『G』の異世界漂流日記   作:アゴン

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今回はグランゾンの出番が皆無でしたが、ご容赦下さい。


その7

 

 

 翌日。三郎の家を出て我が家へと帰ってきた炭治郎が目にしたのは、異様な光景だった。血の臭いはしない、血塗れになって息絶える家族がいたなどという悪夢はなく、彼の瞳に映るのは刀を携えた人達と修司が一緒に家を改築してるという何処までも混沌とした空間が広がっていた。

 

しかも自分が着く頃には既に完成に近い状態で、幾ら懐の深い炭治郎も困惑しながらもシュウジに問い質した。

 

何でも、昨晩強盗の類いの輩がやって来て襲われた所を修司が撃退。捕縛し、山を降りて強盗の身柄を町にある警羅隊に引き渡し、現場を改めようとやって来たのが今現在自分の前にいる人達なのだという。

 

改築しているのは強盗が襲ってきた際に玄関の一部が崩壊し、このままでは冬の冷たい雪風が入ってきてしまう事を危惧しての事なのだとか、改築といっても家の外観を極力変えている様子はなく、ただ所々新たに人の手が加わった箇所が増えたという事だけ。

 

 ただ、そーらーえねるぎい(・・・・・・・・)とか、自動供給型電力発電とか、色々と難しい事を言われたが、住み心地は前と殆んど変わっていないので炭治郎は家の事は一先ず横に置いておくことにし、次に警羅隊の人達の自己紹介を受けることにした。

 

 胡蝶しのぶ、煉獄杏寿郎、不死川実弥、そして冨岡義勇。いずれも警羅隊と呼ぶには色んな意味で荒々しい人達に当初炭治郎は困惑した。特に不死川という男はその傷だらけな風貌から子供達も怯えるかと思いきや、この不死川実弥という男は年下の子供を相手にするのが得意なのか、その見た目からは予想外に優しい声音で弟達の相手をしてくれており、炭治郎がシュウジ達から事情を聞いている間は子供達の面倒を見ていてくれていた。

 

 胡蝶しのぶという女性も母の家事の手伝いをし、竈門家の優しい空気に触れ、時折笑顔を浮かべており自分にも姉妹がいると語り、仕事が一段落したら家族と一緒に此方に引っ越そうかと話している。

 

煉獄杏寿郎、この男性は一言で言うなら極めて溌剌とした男性で兎に角物事をハッキリと喋る。ただ、自分にも弟がいて炭治郎や他の兄弟達を見て良い家族だと太鼓判を押している。

 

最後の冨岡義勇は先の煉獄杏寿郎とは正反対の寡黙な人で、基本的に多くを語ろうとはしない。ただ、この人も他の人達と同様に決して悪人の類いではなく、少しばかり口下手な人間なのだと炭治郎は認識した。

 

 皆、いい人ばかりだ。出会って数刻も経っていないのに、炭治郎はシュウジが連れてきた人達を決して悪い人達ではない事を断定した。例え自分達に嘘を吐いているのだとしても。

 

冨岡達が町の警羅隊ではないことは炭治郎は持ち前の嗅覚で既に気付いていた。けれど、悪意が無いのも本当で、家族と接している彼等がとても穏やかな臭いをしていることから、炭治郎は深く追求することはしなかった。

 

それに、強盗が来たというのは嘘ではない。家族の誰もがそう言ってるし、母もまた気丈に振る舞ってはいるが、その話をする度に内心怯えてしまっている。

 

 そして、そんな強盗から家族を守ってくれたシュウジに炭治郎は改めて感謝した。家族を守ってくれてありがとうと、この恩は決して忘れないと、そう口にする炭治郎に。

 

「なに、気にする必要はない。君達子供達を守るのも大人の役目だからな」

 

そう笑い、シュウジは炭治郎の頭を撫でる。大きな手だ。岩のように硬く、ゴツゴツしている武骨な手、死別した父とはまた別の大人の男の手だった。

 

昨夜、自分には説明できない何かが起きた。それが何なのかは炭治郎が知ることはきっと訪れない。何が訪れ、シュウジが何と戦ったのか、きっと炭治郎には分からない。

 

分からない事だらけではあるが、一つだけ確かなのは自分達の細やかな日常は壊されることなく、これからもきっと在り続けるという事だけ。

 

炭治郎はその事実だけで充分だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に、行ってしまうんですか?」

 

 それから少しして、シュウジは冨岡達と共に竈門家を後にする事にした。数日という短い間ではあったものの彼との生活は悪くなく、いきなりそう申し出たシュウジに当然炭治郎達は驚いた。

 

もっと家にいても良い、家族を守ってくれたお礼がしたい、もっとシュウジと遊びたい。そんな暖かな言葉を掛けてくれる竈門家の人達に心まで暖かくなる想いだが、それでもシュウジは慎んで辞退した。

 

今の自分にはやるべき事がある。鬼の首魁である鬼舞辻無惨の最期と山で繰り広げた鬼達との戦い、上弦やら下弦やらの幹部達を倒したことを鬼殺隊の頭目に伝える義務がある。

 

勿論、また会いに来るつもりだ。自分の行ったこと、その責務と責任を果たしたらまた会いに来るし、なんなら月一で遊びにも来る。世界各地の名産品をお土産に色んな話を聞かせたりもしてやろう。

 

その時を楽しみにしていて欲しい。そう言ってどうにか竈門家の人達を納得させる事ができた。

 

「………分かりました。そこまで言うのでしたら、私たちから言えることは何もありません」

 

「修司さん、またいつでも来てください。俺達はいつまでもこの家で待っていますので」

 

「あぁ、ありがとう。炭治郎君、葵枝さん。皆も体には気を付けてな」

 

 それだけいってシュウジは竈門家を後にする。優しい人達、あの人達を守れて本当によかった。今後世界がどうなるのかは分からないが、どうあってもあの家族だけはこれからも守っていこう。そう思えるほどにあの家の人達は優しかった。

 

前を見据えれば、先で待つ四人の剣士達。自分達の戦いがいつの間にか終え、その胸中はさぞや穏やかではないだろう。しかし、彼等の表情にはもう既に迷いは無かった。

 

「では、行きましょうか修司さん。山を降りたら直ぐにお館様のもとへ向かいます。少々走りますが………大丈夫ですか?」

 

「構わないよ胡蝶さん、こう見えて体力には自信があるからね。7日7晩位なら走り通してみせるさ」

 

「なんと! それは凄まじい! 俺も任務のために夜通し走り続けた事は多々あるが、其処まで走り続けた事は無かったな!」

 

「それがホラじゃねェ事、精々楽しみにさせて貰うぜ」

 

「行くぞ、無駄話は終わりだ」

 

 竈門家の皆が見えなくなる所まで歩き、四人と一人は駆け出していく。山を降り、人里を駆け抜け、目的地を目指す彼等の先には何処までも澄み渡る青空が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、それぞれのその後。

 

 

竈門家。

 

 無惨の襲来が無かった為、家族も殺されることなく、妹も鬼になることなく、日々を健やかに過ごしている。

 

最近、とある美人姉妹が山の麓にある町に引っ越してきて医院を開業し、そこに住む心を閉ざした少女と炭治郎が出会い、最近は良い雰囲気になりつつある二人に周囲の人達はニマニマしている。

 

尚、数日前には妹の禰豆子に言い寄るタンポポ頭の男が頻繁に竈門家に来ては弟達にしばかれている模様。

 

 

炎柱。

 

 古くから鬼を滅する為に活躍してきた家柄だったが、無惨を倒した事でお役御免となる。鬼殺隊の頭目であるお館様なるお方のお陰で、仕事を斡旋させてもらい現在は弟と共に歌舞伎役者として働き、現在は人気役者となっている。

 

尚、先代炎柱である父は鬼殺隊解散の報告を受けて唯でさえ酷かった酒癖が更に悪化したが、ある男の説得(物理)により現在は改心。息子ばかり迷惑掛けてはならぬと親子共々働きに出ている。

 

「いやはや! この様な顛末になるとは、よもやよもやだ!」

 

 

風柱。

 

 鬼を狩るために人生の全てを捧げていたが、無惨の消滅と共に鬼殺隊も解散。当初は自身の生きる目的であった鬼がもういないことに愕然としていたが、竈門家の人達に触れたことで自分にも最後に残された家族の事を思い出す。

 

鬼殺隊解散後はとある町の警羅隊となり、その町に住む弟を遠くから見守っている。尚、弟は兄の事をある男から話を聞いている為、現在は知らないふりをしているが、遠くない未来二人の兄弟が再び家族となるのは間違いないだろう。

 

因みに、その町の犯罪発生率は頗る低く全国区で一、二を争うほどの治安の良い町となっている。

 

曰く、その町には鬼より恐ろしい奴がいる。と。

 

「鬼殺隊の柱ではなくなったがな、俺ァ今でも、アイツの柱だ」

 

「に、兄ちゃん……!」

 

 

蟲柱。

 

 鬼に両親を殺され、その復讐心から鬼殺隊へ入隊し、柱となった女性。彼女もまた首魁である無惨が消滅した事で一時は消沈こそしたが、自分のような不幸な人間が生まれなくなった事を善しとし、鬼殺隊解散後は姉妹達と共にある町への引っ越しを決意し、その後はお館様の伝とその卓越した医療の知識を以て医院を開設。町で評判な美人姉妹の医院として話題になる。

 

尚、引っ越しの理由は心を閉ざした妹の為、心暖かな竈門家の人達と触れ合えばもしかしたら感情を取り戻すのではないか、という考えから。

 

その狙いは見事的中。直向きな優しさを持つ炭治郎の心に触れたことで心を取り戻し、一人の少女となった妹に勉強を教えるのが最近の楽しみだったりする。

 

「さて、今日も頑張るわよ。鬼はいなくなっても、怪我をする人はいるんだから」

 

 

花柱。

 

 本来であれば死する運命だった人物だったが、仮面の男の手によって息長らえた者。最初は分かり合える事なく鬼達が消滅したことに少しばかり落ち込むが、これ以上鬼による悲劇が起きないことを善しとし、これからは妹達と一緒に生きていく事を決意する。

 

蟲柱の妹の提案によりとある町へと引っ越し、竈門家の人達と知り合い、炭治郎と触れ合って心を取り戻した妹に最近では恋の後押しをするようになっている。

 

医療の知識が豊富な妹が医者となり、自分はその助手となっているが、最近は以前自分を助けてくれた仮面の男の情報を集めている模様。

 

「いつか、お話できると良いなぁ」

 

 

音柱。

 

 元忍にして柱の一人。鬼殺隊解散後、嫁達と一緒に各地を転々とし、困っている人を助けながら気儘な暮らしをしているのだとか。

 

噂では、ある仮面の男の下で新たな任務に付いているとかいないとか。

 

「なんか、俺だけ雑じゃね?」

 

「嫁が三人もいるあんたなんかこれで充分じゃあ!!」

 

 

蛇柱。

 

 その出生と生い立ちから自身を呪われていると卑下する男、恋い焦がれ、好きと言える異性がいるが己の生い立ちからそれは叶えてはならないと自らを戒めてきた。

 

それは、無惨が死に鬼達が消えたことで変わることはなく、鬼殺隊解散後は人知れず行方をくらませようとしていたが、ある男の必死な説得により思い止まり、自身の口の傷を完全に治すことを条件に女性に告白することを約束した。

 

………その後、とある町では美しい桜色の髪をした女性と幸せそうに過ごしている男の姿が目撃され、二人の傍らには何時も白い蛇が側にいたとか。

 

「俺、君と一緒で幸せだ」

 

「ちくしょぉぉぉっ! 爆発しろぉぉぉっ!!」

 

 

恋柱。

 

 自分の事を好きだと正面から言ってくれた蛇柱に撃沈。好きな人と好きなものを一緒に食べられる事ができて本人曰く幸せの絶頂との事。

 

ただ、最近は妙にお腹が出てきた事を気にしているようで、一度元同僚が営んでいる医院に看て貰うと……更なる幸せが押し寄せてきて未来に希望を見出だしまくっている。

 

「私、貴方と結ばれて………幸せです」

 

「おじあわぜにぃぃぃぃっ!!」

 

 

水柱。

 

 鬼殺隊解散後、恩師である元水柱の下へ戻り現在は恩師と共に過ごしている。家の近くには戦友の墓が建てられており、更には恩師に習って厄除けの仮面を作ったり、時折将棋を指したりしている。

 

最近は山を何故か訪れる蟲柱と話をしているが、相変わらずの口下手で何時も怒らせてばかりいる。そんな自分を変えようと、近い内に上手く出来た仮面と共に今までの詫びとお礼を伝えようとしている。

 

尚、近い内に本格的な棋士として活動する模様。

 

「胡蝶、今まで迷惑を掛けて済まない。そして、こんな俺を気にかけてくれてありがとう。つまらないものかもしれんが、これを受け取って欲しい。厄除けの仮面だ。……お前には何時までも元気でいて欲しいからな」

 

「きゅ、急に饒舌になってどうしたんですか冨岡さん!? 頭どうかしたんですか!?」

 

「やれやれ、判断が遅い。………いや、鈍いやつめ」

 

 

霞柱。

 

 ある事件を切っ掛けに一部の記憶を失った少年剣士。人に仇なす鬼を斬ることを目的に生きてきたが、無惨と鬼の消滅という報告を機に自分のこれからに疑問を抱くようになる。

 

お館様からも生活の支援は惜しみ無いと言われているが、果たしてこのままで良いのかと思い、ある時を境に姿を消す。残された屋敷、彼の部屋には一通の手紙が残されていた。

 

『ちょっと世界を見てきます』

 

霞のような天才剣士はやはり霞のように消えていった。しかし、お館様は危惧していない。彼の側には誰よりも恐ろしい大黒天が付いているのだから。

 

「アンタと行けば、俺の記憶も戻るのかな」

 

「さぁ、それは分からないな。けれど、君は少し世界というものを見た方が良いのかもしれない。何せ君の名前には無限の無が刻まれているのだから」

 

「………うん。分かった」

 

 

岩柱。

 

 鬼殺隊最強の柱で盲目の戦士。鬼の首魁である無惨が討ち取られたという報告に虚しさよりもこれ以上鬼の犠牲者が出ないことに安堵し、涙を流した男。

 

無惨を倒したという男と何回か話し合う内に自分のしたいことを今一度見つめ直し、お館様へ頼み込みある町で寺子屋を開くようになる。

 

家も新しく建てられ、近所の三郎翁とは時折雑談する間柄となっている。鬼殺隊員として役目を終えた岩柱は得物を置き、今日も子供達の元気な声を聞いてその姿を想像して涙を流す。

 

「南無阿弥陀仏。嗚呼、今日も平和なり、まこと善きかな」

 

 

 

 

鬼殺隊。

 

 鬼を狩り、無惨を討つために組織された集団。国に認められていない非公式な組織だったが、この度悲願だった鬼舞辻無惨の討伐の報告を受けて解散する事になった。

 

多くの隊員が鬼による被害者だった為、その者達の多くはお館様の計らいで日頃から興味を抱いていた職に就くようになる。

 

中には過剰な野心を持っていたり、性格人格に難のある者達がいるが、そんな者達はある男が進んで引き取っている。男の下へ集まった隊員達は鬼を狩っていた頃より色んな意味で過酷な鍛練の日々に連日悲鳴を挙げている。

 

「ヒィィィッ! なんで俺がこんな目にぃ! 俺はただ、手頃な鬼を斬って楽に出世したかっただけなのにぃ! おい獪岳! お前ちゃんと評価されたいんだろぉぉぉっ!? なら絶好のチャンスだろぉがぁ!?」

 

「うるっせぇ! 俺だってこんな事になるなんて思いもしなかったよ!お前が何とかしろよサイコロ野郎!」

 

「だぁれがサイコロだ何処から出てきたサイコロ要素! ブッ飛ばすぞ!?」

 

「大丈夫! 君達なら出来るさ! 人間はやれば出来る! 限界を超えてその先へ!」

 

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

「……うわぁ」

 

 

お館様。

 

 鬼殺隊を束ねていた組織の長。無惨討伐の為に己の全てを捧げてきた男だが、この度その役目も無事に終える事になる。最初は他の隊員と同様に幾らか気落ちしていたが、無惨を倒したという男と話をした事でなんとか元気を取り戻した。

 

その後はこれまで戦ってくれた隊員達に最大限の礼と報酬を送り、彼等のその後の人生の為に仕事の斡旋に奔走する。

 

その後、無惨を倒した影響か体の調子も良くなってきており。病も回復。奇跡的なその快復に元蟲柱も不思議に思ったが特に悪い予兆はなく、特に気にしている様子はない。

 

 最近では一度も抱いてやれないでいた子供達を抱き上げるため、筋トレに励んでいる。

 

「はぁ、はぁ、いいぞ。僕の上腕二頭筋が喜んでいる! もう二百回いってみようか!」

 

「頑張れ父上ー!」

 

 

ある二人の鬼。

 

 鬼舞辻無惨が倒されたと知るのは鬼殺隊解散から数年後、筋トレに励み健康的な肉体を取り戻したお館様が鎹烏を以て伝えられ、当時一人の鬼女は愕然とした。

 

自分が知らない間に無惨が倒されたことに複雑な心境を抱くが、自分のような悲劇がこれ以上生まれないことに安堵する。その後、無惨を倒した者と名乗る男に人間に戻れる方法があると聞かされるが、鬼女は自分の犯した罪を償うためにこれを辞退。

 

せめてその手助けになるように男は青い彼岸花を手渡し、鬼女とその片割れの少年は人間に戻れる様研究を続けた。

 

それから、百年ほど経過した現代の街並みで二人の仲睦まじい老夫婦が穏やかな日々を過ごしているとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「猪突猛進! 猪突猛進!! 猪突猛進ー!!」

 

 深い深い山の奥、がむしゃらに突き進む獣が一匹。

 

獣にとって全てが戦う相手であり、超えるべき敵でもあった。木を見ては木を倒そうと頭突きをし、岩を見つけては岩を砕こうと蹴りや拳を奮う。骨が折れ、肉が痛み、全身が悲鳴を上げようとも、獣は決して止まろうとはしなかった。

 

猪突猛進。獣は正しくその言葉を具現化したものだった。

 

しかし、そんな獣が一人の人間を前に立ち尽くしている。

 

「ほう。素晴らしい身体能力だ。その若さにしてその俊敏さ、柔軟さ、そして打たれ強さ、素直に感服したよ。猪の少年、君の名前を教えてはくれないか?」

 

獣の少年は震えが止まらなかった。幼き頃から山で育ち、自然と共に生きてきた少年にとって己の本能は絶対としてきた。

 

その本能が告げている。目の前の存在に抗うなと、敵対してはならないと、全速力で逃げ出せと。

 

しかし、少年は動けなかった。目の前の奇妙な存在感を放つ男に目が離せないでいた。

 

「俺は………俺は嘴平伊之助様だ! テメェ、一体何者だ!!」

 

震えながら身構える少年に男はこれは失敬と頭を下げる。不思議な男だ。目の前でこうもデカイ隙を晒しているのに、まるで勝てる気がしない。

 

「これは失礼した。人に名を尋ねる時は先ずは此方から名乗るべきでしたね。───私の名前はシュウジ、シラカワ=シュウジと言います。単刀直入に聞こうか、嘴平伊之助君」

 

“────私と、友達にならないか?”

 

この日、世界に暗躍するある秘密結社が誕生した。

 

 

 

 

 

その後、世界は幾度となく揺れ動く激動の時代を迎える事になる。世界恐慌、世界大戦、大災害。そんな人の歴史が動くその背後では………。

 

ある一人の仮面の男が介入していたという。

 

 

 




Q.どうして鬼殺隊の何人かはボッチが引き取ったの?
A.ボッチ「野心がある=ガッツのある人間だから。ちゃんと無理のない範囲で頑張ってもらっているよ?」

Q.引き取った隊員達はどうしてるの?
A.主に災害救助隊として活動しています。世界各地を転々とし、その先で怪異やら人災やらに巻き込まれたりしているが、それでもボッチと一緒に行動している為、基本的に無事です。


Q.その後、世界はどうなるの?

A.世界大戦が勃発後、とある蒼い巨神が武力介入したとかしなかったとか。
その所為で後の二度に渡る世界大戦は勝者がでないまま決着、各国の首脳は蒼い仮面の男に戦々恐々の思いをしたとかしなかったとか。

その癖、世界の科学技術は数百年レベルで前進するとかしないとか。この世界は意味のわからない時代を送ることになるとかならないとか。

ボッチ「喧嘩はメッだぞ!」

霞柱「素直に気持ち悪いよ?」


取り敢えず鬼滅の刃編はこれで終了。次回は多分FGO編になるかもです。

それでは次回もまた見てボッチノシ


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