選手宣誓が終わった直後、ミッドナイト先生より第一種目が発表される。
『障害物競争』と発表されスタート位置に着く、スタートランプが点灯して開始が為される。
合計11クラスでの総当たりレース……220人が同時には絶対通り抜ける事が不可能な幅で構築されたスタートゲート。
ギッチギチに詰め込まれている為にスタート地点そのものが……最初に振るい落とす関門となる。
それを踏まえて動いたのは轟焦凍。
地面を凍結させ自身以外の全員の動きを封じ込める。
しかし……同じクラスの皆は当然としてかなりの生徒が凍結を避ける。
だが……脚が凍結されスタート地点より動けない者が1人。
宮古芳香であった……。
「脚が動かせない……」
芳香のみ両足首ではなく両方の太腿まで凍っており轟の芳香に対する脅威度をそれだけ雄弁に物語っていた。
『おっとぉぉぉ‼︎ 全員が出払ったと思いきや‼︎ 宮古芳香のみが‼︎ スタート地点に取り残されている〜‼︎ 両太腿まで完全に凍結させられてるのウケる‼︎ イレイザー、オマエのクラスの皆……よっぽど宮古芳香を警戒してるのな‼︎』
後半は友人に対する会話になっている実況……。
相澤はため息を吐きながらマイクに乗らない声量で静かに呟く。
「何やってんだアイツ……わざわざ脚を使わずともあんな氷程度……素の身体能力と怪力でぶち割れるだろうが……」
そう語る相澤、それはそうだ。
芳香は入試試験で合計15体のロボットを纏めて引き寄せる程の脅威的な膂力を発揮した。
それは……合計重量10数トンにも及ぶ重量を難なく、苦もなく引き寄せたという事、しかも一切の力負けをせずにだ。
それ程の筋力や膂力を有している芳香ならば……両脚を拘束している凍氷など砕き割るのはお手のものだろう、では……何故そうしないのか。
単純に芳香にソレを思いつくだけの頭が無い為である……色々と忘れっぽい芳香の記憶力故。
何を為す為にどうすれば良いのか……ソレらを芳香は咄嗟に思い出せないし思い付かない、なんせ時折目の前に居る人間の情報すらも忘れてしまうなど、記憶力に相当難がある。
1分ほどして……芳香の周りには誰も居なくなる……というよりもスタート地点には誰も居なくなった。
カチコチに凍らされた両脚と誰も居なくなった周囲を見て芳香は自身の右腕を見て何かを思い出したのか右腕をまるで蛸を思わせる様な3〜5m程の10本の触腕に変化させる……。
そして……丸太の如き触腕を凍結した地面に叩きつけると地響きと共にスタート地点が揺れる。
スタートゲートから噴出する土煙と共にようやくスタート地点よりスタートした芳香……。
しかしながらこの出遅れは相応に辛い……時間にして3〜5分程……その間にトップ層は第一関門を通過して第二関門を抜け……第三関門を目前に駆けている。
しかしながら……クラスメイト達は忘れていた。
どれだけ物理的に距離を引き離そうとも……どれだけのアドバンテージを得ようともそんなモノを一瞬で無に帰す芳香の移動方法を。
芳香は腕を伸ばして目測で距離を測ると空間を『喰らう』……。
刹那……瞬間移動の如き速度でスタート地点から第一関門へ到達すると其処には入試の時の0p
それを見て舌舐めずりをする芳香。
「餌……なのだ‼︎」
ガオンッ……その様な音が聞こえた刹那……10数台の0p
そして……餌を捕食し終わると再度空間を捕食し瞬間移動を開始する芳香。
『おぉーっと‼︎ スタートが誰よりも出遅れていた宮古芳香‼︎ 圧倒的な追い上げで‼︎ 第一……いや、第二関門突破‼︎ もう第三関門目前だ‼︎ 速い‼︎ 速すぎるうう‼︎』
プレゼントマイクの実況が響き渡り第三関門突破目前の轟、爆豪……八百万は僅かに動揺の色を見せる。
しかし、轟焦凍は……自分達と芳香の距離を脳内で計算しほんの一瞬だけチラリと背後を確認した際に確認した……ざっくりではあるが300mはある。
距離のアドバンテージならこちらが大幅に上回っている……。
遥か後方に居る芳香よりも……僅か10cmの至近距離で背後に居る者達の脅威を取り除く。
再度地面を広範囲に凍結させるが2回目3回目となると回避も容易く。
ほぼ意味がなくあっさりと回避される。
妨害に時間を割いた轟は1位を維持したまま第三関門へと到達するが第三の関門はこの4kmの内……半分以上の2.5kmを占める距離の大量に埋設された地雷原……殺傷力及び威力はそうでもないが爆音と衝撃は一級品の……地面に大量に埋設された地雷は先頭にこそ威圧をかけてくる。
後続に道を作ってしまうが……しょうがないと……そう考えていた刹那……現在一位を突っ走っている轟の耳元に芳香の声が響く。
「やっと追いついたのだ‼︎ 酷いのだ‼︎」
そう叫ぶ芳香だが……ここに居るのは芳香と轟のみではない。
爆豪に八百万……個性や技術……ナニカに秀でたモノ達が集まっている。
特に爆豪は自身を無視された事に酷く苛立った様子であり爆破による爆煙を撒き散らしながら1位のみを狙う芳香の妨害を行いつつ自身も距離を詰め八百万は『創造』の個性で妨害を試みる。
しかしながら……爆破の残留物である煙も……八百万が創造で創ったモノも……例外なくありとあらゆる全てが芳香に貪り喰われる。
そして……芳香は空間を捕食すると自身ではなく轟に対して八百万百と爆豪勝己がぶつかる様に調節して空間を捕食する。
しかし……ソレらは見切られていた様で轟は避けるが……芳香の言葉で動きが致命的な一瞬……止まる。
「私の個性の応用として、相手と自分の間の空間を削っての『瞬間移動』が可能なのだ……相手を引き寄せるのか自分が詰めるのかは任意で操作できる……けれど、これは純粋に削った空間の距離だけ引き寄せるわけではなく、実際には空間が閉じる勢いで加速させてるのだ‼︎ 軽い物体なら慣性でそれ以上の距離を飛ぶこともあるのだ‼︎」
そう轟へ向けて語る。
その意図を察しきれずにいた轟であるが……八百万百と爆豪勝己が居た場所を視認して理解する。
空間で捕食した場合……芳香自身が距離を詰めるか相手を引き寄せるか……その2択だが……軽い物は慣性でそれ以上の距離を飛ぶ事もあると言った。
軽い物……はたと理解して八百万の付近に埋設されていた地雷を確認するとつい数秒前まで埋設されていた筈の地雷が
轟が自身の脚下へと視線を落とすと其処には接触寸前の対人地雷が2個。
咄嗟の判断で氷結で地雷を処理するが空間を捕食して瞬間移動が可能な芳香相手には致命的な隙であった。
この隙を突いて芳香は距離をさらに詰める。
そして……空間を捕食し団子状態から抜け出すとそのままゴールへと1位で到達したのは……最下位から見事に這い上がった芳香であった。
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