悪食少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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 全員の演習試験が終了し試験の終わりが告げられる。

 そして後日、教室にて切島君、砂藤君、上鳴君、芦戸さんの4人は演習試験不合格となった為に生気を失った青白い表情のままであり芦戸に至ってはエグッエグッと嗚咽混じりに言葉を紡ぐ。

 

「皆……土産話っ楽しみにしてるから……」

 

 それに対して緑谷さんがどんでん返しがあるかもしれないと必死にフォローしていたがソレは言ったら無くなるパターンのやつだと思います。

 上鳴さんに至っては狂乱の叫びを上げながら緑谷さんをこづいていた。

 芳香はそれを席に座って見ながらぼーっとしていたが八百万さんから話しかけられて意識をそちらへと割く。

 話の主題はあの時の人形に装備された閃光手榴弾と網の投擲機能及び電流についてである。

 捕縛布を解析し数十倍の強度を持たせて作った網であったが故に相澤先生でも切れなかった。

 振り返りと共に感想戦を行っていると予鈴が鳴り響いた為に皆、席に着く。

 そして相澤先生が入室してきて朝の挨拶ともに期末テストの結果が出たと告げられる。

 

「残念ながら……赤点が出た、従って……林間合宿には全員行きます」

 

 その言葉が発せられて2〜3秒は微動だにしなかった切島、砂藤、上鳴、芦戸は歓喜の叫びをあげていた。

 相澤先生の言葉は続く。

 

「筆記試験の方は赤点0、実技試験の方で実技試験をクリア出来なかった切島、砂藤、上鳴、芦戸の4人と最序盤でミッドナイト先生の個性を喰らって寝てしまった瀬呂が赤点だ」

 

 そう告げられて瀬呂があぁやっぱり……しかもこれクリア出来てない人より恥ずかしい……といった感じで噴出する恥ずかしさから両手で顔を覆い隠し呟く。

 

「確かにクリアしたら合格とは一言も言ってなかったからなぁ」

 

 相澤先生はそのまま言の葉を紡いでいく。

 

「今回の試験、我々(ヴィラン)側は生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見る様に動いた……でなければ課題云々の前に詰む奴ばっかりだったろうからな、本気で叩き潰すと言ったのは追い込む為の虚偽さ、そもそも林間合宿ってのは強化合宿だ……赤点とった奴らこそ行ってもらわにゃ困る、ま……全部が全部虚偽って訳じゃあない、赤点は赤点だ……赤点組には林間合宿内でも皆とは違い別途補習時間を設けてある、ぶっちゃけた話……学校に残っての補習より何十倍もキツいからな‼︎ じゃ、合宿のしおり配るから後ろに回してけ」

 

 そう言ってテスト結果の発表と通達事項の連絡が終わった。

 そして何よりも皆で行けて良かったと安堵の会話が為されて2週間の強化合宿故に大荷物となる。

 そしてテスト明けで休みという事で葉隠さんからのご提案でA組の皆で買い物に行こうという話になった。

 轟さんは休日はお見舞いに行くそうでキャンセル、爆豪さんは行くわけねぇだろとのお言葉を賜りキャンセル……2名を除いた18人で買い物へ行くことになった。

 

 そして翌日……。

 

 芳香はショッピングモール最寄の銀行の口座から必要な分だけお金を下ろすとテクテクと歩いて集合地点へと向かう。

 其処には時間10分前だというのに八百万さんや芦戸さん、飯田さんが既に集合していた。

 向こうが先に気づいた様で手を振って芳香の事を呼びかける。

 芳香の服装は陽射し避けの帽子にサングラス、白ワイシャツにハンドバッグ、ゆったりとしたズボンを履いている。

 そうして楽しく会話をしつつ残ったメンバーを待つこと15分。

 全員が集まり……全員が買うものがバラバラ故に時間を決めて自由行動となった。

 芳香は2週間分の洋服とそれを詰め込むキャリーバッグを買うと告げると八百万と耳郎さんも一緒に回るとの事で一緒に回ることとなった。

 ……なお3人ともキャリーバッグ自体は早々に購入が確定した。

 そして時間がかなり余ったのでショッピングモール内の複数の洋服屋では気合が入った店員と八百万さんと耳郎さんによりパンクファッション系やとても可愛い洋服、店員のオススメの洋服や拘りのランウェアを何着も変わる変わる着ることになり着せ替え人形の様に為すがままにされていた芳香であった。

 しかし……突如として警報が鳴り響き私服警官や制服警官……更にはヒーローが大挙して押し寄せてきた。

 出入り口も完全に封鎖されショッピングモールから出る事も、また……入る事も叶わず警官からはその場から動かない様に厳命される。

 ……しばらくして状況が理解できた。

 

 緑谷が(ヴィラン)連合の死柄木弔と相対したらしく……事情聴取の為に緑谷は警察署へと連れられて行き……買い物はそのまま中止となった。

 その後の公式発表によると雄英襲撃に次いで保須市への襲撃……警察は既に(ヴィラン)連合に対して特別捜査本部を設置して大規模な捜査網を敷いているとの事であった。

 


 

 塚内直正はショッピングモールから程近い警察署に出向いており……緑谷少年から事情聴取を行う。

 そして事情聴取を終えたあと、自身へと個人的な話に来たオールマイトとの会話をする緑谷少年に対してだいぶ遅くなってしまい申し訳ないと謝罪した上で迎えに来た母親へと緑谷少年を引き渡すと三茶にヒーローの護衛付きで送る手配を指示してその場を離れたのを確認してからオールマイトに対して告げる。

 

「今回は偶然の遭遇だった様だが……今後は彼若しくは生徒たちが狙われないとも限らない、もちろん引き続き厳戒態勢を維持して捜査網を拡大していくが、学校側も思い切った対策をした方がいいよ……オール・フォー・ワンとその信奉者、必ず今度こそ捕えよう」

 

 そう語り……オールマイトと別れた塚内。

 塚内はそのまま警察署内に戻ると、三茶から茶封筒に入れられたファイルを受け取り中身を確認する。

 

「……連続失血死事件の容疑者トガヒミコ……2日前に繁華街の監視カメラに一瞬だけ映って此処のビル地下にすぐ消えてる……此処の近くには確か……三茶、確か此処だったな? テナントが入ってないにも拘らず誰かの話し声やグラスを割る音が聞こえたという通報があったのは……ビルの所有者に確認したが隠れ家的なBARが入ってるんだったな? この写真……トガヒミコの隣に居るこの男、ブローカーの義爛だ……もう一度このBARを隅々まで洗い直そう、三茶……再度ビルの所有者へと連絡してくれ……あと此処のBARの金の流れも再度チェックしろ……水道光熱費など雑費も漏らさず全てだ」

 

 そう指示を出すと塚内は己のやるべき仕事へと向き合っていった。

 


 

 休み明け。

 学校のHRで早速、昨日の緑谷の件で雄英が例年使わせて頂いている合宿場を急遽キャンセルし尚且つ行き先は当日まで教師陣のみの秘匿となった。

 

 ……まぁ話が誰に広まっているのか学校側が把握出来ないのでソレはそうである。

 そうして……あまりにも濃密で劇的であった前期は幕を閉じた。




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