六兆年と鬼物語   作:幻月

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ようやく物語が始まります・・・


第三話 集落騒動と致命的な傷

 鬼と呼ばれる少年が、少女に出会って約一刻が過ぎた頃、鬼の子が住んでいた集落では大変な騒ぎになっていた。

「た…大変だ!!! 小屋にお…鬼いねぇ!!! 逃げたんだ…俺らに復讐する為に逃げたんだ!!! 」

「お…落ち着け。それに南西の方角の村でも子供が一人いなくなったらしい。鬼の仕業かもしれん…」

 集落の大人だけでなく子供たちは集落の中央にある火の周りに集合して、大騒ぎになっていた。「鬼が襲ってくる!!! 」「子供たちが危ない!!! 」 「早く殺さないと…ここが危ない」など、夜なのに昼以上に騒がしい状況になっていた。

 この騒ぎに発展した理由は、夜中に鬼の子の小屋に向った婆さんが小屋の中に入ったところ、鬼の子が縄をほどいて脱走したという話になっている。だが、人々は「そこのババアが逃がしたんだ…」「そういえばこの婆さん稀に夜中にコソコソしてたぞ!!!」などといい、婆さんを牢屋に入れている。

 

 ドンッ!!!!

 

「静粛に!」

 広場の近くにある櫓の上で、一人の男が木の棍棒を床にたたきつけた。その服装は他の人々と違って、赤・青・緑の混ざっている柄で、明らかに目立つ服装だった。

 彼がこの集落の長だ。

「いいか。鬼はまだ近くにいるはずだ。現在騎馬隊が近隣の捜査をしている。しかし見つかる可能性は非情に低い。そこで南西の村から応援を呼ぶ。それまでこの村は我々で守り抜くぞ!!!」

 長の堂々とした声に、人々は勇気を付けられ、「そうだ!」「鬼って言ってもまだ餓鬼じゃん」などと、勢いがついてきた。しかし夜中に集まった子供達は、親の服にしがみついているだけだった。

 大人たちの声に怯えている感じだ。

「さぁ、男は武装をして村の警備に回れ!! すぐに応援が来る。」

「「「おおおおおぉぉぉ!!!!」」」

 この叫び声でついに泣き出す子まで居た。

 

 数分後、騎馬隊が蜘蛛の子を散らすように集落から出て行った。長は、村への手紙を書き終わり騎馬隊の一人であり、長の息子である青年に手紙を渡した。 青年は手紙を受け取ると、馬にまたがり、集落から村に向って走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃・・・

 

 水面に月が輝き、その周りに蛍が少々飛んでいる風景は幻のように素晴らしく、このままずっと見ても飽きないくらいだ。一刻というながい時間を歩いたのは初めての少年だが、桁違いの体力を持っているらしく、疲れている様子は全く無い。一方少女は少年と出会う前から歩いてきたので少々疲れているらしいが、歩く早さは落ちることを知らなかった。 

 未だに追ってどころか、人一人も見かけていない。                

 いや、寧ろその方が二人にとってありがたい。

 「大丈夫?」と少年が声をかけても、「大丈夫だよ」と笑顔で答えてくれる。

 これまで歩き続けてきたことは、とても楽しいことばかりだった。少年は、こんなに楽しい事がある事すら知らなかった。

 

 

 

 そんな中、背後から馬の走ってくる音が聞えた。

 

 

 

 タタタッタタタッ…

 

 

 

 

 追っ手がやってきた音だ。

「ついに追ってが来た!!隠れよう」

 少年が少女に告げると、少女は少年の手を引っ張って草むらに入り込んだ。

 草は普通に二人が立っていても被うくらい長く、あたり一面に生えていたので隠れるには最適な場所だ。それにかがんでしまえば一目では人が隠れているなどわからないだろう。

 二人が隠れている間に馬の走ってくる音は大きくなってきた。

「(何匹かいるね…通り過ぎるのを待つしかないね…)」

「(コクリ)」

 二人はできるだけ小さい声で会話し、息を潜めた。そして馬が視界に入ってきた。

 

 タタタッタタタッタ・・・

 

 同じ感覚で聞える音に二人の心臓の音は徐々に大きくなってきた。

 少年は、馬に乗っているのは集落の人々とわかった。馬に乗っている人はとても日に焼けていた。実際肌の見える部分は少ないが、腕や足の露出している部分を見ればわかる。

 集落の近くに大きい森が無いので、日陰が少ないため、必然的に日に焼けてしまう。ただ、少年はずっと小屋の中に居たので、小屋のスキマから入る日光意外は浴びないので、肌は白めだ。 そう考えて少女を見ると、こちらも肌が白めだ。─いや…実際少年よりも白いかもしれない。

 馬の数は4頭。このまま通り過ぎることを願っていた。

 

 タタタッタタタッタ・・・

 

 二人の願いは通じたらしく、4頭の馬は走り去っていった。

 二人は顔を見合わせて息をつく。そして顔をあわせて小さい声で笑いあった。

「よかったけど…このまま行ったら見つかってしまうね…」

「でも…道がないけど…」

 少年が心配そうな顔で言うと、彼女は答えた。

「えっと…この辺りに山道があるってきいた事があるわ。でも、少し遠回りになるけど…」

 少年は遠回りがどの位なのかわからないが、確実のある方向を選んだ。

 そして二人が立ち上がり歩き始めた瞬間

 

 

 

 

『!?』

 

 

 

 

 

 ザッ

 

 

『危ないッ!!!』

 

 

 

 

 

 シュンッ!!! ザスッ

 

 

 

 

 

 

 

「え…?」

 




小説を書いていると人の性格がでますよね・・・
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