警視庁執務室にてコーヒーを飲みながら作業を行う塚内。
キャリア組としてキャリアを積んできて……警視正から警視監への警視長を飛ばしての昇進試験が有った。
この前行われた昇進試験の結果は見事に合格。
警視監に任命された……部下の三茶も警視から警視長と昇進。
関係は互いに変わらずだが……まぁ異例のスピード出世には違いない。
それはさておき死穢八斎會の逮捕してから2日後……相葉愛美から受け取った情報を元にそのままグラントリノ、エンデヴァー、ジェントル、ミルコ、エッジショット、ベストジーニストとの合同捜査が行われていた。
山奥で黒霧を捕縛、その際にギガントマキアと呼称されるAFOの直属の部下と交戦になるが黒霧の捕縛とギガントマキアの危険度を天秤にかけ、元々の作戦であった前者の捕縛を遂行。
ギガントマキアはプロヒーローらの攻撃を意にも介さず『くしゃみ』で山一つをほぼ全て削り取りジェントル、エッジショット、ミルコの3名を負傷させて逃亡。
3人はそのまま救急搬送されたが命に別状は無し。
ギガントマキアの情報を探るも犯罪歴などが悉く見当たらない。
不自然な程に抹消されていた。
それの報告書を纏め終わり塚内は別件の処理に取り掛かる。
親友から贈られてから10年間手入れやメンテナンスを欠かす事なく使い続けている愛用のサイフォンでコーヒーを注ぎミルクと砂糖を混ぜて1口飲むと相葉愛美から寄せられた情報を元に書類仕事と格闘していく。
三茶と塚内が頻繁に現場に出ているからアレかも知れないが本来キャリア組と言われる2人の仕事は基本書類や人事権、各省庁の折衝などと言う裏方がメインであり官僚と呼ばれる側である。
会議に書類仕事、人事、そして折衝。
これらを完璧にこなした上で現場にも出ていく2人が化け物なだけである。
ちなみに警察官の90%以上……巡査、巡査長、巡査部長、警部補は非管理職である。
警部以上はデスクワークが中心となり、事件や事故の現場でバリバリ活躍するのは警部補以下の仕事であるのだが塚内も三茶もオールマイトと共にAFOを追い詰めた者達。
故に思い知っている、まるで紙ゴミを丸めて捨てるかのように……ゴミ同然に等しい死に方をした仲間達を。
だからこそ如何に階級が上がろうとも初心を忘れずに……また、亡くなった部下や同僚達を忘れる事なく現場仕事にも、そして今の職務に邁進している。
「あら? 失礼、休憩中だったかしら?」
コーヒーを飲んでいる最中に塚内の背中越しにそう声を掛けてきた相手。
振り向かずともその声音だけで誰か分かる、浅い付き合いではないのだから。
「……青娥か」
空間に穴をこじ開けて転移してきた青娥に対して塚内は振り向く事なく問いかける。
あまり良い話では無い、と前置きして塚内へと語る青娥。
それに対して塚内は来客用のカップにコーヒーを注いで青娥へと手渡すとそのまま語る、
「中々に大変な状況だな……それは……了解した、それと……頼みがある」
頼みの内容を聞き入れた青娥はそれを踏まえて次の計画を思案しつつケタケタと笑いながら塚内へ語り続ける。
まるで塚内の反応を楽しんでいるようでタチが悪い。
一頻り笑いながら青娥は語る。
「いいわよぉ? その頼み……この霍青娥が受け入れたわ」
そう告げられて……煙の様に青娥が消え失せる。
最初の頃は驚いたモノだが最近では何処か慣れきった自分が居る……感覚が麻痺しているのは否めないが相手は霍青娥だ、常識など通用しないし期待するだけ無駄というモノ。
そうして、過去の事件ファイルや必要な書類の取り寄せ、提出などを済ませていき……午前中の長い事務仕事を一段落させると4杯目のコーヒーを飲み干して別の仕事を行う。
事務処理が予想よりもかなり時間を食っている……チラリと時計を見ると2時間後には約束の時間……一呼吸おいてコーヒーを再度注ぐと急いで書類仕事を終わらせて出掛ける準備を進める。
車に乗り込み走らせると目的地であるとあるBARへと入店する。
薄暗い店内に入ると顔馴染みのマスターが話しかけてくる。
「ご注文は?」
スーツを脱ぐ事もせずに塚内はマスターへと語る。
「ジョニー・ウォーカーの青」
そう告げるとBARのマスターは無言で階下へと繋がるのドアを指さして無言で促す。
笹塚は既にいるらしい。
此処を使うという事はそういう事で、そういう状況なのだろう。
此処のBARは塚内、三茶、笹塚が緊急時に落ち合う際にのみ使用される避難所。
BARのマスターは塚内の情報屋であり信頼のおける人物が務めている。
階下へのドアを開けて階段を降りて指定された番号のドアを開くと……其処に居たのは三茶と同様に大学時代からの親友、笹塚衛士……。
笹塚はぐったりと壁にもたれかかった状態の親友は塚内を見るなり軽い声音で語りかけてきた。
「よう塚内……」
低いテンションで常に無表情でくたびれた雰囲気を漂わせ、無精髭を生やしているのはいつも通りだが……軽い声音とは裏腹にその吐息は荒く……呼吸音に混じって時折混じる肺雑音……そして血の匂いが塚内へと状況を伝える。
咳き込み、血を吐きながら塚内の名を呼んできた。
「お前……何があった⁉︎」
そう問いかけてスマホを取り出して応援を呼ぶ。
素人目で見ても酷い怪我であるのは明白であり今すぐ死ぬという訳ではないがこのまま放っておけば決して遅くない内に命に関わる。
応援を呼んだ後で国立セントラル病院の知り合いに電話をして受入許可を得ると塚内は笹塚を背負いながら表に停めた車の助手席へと運び込む。
此処からセントラル病院までは凡そ15分。
笹塚を助手席へと乗せ終わり自身は運転席に乗り込んで運転を行う塚内。
赤色灯を光らせてサイレンを鳴らして80kmで飛ばしながら塚内は叫ぶ。
「何があったかは後で聞くからな‼︎」
そう叫ぶが応答が鈍い。
ジャケットの内ポケットから煙草の箱を取り出したかと思えば血塗れの手でそれを塚内のジャケットのポケットへと捩じ込む笹塚。
最期の1本を味わうかの様に煙草を口に咥えてソレに火を付けると深く吸い込み息を吐きながらとてもゆっくりと笹塚は語る。
「なぁ……塚内、俺に万が一があったら……妹を頼む、あとの詳しい事は……捩じ込んだそれを見れば大体わかるし……相葉愛美にも託してある」
そう言って紫煙を燻らせる笹塚。
それを聞いて塚内は怒鳴る。
「巫山戯るな、あと10秒で病院だ……それまで耐えろ‼︎ 俺はもう身内の葬式なんて絶対にゴメンだ‼︎」
そう叫び病院の救急受入へと車を付けると其処には馴染みの医者が。
吉田竜が居た。
吉田は笹塚をストレッチャーに乗せて急いで手術の準備に取り掛かっており……数時間に及ぶ手術となった。
手術後、手術は成功して容態も落ち着いた笹塚を見舞う塚内。
「手術が終わったばかりで悪いな……で、話せ……何があった」
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