これまで二日だけを繰り返し、正確ではないが累計で約10年間は逃げ続けていたと思う。
出口のない洞窟のような暗闇で、見つけたと思った光はすでに消えている光だった。そんなことは許さない。家族を一度諦めたけれどもうこれ以上は譲れない。だから敵を殺す。この結論は絶対だった。
今にして思えばくだらない時間であったが、それでも遅くはない。なんといってもこれが無限に繰り返されるのであればこんなのは誤差の範囲だから。
『本を読むほどに私は育ったから、個人的には無駄ではなかったと思いたいがね』
『ご家族と触れ合う淡輝様は抱えきれない悲しみを抱えておいででした。だから私が作られたのかもしれません。何かを見ないようにするために』
老人と人形女の人格が脳内で話すこの異常も、なぜか正常に思えてしまう。ついにおかしくなれたのだろう。これからは朝目を覚まして最初にするのはあのブローチを噛み砕くこととしよう。
いや、割って啜ればいいか。この怪我ではどこでも目立ってしまうから。
さて、行動を始めよう。
恐怖が消えて体が自由に動くようになって試してみたことは、まずは銀行襲撃に来るヴィランたちの皆殺しであった。
「おい、バカガキ。銃がわかんねぇのか?ったく面倒臭え。おい、殴られたくなきゃ大人しくそっちで……」
おもむろに近づき、袖に隠していたカッターで刺青が首に入っている男を切り裂いた。
「へえ……?」
何が起きたか分からず、男は自らの温かさの中に沈んでいく。覚悟さえあれば最初の一人を殺すことはあまりに簡単で笑えそうだと思えた。
無表情のまま、銀行内に響く女性たちの悲鳴を背に次の敵へと駆けていく。彼女たちは狂乱して走り出すから、それに乗じて次へと肉薄してやるのだ。
強盗たちが何と戦っているのかを理解する頃には、すでに自分の手に銃がある。こうなればもう勝ちだ。
どうせこの後にマガジンを交換する時間はないと知っているので、練習がてら残った敵を撃っていく。
「肩。腰。首、首、首。頭。腕。銃」
首は少し狙いにくい。だから射撃の腕を上げるためにも狙ってみる。当てた後に倒れるまで、もう一発入れられたら上達した証になる感じがして積極的に撃っていた。
「銃の分解と構築の仕方を見せろ」
腕と銃を撃つだけに留めた相手から銃についての知識を奪い取り、そして最後にはそいつが構築した銃で撃ち殺す。
なぜ、目の前で殺戮の限りを尽くしたばかりだというのに相手はどこまでも自分を子供と認識してしまうのだろう。
そしてその後に戦って死ぬ。そこまでが最近のループに多いパターンだった。
銀行襲撃を行うチンピラを殺すと、訓練された戦闘部隊がすぐに来るということがわかっている。
そしてあの拷問好きの道化は予定外の何かがあるとわかった途端に銀行には現れない。
どれだけ覚悟を決めて無駄を削ぎ落として殺意をぶつけても、敵の練度と戦闘向きの個性の前に敗北を繰り返していた。
だめだ。このままじゃ勝てない。一人は殺せるかもしれないが、まだそこから4人もいるのだ。連携されたらそれこそどれだけ試行が必要か想像もできない。
明瞭になった思考で考える。
血が燃えるような感覚を過ぎて、暗く冷静さを取り戻せば今まで気づかなかったような考えが湧いてくる。
これまでにやってしまった失敗が見えてきた。今まではただその事実に落ち込んで見ないようにしていたが、それはまるで意味がない。
それらを検討し、最適化し、そしてクリアを目指すのだ。
そういえばしばらくゲームをやってなかったな。あれほど好きだったのに。きっとお父さんへの執着が原因だろう。ゲーム感覚で取り組んでもいいかもしれない。それくらい気軽に今なら動ける気がした。
以前に行った試行はほとんど無意味に終わったが、それもそうだ。大人は子供を信じない。なぜなら子供には力がないから。
思考力、判断力、伝達力、財力、暴力。およそ人を動かすために必要な力のどれ一つとして持っていない。実のところそんな無力な存在を子供と呼ぶのかもしれない。
どこまでも善良な子供でいるから大人は動かないのだと気づいた。そして大人であれば誰でも頼りになるわけじゃない。
バカだった。どうしようもなくバカな失敗が多過ぎた。
まずは情報を集めないといけない。敵は誰だ?味方してくれるのは誰だ?
ゲーム。そうだ。昔好きだったゲームだと思えばいい。
攻略のための材料を揃える。
実行犯を羅列する。
・強盗を働くグループ
・戦闘部隊
・そして戦いがなかったり終わると父を狙うあの道化がやってくる
それらを動かしている黒幕がいるのは間違いない。そうだ。目的。奴らの目的は何なんだ?
なんでお父さんばっかり狙われて……いや。お父さんだけなのか?
まだ何にも知らない。それだけに気づいて、無知の知という言葉だけで知った気になっていたものを考えさせられる。無知の知を自覚したって、何も解決しないじゃないか。これから頑張れってことかよ。
ちゃんと調べてみると、この地域のヒーローはあまり評判が良くないことがわかった。だからあんな対応だったのかもしれない。
もうそんな奴らには頼らない。
そういえば、最終的なニュースではオールマイトが出張っていたらしい。 敵は倒されたらしく事件自体は解決するのだ。 彼はどうやら死ぬらしいが。
オールマイトが最初からいてくれればどうにかなるんじゃないか。大嫌いだったNO.1ヒーローに声をかける?こんな子供を相手にするわけがないがそれも手かもしれない。
作戦を立てなきゃいけない。
何を使って誰を動かし、そして何を殺すのかを詰めなくては。
だからこそ自分は彼と対面を果たしていた。
無数の試行錯誤を繰り返したのちに自分はここにいる。サーナイトアイとの何度目になるか分からない初対面を行っていた。
「まずは、そうだな。建物侵入にセキュリティへの不正侵入。パスワードまで知っているとあっては、子供のイタズラでは済ますことはできない。
冷徹な目が俺を射抜く。これまであったどのヒーローも、決してここまで真剣に自分のことを見ようとはしなかった。けれど彼は最初からずっと一貫して自分のことを警戒してくれている。
「判断するのはあなたですから。警戒もどうぞご自由に。結局あなたに隠し事はできないんですから、早くやりましょう」
そう言って、目を見ながら手を差し出す。
彼の個性の発動条件をこちらから整えてお出しした形であって、それをどうやって満たそうかと考えていただろう相手にとっては意表を突く結果になる。
さらに警戒を深めた表情で、その握手は拒否された。
「見通すような言動。すでにわかっているとでも言いたげな表情。私に『予知』を使わせたい理由があるらしいな?」
基本的に俺はヒーローが嫌いだった。だって、馬鹿みたいじゃないか。あんな格好で人を殴って金をもらうなんて野蛮だと今でも思う。そして様々なヒーローを頼ろうとしては相手にされず失望させられたが、どうにか現場まで連れ出すことができた時にも今度はその実力不足に心を折られた。
でもこのサーナイトアイは全てが違った。個性頼みのバカとは違って自分で考えて、そして体を鍛えて戦いに備えている。
そう。彼の個性は自分に似ている。平時においては無個性と変わらないという点で同じだった。
『予知』という個性は扱いが非常に難しい。というよりは現時点でわかっている範囲で言えば使うか使わないかを選べるだけであって、使い方などというものは存在しないように思える。
一時間の間その人物の取りうる行動を先に見ることができるというものだ。対象人物の一部に触れ、目線を合わせることで発動するこの力は、ただ見るだけであり未来を変える力はない。
一時間の間、相手の人生という映画を自由に飛ばしながら見ることができる能力である。
彼はすでにこの世界は決まりきっており、それをどこかで認めて心折れている。それでもヒーローらしく現実に向かって足掻き、それでも誰かを救おうと奔走しているらしかった。
それはまぁ、どうでもいい。問題は世界最高の戦力へと今すぐに連絡を取る手段を彼しか持っていないということだった。
オールマイトの事務所にも当然あらゆる手段で救援を求めてはみたが、彼は現在九州で救助活動とヴィラン退治を同時にこなしているらしくそれが終わったらという返事しか返ってこない。
あの事務所の大人を説得するのは諦めた。どうせ困難であるならもう戦力兼ブレインとしても使えそうなこの男を取り込むことが最善だと思う。
彼らは数年前にコンビを解消しているがホットラインは持っている。その上で彼はそこらのヒーローでは太刀打ちできないほど武闘派でもあった。
その
それでこそ取り込み甲斐があるというものだ。
実力行使に訴えられれば、自分は彼から逃げられないし抵抗はできない。何度か無理矢理に予知を発動させられたがやり直しても今朝の時点で実力差がありすぎて経験だけじゃ決して埋まらないと確信できた。
だから使う武器は言葉だ。もちろん個性も使えるだけ使ってやるが、そのためにも言葉がいる。
「あなたは今、予知を誘っていると言いましたが実際にはそう考えていない。予知を誘うことでむしろ予知を回避しようとしているのではと疑っていましたね。結局、あなたは俺を見ることになるんだからさっさと済ませましょう」
深く考え込むサーナイトアイ。そして出てくる結論はいつも同じだ。
「いいだろう。お前の正体を暴いてやる。補導してやることに決めたぞ」
強く手を握り、そして右目をこちらに向けた。その目は一瞬だけ白目の部分が黒くなっており、瞳が紫に光った。幾何学のような文様を瞳に浮かべた眼差しと交錯するのは一瞬だがそれで十分である。
彼は人のこれからの未来をまるでフィルムのようなイメージで眺めることができると言っていた。死ぬまでの未来を全て見ることができるが、遠い未来ほど曖昧になっていくらしい。
それらを一時間以内に全て見ることはできないため場面場面を切り取って、あとは推測で補完していくのが通常の用法だ。
背後の時計が、やけに大きく時を刻む。秒針の音が、胸の鼓動と重なっていく。
「なんだ……。お前はどうやって、いや一体なぜ。そんな風にしていられる?」
だけれど俺はそうじゃない。彼は膨大なこれからの人生を眺めることはしなくていい。
だって俺は、やることが済んだらすぐにでも死ぬからだ。
あと人生は12時間もないんじゃないだろうか。いつも年単位で人の人生を見ている彼にとって、その短さがまず衝撃だっただろう。
サーナイトアイという人物はそうそう動揺を見せたりはしない。けれど、こればかりは無理らしい。必死に無表情を保とうとしてはいた。けれど、その完璧に整えられた仮面の下で、何かが確実に崩れていた。
目の前で不敵な表情を浮かべている子供が数時間後に自殺をしている光景を見せられた人間のリアクションとしてはかなり抑えめであるとも言えるだろうが、そんな慰めに意味はない。
スーツの袖口を指でつまむ仕草が平時よりも強い。眼鏡の位置を直す指先が震えているのを、本人も気づいていない。
「それに、あの話は何だ?なぜ、死の間際に私に向かって語りかけている?お前は頭がおかしいのか?」
「はい。俺は頭がおかしいです。今朝も朝食はガラス混じりの血を飲みました」
卵に殻が入ってたくらいのニュアンスで答える。
「……そのユーモアは、笑えないな。特に嘘を言っていない時には尚更だ」
「すでに十分俺の話は聞けたと思います、なので協力してくれますね?」
「私しか知らない秘密。どんな拷問を受けようがそれを話すことはありえない。それをすでにお前が知っているということは私がいずれかのタイミングでお前を信頼して協力をした証拠であるという論法は理解できる」
「けれど、あなたは読心系の個性を警戒する。だから予言をしてあげますよ。心を読むことと関係のないランダムな事象を指定してください。それがどうなるか当てて見せます」
「それではどうだろうな」
「ええそうです。今、思いついた質問は言わないでもらって大丈夫です」
「いいや、それよりも。私自身がその質問を知らない形で試させてもらう。今、デバイスのAIに質問を作成してもらった。日常の生活空間とそこで働く人間についての質問だ。事務所の人間の行動が複雑に絡まる予測になるはずだ」
この提案をするのも知っている。だから返答はすでにある。
「あなたのサイドキック。バブルガールは今から15秒後にノックしてきます。確認が必要な書類を4枚持ってきているが、その3枚目の印刷に誤字があります。8行目の『一様』が『一応』になっているはずです」
無表情であるが彼は十分に当惑しているらしい。半信半疑で10秒を待っている。
部屋へとノックがあり、明るい女性の声が響く。
「サー!失礼します〜。色々と見ていただきたいものが……ってお取り込み中でしたか?」
「……問題ない。書類を確認しよう」
そうして目を通し、一部に印をおして彼女へ戻した。
「ここの部分に、誤字がある。気をつけてくれ」
「あ、本当だ!気づきませんでした。申し訳ありません!ていうかそんなに早く文字までチェックできるんですか!?もしかして未来見てました?まぁでも、サーならなんでもありか……」
「ていうか、来客だったんですね!そちらの少年にはお茶でもお出ししますか?お知り合いの子ども……っていうか親戚とかだったり?」
「その質問には両方ノーと答えよう。彼をオールマイトに紹介するか、逮捕するかで悩んでいるからしばらく他の仕事を回さないでおいてくれ」
「ぶふっ!やだなぁ!なんですかその天国と地獄みたいな二択は!でも、わっかりました!皆さんにも言っておきますね〜」
ドアを閉めて笑いながら出ていく彼女は、切迫したこの空気を少しも感じていないようだ。サーは以前から仏頂面や無表情のまま冗談を言っているらしく今回もその類であると思われていて、それはサーが意図して作った状況である。
「さて、にわかには信じがたいがしかし、お前はどうやら未来を知るか、未来を操作することができるらしい。そんなお前がオールマイトに何の用だ?」
「もう言っているはずでしょう。助けて欲しいんですよ。このままじゃ家族ごと皆殺しなので」
「ああ、それは聞いたな。近年稀に見るほどの大事件が起こるらしい。そこまでの規模の犯罪を計画し実行に移せるとなれば、黒幕はいくつかに絞られる。そしてその
「オールフォーワン。そいつが今回の黒幕でしょうか」
「そんなことは知らない。私が警戒をしているのは、まさにお前がオールフォーワンの罠ではないのかということだ。素性もわからぬ、やけに強力な個性を持つ少年がいきなり尋ねてきて助けてくれと?ここまで怪しい事件への導入は今まで見たこともない」
「でも秘密の合言葉も含めて決して見逃せない。そういう対象になっているでしょう」
「ああ、しかしながらお前がなぜここまで知っているのか。まだ聞いていないな。お前の個性は一体なんだ?」
「俺は、死んでも生き返ります。生き返るだけじゃなく、過去に戻れる。9月1日の朝目覚める時に死ぬたびに意識だけが戻っていく」
「タイムスリップ。いや、タイムリープというやつか」
「その認識で合ってます。俺はこの二日間を、もう10年以上過ごしてる。あなたと話すのも、すでに20回目ですから」
「では、握手をしてもらおう。問題ないな?」
「ええ、もちろんです」
彼の予知は1日に一度まで。この握手にはいくつかの試し要素が含まれるがそれは拒否せずにその手を握る。固く交わされた握手は、互いの力を直に感じる以外には役立たない。
万力のような力で手のひらを圧迫され悲鳴が出かけるが、それでも声は出さなかった。
これを振り解く方法は一つだけ。
決して動かないその右腕を起点に、思いっきり前転宙返りを試みる。その力がもしも緩められなければ、腕が折れる勢いでそれをやる。
前回はここで守るべき対象として認識されてしまって失敗した。ここで実力を見せなくては保護されてしまう。
パッと腕が解放され、そしてサーが握っていた自身の手をマジマジと観察している。
「超常以前の人類と今の人類。個性を除けば同じだと習っているだろう。それは事実だと確かめたことはあるか?」
ここからは未知のルートだった。話題はこれまでにしたことがあるものだが、この順序で話したことはない。
「いいえ。ありません。あなたから聞いた仮説以外は知りません」
「それを聞かせてみろ。それを知っているのは世界で5人もいない」
「非常に強力な個性因子は、個性の発現以外にも基礎体力や耐久性の向上を瞬間的に行うことがある。しかし、それはある閾値を超えた非常に強力な個性で初めて観測できるレベルの希少な現象であって、一般的ではなくケースがあまりにも少ないとか」
「ああ、その通り。自分の受け売りを話す相手というのは不気味だが話は早い。いいから、知っていても聞け。私はお前と話すのは初めてなのだから配慮をしろ」
「この世で最も個性因子と個性受容体の強度が高いのは『オールフォーワン』だ。検査はできていないがこれは間違いない。そして次点で、スターアンドストライプの『
「オールマイトの『ワンフォーオールが』全然高くないってのはまた不思議ですね。いや別に世界のTOP100に入っているなら上澄みでしょうけど」
「彼の総合的な個性スコアは不自然なところが多々あるからな。ナチュラルボーンヒーローは謎めいていないといけないと言っているが私もそれに同感だ。まぁ結論を知っている相手にもったいぶっても意味はない。つまりは強力な個性因子があれば身体能力は強化されるという話だ」
「そしてお前の個性が世界ごとのやり直しであるのなら、世界でぶっちぎりの一位を取るほどの個性因子強度でないとおかしい。『オールフォーワン』を比較相手にしても桁が10は違うだろう。世界が滅ぶほどにエネルギーが必要だ。文字通りの桁違いだな?」
「しかし、自分の身体能力は一般人のそれとほとんど変わらない」
「思い切りの良さは常人ではないがしかし、大した個性強度ではあり得ないなその肉体の強さであるのなら。さて質問だ。お前の個性は一体なんだ?」
「俺の個性は『目覚め』だと思ってます。眠りから完璧な体調やメンタルで起きることができる個性で、起きている間に効果はない。深い眠りから起きた時にしか発動もしないです」
「それなら一般人である肉体の方は説明できる。であれば世界のやり直しなんて大言壮語は、どう説明したものだろうな?」
「正直よくわかってないんですよね。色々考えた時期はありますけど、どれも適当な想像の域を出ない」
「いいから、お前のその想像を言ってみろ。私がそれを気に入ったのなら協力したくなるかもしれないぞ」
無茶振りをしてくれる。何が正解かはわからない。だから思いつくままに言ってみた。何度だってやり直せるのだから気楽なものだ。
「……この世界。世の中が全部。誰かの見ている夢で、それで死ぬたびにみんな実は現実に起きている。俺は起きる時に発動する個性を持っているから、だから変なことが起きる。そうでなければ、永眠からも目覚めることができるとか……そういう可能性も考えたりしましたけど」
20回も繰り返して、ようやくサーナイトアイの口角が少しだけ反応した。
「その表情と目つきさえなければ満点ではあったがしかし、悪くない仮説だった」
椅子に腰掛け、テーブルへと肘を下ろす。そして鋭い目線を一つだけこちらに投げて寄越して、まるで脅迫のような圧を出しながら褒めてくる。
「協力はしよう。しかし、いくつか条件を飲んでもらう。同意したのなら話を進めるぞ」
……
…………
………………
「では協力しよう狩峰淡輝。共にヴィランへと立ち向かおうじゃないか」
「ええ、まぁ。よろしくお願いします……」
意味のわからない条件がつけられはしたが、それでも日本でもTOPのプロヒーローの協力を得ることができた。
達成感は別にない。
100回以上繰り返していいのなら、誰でもこれくらいはできるだろうから。