『G』の異世界漂流日記   作:アゴン

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すまない。鬼退治のイベントに没頭して更新が遅れてすまない。

今回から話が飛んでいってしまいすまない。




その6

 

 

 

@月γ日

 

今日、未来ちゃんから珍しく相談を受けた。内容はここ最近の響ちゃんについて、何でも近頃の響ちゃんはよく外出をしており、帰ってくるのも夜遅くて酷く疲れている様子なのだとか。

 

遠回しに話を聞こうとしても笑って誤魔化してくるばかり、親友だと思っていた響ちゃんの突然の変化に戸惑うばかりと未来ちゃんはいう。

 

…………うん、まぁ、なんというか。来るべき時、問題が遂に来たか、という感じである。いや、未来ちゃんの不安も分かるよ? 年頃の女の子が毎日夜遅いとか、事情を知らない者が聞けば普通に事案発生だからね。

 

というか、良く学校側に話さなかったものだ。…………いや、それも響ちゃんが予め口止めしていたのかもしれない。心配は要らないとか言って…………こう言っちゃあなんだが、未来ちゃんって響ちゃんに対して結構甘い所があるからそれも重なってその結果口止めになったんだろうなぁ。

 

彼等の拠点も学院の地下にあるみたいだし、その繋がりで学院側に対して追求しないよう手を回したのかもしれない。けれどだからと言って納得出来ないのが人間だ。理解と納得は別、心に溜まったストレスを流せる程、未来ちゃんは大人ではなかった。

 

ま、スルー能力の高いのが大人と言うわけではないから気にする必要は無いんだけどね。寧ろ下手に溜め込んで爆発する方が厄介だ。誰も知らない所で暴発すればその時の被害は自分だけでなく周囲まで巻き込んでしまう。そう考えれば愚痴でもある程度吐き出せる方が結果的に良い方向に向かうといえる。

 

因みに響ちゃんは溜め込む方で、序でに言うと危険度の高さは寧ろ彼女の方がある。普段から彼女の姿を見ていると想像しにくいけど、ああ見えて響ちゃん結構抱え込む癖があるからなぁ。

 

二年前に見掛けた時も相当追い詰められていた筈なのに未来ちゃんの前では笑顔でいたしね、あの時はマジで焦ったね。あの頃は「そういやあの娘今何してるかなー」な感じなノリで遠巻きから眺めていたんだけど、あの時無理矢理笑顔を作って見せてる響ちゃんがもう見てらんなくて、ついつい手を出してしまった程だ。

 

今も時折響ちゃんの地元に顔を出しているが、今はもうあんな事をやらかすような人間はいないし、響ちゃんのご家族も今は無事に平穏な暮らしを取り戻している。尤も、そんな輩は二度と出てこないよう徹底的に掃除したのだから当然とも言えるけどね。

 

自分、乗っている機体もあって消すことは人一倍得意ナンス(キリッ

 

閑話休題。

 

 

と、そんな訳で未来ちゃんの相談(愚痴)を聞いた上で自分の出した結論はというと…………ぶっちゃけ、どっちとも言えませんでした。

 

未来ちゃんの響ちゃんを大切に思っている気持ちも分かる。幼馴染で親友の二人だ、急に変わってしまった友達を心配するのも分かる。けれど、響ちゃんのやっている事もまた理解出来てしまう。響ちゃんは今、発生確率が高くなっているノイズへの対抗に終われている毎日で酷く疲れている。

 

かといって翼ちゃんが入院してしまっている現在の状況では奏ちゃん一人に任せるのも響ちゃんの気質を考えれば出来ないだろうし、それこそノイズがいつまた未来ちゃんやその友人達に危害を加えるか分からない以上手を抜く訳にはいかない。

 

まさに堂々巡り。結局の所何処かで誰かが妥協しなくてはならないのなら、それはきっと未来ちゃんの方だと思う。だからそれっぽい事を言って無理にでも納得させてみようと試みたのだが…………未来ちゃん、分かってくれたかなぁ。

 

なんか如何にも納得出来ていないって顔してたしなぁ。まぁ、あの年頃の娘ならああいうものかもしれない。ニコちゃんも俺の話聞かない事度々あったしそう言うものだと納得する事にしよう。

 

未来ちゃんも響ちゃんも自分にとって大事な常連様だ。今後も自分の店に来てもらいたいからあの二人はこれからも仲良くしてほしい所である。

 

 

────PS.

最近クリスちゃんを見掛けないけど、一体どうしたのだろう? 元々野良猫みたいな娘だったからもしかするともうこの地にはいないのかもしれない。

 

自由奔放なのはいいけど、それならそれで一声掛けて欲しかった。折角未来ちゃんと友達になれたのだから。

 

 

 

@月ζ日

 

今日、久し振りにノイズ警報が発令された。この街では久々のノイズの発生、フラワーの女将さんと偶然居合わせた未来ちゃんと一緒にシェルターに逃げようと避難するが、道中で少しばかり面倒な事になった。

 

蛸のような外見をした中型のノイズ、音に合わせて動く特殊性を持ったノイズは厄介な事に未来ちゃんと女将さんに狙いを付けたのだ。見た目によらず結構な俊敏さを持ったこのノイズ、下手すれば袋小路に追い詰められる危険性がある為、急遽自分が囮役を担う事になった。

 

未来ちゃんは自分がやると言うけれど、子供にそんな役回りをさせる訳にも行かないし何より危険すぎる。本人は元陸上部だから平気ですと言うけれどそんなものは問題じゃない。

 

色々言ってくる未来ちゃんを無理矢理黙らせて女将さんに預けた自分は適度に蛸ノイズを挑発しながら街から離れる事にした。

 

元々体力には自信があったし、逃げる事と隠れる事には定評のある自分がノイズ程度に追い詰められる訳がない。人気の無くなった所でグランゾンを出して適当に消しておこうと思った矢先、その人は現れた。

 

天羽奏ちゃん。シンフォギアを纏って紅い髪を靡かせながら手にした槍で蛸ノイズを駆逐した彼女、思わぬ展開に戸惑いこそはしたけれど彼女がここにいるという事は街のノイズは粗方片付いたのだろう。そう思いながら彼女に礼を言って近付くと、待っていたのはバカ野郎の一言だった。

 

どうやら話は未来ちゃんを通して響ちゃんから聞いていたらしく、ノイズの反応を辿って自分の所に駆け付けた様だ。その特性上誰かが囮にならなければならないというのはあの場では仕方がなかった事だが、確かに奏ちゃんの言うとおり自分の行動も軽率だったのも事実、心配させた事も含めこの時は素直に謝ってどうにか許して貰えたけど終始ソッポ向かれたままで果たして聞き入れてもらえたかどうか。

 

ともあれシンフォギアの姿を見てしまった以上自分には今後政府からの監視が付くことになる。何せシンフォギア関連は日本政府にとって極秘事項だ。それを他国に知られないよう配慮するのは当然だろう。

 

ノイズに対する有効手段、それが現状シンフォギアを纏った装者しかおらず、その技術を確立させたのは今の所日本しか確認されていない。ノイズ対策は全人類が急務としている所、それをいち早く日本が確立させたと知れば近隣諸国は勿論アメリカといった大国も黙ってはいないだろう。下手をすればシンフォギア装者の拉致の可能性だって出てくる。

 

上記の事を考えれば寧ろ監禁されないだけ有り難いと思うべきかもしれない。もしも強行手段に出られていたら自分はもうこの街──いや、この国にいられなくなっていただろうから。

 

尤も、頼まれたって話す気は無いけどね。奏ちゃん達は自分にとって大事なお客様だ。自分の収入源となる人を売るなんて行為誰が出来ようか。

 

そんな訳で自分が奏ちゃん達の知り合いの事もあり、彼女達の上司で二課の司令官である弦十郎さんとも顔見知りであった為、自分の事は二課の皆さんにも知られる事になった。以後、自分は未来ちゃんと同じ協力者として接することを許してもらえた。

 

そうそう、未来ちゃんの方もあれから響ちゃんと仲直りを果たしており、今はもうすっかり前と同じ仲良しさんになっている。仲良き事は美しきかな、良かった良かった。

 

…………さて、話は唐突に変わるがそろそろマジで自分も裏で潜んでいる輩の炙りだしをしていこうと思う。

 

恩人である女将さんや一般人の未来ちゃんまで巻き込みやがって…………絶対許さねぇ。

 

 

 

 

 




と、言うわけで今回ボッチプチ怒る!な話でした。

次回から、主人公も本格参戦…………するかも?


次回もまた見てボッチノシ

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