ここ最近、キャロルは嫌な視線を感じ取っていた。姿はキャロルからは見えないが、ほんの僅かな視線だけは感じる。冷酷な暗殺者の視線だ。
(キャロル)「(嫌だな~、そんなに見られても、なにもでないよ?俺)」
そして、数時間後、彼は…老人とは別の依頼で、今現在はホロウの中でエーテリアス狩りを行っている。そして、その視線は今も尚、続いている。
しかし、その視線の主は未だに彼を殺しにやってこない。
そして…依頼から2日後、また新たな依頼で、彼は遠征をしていた。ビビアンには少々拗ねられたが、仕方あるまい。彼は食事のため一人で買い物に行き、袋をぶら下げて歩く、人はそこそこ居て、そのスーパーは混んでいる時間帯だった。
依頼を達成して、もう夜遅い時間、明日に帰ろうと、キャロルは考えてホテルの一室を借りて、事態は起きる。
(キャロル)「いったい何時から仕込まれてたんだろうな。」
身に覚えのない、シャーペンが気付いたときには、ポケットにはいっていた。キャロルは此が兎に角不味いことであることを知っている。恐らく此は発信器、これを入れたのは、今日、俺に接触出来たのはあの金髪のぶつかってきた女ぐらいだろう、相当に上手い、恐らくプロの工作員か殺し屋だ。俺個人を狙うならまだ良いが、ビビアンや俺の職場にまで被害が飛び火しては行けない。
キャロルは急いで仕事用の携帯を掛けようと手を下げる、すると…手が細い紐のような物に引っ掛かる。
ここはマンション、しかも、今現在はキャロルは一人で、依頼のため遠征で直ぐに仲間を呼ぶことも出来ない。
(キャロル)「チッ…」
キャロルの腕は瞬間、体は紐で拘束されて、後ろから、頭に鋭い蹴りを食らって脳が揺れた。
(キャロル)「あの視線はあんたのか、折角モールであった時は、ただの好い人だと思ってたのによ(笑)」
(イブリン)「フンッ、思った以上に簡単すぎたな。」
(キャロル)「そりゃそうだろ、わざわざ心配する必要がねえからな、どうせ死ねない俺なんかを、丁重に扱ってくれてありがとよ、(笑)」
(イブリン)「噂通りなら、貴様は不死身だが、無敵ではないのだろう?私はお前を殺しに来たのではなく、お前を封じるために来たんだよ、」
封じるために?キャロルは何を言っているのか理解できなかった。
(イブリン)「貴様は裏社会のパワーバランスを崩壊させる危険がある。其れをよしとしない裏社会に成通している、一部の御偉いさん方が、お前を冷凍して眠らせることを決めたようだ。或いは人体実験なんかもされるかもな。」
それを聞いても、キャロルは動じない、
取り敢えず、イブリンはキャロルの指を切断する、あの鉤爪は危険だからだ。
そして、直ぐに睡眠薬を首に打ち込み、キャロルを眠らせる。
数人の黒服の男達がキャロルを担いで、車に乗せる。
(イブリン)「出せ」
…
…
車を走行させて、15分後、後方から発砲音が聞こえてくる。
(イブリン)「来たか…」
キャロルを巡って地獄のカーチェイスが始まった。
…
車体と車体がぶつかり合う、車内が傾き、ガードレールに擦り付け合う。
(黒服1)「クッッソ…お前!!…ソイツ五月蝿くて目覚ますとかないよな?!」
(イブリン)「覚めたとしても、直ぐには身体は動かせん。それにその時はまた打ち込めばいいだけだ。それよりも運転に集中しろ、私が処理する。」
イブリンはナイフを隣の車体の男に投げつける。ナイフは額に突き刺さり、頭から流血し、前に倒れハンドルにもたれ掛かり、そのまま隣の車は運転困難になり横転した。その後も2台と車がやって来る、銃を構えるもイブリンの紐で腕を拘束されて、そのまま車の外に落とされる、紐で銃を奪われ、その銃で逆に蜂の巣にされる。
車を蹴散らしていくなか、真横から建物の壁をぶち破って大型トラックが突っ込んできた。ぶち当たり、車と窓ガラスが割れ、横転しそうになるが、イブリンは何本か紐を束ねて、電柱に巻き付けて、手で握っている側を車内ドアに巻き付ける。遠心力で車は傾きながらも地面にスレスレの大きなカーブを決めて、元に戻る。トラックは未だに後ろから、追跡してきており、何なら前のイブリン達の車体を踏み潰さんかの勢いだ。
(同業者のライバル)「大人しく、ソイツを俺らに献上しろよ、そうすれば同じ業界の吉見で見逃してやる!!」
(イブリン)「誰がお前らごときに、こんな美味しい仕事をくれてやるかッ。」
投げナイフを大型トラックの割れた窓の間に投げ込む、それを間一髪で男は躱した、其れをお互いは交渉決裂と取った。
(同業者のライバル)「じゃあ、死ねッ…」
(イブリン)「殺れるものなら…」
ゴト…
(キャロル)「随分とどんちゃん騒ぎしてるなぁ?」
(イブリン)「なっ何故!?」
(キャロル)「んぁぁ?目覚めるのは、まだ早いってか?…あんたがいい蹴りいれてくれたからな、まぁ?元々、睡眠の視床下部を薬で壊してたからな…(あの組の無愛想な爺もたまには役に立ちやがる。)そこにあんたの蹴りがハイって、更に頭がハイってわけさ。」
キャロルはそのまま力で拘束具から脱した。腕は拘束具に残ったまま引きちぎられ、揺れる車内で立ち上がる。解放されたキャロルにイブリンは即座に蹴りをいれるが、それをキャロルは躱して、そのまま前方に移動して運転席の黒服の喉元を噛み千切る、運転手がいなくなり、大型トラックが減速した前の車に自分のフロントの車体を衝突させる。
フロントの窓枠に残った、尖端の鋭利なフロントガラスにキャロルは喉を押し込む形で突き刺して、喉から血を大量に流血させながら。車の屋根に登り、イブリンが乗っている車体の後部に体当たりしている、大型トラックに向かって、前にジャンプし、ダイブする。
出血多量で空中で死亡が確定して、そのまま空中で孵化、空中から後任者が出現、流で大型トラックの運転席の男の顔に、爪を突き刺して殺す。
イブリンが驚愕している、その間のものの8秒でそれは行われた。
トラックはそのまま横転して、ガソリンが漏れて、引火し爆発した。キャロルは全身に火傷を負いながら、イブリンに近づく。
(キャロル)「ハッハッぁ゛ハッッぁぁぁあ゛ァア~…まだやるんだろ?」
(イブリン)「怪物め…」
イブリンは死んだ運転席の男を投げ捨て、車を走らせて、キャロルから逃げ去った。
(キャロル)「連れねぇ女……って何言ってんだ?!?!俺にはビビアンがいるじゃね゛ぇかァぁあ゛(笑)」