控え室でゆっくりお茶をのんでリラックスしている美少女。
私だ。
今日は雄英体育祭当日。その朝。既に会場は見物に来た人で満員。いや〜凄いね、ここまで人が多いなんて…
ちなみに今日はスーツじゃなくて体操服だ。公平性を期すために、らしいけど…私の場合E.G.Oがコスチュームだからまぁあんまり関係ないかな。
(その事なんですが、管理人…)
ん?何?イェソド、何かあった?
(何やらアンジェラが個性のE.G.Oに関する部分を少し弄っているようで、今日は恐らく懺悔しか使い物にならないかと…)
…は???ちょ、は?マジ??E.G.Oないと私ただの一般女子高生なんだけど???
(本当です、試して見てください、管理人。)
そ、装備、くちばし!
「出ないんだけどぉぉぉ!!!」
「耳元で叫ぶな早着替え女ァ!」
「うっさい今それどこじゃないんだけど!!!爆発下水煮込みさんは黙ってて!!」
「ンだとコラァァァァァ!!」
「お、おお落ち着いてかっちゃん!!」
えっ本当に出ないじゃん!?私今日どうやって勝てばいいの!?!?
(落ち着いてください管理人!私たちが協力しますから!)
きょ、協力ったって何を…!
(…管理人、もう忘れたのか?こないだのUSJでの事を…)
あ、あっ、おぁ〜…そういえばそうだったね………忘れてた…
「幻乃さん、先程から1人でコロコロと表情を変えて何をしてらっしゃるのでしょうか…?」
「さ、さぁ…さっきも急に叫び出したし…」
「そ、そっとしておきましょう…」
クラス中に変な目で見られていることに気づかない想夢であった。
『雄英体育祭!! ヒーローの卵達が我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!! どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!? 敵ヴィランの襲撃を受けたにも拘らず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!』
会場中どころか会場の外までプレゼント・マイクのアナウンス。
なんというか本当に盛り上がらせ方が慣れてるなぁほんと、って思いながら入場すると、そのタイミングで観客の待ち望んでるであろう言葉が聞こえた。
「ヒーロー科!!!1年!!!A組だろォォォォ!!?」
うーんタイミング完璧。私たちが入場を開始したタイミングでこのアオリ。さすがプロ…会場も大盛り上がりしてるね!!アガってきたよ!!!
…………E.G.O使えないんだけどね。はぁ。
「続いてB組の次!普通科C・D・E組!サポート科F・G・H組も来たぞー!続いて経営科…」
「俺たち、完全に引き立て役だよなぁ…」
「だるいわ…」
いくつかのやる気のない声が聞こえてくるが全て聞こえなかったことにして全員並び終わるまで待機し、開会、選手宣誓。
「せんせー、俺が勝つ。」
爆豪が煽るような宣誓をカマした後、第1競技が始まる。
審判のミッドナイト先生がこう叫ぶ。
「うんうん!青春って良いわね!じゃあ早速第1種目行きましょう!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ!さて!今年の第1種目!」
障害物競走!
「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4キロ!わが校は自由さが売り文句!ウフフフ……コースさえ守れば何したって構わないわ!さて、全員位置につきまくりなさい!!」
スタート側にある外へのゲートが大きな物音を立てながら開く。
我先にと指示に従ってスタートラインに並ぶ中、私は全く移動せずに一番後ろに居た。
(…さて、準備はいい?みんな?)
(いつでも構いませんよ!)
(準備は出来ています。指示があれば、すぐにでも。)
(き、期待に応えられるよう頑張ります!)
(…だるい、けどまぁやれって言われたらやるさ…)
良し!1人やる気なさそうだけどまぁよし!初手は…前が詰まってるし…うん、行こうか!
マルクト!
(はい!!!)
ーー認証されました。セフィラコアと同期を開始しますーー
「
そう告げると髪が不規則に纏まり始め、漂う。片手にはいつの間にかメモ帳を持っており、ゆっくりと、歩みを進める。
「『真っ直ぐ立てる意思』」
言葉にした瞬間、前の生徒たちが動きを止めるか転んでしまう。まるで自分の体が言うことを聞かない、コントロールが出来ないような…
『おぉ〜っと1年A組幻乃!!何やら髪が動き出したと思ったら他の生徒たちの動きがおかしくなったぞぉ!?なにをしたんだぁ!?』
『…担任の俺も知らん力だ。あいつ、まだ隠し持ってるのか…』
先頭の方でも急な体の異変に驚き固まっていたが少しずつ対応を学び動き出している。
「き、急に体が言うことを聞かなくなったのはびっくりしたけど…法則性があるなら、まだ…!」
「ちっ…めんどくせぇ…!」
しかしかなり遅いスピードで、想夢に追いつかれるのも時間の問題。更に…
『先頭集団がそろそろ第1関門に到着するぞ!その名もロボインフェルノ!入試で出た巨大ロボの群れだ!突破出来るもんならして見せろォ!』
「この状況でこれはマズイぞ!どうすんだ!!」
「…クソ親父が見てんだ、もっとすげぇのもってこい…!」
カキィン!
甲高い音をたて、ロボ達を凍らせる轟。しかしその時、後ろからポン、と肩に手を置かれる。
「『何が起きるかなんて、予想出来ませんよね?』」
「ッ、幻乃…!」
「先、行かせてもらうね?」
そう言うとさっと固まったロボ達の間を抜け一気に1位に躍り出る。
「アハハ!お先!皆!」
「待てやコラ早着替え女ァァァァァ!」
BOMB!!!
爆発音と共に爆豪が一気に想夢に追いついてくる。動きがまだ若干ぎこちないが、既にかなり体の動かし方を掴んでいる。また、他にも少しずつ体の動かし方を学んでおり、少しずつ前にいる想夢に近づいている。
「うっそもう学んでくるの!?みんな流石だぁ…」
(管理人!感心してる場合じゃないですよ!はやくゴールに行かないと!……危ない!)
後ろを見ながら走っていた想夢は他の生徒の動きに感心していると、ホドから注意が飛んできたかと思えば突然地面が爆発を起こす。
「うわっ!?!?」
『最終関門は一面地雷原!!怒りのアフガンだ!!!地雷の位置はよく見りゃわかる!!目と足酷使しろ!ちなみに地雷!威力こそは大したことねえが、音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』
『人に依るだろ』
前を見ず走っていた想夢はそれに気づかず思いっきり地雷の真ん中を踏んで自爆してしまう。説明通り威力はそこまでだったが、油断していたため思いっきり転んで怯んでしまう。
「い、つ…!」
(ほら私が言った通り…!急いでください!!もう後ろが来ています!)
(落ち着いて、ホド。私が同期してるのよ?負けることはありえないわ!でしょう?管理人!)
「…そうだね、まだ、やれる…!」
「ここまでだな!早着替え女!先に行かせてもらうぜ!」
「ふん…」
後ろから爆豪や轟達先頭集団が駆け抜けていく。
ヴーッ!ヴーッ!
『phase 2』
アラーム音が2回なったかと思うと再び周りにいた先頭集団の動きが止まる。
「…誰が、終わりだって?」
(見通しが甘いですね!)
「ぐっ、また、体が…!?」
「クソがァ…!!動けやァァァァ!」
「『今感じてるその絶望的な無力感。しっかり感じてください。』」
ゆっくり立ち上がり轟と爆豪を追い抜かしてゴールまで後もう少しの所までたどり着いた瞬間。
BOMB!!!
少し後ろにいた緑谷が地雷の爆風を使ってとんでもない加速でゴールに一直線に向かってくる。
「ッ!?いずくん!?」
「うおおおおおおぉっ!!!」
それを見た想夢はもちろん全力でゴールに走る。しかし…
『雄英体育祭1年ステージ!!序盤の展開から終盤のデットヒート!
誰が一位となってもおかしくなかった攻防戦!この結末を誰が予想出来たぁ!!今1番にスタジアムに帰ってきたその男は!!!』
緑谷!出久だぁぁああああぁぁ!!!
こうして想夢の雄英体育祭第1競技は、2位フィニッシュで終わったのだった。
はい!今回書いた通り体育祭はセフィラたちハッスル編です!活躍させるぞぉ!