六兆年と鬼物語   作:幻月

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第八話 暗き夜に蒼き露

 商いの基本は、人の心を疑うことじゃ。

 

 

 そして、商いは心理戦じゃ。

 

 

 その商いの中で、信頼という言葉よりも信頼できない言葉は無いのではないだろうかのぉ?

 

 

 その、信頼されて人が裏切らぎれば、信頼をしていた人は奈落へと落ちるのじゃ。

 

 

 だが、逆にこちらが信用されていないだけかもしれないのぉ。

 

 

 別にこれは商いに限ったことではないのだ。

 

 

 だが、他人の心を簡単に見ることができればどうだろうか。

 

 

 その人の心を覗き、未来を予想する。

 

 

 それによって、信頼したり、しなかったりすれば商いは完璧になる。

 

 

 それに特化した我は、

 

 

 

 

            【特異な存在】

 

 

 

 

 

 その中でも、心理戦が得意───いや、他人の心を観ることが出来る 

 

 

 それが、我が一族、【さとり】にのみ許された力 

 

 

 

 

 

 

 

 『心透』 ~しんとう~

 

 

 

 

 

 

 

 

 その名前の通り、他人の心を透かしてみることができる。

 

 

 基本的に、我ら特異な存在は、目が黒い。

 

 そして、少しの時間なら人間のような姿になれる。

 

 

 だが我が一族の瞳は紅く、常時人間のような姿。

 

 

 つまり、【特異な存在の中でも特異な存在】だ。

 

 

 紅き瞳で他人の顔を見れば、心が読めてしまう。

 

 

 だが、我は違う。

 

 

 

 

 我は唯一の 【特異な存在の中の特異な存在の中の特異な存在】

 

 

 左目は紅色、右目は黒い。

 

 

 これは、我が母【さとり】と、能無しの【人間】が子を作った結果じゃ。

 

 

 無論二人は【掟】を破った為殺された。

 

 

 だが、我は生きておる。

 

 

 我は、天狗をはじめとする特異な存在の五将に助けられた。

 

 だが、それはあまりに過酷なことを命じられた。

 

 『人間の里や村に行って、資金調達をしてくれ。』とな…

 

 

 資金調達はいたって簡単だった。

 

 博打じゃ。

 

 しかし、目標量が異常だった。

 

 『この物置一杯分くらい集めてもらう。』

 

 我は現在九年間この世に存在しておる。

 

 しかし、命令を下されたのは我が4歳のときじゃ。

 

 五年間でようやくいっぱいになって、特異な存在からは信用され、人間からは信用されなくなった。

 

 我は、【天性の博打屋】や、博打で勝った金を利用して商いをする【博打商人】の異名を持って、里に下りた。

 

 しかし、数ヶ月その博打をする場所居れば、出入り禁止になる。

 

 理由はわかるじゃろ?

 

 

 まぁそんなことがあって、我は5年間、命令という鎖に縛られていた。

 

 

 

 そんな我は、今日ようやく自由になれた。

 

 今から我は、何をすればいいのだろうか……。

 

 ……これまで散々人を騙してきて、何を言っておるのじゃろうか。

 

 先ほどであった【特異な存在の少年】も辛そうじゃったなぁ。

 

 ついていくべきだったかもしれん…グスッ

 

 おろ?なんか、涙もろくなってしもうた……。

 

 なんでじゃろう? 自由になったからか、あの少年の存在のおかげかもしれんなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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