悪食少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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ビッグ3

 警察組織が慌ただしく動いているが場面は雄英へと戻る。

 

 仮免試験が終わり……その晩。

 相澤はジョークからの通話を行っていた。

 要件はいつもの冗談が2割、真剣な話が8割。

 と先んじて聞いていたからこそ22:00という時間帯からビデオ通話をしているのだが……。

 先程から会話が脱線しまくっている。

 

「それでよぉイレイザー……聞いてくれよぉ……隣のな? ハンバーグ屋な? ……って事なんだよぉ」

 

 話が脱線して既に1時間は経過しており時計は23時を回っている。

 ジョークと行う平和な無駄話は……意外と楽しいものだがこうも真剣な話に入らないのならば通話を切ろうと思い立ち……一言添えて通話を終わらせようと画面をタップしようとしたら刹那ジョークから待ったがかかる。

 

「此処からは真剣な話さ……イレイザー、今あっちこっちで爆発的に流行ってる違法薬物……個性を破壊する……ってのは言い過ぎだが個性を発動不可にする、基本的には銃弾形状だ……針が刺さって中の薬液が体内に打ち込まれる事で薬効が発生する、ファットガムが見たのは銃器バージョンだが、こっちで確認できたのは隠し持てる大きさの注射器みたいなタイプだ……ほら? 映画とかでよく見るだろ? アレだ……銃と注射器が融合したやつ……ま、とにかく銃器バージョンの方は銃の腕前さえあれば誰でもお手軽に個性を抹消できるイレイザーになれちまう、何処でもね……塚内さんがその事でファットガム、それに私を召集してきた、て事で……近いウチにブリーフィングや現場で会う事もあるだろうからよろしくな……」

 

 そう語るとジョークは眠くなってきたから寝るわ〜……と笑顔で言い通話を終わらせた。

 相澤は……それを聞き……今後の予定を大幅に変更しなければと思いタスクスケジューラーを開き決まりかけていた予定を一旦白紙に戻すのであった。

 その後……警備ロボットから発せられた報告により深夜徘徊し尚且つ喧嘩した問題児2人に謹慎処分を言い渡す相澤であった。

 


 

 始業式が始まって校長の長い話しも終わり……生活指導担当であるハウンドドッグ先生が昨日の事を人語を忘れながら叫んでいた。 

 そうして教室に戻り相澤先生より告げられる。

 

「今日からまた通常通り授業を続けていく、かつてない程に色々あったが上手く切り替えて学生の本分を全うするように、今日は座学のみだが後期はより厳しい訓練になっていくからな」

 

 そうして話しているとヒーローインターンって何だろうねと芦戸三奈が後ろの席の蛙吹梅雨にコソコソと話すが相澤先生より睨まれる。

 皆、ヒーローインターンが気になっているらしく後日説明する予定だったがざっくりと説明される。

 

「平たく言うと『校外でのヒーロー活動』以前行ったプロヒーローの下での職場体験、その本格版だ、先に説明するがヒーローインターンは体育祭で得た指名をコネクションとして使う、そしてこれは授業の一環ではなく生徒の任意で行う活動で体育祭で指名を頂けなかった者は活動自体が難しい……まぁ後日ちゃんとした説明と今後の方針を話す、こっちも都合があるからな」

 

 そうして、夕方となり授業が終わる。

 芳香は寮へと戻ると耳郎さん達との会話に興じてしばらくしたら風呂に入る。

 耳郎さんが胸の大きさで嫉妬をして芳香の胸を揉んだりしていたが……。

 そうして、早いもので3日が経過した。

 緑谷出久が謹慎から復帰して、本格的にインターンシップのお話しとなる。

 相澤先生より雄英ビッグ3と呼ばれている3人の方がインターンシップについての説明に出向いてくれた。

 相澤先生より紹介され教室へと入ってくる3人。

 自己紹介は天喰から行う様にと言われるが……天喰と呼ばれた猫背の男は無言でこちらの全員を一瞥するなり……壁の方を向いて隣の2人へと呟く。

 

「駄目だ……ミリオ、波動さん……ジャガイモだと思い込んでも依然として頭部以外は人間だ……どうしたらいい……言葉が出てこない、帰りたい」

 

 自己紹介せずに壁の方へ向いてしまった彼の代わりに波動さんと呼ばれた女性が語り出す。

 

「彼は天喰環、私は波動ねじれ……今日は『校外活動(インターンシップ)』について皆にお話しして欲しいと頼まれたので来ました……けどねえねえ君は何でマスクしてるの? おしゃれ? それとも風邪?」

 

 話が無限に脱線していく……それを見た相澤はため息を吐きながらミリオへと語る、

 

 気になった事を優先するのか障子さんのマスクを聞いたり轟焦凍の火傷の痕を聞いたり芦戸三奈の触角をプニプニと堪能したりで無限に話しが脱線しており収拾がつかない……。

 それを感じ取った相澤先生がため息混じりに注意を行う。

 

「波動……今はお前の質問タイムじゃない……」

 

 そう軽く告げると1番最後の男子生徒が笑顔を浮かべながら相澤先生に告げる。

 

「イレイザーヘッド‼︎ 安心して下さい‼︎ オオトリは俺なんだよね」

 

 そう告げるとよく分からない持ちネタか何かを披露した彼だが……クラス中静まり返っている、凍っている。

 その空気を読んだのか何なのか金髪の生徒は残念そうに叫ぶ。

 

「よぉし‼︎ ツカミは大失敗だ‼︎ まぁ何が何やらって表情してるね……まぁ必修ですらない『校外活動(インターンシップ)』の説明に突如として現れた3年生だもんね……そりゃ意味わかんねーってなるよね……そうだなぁ何やら滑り倒してしまった様だし……君達纏めて俺と戦ってみよーよ‼︎ 俺たちの『経験』をその身で感じてから説明した方が合理的でしょう⁉︎ どうでしょうかイレイザーヘッド‼︎」

 

 そう告げられた相澤先生は髪を掻いて告げる、好きにしな……と、という訳で体育館γへと移動した1年A組の面々。

 移動した後……相変わらず壁を向いている天喰さんがミリオへと告げる。

 

「ミリオ……やめた方がいい、形式的に『こういう具合でこういう事が体験できてとても有意義なものです』と語るだけで充分だ……皆が皆上昇志向で満ち満ちている訳じゃない……立ち直れなくなる子が出てはいけない」

 

 そう告げた天喰に呼応するように芦戸さんの触角をいじくり回して遊んでいる波動さんも言の葉を語る。

 

「あ、その話し聞いてる知ってる〜昔挫折しちゃってヒーロー諦めちゃって問題起こしちゃった人がいるんだよね〜大変だよねぇ〜」

 

 波動さんのその言葉を聞いたクラスメイト達の琴線に触れたのか常闇さんや切島さんが反論する。

 要は……心配するなと……そんな雑魚に見えるのかと……。

 それを聞きながらミリオさんは柔軟を終えてゆっくりとクラスメイト達に告げてきた。

 

「うん、いつどっから来ても良いよ?」

 

 そう告げられて緑谷出久が先陣を切る。

 その瞬間、通形ミリオのジャージがハラリっと地面に落ちて裸体が裸体が露わとなる……耳郎に至っては赤面して顔を手で覆っている。

 しかし、ソレを隙と捉えた緑谷が顔面へと蹴りを行うがすり抜ける。

 青山がネビルレーザーを、瀬呂範太がテープを、芦戸三奈が酸を、耳郎響香が音を、立て続けに放つが全てすり抜けられる。

 そして、明らかに離れた位置に居た耳郎さんの背後から突如として飛び出て腹部を殴打するとそのまま全員を腹パンして沈める。

 芳香以外の全員を。

 無論……芳香も腹パンされたのだが芳香の耐久性は人外とも言うべき埒外の耐久性を誇る。

 しかしながら……攻めあぐねているのは芳香とて同じ。

 摂食を行おうにもすり抜ける故に意味がない。

 摂食すら効かないのであれば芳香にはなす術がないが……それは相手も同じ事。

 芳香を一撃で沈められる火力を有していないミリオも動きが止まる。

 全く予測していない千日手に両者共にジッと……時が止まったかの様に動かないが芳香は両手を挙げて降参の意を示す。

 

「無理無理……私は貴方を倒せない……周囲一帯根刮ぎ喰らい尽くせば話は別だろうけど……模擬戦だし、降参」

 

 そう語るも……ミリオは自身の拳を見つめながら茫然としており動く事はない。

 相澤先生がミリオの頭部を弱めのチョップで叩くと考え事から戻った様で、先程の軽快さで1年A組の皆に語りかけてきた。

 

「とまぁこんな感じなんだよね‼︎ どうだった? 俺の個性、強かった?」

 

 その質問に対して上鳴や芦戸、あとは個性が丸被りしてると思いアイデンティティを失いかけている葉隠透が声を上げる。

 曰く、強すぎる、チート、轟の様なハイブリッドなんですか? 攻撃は全てスカせて瞬時に移動できるなんて羨ましいなどなど……。

 それを聞きながら通形先輩は高笑いして語る。

 

「いいや、強い個性にした(・・)んだよね‼︎ 俺の個性は『透過』‼︎ 発動すると全てが透過するんだ、何もかもがね……透過を解除すると質量を持ったモノとモノは重なり合う事が出来ずに弾き飛ばされるんだよね‼︎ それが君達がワープと呼んでいるモノの原理さ身体の向きや角度を微調整する事で弾かれる先を自由自在に決める事ができる‼︎ だけれど個性の発動中はあらゆるモノがすり抜ける為に五感を失っているのと同義なんだよね‼︎ そんなだから壁一つ抜けるにしても複数の工程が必要なんだよね、だから俺は遅れに遅れた、ビリッケツまで落ちて服も落ちた……だけどこの個性でトップを目指すんだったら遅れだけは取っちゃダメだった‼︎ 故に予測、経験則からの予測‼︎ 大分長くなったしダレてきてるからそろそろ締めるけど……インターンシップで得るのは学校で学んでいるだけじゃ決して手に入らない経験だ‼︎ だから恐くてもインターンシップはやるべきだと思うよ一年生‼︎」

 

 最下層からの這い上がり……そしてトップへ……どれだけの執念と修練を積んだのかはわからないが……最底辺から努力でトップまでのし上がった。

 通形先輩から告げられた言葉を胸にインターンへの思いを募らせるクラスメイト

 そうして、通形ミリオさんからの教えは終わった。

 寮に戻るとインターンシップで持ちきりとなり遅くまでその話題で話し合った芳香達であった

 




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