相葉愛美に話し手が移される……。
そうして、死穢八斎會の使っていた個性増強剤と死穢八斎會が捌いていた銃弾の流出経路から全ての組織を洗い出したとの事で……今現在居るヒーローには強制的にこれら組織を壊滅する事を命じた塚内。
此処に居る者達は各々が戦闘に際しては一級品と塚内が認めた者達。
そうして……残った膿を全て排除するべくエンデヴァーらは計画を煮詰めていく事となった。
話は終わり……計画決行を控えて会議は終了となる。
会議後。
誰も居なくなった執務室へ三茶が入室してきて資料を纏めつつ塚内へと語る。
「そう言えば……相葉愛美、私は彼女が警察に入った理由を詳しくは知りませんが……聞いても良いですか? どんな経緯で警察に入ったとか……あの若さで情報犯罪対策部部長とはかなりの……塚内さんにしては珍しく随分信頼をしていますね」
そう問われた塚内は気さくに答え、備え付けのサイフォンに入ったコーヒーを自分用と来客用のコーヒーカップに注ぎ三茶へと渡すと砂糖2本とミルク1個を投げ渡しつつ何処か懐かしそうに語り出す。
「まぁ……色々あってな、覚えてるか? 三茶……去年だか一昨年だか……警視庁のサーバーが2週間に渡って何者かに乗っ取られたのを」
そう語られた三茶は『あぁそんな事もあった』とでも言う風に相槌を打ちつつコーヒーの苦味を堪能する。
当時警部だった塚内と三茶もそれに対応して各省庁や関係部署への伝達、電子制御された全てがストップした為に全署員が書類でデスマーチの日々……それを思い出し……2度としたくない事案でしたねと苦笑する。
塚内もコーヒーで喉を潤すと続きを語る。
「警視庁のサーバーが丸々架空のデパートに置き換えられて……各部署と人員がそっくりそのまま各売り場と店員に置き換えられていた……捜査一課はワイン売り場で、ソムリエにされてたりな……」
もう一口、コーヒーを飲むと苦味が強いのか塚内は砂糖を追加で3本投入してかき混ぜつつ話の続きを語る。
「で、その事件の最重要容疑者として浮かび上がったのが相葉愛美だ」
とんでもない発言に暫し理解が追いつかずにフリーズする三茶。
当然だ……現役の情報犯罪対策部部長が過去、警視庁のサーバーをハッキングしてたなんて事……三茶ですら知らなかった情報なのだから。
塚内はそんな三茶を見つつ話を進める。
「相葉愛美は……子供の頃から幾度となくハッキングの疑いをかけられてる……確認できただけでもNASA、自衛隊、中央銀行、警視庁、各省庁へハッキングを繰り返している……だがそれら全てが証拠の一切が無いグレーゾーン、結果……当時の警視庁情報犯罪対策部はかつてない規模と日数に渡って侵入を許したハッカーにまんまと逃げられた……」
三茶は資料として、相葉愛美が情報犯罪対策部へと入ってからのネット犯罪検挙率、官庁のコンピュータのセキュリティも数十倍に跳ね上がっているのは知っていた。
しかし相葉愛美がまさかそんな事をしていたとは思いも寄らなかった。
その反応を見つつ塚内は空のコーヒーカップへ再度コーヒーを注ぎ直して口に含みつつ話の続きを語る。
「……超1流の詐欺師、ハッカー、泥棒……こいつらが逮捕されて出所した際……企業が競って迎えに来る事があるって話を聞いた事があるだろう? 空き巣と一緒で優れた侵入技術を持った者は犯罪者の視点から見て侵入が難しい……優れた防犯技術を知っていると言う事だ、で……警察も同じ事を考えた……遅れに遅れたコンピュータ犯罪対策の切り札として相葉愛美の採用に踏み切った、特例でな……当然手元に置いて監視する目的も込みでだ……お目付け役は……俺に回ってきた」
そう疲れ気味の表情で語る塚内。
事実疲れているのだろう……三茶は思い出す、時折酷く疲れた顔や誰かに対して小言を言いかけていたのを。
全てが繋がったと言える。
「で、ハッキングの天才こと相葉愛美が調べ上げた先の死穢八斎會のこの件……完璧に調べられていた……そしてこの事件の首謀者である治崎廻、コイツも犯罪においては各方面で天才と言われているらしいが……無駄に讃える奴らが居ないだけで相葉愛美も間違いなく天才だ」
そう語り相葉が調べ上げた資料を纏めつつ3杯目のコーヒーを注ぎ砂糖を2本入れて其処にガムシロとミルクと追加する。
甘ったるくなったコーヒーを飲み死んだ目をしながら相葉愛美との過去のやり取りを思い出していた。
そうして三茶の疑問は解消される。
場面は変わり情報犯罪対策部。
相葉愛美は其処の部長を務めている……警察官としての階級は警視正であるがこれは特例も含んでいる為に実質的には塚内直正よりは下の階級となる。
情報処理安全確保支援士の資格やホワイトハッカーとしての資格を有しておりそのクラッキング能力は世界1位と言っても過言ではない、そのくらい技術がある。
一際大きいデスクで同時並行で15台のキーボード、それとモニターを操り各種アングラサイトや違法薬物や人身売買、臓器売買の飛び交うダークウェブ、犯罪仲介業、犯罪者仲介業が蔓延る裏サイトなどの真っ暗なサイトを巡回している相葉。
飛び交うクスリの売買依頼、蔓延る犯罪者達、それらに関する全ての情報をキーボードのエンターキーをクリックするだけで丸裸にしつつ……膝上に置いてあるプライベート用のタブレット端末に映される愛しくて堪らないジェントルの勇姿を保存した監視カメラの映像を観ながら仕事に励む。
ポムポムとキーボードを叩く音が響いておりキーボードの周りに彼女が愛用しているGANRIKI☆NEKOのグッズが多数置いてありそれだけを見るととてもではないが情報犯罪対策部の、それも部長のデスクとは一見すると分からないであろう。
実際……新入りなどは相葉のデスクの隣で仕事をしている副部長に毎回最初に挨拶へ向かっていく。
何回も、何十回も続いたそれに相葉自身慣れたのか、はたまた地位には興味が薄いのか気にも留めていないが……。
それにしても情報犯罪対策部に配属されてからというもの……やる事はつまらない……犯罪組織の監視が主で……最近ではぬるま湯に浸かった3流ハッカー組織を逆にハッキングして全ての情報を入手してズタボロにした程度。
張り合いが無くてつまらない……とは思うが、お目付け役の塚内さんは怒ると怖い。
一回、仕事とはまるで関係ない省庁へのハッキングをしようとしたが直前でバレた。
その際に誓った……あぁ、2度と塚内さんを怒らせる様な浅慮な行いはしない様にしようと。
椅子から立ち上がりストレッチをすると背骨や関節からは小気味良い音が響く。
しかし、飽き飽きする程の平和だからこそ手に出来る幸せもある。
タブレット端末に映る愛しいジェントル……ジェントルの薬指に輝く指輪、相葉は自身の左手薬指に嵌っている、ジェントルが嵌めている物と同じ指輪を見つめながらそう思うのであった。
総合日刊29位二次創作限定でも29位にランキング入りしておりとても嬉しいです
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