朝倉さくらの縁ジョイリセットデイズ   作:北部九州在住

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あくまでこのお話はフィクションです(棒)


朝倉さくら ロックされる

 朝倉さくら。

 職業兼業小説家。

 何の因果か知らないが政経系ラノベでデビューしたので、SNSは基本その発言をする事が多い。

 時は参議院選挙後。

 与党過半数割れで総理の責任問題うんぬんというあたりの時にそれは起こった。

 

「はい!?

 ロックされた!?

 どうして???」

 

 私はこのSNSでバズった結果小説家になったので、このSNSは第二の人生みたいな所がある。

 それがロックされたのだからさあ大変。

 SNSは作家の生命線であるとはいえ、スケベなのも流れればいいねぐらいしたくなるのをこらえて画像は保存した上で見逃す日々。

 基本いいねは水着までで、知り合いの作家さんが官能小説の表紙のせいでシャドウバンを食らったり、色っぽい絵を描いた漫画家さんがシャドウバンを食らったのは知っていたが、まさかそれと似たようなことが我が身に起ころうとはと……

 この時の私、我ながら小説家だなぁと思ったのがこれである。

 

「これ、ネタになるな」

 

 ネタができるならロックもバンもどんとこい!

 恥も外聞も文字が稼げるならば喜んで乗ってやらぁというのが小説家というか物書きというか……まあそんな人種の性なのである。

 ご丁寧にロックの理由もメールで送ってくれるSNSだったので、その理由を確認する。

 

『自殺や自傷行為を助長または推奨することを禁止するルールに違反しています。

自殺や自傷行為を助長または推奨することはできません。ある人が自殺や自傷行為をする恐れがあるという報告を受け取った場合、その人に連絡してメンタルヘルスパートナーの連絡先情報などのリソースをお知らせするといった支援を行うことがあります。』

 

ん???

何か思っているのと違うぞ???

 

という訳で、己の該当tweetも添付されていたのでそれを見る。

 

『>>RT「負けたから処刑ね」 だから総選挙・都議選・参議院と3アウトだから腹を切れってんだろうに……擁護できないんだよ……』

 

 これかよ……

 身構えた私は脱力感に苦笑するしかない。

 いやこれ『腹を切れ』って比喩表現。

 ちょっと前に、

 

「選挙って人死にの出ない合戦のようなものよ。負けたら族滅はできないけど冷や飯は食べるべきでしょう?」

「だったら、負ける側に入れたうちの親は死ななきゃらなんのか!」

「え?

 親兄弟敵味方に分かれて家を存続される作法じゃない?」

 

と、友人を怒らせたばかり。

 どうも田舎生活ゆえに、古の作法で話をするのはよくないと思いながらも、たぶんそんな意識でSNSでつぶやいたなと思いだす。

 この手の言葉で使ってはいけないのが小説では結構あったりする。

 最近では『狂』の漢字は基本NGで『狂乱』という言葉を置き換えに奔走した事あったり。

 『娼婦』にNGが出て、類語を送り付けて「どれがOKよ?」と逆に質問して娼婦を通したりと似たよう事はあったので、理解はする。納得はしていないが。

 そんな事を米国製のSNSは理解しているとも言えず、最近はこの手のチェックはあまりに膨大だからAIがしているとの噂もある。

 だとしたらなおのことこの手の比喩表現は理解できないのかもしれないなぁと思う事しばし、手続きに従って解除に動く。

 

 まずは該当tweetを削除する。

 基本はこれだけで、数日から一週間ほどで解除されるそうだ。

 初犯という事もあって、注意警告という事なのだろう。

 という訳で、『SNS凍結しました』をとりあえず私が使っている投稿小説サイトの活動報告に乗せて、あとは解除までSNSを眺める日々を。

 で、いざそういう身になって思ったのが、人というのは思ったより日々の選択をしているのだなという事。

 何かいいかと何を拡散したいかで内部の類似tweetをタイムラインに用意するみたいなので、それをしないというかできない現状は川を流れる中に浮かぶいろいろなものを見ているだけとなる訳で。

 

(……ここに私は居ないんだ)

 

 それのなんと寂しい事か。

 それでも世界は動いているという事のなんとすばらしい事か。

 SNSというのは中毒性があるとは警鐘をならしている人が居たが、実際、この時の私は、

 

「……ぅぅぅ。いいねさせてくれー。かくさんしたいんだよーーーー」

 

と中毒症状になりつつあったのである。

 ありがたい事にロック解除は次の日の夕方には解除されたのだが、とりあえず明日の挨拶まではこの流れを眺める事にしようと思ったのはなんとなくだったりする。

 激しい左右の論客の政治的発言も、市場の上下の変動もしない私のタイムラインはどうなっていったかというと……

 

「しり、ちち、ふともも……」

 

 なんつーか、己の品性を晒されるようでそれはそれとしてうん。

 このSNSはインターネットのドブ川と評する人もいるが、あながち間違いではないのだろう。

 そして、そんな場所で私は戦いPRしながらこのSNSと共に生きてゆくのである。

 

 

気をつけよ しりちちふともも 比喩表現

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