身がその事を強く実感しているからだ。祖母を亡くした時、喪った悲しみに沈んでいた嘗ての自分を救い出してくれたのは他ならぬ当時の桜だったのだから………。
桜自身、そこまで考えてはいなかったのだろう。当然だ。まだ五才にも満たない幼子の子供にそこまで考えが回る訳がない。当時の彼女が修司に近付いたのは何処までも純粋な好奇心とお節介、ただそれだけなのだから。
けれど、悲しみと苛立ちで失意のドン底にいた修司を救ったのはそんな桜の心の優しさに触れたから、修司は悲しみから立ち上がる事が出来た。
10年前の大災害で両親を喪った時もそうだ。両親を亡くした絶望にあの黄金の王は半ば無理矢理に修司を立ち直らせる事が出来た。
『泣いてもいい、喚いてもいい、ただ立ち止まることだけはするな。それは貴様だけでなく貴様を生かした父と母の生き様を汚す所業と知れ』
当時、両親を喪ったばかりの子供に黄金の王はそう言い放った。とても厳しく、それでいて熱い叱咤激励の言葉、修司という人間を想っての言葉に子供ながら理解し、そして再び立ち上がった。
救うと言うのは心の受け取り方、その人の心にどれだけ向き合えるかが鍵となる。そういう意味では間桐桜を救うのに衛宮士郎という存在は必要不可欠と言えるだろう。
けれど、それは暗に自分では桜を救えない事の裏返し。どれだけ力を付けても自分では桜を助ける事が出来ても救う事は出来ないという修司の確信でもあった。
「まぁ尤も、桜ちゃんを救うのに命懸けな事は変わらないがな。でも、やり遂げてみせるんだろ?」
そして修司は士郎の後ろへと回りその背中を叩く。強く、重たい衝撃。噎せたくなる衝撃に必死に耐えながら自信に満ちた笑みを浮かべる修司に笑い返すのだった。
「あ、あぁ! 勿論だ。俺にとって桜は家族も同然なんだ。必ず救い出してやるさ!」
「おう、頑張れよ」
修司の問いに士郎は力強く答える。そんな二人を慎二と遠坂は呆れた様に肩を竦め、イリヤは僅かに不満そうに頬を膨らませていた。
「───付き合いきれんな」
「アーチャー!」
「作戦には異論はない。出番があれば喚べ」
修司の持論に呆れ果てた様子のアーチャーは吐き捨てるように言い残し、霊体化して姿を消す。
「んじゃ、俺も一度家に戻るかな」
「え? ここでかよ。何しに戻るんだ?」
「なに、そろそろ決戦が始まると思ってさ。一張羅を取りに………あぁ、あと遠坂、お前に一つ聞いておきたい事があるんだけどさ」
「え、私? な、なによ?」
「ガンドって魔術、あれどうやるの?」
立ち上がりながら聞いてくる修司に遠坂は目を丸くした。
◇
「────お、此処にいたのか。周囲への見回りご苦労様」
「……………」
衛宮邸の屋根上、そこで周囲への哨戒をしているであろうアーチャーの前に修司が現れる。依然として視線を合わせようとしない弓兵に修司は頭を掻いて苦笑う。
「………やっぱ、納得してないか?」
「人の心を救う……その言い分は理解出来るとも。助けると救うの意味合いは似ているようで異なる。そういう意味ではお前の考えは理想的なのだろうな」
「理想は嫌いか?」
「理想はどこまで行っても理想だ。そも理想は現実に足り得ないからこそ理想という。理想に燃えるのは結構だ。だが、それに巻き込まれる人間が、どれだけ苦しい思いをするのか、お前は考えた事があるか。理想に殉じた愚か者が行き着く果てが、何なのか………見たことはあるか」
振り返るアーチャーの瞳には強い敵意の様なものが滲んでいた。修司の言葉に癇に触れる部分があったのか、その眼光は鷹の様に鋭い。
その様子に確信を得たのか、修司はあー、と言葉を漏らし……。
「あー、やっぱそうか。今ので確信したわ」
「なに?」
「お前、衛宮士郎だろ?」
何気なく言い放つ修司にアーチャーの眼は大きく見開いた。
Q.薄幸少女メドゥーサちゃんとは?
A.AUOが手掛けた日常系ギリシャ神話アニメ。
鎖鎌が似合うキュートな女の子、二人の姉に弄られたり、アテナという女神に詰られたり、色々可哀想な目に遭いながらも健気に頑張る物語。
通称メドゥ子。
頑張れメドゥ子、負けるなメドゥ子。きっと君の未来は明るいゾ!(願望
尚、これを見た本人はショックで座に還り掛けた(笑)。
メドゥ子が悪いよメドゥ子が~。
次回、正義の味方と堕ちた騎士王。
それでは次回もまた見てボッチノシ