悪食少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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第3種目・ガチバトルトーナメント1回戦 宮古芳香VS八百万百

 騎馬戦が終わり1時間のお昼休憩を挟んで最終種目が行われる、

 なお始まる前にA組女子一同はチアリーディングをやらされた、上鳴と峰田にチアリーディングがあると騙されて……であるが。

 美人が揃っているA組の女子陣であるが芳香もかなりの美人である……ぎこちない動きではあるが楽しそうにチアリーディングを行なっていた。

 

 そうして……ミッドナイト先生がマイクを取り語る。

 

『さて‼︎ 最終種目の発表よ‼︎ 最終種目……それは『ガチバトルトーナメント』‼︎ 進出4チームの16名からなるトーナメント形式の一対一のガチンコバトルよ‼︎ 組み合わせのくじ引きを騎馬戦1位の宮古芳香チームから引いてね……組み合わせが確定したら30分間のレクリエーションを挟んだのちに開始となります‼︎ レクに関しては参加者16名は参加するもしないも個人の判断に委ねるわ、息抜きしたい人も個性を温存してたい人もいるだろうし……では宮古芳香さんから運命を司るくじ引きよ‼︎』

 

 順々にくじを引いていき……確定したトーナメント表がモニターに映し出される。

 

 1回戦初戦……宮古芳香VS八百万百。

 それを見た八百万百は目を瞑り勝つイメージを集中すると不安を払拭するかの様に芳香へと語る。

 

「芳香さん……勝たせてもらいますわ、この前の戦闘訓練の借りを返させていただきます」

 

 そう語ると芳香は八百万をジッと見つめてゆっくりと口を開く。

 

「えっと……頑張ろうね?」

 

 何故だか笑みを浮かべつつも疑問系でそう返され八百万は自身が張り詰めていた空気が霧散していくのを感じつつも芳香との勝負に必要な手段を思案する。

 首をコテンッと傾げつつ短くそう語る芳香……。

 芳香との会話内容はたまに相手の発言に対し前後の文章を無視して単語にだけ反応し話す事がたまにあり……そうかと思えば何の脈絡もなく咄嗟に出てきた記憶の断片だけで喋ることもある。

 そのせいかは不明であるがどこか間が抜けており、会話がやや成立しにくいが八百万を含めA組の皆は既に慣れっこである。

 ちなみに1番多いのは『食べていいのか?』という質問である……。

 

 そうして……レクリエーションも終了しセメントスによるバトルフィールドの形成が完了し選手がそれぞれの通路から登場する。

 解説のプレゼントマイクが放送用マイクを手に取り観客へと自身の声を届ける。

 

『色々とやって来ましたが‼︎ 結局これだぜ‼︎ 毎年恒例‼︎ 時間制限無しガチンコ勝負‼︎ 頼れるのは己のみ‼︎ ヒーローじゃなくてもそんな場面ばっかだ、わかるよな⁉︎ 心技体に智慧知識を総動員して駆け上がれ‼︎ さて‼︎ 記念すべき第1回戦‼︎ 全てを喰らい尽くす暴食の体現者‼︎ 宮古芳香‼︎ そしてその対戦相手は‼︎ その蓄えた圧倒的な知識を総動員して凡ゆるモノを創り出すA組きっての才女‼︎ 八百万百‼︎』

 

 選手の紹介に観客のボルテージは最高潮まで高まり歓声は会場を埋め尽くす。

 プレゼントマイクよりルールの詳細が語られる。

 

『ルールは極めて簡単‼︎ 相手をフィールドの場外に叩き落とすか行動不能にする……あとは『降参宣言』をさせても勝ちのガチンコ勝負‼︎ 怪我? そんなもん上等‼︎ こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから道徳倫理は一旦捨ておけ‼︎ だが‼︎ 命に関わる様な大怪我は勿論言わずもがな1発アウト‼︎ さてそれでは長々と説明してもしょーがないって事で‼︎ 初戦、宮古芳香VS八百万百‼︎ スタート‼︎』

 

 そう叫び記念すべきガチバトルトーナメント緒戦の開始が宣告された。

 


 

 八百万百は考える。

 限界を取り払った異常な怪力と痛みの一切を感じない肉体を持つため、まともにやりあうとえらい目に遭う。

 だが思考能力は芳香本人曰く「前時代のコンピューター並」であるため、逃げることは容易い……逆に言えば戦闘を行うとなると非常に手強いという事。

 ただでさえ異常に耐久性の高い肉体であるのに加えて戦闘中にナニカを喰うことで傷や体力を回復再生して体力を増幅させる為、中々倒すことが出来ないし近距離戦闘などは愚策の一手だろう……捕食してくれと言っている様なものだ。

 それら全てを加味した上で八百万が取った戦略は……。

 八百万が創造した物体を見た実況のプレゼントマイクが仰々しい口調を交えながら叫ぶ。

 

『機関銃⁉︎ おいおいマジか‼︎ とんでもないモノ創り出したぜ⁉︎ オマエの生徒‼︎』

 

『ベルト給弾式……弾帯の弾薬を見る限りは限りなく威力を低減させた非殺傷ゴム弾、だがゴム弾とはいえ機関銃から斉射される威力の弾丸だ……さて宮古はどう出るか……』

 

 解説の相澤は静かにそう語る。

 

 銃火器による遠距離からの一点火力集中一択である。

 八百万が引き金(トリガー)を引くと機関銃の斉射が始まり凄まじい銃声と共に芳香へ文字通り弾丸の雨あられとなって襲いかかる。

 しかし芳香は避ける姿勢も防御姿勢を取る事もせずにただ弾丸の雨に撃たれ続ける。

 八百万は射撃初心者にしては狙いが正確なモノでほぼ外れる事なく弾丸は芳香の身体に吸い込まれていく。

 絶え間なく続く銃撃音、弾丸の雨に撃たれ続ける芳香。

 しかし……審判であるミッドナイトもセメントスも一切動じずジッと見続けていた。

 八百万百は2〜3分で全弾を撃ち尽くした軽機関銃を躊躇う事なく投げ捨てると追加で創造していた機関銃へと持ち替えて更なる銃弾を浴びせ続ける……。

 

『おおっとぉ⁉︎ 宮古動かない‼︎ 銃弾の雨に対してただただ止まっているうううう‼︎ 大丈夫なのかぁ⁉︎』

 

 実況のプレゼントマイクが放送用マイクを手に取り熱い実況を繰り広げるが八百万百にはその実況は聞こえない……不思議と聞こえるのは眼前の芳香による『しゃくっ』という何を喰らっているか不明の咀嚼音のみ。

 一歩も踏み出す事なくスタート地点で立ち止まる芳香を見て……八百万は理解する。

 体操服は被弾してかなりボロボロだが……肝心の芳香の肉体には一切傷一つ付いていない。

 既に1600発以上撃ち込んでおりその銃弾の何割かはは頭部にも直撃している、しかし芳香は気絶する前兆すら見えず……銃弾の雨を全て身体で受け止めつつゆっくりではあるものの一歩ずつ八百万の方へと歩みを始めた。

 それを見て銃手である八百万の顔が苦渋に染まる。

 可能な限り殺傷性や威力が落とされたゴム弾とは言え軽機関銃の斉射で傷一つつかない程の耐久性を示すのなら取れる手段は限られる。

 撃発のしすぎで過剰放熱しバレルが変形して使い物にならなくなった機関銃を放り投げて再度の創造を行おうとした刹那……突如として自身の身体が芳香の方へ強制的に引き寄せられて芳香の手で首を掴まれる八百万だが背中からゴム弾装填済みのレミントンM870を創造し芳香の腹部に銃口を押し付けてそのまま引き金(トリガー)を引き撃ち込むが至近距離のショットガンによる銃撃ですら眼に見えるような傷は負っていない。

 段々と首を掴む手に込められる力が増していき呼吸がキツくなっていく八百万。

 八百万は芳香の手を動かせる方の手で2〜3回タップしながら呟く。

 

「こ……降参ですわ」

 

 それを確認したミッドナイトはタップアウトとみなして審判として宣告する。

 

「八百万さんタップアウトにより降参‼︎ 宮古さん2回戦へと進出‼︎」

 

 そうして記念すべき緒戦が幕を下ろした。

 余談ではあるが銃撃を受けて芳香のボロボロになった体操服は全く同じ新品の物を八百万百が創造した。




感想・ブクマ・特に評価。飢えております。  低評価をもらったら少し傷つきますが、傷も創作のプラスになることはある(私の場合です)。でも無評価=虚無は創作のマイナスにしかならないッス(私の場合です)!  なので、無言で投げれるので、ぽちぽちっと☆を頂けると嬉しいです。多い分には困りませんよ‼︎

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