【現在書き溜め中】新入生「私がティーパーティーに入った理由……ですか?」 作:胸痛
巨万の富と色褪せぬ名声が欲しいのであります。
春。この日はその中でもより多くの人間にとって特別な日になる。新しい日常の始まりとなる、入学式。
『助けて……誰か……!お願い!!』
私の悪夢の始まり。
あの日、あのクソッタレ共によって私は全てを失った。
「あの野郎どもは……何処かにいるはず……。」
必ず見つけ出してみせる。
見つけ出して…すべて……燃やし尽くしてやる。
そして―――
『嫌だ……汚らわしい』
『どうして野蛮人がここに……』
『よく見たら服も貧相ね。』
「―――ッ!!!」
「ひっ……」
声がした方向を殴る。しかし、そこには先程まで聞こえていた不快な声の主たちではなく。ピンク髪のチビが一人いただけだった。
「……い、いきなり殴りかかるなんて!!」
「………」
コイツはあの時、私を笑ったヤツではない。
私は向き直り、また歩みを進める。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」
―――全部だ……全部踏みにじってやる。
私はありったけの憎悪を込め、この『トリニティ総合学園』。その門を睨みつけた。
「待ちなさいってば!!」
「うっせぇガキですね。マジで殴られたいSMプレイがお望みの変態のお方で?」
「へ、変態じゃない!!エッチなのはダメ!死刑!」
「お待ちしておりました。サンさん。」
「お待たせして申し訳ありません。ナギサ様。少しばかり友人と会っていました。」
ニコニコとしながらサンと呼ばれた少女を向かい合う形で座らせるナギサ。その気品溢れる顔には所々に青筋が立っていた。
その笑みを崩さぬままナギサはサンのカップに紅茶を注ぐ。
「いただきます。」
サンはその紅茶をまったくの遠慮なく口に運ぶ。
そして一言。
「驚きました。こんなぬっっっっるい茶がお好みだったのですねナギサ様。」
「いえいえ、違います。」
ナギサは一つ大きく息を吐き、ずっと言いたかったのであろう言葉を紡いだ。
「冷めたんですよ!!!!どれくらい待ったと思います!?1時間ですよ!?い・ち・じ・か・ん!!!!」
「だったらもう一回作ってくださいよ。金持ちなんですからケチ臭い事言わないでください。」
「〜〜〜〜〜!!サンさん貴女って人はどうして!?」
「っていうかその『サンさん』やめません?なんか太陽みたいじゃないですか。確かに私がその辺の有象無象と比べてまるで太陽のように美しい存在だということは認めますが、こうも面と向かって言われると……」
「あああああもう!!さっきからうるさいですね!!」
「失礼を承知で言いますが、うるさいのはナギサ様の方では無いでしょうか?」
サンが真顔のまま大火へ灯油をヘイッ!!すればナギサのただでさえ淑女とは思えない量である青筋の数が目に見えて増す。
「……それ以上何か言うとそのいつも2cmと開かない口にロールケーキぶち込みますよ?」
「お言葉ですがそれだとナギサ様が私を呼んだ意味がなくなってしまうのでは無いでしょ―――嗚呼お辞めください私の小さな口にはそんな大きくて太い物入りませモガモガモガ―――」
閑話休題
「サンさん。何故今日私が貴女を呼んだか分かりますか?」
「ナギサ様も認める私の太陽のごとき眩しさで周りの有象無象がクラクラしていることでしょ―――すみません。」
ナギサがロールケーキを鷲掴みする様を見たサンは流石に手早く謝る。
「はぁ……何故貴女はいつもそんな態度なのですか……」
「いえ、ナギサ様は特別に3割増でお届けしております。」
「ふーーーぅ………そもそも、貴女はティーパーティとしての自覚が足りていません。本来なら生徒達の見本となるべきなのですよ?」
「私が模範たる行動をしていないと?いいでしょう。私が生徒会に足ると証明して差し上げましょう。」
「三日前。生徒同士の諍いを仲裁しました。」
「どちらも病院送りにする事を仲裁とは言いません。」
「業務中に他事の多い者達の意識改革にもいそしんでおります。」
「その
「出世のライバルが減りました。素晴らしいことです。」
「というかそもそも、私がここにいるのは前に申したように富と名誉が欲しいからです。決して温室育ちの高級生徒たちのお世話をしたいわけではありません。」
「貴女……もういいです。そんな問題行動ばかりな貴女には少し罰を受けてもらいます。」
「いやーんナギサ様ったら私に酷いことするつもりでしょーエロ同人みたいにー」
「貴女には『補修授業部』に入っていただきます。」
「はいはい承りまし……え?なんと?」
「『補修授業部』に入っていただきます。」
「……why?」
「貴女、前回のテストに名前を書き忘れていましたね?それで0点になったのです。」
「馬鹿な……!?この私がそんなミスするはずがない!?わ、罠だ!!これは罠だ!!ナギサ様が私を陥れるために仕組んだバナナ!!」
「ということがあったのです。シャーレの先生様。そしてこの補修授業部の部長という不名誉な称号を私の代わりに受けてくださった阿慈谷様。私がいち早く生徒会に復帰し、この学園の損失を最小限にする為、貴方がたの手腕に期待します。」
「まかせて。これからよろしくね、サン。」
「頼もしいな。共に作戦を遂行しよう。」
「あ、あはは……確かに……頼もしいです…ね?」
「………」
「アンタは入学式の日の!?もうヤダ!!なんでここに変態が2人もいるのよ!?」
トリニティ総合学園一年 部活 ティーパーティ
身体的な特徴はない。翼が生えているわけでもなければ動物耳や尻尾があるわけでもない。
並大抵のことじゃ表情筋がピクリともしない。今話で声を張り上げるシーンがあったが珍しく口が3センチ空いた程度。それ故不気味がられる事も多いが正論と暴論を振りかざしながら真顔で隅まで詰められるパワハラを見たり受けた者達は面と向かって立ち向かう事を辞めた。