悪食少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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原作に比べてインターンシップの条件が厳しくなっております


面接

 相澤先生が教壇に立ち朝の挨拶と纏めて告げてきた。

 

「おはよう……先に言っておくが、昨日の職員会議で1年生のインターンは校長を始めとして殆どの教員は『辞めとけ』という意見でした……しかしながら今の保護下方針では強いヒーローは育たないとの意見も有り……方針としては書類審査で通過した者の中から『インターン受け入れ実績・ヒーロー活動実績・直近6ヶ月内の対(ヴィラン)犯罪戦闘に於ける実績・ビルボードチャート30位以内』の4つの内いずれか1つが雄英で定めたラインを超えており尚且つその後行われる雄英教師複数人及び無作為に選出された読心個性持ちヒーロー5人との面接で問題無しと判定されているならば1年生の実施を許可するという結論に至りました」

 

 そう語られる。

 元々各事務所の自由募集だったが雄英高校生徒の引き入れでゴタゴタの多発や外面だけ立派で中身が腐り果てた事務所なども見られた。

 そのお陰で体育祭で得た指名を一種のコネクションとして活用する事になったのだが……。

 それでもルールの内側であるならば何でも行う人種は星の数ほど居るのが実情で有る。

 例年よりも遥かに予測されるそれらに対して先んじて対策を打った。

 有名になればそれに比例して起こる無名や新人、その他素行や事務所の内情などに問題が有るヒーロー達による青田買いを可能な限り回避させる為に組んだ物である。

 この4つの内どれか1つにでも該当するヒーローならばそもそも体育祭である程度生徒を絞った指名を行うし、無名のヒーローや新参のヒーローが『雄英高校1年A組生徒』を指名して箔付けやドサ周りの売り子にしようとしても4つの条件に該当するのが相当に厳しく、仮に無名や新人が4つの条件の内1つをどうにかして突破してもその後に行われる面接でその真意を見抜かれる。

 生徒達が林間合宿などを終えて十分に鍛えた後で指名しようとも考えていても条件下であるならば自身の仕事も当然ながら行わざるを得ないし……そもそもの話、最終的には指名された生徒側に決定権が有る。

 そう語られて授業がスタートした。

 放課後、共有スペースで八百万百と語り合う芳香。

 

「芳香さんはインターン、どうするんですの? 確かご指名がかなりあったと記憶しておりますが……」

 

 芳香は等身大ぬいぐるみの様に八百万百の膝にちょこんと座らせられて、芳香の背中からハグの様な形でギュッと抱きしめられている。

 その状態で芳香へと語る八百万百。

 クラス全員見慣れた光景である。

 芳香の方もスキンシップはかなり取る方であるが故に嫌がったりはしておらず日によって麗日だったり芦戸だったり、耳郎だったり、轟だったり、上鳴だったり、と男女問わず抱きしめられている。

 なおそれを見た峰田は後日……芳香をなんとか理詰めで言いくるめるのに成功したのか、芳香の膝に座って芳香の双丘と太ももの感触を堪能しようとしていたが座る直前に周囲の者、特に蛙吹や芦戸からのお仕置きが為された事は言うまでもない。

 

「私は迷う事なく仙人ヒーロー事務所かなぁ……ただあそこの事務所、保須市での(ヴィラン)犯罪での実績以降目立った活躍してないから果たしてって感じ……」

 

 そう語りつつも芳香は何処か……謎の安心感を感じていた、青娥ならば確実にインターン受け入れまで通過するだろうと。

 その後は雑談に興じつつ八百万が芳香の髪をセットしたり芦戸さんがお風呂で芳香に抱きついたりと平和な1日を過ごして就寝となった。

 


 

 そして翌日……放課後に青娥が雄英高校の応接室に足を運んでいた。

 首からはゲスト入館証明証を下げており案内である13号の後ろを歩いている。

 青娥は楽しげに13号と話をしつつ歩く。

 

「貴女の事は知っているわぁ……その個性も、救助専門なのが勿体無いとは個人的に思うけれどねぇ」

 

 無論、プロヒーローとして一通り戦闘技術も会得しており戦闘も行えるが戦闘を専門にしているヒーローとは技術や経験、その他全てにおいて1歩も2歩も劣る。

 それを踏まえて実に勿体無いと青娥は語る。

 それを聞き13号は歩きながら青娥に語る。

 

「僕は……正直言って貴女の事は実際に出会うまでは一切存じ上げませんでした……ヒーロー免許を取得して以降の実績などほぼ皆無……かと思えば保須市での(ヴィラン)一掃での活躍、失礼を承知でお聞きしますが……貴女程の能力ならば確実にビルボードチャート1桁台、名声などに関しても、もっと上を狙えるはず……なのになぜ?」

 

 ヘルメットに覆われて表情こそ見えないが恐らくは怪訝な表情なのだろうなと思いつつ青娥はあっけらかんと告げる。

 まるで何でもないように、まるで新しい玩具を見つけた子供のような笑顔を浮かべながら。

 

「そうねぇ……今即興で考えた巫山戯た理由とちゃんとしたまともな理由……どっちが聞きたいかしら?」

 

 無邪気な笑顔でそう語る青娥。

 それを踏まえて13号は語る。

 

「どっちの答えも気になるので是非両方とも聞きたいですね」

 

 そう答えた13号に対し……青娥は一瞬だけポカンっとした表情を浮かべ時が止まったかのような静寂が支配する。

 しかし、その静寂もすぐに破られ青娥のくぐもった笑いが廊下に響き渡る。

 

「くくくっ……いやはや、失礼……本当に失礼、面白い答えを導き出すわね、いいでしょう、先ずは今さっき考えた巫山戯た理由から……巫山戯た理由の方は……ヒーローに然程も興味がないから……アレよ? 車は運転しないけど身分証明証として運転免許証だけは取っておこう、ヒーロー免許とは私に取ってはその程度の理由よ……ちゃんとしたまともな理由の方はね、この免許じゃなければ出来ない事が多すぎる……色々とね」

 

 そう告げる。

 それを聞いた13号は何処か納得した様な感じであり応接室へと通される。

 青娥が応接室へと入室すると其処には相澤、根津、オールマイト、ミッドナイト、プレゼントマイク……そして読心系個性持ちプロヒーロー5人が座っていた。

 10人の面接官は手元の資料と書類を確認しつつ青娥に座る様に促す。

 青娥が置かれている椅子に座ると面接がスタートした。

 幾つかの質問の度に読心系個性持ちが心を読みその真意を読み解く。

 そして……面接も最終盤となった時……根津校長からとある質問が投げかけられる。

 

「霍青娥さん……君はこのヒーローと(ヴィラン)が蔓延るこの社会をどう思う?」

 

 それを聞き青娥は一瞬だけ考え込む振りをして答える。

 

「別にどうとも……私は常に面白い方の味方だわ……」

 

 そう語り、面接は終了となった。

 お辞儀をして部屋から退室する青娥、13号が見送りとして付き添うのであった。

 


 

 面接後……各面接官の協議が開始される。

 読心系個性持ち5人の結果を加味しての協議であるが青娥に関しては議論が白熱した。

 即ち、インターンを許可する教員2人反対する教員2人、そして中立の教員1人。

 インターン許可を支持しているのはミッドナイトとプレゼントマイク、反対の立場を表明しているのは相澤とオールマイト、中立は根津校長である。

 インターン許可派閥の言い分としては青娥の能力は群を抜いており今までの功績が無かった程度でインターンを拒否しては非常に勿体無い、青娥の下で得る学びは何も何も変え難いだろうと。

 対してインターン反対派の意見としては……目立った功績も活躍も無くほぼ無名、面接結果もヒーローの心得とは程遠い。

 これを通せば時間も金も掛けた面接や書類審査は何の為の物だったのかと。

 議論は2時間に渡り白熱するも……収集がつかない、最終決定権を有する根津校長に託すしかない。

 

「許可派と反対派のどちらの言い分も尤もなのさ……それを踏まえて……霍青娥から宮古芳香へのインターン指名を許可するのさ」

 

 そうして青娥はインターン指名を許可された。

 


 

 そうして、翌日……青娥のヒーロー事務所にインターンシップで出向いた芳香を出迎えるのであった。




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