会議は終わり、カノンは自室に戻りとある約束の相手を待っていた。
「クックック。お久しぶりです。傀儡師」
「こちらこそ。それで例の品は作れましたか?」
そう言うと黒服は嬉しそうに笑いながら話し始めた。
「ええ、出来ました。それにしてもカノンさん、貴女の神秘は素晴らしい。・・・半径100m以内の生物を無数に無条件で操ったりバフをかけたりすることができる。恐ろしいですねぇ・・・」
「代償はありますよ」
ため息をつきながらカノンは答える。
「そうなのですか?」
だから黒服に例の品を頼んだのでしょう!
「ええ、大量に操った場合は操った生物の大量の視覚情報が私の脳に直接流れ込んで脳が焼き切れる可能性があるため最長十分しか使用出来ません。さらに、五分未満は重い倦怠感と五感のうちのどれかの一時的な麻痺。五分以上は重い倦怠感に吐血、五感の全ての一時的な麻痺が起こります」
このため神秘を使わないようにしています。一人だけを操るだけだと反動とか起きないから気にしなくて良いですけど。
「バフをかけるだけの時は何も起こらないのですよね」
「そうです。それで一時的に脳の処理速度を強制的に上げる薬はできたのですか?」
前置きが長いのでとっとと話せと言う意味を込めて睨んで言ってみる。
「ええ、これで大体一時間程度神秘を使用出来ます。ただし一回十分くらい神秘を使ってから使用しなければ効果が出ません」
「悪趣味ですね。私が苦しむ姿を見たいだけですか?」
「いえいえ、こうでもしないと効果が出ないだけですよ・・・本当ですよ?」
胡散臭い・・・
「まあ良いでしょう。ですがなぜ注射器で打ち込むタイプなのですか?」
「貴女の体の検査の結果、液体じゃないと効かないと言う結果になりました」
胡散臭い・・・
「まあ、その薬を定期的に送ってください。対価は何ですか?」
「いりません。素晴らしい神秘を見せていただいたので結構です」
「ありがとうございます」
「では今日の用事は以上です。ではまた・・・」
そう言って黒服は消えていった。
「できればもう会いたくないですね」
そう呟きながらカノンは眠りについた。
次の日
いつも通り出勤していると
「元帥!大変です!」
武装親衛隊の警備の子が走ってきた。
「何かあったんですか?」
だいぶ急いでいたので緊急の案件ですかね?
「先生がっ・・・」
「先生が?」
「風紀委員会の銀鏡イオリの足を舐めています!!」
「・・・は?」
・・・は?どゆこと?
「・・・現場は」
「ゲヘナ南門付近です」
〜元帥移動中〜
カノンは見た!一心不乱にイオリの足を舐めている便利屋先生の姿を・・・
「先生?」
“ふぉ、ふぁふぉんひゃんひゃん(お、カノンちゃんじゃん)“
「舐めながら喋らないでください。それで何の用ですか?」
先生は舐めるのをやめてこちらを向くと真剣な眼差しで言った。
“ある生徒を助けるのを手伝って欲しいんだ“
「へぇ、どこが相手です?」
“カイザーなんだけど“
あとで第三師団に言っておきますかね。
“君たちの力を借りられないかなって“
「良いですよ。こんな時のために昨日会議をしたんですから。
“ありがとう。で、どれくらい動かせる?“
「とりあえずエクイテス一個中隊を連れていけます」
“エクイテス?“
「前私が乗ってたやつの量産型です」
“それじゃあ呼んだらお願いね?“
「ええ、ではまた。次は生徒の足を舐めないように」
そうしてカノンは制服を翻して議事堂に入っていった。