雄英体育祭
その後……オールマイト、相澤、リカバリーガールの各教員が何とか宮古芳香が既に死んでいるという事実から立ち直り口を開く。
リカバリーガールとオールマイトは事前に知っていたが検査結果の誤りだと2人とも心の何処かで認めていなかった……それが誤りではなかったと語られる。
「……アイツは……宮古は……意思があった……感情があった、俺は検視官……アンタの間違いに賭ける」
相澤が身体を震わせてそう呟く……無理もない、相澤がUSJ内で見た『死』を怖れる芳香のあの表情、あの叫びが……既に死んだ者から発せられた者とはどうしても思えなかった。
しかし、検案を担当した女性検視官は首を横に振って語る。
「検案した結果は変わらない……そもそも私の個性は死体にしか通用しない……逆説的に言うならば私の個性が通用するならばそれは医学的見知から凡ゆる全てが死体だ……ただ……何らかの方法であの子は命を繋いでいる……全ての機能が停止している身体だが……あの子には自由意志があり感情が残っている……喜怒哀楽も普通の人間とまるで変わらん……
そう告げて締め括り……女性検視官は会議室を出ようとするが相澤が呼び止める。
「心遣い……感謝する」
相澤の短い謝辞に手をヒラヒラと振りながら微笑を浮かべて立ち去る検視官。
そうして臨時休校となった翌日。
雄英の教師陣が全員集められ……そして会議は襲撃時の主犯へと移る。
USJ襲撃時の死柄木弔と呼ばれた青年及び黒霧と呼ばれた
ヒーローには出来ないが警察に出来ることは多々ある。
具体的には捜査権に始まり強制捜査や囮捜査、聞き込みや職務質問……会員制BARや金融機関などの極めて秘匿性の高い場所への捜査や聞き込みなどが挙げられる。
あとはヒーローでは逐一許可が必要な前科者のリストや犯罪者リストなどを自由に閲覧する権限や個人情報として秘匿されるべき情報を立ち所に知れるのも警察の強みである。
何よりも……警察の精鋭が100人も集まればそれは即ち世界一の探偵組織となり得る。
塚内直正は各教員へ配布した物と同じ物を手に説明を開始する。
「死柄木という名前……『触れたものを粉々にする個性』……そして似顔絵写真から20代〜30代の個性登録者を片っ端から当たって見ましたが該当無しです……ワープゲートとされていた『黒霧』と呼ばれていた者も同様ですね……無戸籍です……偽造屋による偽造身分証で活動している可能性も捨てきれませんが…………個性届けも出されていません……携帯会社や各種公的機関の記録やクレジットカードなどの使用履歴……公共料金や税金の支払い履歴も一切無し……この2人とも……公的には存在した証明が一切出来ない透明人間です」
そう語る塚内警視。
それを踏まえて会議室に集められた雄英教師陣の内の1人……。
スナイプが溜息混じりに語る。
「何も掴めないのは不味いな……早くしねぇとその主犯の透明人間にまたゴタゴタを起こされちまう」
スナイプが語った『主犯』……その呟きにオールマイトはやや違和感を覚えて反芻し呟く。
「……主犯か、思いついても普通は行動や実行には思わない大胆な襲撃……通信の妨害やその他隔絶させるあらゆる用意は周到に為されていた……にも拘らず突然それっぽい暴論を捲し立てたり自身の個性を一切明かさない代わりに……脳無と呼ばれた
それらと……“尤もらしい暴論”と“自分の所有物の自慢”を行い全てが自分通りになると思っている単純思考と襲撃決行も相まって見えてくる人物像は……。
「万能感が抜けきってない子供の精神性……子供のまま大人になったと言うべきか……」
それは……この個性溢るる超人社会ではままあること。
個性という凄まじい能力は時に人を万能感で満たす、特に若い少年少女ならば尚更のこと……一斉個性カウンセリングなどでそれらをカウンセリングする事もあるが受けてないのならそのまま『強大な力を持った子供』として進み大人になる。
問題は……。
そこで塚内が口を開く。
「問題は先日のUSJ襲撃時に逮捕し検挙した
そうして……会議は終了した。
そして臨時休校も明け翌日。
相澤は朝のSHRで発表を行う。
「雄英体育祭があります」
その言葉に沸き立つクラス。
雄英体育祭といえば一大イベントである。
芳香も話だけは聞き齧った事がある。
しかし同時に懸念点もある。
それに答えるのは担任である相澤。
「逆に開催する事で雄英の危機管理体制が盤石だと世間に示す……って考えらしい、一応警備は例年の10倍に強化するそうだ……そして何よりも雄英の体育祭は最大のチャンスだ、
そして……4時間目の国語総合が終わり昼休みとなる。
ちなみに……国語総合の授業内容が芳香の得意分野である唄を詠む授業であったのでまさしく独壇場であった。
才能マンであるあの爆豪ですら唄を詠む事にかけては芳香の影を踏む事すら許されなかった。
お昼休みとなり1人で席に座り鞄から取り出すは極めてボロボロになった一冊の本。
それは芳香にとってはとても大事な物であり可能な限り持ち歩く物であった。
表紙や裏表紙は文字が掠れており本の内容は読み取れない。
紙質自体も酷く劣化しており扱いに気を付けなければならないのは誰が見ても明らかであった。
それを読みながら芳香は昼休みをゆっくりと過ごしていた。
そうして……放課後。
出入り口のドアの周囲には唯一の出入り口を他科の生徒達に塞がれており出れない。
芳香はぴょんぴょんと飛び跳ねながらそう語る、芳香の身長は150センチ台、小さくもなく大きくもない身長なのだがいかんせん周囲が170〜180センチある人間ばかりのために何が起きてるかが見えないので跳躍しつつドアの周りを見る。
「……出れないのだ」
「どうせ敵情視察だろ、くだらねぇ……邪魔だ、退けよモブ共」
棘がありまくるキツい口調で扉の前に固まっている集団へと告げる爆豪勝己。
人混みを押し分けて前に出てくる普通科と思しき男子生徒。
男子生徒が口を開く。
「どんなもんかと見に来たけど随分と偉そうだなぁ……ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい? こう言うの見るとちょっと幻滅しちゃうなぁ……体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科への編入も検討してくれるんだってさ、知ってた? その逆も然りだそうだ……敵情視察? 少なくとも俺は敵情視察じゃなくて、調子乗ってると足元ゴッソリ掬っちゃうぞって宣戦布告をしにきたんだけれどな」
そう語る普通科の生徒を無視して出ていく爆豪勝己。
芳香もこれ幸いと爆豪に続いてテクテクと歩いて帰宅していく。
そうして、2週間という長い様で短い期間があっという間に過ぎ去り、遂に雄英体育祭の当日を迎えた。
主席である芳香が選手宣誓をする事となり芳香はマイクを持ち語る。
「1年A組宮古芳香なのだ‼︎ 1位を目指して頑張るのだ‼︎」
感想・ブクマ・特に評価。飢えております。 低評価をもらったら少し傷つきますが、傷も創作のプラスになることはある(私の場合です)。でも無評価=虚無は創作のマイナスにしかならないッス(私の場合です)! なので、無言で投げれるので、ぽちぽちっと☆を頂けると嬉しいです。多い分には困りませんよ‼︎
評価付与 お気に入り登録 感想
劇場版は入れた方がいいですか?
-
絶対いる
-
絶対みたい
-
超要らん
-
そんなもん書く暇あるなら本編進めろボケ