『宮古&八百万チーム、演習試験スタート‼︎』
鼓膜を劈く様なブザーと共に試験開始が宣告される。
八百万百はスタートした瞬間に芳香へと語る。
「芳香さん、相手は相澤先生です……個性を消される前に爆豪さんとの戦いで出してた人形を創れますか? ……それとコレを貼らせて下さいませ」
八百万はそう語り芳香の額に表面には何も書いていないお札をペタリと貼り付ける。
相澤先生の抹消は個性を消せるが個性で創り出した物まで消せる訳ではない。
轟の大氷壁や八百万や芳香の創造物と言った個性で創り出した物という副次的な物までは消す事が出来ない。
ならばやる事は1つ。
戦力差を限りなく広げる事……。
八百万の言葉に頷いて芳香は掌から人形を創ろうとしたが……5秒経とうとも掌からは何も生み出せない……。
「創れない? ……ッ⁉︎ 八百万さん‼︎ 来ます‼︎」
「そう思ったらすぐ行動に移せ‼︎」
芳香は地面に映る影を視認した刹那、八百万へと叫び八百万もそれを理解して臨戦態勢を取るが一手速く……相澤先生が2人の間へと割って入ると芳香を捕縛布で即座に芳香の四肢を雁字搦めに拘束し簡単には抜けれない様にして電線から吊り下げると『創造』で何かを創り出そうとしていた八百万の腹部へと足を当ててそのまま膝をクッションにして押し出す様に蹴り飛ばす。
勢いよく押し出されて数メートル吹き飛ぶ八百万。
アスファルトの地面へと仰向けに叩きつけられ鳩尾を蹴られた事で呼吸がしづらく喘ぐ様に息を吐くが何かを創造しようとする。
それを見つつ相澤先生は捕縛布を八百万の腕に巻きつけて自身の方へと引き寄せながら語る。
「この場合は先ず回避を優先すべきだ、先手取られたんだから‼︎」
そう叫び抹消を行使して『創造』を使わせない様に立ち回りつつギリギリと捕縛布での締め付けをキツくしどんどんと引き寄せる。
如何に個性が万能であろうとも身体能力はまだまだ発展途上の子供のソレ……プロヒーローとして鍛え上げている成人男性に筋力で敵う訳もなく段々と引き摺り寄せる。
引き摺られながら八百万百は考える。
(くっ……力では敵わない……個性も封じられている、芳香さんを助けるべき? それとも時間を犠牲にしても抹消の範囲から逃れて移動用のアイテムを創るべき? コレでいいの⁉︎ 私はこのまま……どうすれば……)
そう思案しているのが相澤には筒抜けである。
何年も教師をやっていれば大体は表情から読み取れる、八百万のは特に分かりやすい……。
体育祭以降喪失した自信を取り戻させてやりたいがソレは相澤の役目ではない。
「体育祭以降の自信喪失が眼に見えて分かりやすい……痛い所は突いていくぞ‼︎ 手数勝負しようか⁉︎」
そう叫びつつ捕縛布を更に投擲し捕縛しようとした刹那……相澤の背後から芳香が突進を仕掛けてきた。
「……ッ‼︎」
相澤は何とかギリギリ……身を捻り芳香の突進を回避してそのまま背負い投げに移行して芳香を八百万百の方へと投げ飛ばす。
(宮古にかけた抹消はまだ消えてない……どうやってあの拘束から抜け出た?)
即座に相澤の視界から消え失せた2人を追う前にチラリっと拘束していた箇所を見ると無理やり引き千切られてバラバラにされた捕縛布がコンクリートの上に散らばっていた。
ただ至極単純……力任せに引きちぎったらしい、炭素繊維に特殊合金を編み込んだ帯状の捕縛武器を。
しかしながら簡単には引き千切れなかったのか相当苦労したと見える。
「しかし……そっちは脱出ゲートとは逆方向、俺をカフスで仕留めるのか?」
民家の屋根から屋根へと移動しつつ屋根から見下ろして2人の事を常に視界へと収めると相澤はふと思い返して呟く……。
そう言えば宮古の額に何か貼られていたと……かなり忘れやすい宮古が迷う事なく自身への突撃を行ってきたのも普段の宮古を見ている相澤からすればかなり不可解である。
……だが相澤は2人を常に視界へと収めつつ思案する。
このまま此処で2人を常に視界へと収めていればタイムアップで試験終了なのだ。
八百万と芳香は相澤先生に見られていると理解しつつ走りながら叫ぶ。
「ともかく一旦先生の視界から外れませんと‼︎ 芳香さん‼︎ 常に空間の捕食が出来るかの確認を‼︎」
八百万と共に走っている芳香はその言葉に対して
「え⁉︎ でも相澤先生に個性封じられているのだ‼︎」
その反応に八百万は首を振って叫ぶ。
「個性が使えないは悪い思い込みですわ‼︎ 一瞬……ほんの一瞬だけ隙が生じます‼︎ 相澤先生が瞬きして再び私達が視界に収められるまでのほんの一瞬‼︎ 芳香さんは出来るでしょう⁉︎ 体育祭で見せたあの瞬間移動を‼︎」
それを聞いて芳香は頷いて空間を常に捕食していると……2秒後……八百万と共に300mほど後方に一気に瞬間移動し相澤先生の視界から外れる……そして絶え間なく瞬間移動をし続けて決して視界内に収まらない様に動き続ける。
芳香は瞬間移動中に掌より自律機動型人形を20体程生み出すと、ある仕掛けを施しつつ自分達を視界に収めている者との戦闘命令を与え、八百万は最後の詰めを行うべく『創造』にてある物を創り出す。
八百万は芳香に掴まれて共に瞬間移動をしながら叫ぶ。
「時間さえあれば……私達の勝ちですわ‼︎」
そう語る八百万に……何故かは不明であるが絶対の信頼を寄せる芳香であった。
「一瞬の隙を突いて……瞬間移動をしつつ此処までの物を生み出すとはな」
芳香から創り出された人型自律機動ロボットの殴打を軽々と回避して捕縛布で拘束し捕縛布すら軽々と切り刻めるナイフを腰から抜いてロボットの首に当たる部分を躊躇いなく切り落とした刹那……首を切られたロボットより閃光手榴弾の如き強烈な閃光が相澤の視界を真っ白に染め上げる。
ゴーグル越しとは言え閃光手榴弾レベルの極めて強い閃光までは防げない。
極めて短い時間であるが視界が0になるがそんな経験は今まで実戦でいくらでもあった。
眼が見えないなりに戦う手段は幾らでもある。
そもそも相澤の得意とする戦闘は個性を消した上での短期決戦……毎回それが出来れば確かに最良であろうが……いざ戦いが始まれば『万全の状態』など秒単位で遠ざかっていくものだ。
故にベストコンディションの維持より、バッドコンディションとの付き合い方を学ぶべき……そう語る今は亡き親友を思い出しつつ見えない視界で僅かな音を頼りに周囲の自律機動人型ロボット19体を纏めて捕縛布を用いて拘束していく。
眼がようやく見え始めた刹那……背後から芳香の声が響き渡り声を頼りに真っ先に警戒しなければならない芳香の事を拘束しようとしたが……ちょうど1番近くの、電信柱へと拘束した筈の自律起動ロボットの動体から勢い良く電流と共に網が射出され雁字搦めに絡め取られる。
気絶などはせずただ単純に動きを止める為の電流だったらしいが今この瞬間に動きが止まるのは頂けない。
僅かに動きが止まったまま電流で動けず……そのまま拘束された相澤。
ロボットがキュルキュルと網を巻き取ると絡め取られたままの相澤は成す術なく網の中で雁字搦めになる。
ようやく完全に視界が見えるも相澤の手首にはカフスがかけられており……試験の結果は明白であった。
試験終了の合図と共に網で雁字搦めにされた相澤は芳香と八百万を見て呟く。
「なるほどな……そのお札……裏にそんなん書いてあったのか」
芳香がお札を捲ると其処にはこう書いてあった。
『相澤先生をどんな手を使っても捕縛してください』と。
貼り付けた位置から確実に見える様に書かれていたソレをずっと見ていればさしもの忘れやすい宮古といえども決して忘れないだろうと。
納得して……八百万&宮古チームの試験は合格という形で幕を閉じた。
評価バーマックスまであと僅かです。
このまま赤色で行きたいです
面白いと思いましたら下記の評価欄から評価お願いいたします
高評価(8.9.10)を押してくださると励みになります
評価付与 お気に入り登録 感想
劇場版は入れた方がいいですか?
-
絶対いる
-
絶対みたい
-
超要らん
-
そんなもん書く暇あるなら本編進めろボケ