議事堂で仕事を終わらせたカノンはミレニアム・・・いや、エリドゥにいた。
「エリドゥはどうですか?リオ会長」
カノンは応接室の向かい側にいる人物に問いかける。
「貴女のおかげで防衛機構が強力になったわ、カノン」
「その呼び方はやめてください。協力する際の契約書に書いてあったでしょう?私のことはゲマトリアの傀儡師と呼べと」
「そうだったわね。それで依頼されていた義体についてだけど、完成したわ」
紅茶がよかったなぁと思いながらもコーヒーを啜る。
「それにしても貴女、あの防衛機構の技術は何かしら?この世界のものじゃないでしょう?」
「それは秘密」
前世の知識です。とは言えないからね。
「それにしてもあの《ゆりかご》。簡単に人間に近い義体を作れるなんて・・・。バレたら矯正局行きか死刑は免れないでしょうね」
義体などと言ってはいるが実際の所は人造人間だ。
「それは会長も同じでしょう?共犯者なのだから・・・。ちなみに人造人間の防御力はキヴォトストップクラスですよ?」
ニヤつきながらカノンは席を立つ。
「それでは《クレナ》のところへ連れていってください?共犯者さん?」
〜少女たち移動中〜
エリドゥの中枢、部屋には培養液の入った棺桶のような装置《ゆりかご》がたくさんあり、その中の一つにカノンと瓜二つの少女が眠っていた。
カノンが少女の入っているゆりかごから伸びるケーブルに自身のスマホを接続した。
「ではリオ、雑談でもしながら一時間ほど待ちましょうか」
。・。・。・
カノンたちはまたゆりかごの部屋に戻ってきた。
カノンは少女の入っているゆりかごに触れて言った。
「目覚めなさい、クレナ」
ゆりかごの蓋が開く。
少女は目を開けて答える。
「おはようございます。マスター」
「とりあえず服を着ましょうか」
そう言ってカノンはあらかじめ持ってきていた武装親衛隊の軍服を渡す。
着替えた後
「クレナとは誰なの?」
リオには言っていませんでしたね。
「私のサポートAIです」
『改めましてこんにちはリオ会長、クレナです。以後お見知り置きを」
「こちらこそよろしくお願いするわ。でも、なぜ義体にAIを入れたのかしら?」
「ああ、言っていませんでしたね。面白そうだったからです」
「面白そう?」
「いつかわかりますよ」
。・。・。・
どうも、クレナです。
人間になれました。神秘は自身の演算処理能力を周囲の味方と共有するものです。
マスターは怪しい薬に手を出しているようですがそんなものは捨てていいと思います。
だって私の神秘をマスターに使うことでマスターの弱点がなくなるんですもん。
『マスター、今世もよろしくお願いします』
前世はAIのままで救えませんでしたから・・・。
今度こそ救います。
「こちらこそ。頼りにしていますよ」
マスターは微笑みながら言った。
。・。・。・
プルルルル
電話ですね
「もしもし・・・“カノン?“先生、どうしたんですか?」
“そろそろアビドス砂漠のカイザー基地の近くに来てくれる?“
「了解しました」
ピッ、電話を切ったと同時にリオに別れを告げる。
「先生から呼ばれたので行ってきます」
「ええ、・・・行ってらっしゃい」
「また、一緒にお昼を食べましょうね」
私はクレナを連れてゲヘナ第三防衛管区基地へと向かった。