安眠求めて旅に出たクズが伝説巻き起こす話   作:がしやま

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第12話

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうだ、絶対そうだ。これは怒り以外の何者でもない。

 目の前の化物は勿論、あのカミサマ? に、俺は怒りを抱いているんだ。それもちょっとやそっとじゃない、激情と称しても良いぐらいに怒ってる。

 

 

 あー、なんか自覚したら更にイライラしてきた。クッソムカつく!!

 安眠人質にしてこんなクソゲーに強制参加させといてサポートアイテムはポケモン二体のみ。そこからはヒントも何も無く全部俺に丸投げ。

 しかもこんだけ頑張って最期はコレ? ふざけてんのかこの野郎!!

 

 わざわざ前世の記憶思い出させてこんだけ理不尽な目に遭わせたんだからちょっとぐれぇ労れやボケ!! カス!!

 

 ちっくしょ~~~~やっぱり死にたくねーわぁ!! ここで死んだら何もかもが報われん、すんなり受け入れられるかってんだこんな展開!

 何が何でも生き延びてやる……!

 モンスターボール……! モンスターボールどこじゃ!!!

 

 

 

 痛みも忘れて我武者羅に腕をバタバタさせる。これぞ火事場の馬鹿力、気合と根性で動き続ける。

 

 なんもしなくても死ぬんだから最後まで足掻いてやるわ!! 顔も名前も知らんカミサマを楽しませるために生きてるわけじゃないんでねこちとら!

 死ぬ気で生き延びてお前らの楽しい楽しいゲーム利用してやる……!!!

 

 

 

 

 ――すると、俺の指先にピトリと冷たい何かが触れる。

 思わず口角が上がった。

 

 ……ふっ、形勢逆転だぜ化物さんよ。

 

 

 

「やったれコイキング! お前の真の力見せつけてやれ!!!!」

 

 

 

 必死の想いで見つけ出したモンスターボール、そこから姿を現すコイキング。俺の指示でコイキングはギャラドスへと進化し始めた。徐々に厳つくなっていくコイキングを前にあの化物もたじろいでいるようだった。

 風は完全にこちら側に吹き始めた、もう怖いもんなんてない。今の俺は無敵そのもの! マリカーでスーパースター拾った時のBGMが聞こえてくるぜ!

 

 

 ……だが今回は少し様子がおかしかった。

 

 

 進化の光が収まらないのだ。

 いつもなら既に進化の光は収まり、ギャラドスの破壊光線が炸裂しているところなのだが何故だか今回は少し時間がかかっているみたいで……調子が悪いのだろうか?

 相手もたじろぐっていうか困惑してね? あー大丈夫、俺も意味わからんから。

 

 一体何が……いや、待てよ。まさかだが、もしかしてのもしかして…………。

 

 

 

 

 ――メガ進化してんのか?

 

 

 

 

 

 コイキングからギャラドスへ、そしてギャラドスからメガギャラドスへと、姿形が変わっていく。

 ヒレとかもデカくなってなんか元から強そうだったのに更にパワーアップした感じが出ている。ポケモンヲタクとかそういうわけではないが、思わず「カッケェ……」と思ってしまった。

 

 

 ああ、そうか。ギャラドスはメガ進化していたのか。そう考えると俺は色々と勘違いをしていたようだ。

 あの化物は困惑していたんじゃない、萎縮していたんだ。メガギャラドスに、怯えているんだ。よく見たら少し震えているし、ジリジリとだが俺たちから距離を取っている。

 それ程までメガ進化したギャラドスの力が驚異的であるということなのだろう。

 

 

 まさかこの世界にメガ進化の概念が存在していたとは思わなかった……でもメガ進化ってメガストーンとか、そういう特殊なアイテムが無いと無理だった気もするが…………まあいいだろう、どっちにしろギャラドスが更に頼もしくなったのには変わんねぇ。

 

 

 

「ぶちかませメガギャラドス!!! 竜の波動!!!」

 

 

 

 勝利を確信し、メガギャラドスに攻撃の指示を出す。

 しかしそれと同時に俺の意識はプツリと切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記録――2007年9月

  ■■県■■市(旧■■村)

 

 

任務概要

 村落内での神隠し、変死

 その原因と思われる呪霊の祓除

 

 

 

・担当者(高専3年 夏油傑)の派遣後、旧■■村の住民112名から神の祟りに遭ったとの報告を受ける

・全て呪霊による被害と思われたが残穢から竜神の術式と断定。任務で祓除予定だった呪霊は竜神により祓われていたことを確認

・竜神は重症により意識を失った状態で倒れているのが夏油傑により発見される。その際、呪術を扱えることにより村から激しい差別を受けていた少女二人を急遽高専側で保護。

 

・竜神は夏油傑により捕縛され、治療のもと現在呪術高専にて拘束中

 

 

 

 

 

 

 

 




ー人物紹介ー



【主人公】
カミサマから試練を与えられたクズ。
元々口数が少ないことや言葉足らずであることに加え、目つきの悪さやらガチガチの表情筋も相まって盛大な勘違いを偶発させまくる。よって何かしら事を起こす度に勘違いが加速し、最終的には呪術界のミステリアスな強キャラポジへと君臨する。

カミサマの試練は無事クリア、しかし今後とも色々やらかして普通の生活には戻れない。



――術式について――

夢主君の術式は、対象を退化・・させる術式である。
つまり、カミサマが渡したコダックとコイキングは既に進化してゴルダックとギャラドスになっていたものの、主人公の術式で退化し、進化前の姿になっていた。進化する時は夢主君が術式を解いていた。
進化を許可制にすることで、進化後更に力を得るみたいな縛りを設けていたりと色々複雑になっている。一つ言えることは、アニポケより笑えないぐらい強くなってる。


Q.何故最終話でギャラドスはメガギャラドスにメガ進化したんですか? 夢主君の術式は『退化』ですよね?

A.窮地に追いやられていたことや、激しい怒りを覚えていたこともあり、火事場の馬鹿力を発揮した夢主君が無意識で術式反転を使用。よって術式が『退化』から『進化』へと反転した。
ただ今回はマジで偶然使えただけなので、今後意図的に使えるようになるとかそういうのは無い。本当にたまったま。



【コダック】
色んな意味で暴走しまくる夢主君やコイキングのストッパー役。滅茶苦茶貴重な常識人枠。
しかし、五条の夢主君に対する勘違いを加速させるうえで超重要なポケモンとなってくる……みたいな話を入れたかったが入りきらなかった。仮に次回作が思いついたらソッチで説明したい。


【コイキング】
夢主君大好きの第二の里香ちゃん。無害そうな顔して一番危ない。
コイキングの破壊神っぷりが夢主君を強キャラポジへといたらしめる。




ーーーーー

続く、かもしれない……。


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