交差する運命   作:門の主トルネ

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「いいか、決して忘れるな…終わりなどない、ということを」__シン・マルファー__


望ネオン

 

「これが、貴方が残した希望ですよ。ドレドゲン・ヨル」

 

 片羽の少女が告げた、ドレドゲン・ヨルが遺したもの。そして茨の道を進んだ者たちの真実に、レジルを含めて全員が黙るしかなかった。

 ドレドゲン・ヨルの、レジルの真意も、それを正しく理解した英雄。彼らは人類のために暗黒に踏み入れ、同時に警鐘を鳴らし続けることを選んだ。まさに、『終わりなどない』戦いだ。そして、彼らはどんな方法をとったとしても、人類のために戦っているのだ。納得は到底できない、しかし理解してしまうのだ。彼らは自身の行いが間違いだと知りながら罪を背負う覚悟なのだと。そして、必要な行いなのだと。

 

 しかし、誰よりもそれを受け入れられなかったのはレジル自身だった。

 

「ふざけるな、全ては許されざる行為だ!必要な犠牲などない!拒絶するべきだ!」

 

 未来を願う人々が、英雄が、それを許容してはならないとレジルは叫ぶ。しかしそれを受けて少女は強く否定した。

 

「罪人として、あなたが裁かれれば良かったと、手を汚すのは自分1人でいいと、思っていたのですか?」

「だとすれば、あなたの思い上がりです。十字架を背負う覚悟があるのはあなただけではない!」

 

 その言葉にレジルは臆した。側で聞いていたセイントも、内心でそれに同意した。もちろんその方法を受け入れるわけにはいかない。しかし人類のためにと戦いに身を投じた英雄たちを彼は知っている。歩む道は違ったかもしれない、罪人かもしれない、それでも根本はセイントもレジルも、『ヨルの影』も同じなのかもしれないと、彼は思ったのだ。

 

 息を荒げて乱れた呼吸をゆっくりと整えた少女は、またポツリと話し始めた。

 

「…それから何年も時が経ちました。カバル対戦、そしてケイド6の死。それらを経てガーディアンたちも変わりました。暗黒への理解を進めようとしていたのです」

 

 それはレジルも予測していたこと。人類は敵を研究し、その性質を知ろうとした。しかし、そうなれば発生するだろう問題もあった。

 

「暗黒を武器として利用する方法も、もちろん模索されました。あなたの変質した銃、トルンのレプリカが作られ、それを手にするガーディアンが増えました」

「そして、トルンを参考に生まれたマレフィセント。これらは僅かながらも確かに暗黒の力を宿していました」

「多くのガーディアンが、それを手にしました」

 

 暗黒がただの力なのだとしたら、それを利用することは理にかなっている。しかしそれは暗黒を本当に理解していればの話だ、その末路を示していたのがドレドゲン・ヨルの伝説のはずだった。

 

「それらの普及により、ドレドゲン・ヨルの伝説の教訓としての力が薄まりはじめました。全員ではありませんが、暗黒を軽視するガーディアンが生まれはじめたのです」

「シン・マルファーは、このままではガーディアンの堕落を引き起こすと危惧しました。バンガードにも警告をしましたが、それでもこの流れを変えることは叶いませんでした」

 

 それは必然とも言えた。兵器が普及すれば、それが当たり前になれば人々は麻痺をする。皆が銃を持てばその引き金がどうしようもなく軽くなる。人は、慣れてしまうのだ。

 

「だからこそ、シンと『ヨルの影』は新たな行動を開始しました」

「あるガーディアンが、暗黒の銃をもつガーディアンたちに向かって呼びかけたのです。ドレドゲン・ヨルの伝説など廃れた寓話だと。『ヨルの影』はガーディアンたちが暗黒を手にすることで自分たちの優位性がなくなるのを恐れているだけだと。シン・マルファーなどとるに足らないと」

「そしてその呼びかけに同調し、歓喜したガーディアンたちが1つの勢力となりました」

「しかしそれこそが、シンの目的でした。そう呼びかけたガーディアンこそ『ヨルの影』の同士であり、これは自惚れて堕落したガーディアンをあぶり出すマッチポンプだったのです」

 

「そしてシン・マルファーによる、「ゴールデンガンの男」という伝説による粛清が始まりました。安易に暗黒に足を踏み入れたガーディアンはひとり残らず撃ち殺され、見せしめに。新たなガーディアンたちへの教訓になりました」

 

 ドレドゲン・ヨルの意思を継いだ、シン・マルファーが始めたイタチごっこの果てに待っていたのは、いわば弱者の間引き。暗黒の手に堕ちる可能性が高い因子の切除だ。セイントは拳を握りしめ、ユメは手で口を覆う。耐え難い真実だ。しかし、少女はそれを受け止めているかのように静かだ。

 

「私は、その時に旗頭となった『ヨルの影』の同胞が完全に死んだように見せかけるため。彼のゴーストのシェルを被って殺されることを選びました」

 

「あなたの死後、あなたが育てた英雄を、シンの行いを側で見守っていました」

「しかしこの終わらない戦いに、あなたから始まったこの悲劇に疲れてしまいました」

 

「シンは私の考えを汲み取り、最後の介錯をしてくれたのです」

 

「これが、あなたのゴーストの終わりです」

 

 痛いほどの沈黙が、教会を包む。彼女とレジルは語るべき過去を語り終えたが、互いに次の言葉を発せずにいた。

 

「…俺はお前に裁かれるのだと思っていた」

 

 間を置いて、レジルが口を開いた。彼は自身が何をするべきかが分からないでいるようだった。それを静かに彼女は否定する。

 

「裁きませせんよ」

 

「何故だ、俺は多くの人を殺した。その後の悲劇も、お前の苦しみも俺のせいのはずだ」

「もちろんあなたの行いは肯定できません。ですが、誰かがやらなければならないことでした」

 

「ならばどうしろという!?俺の行いを否定しないのであれば、何のために俺を呼んだのだ!  お前はなぜそのような顔で俺を見る、お前はなぜ苦しんでいる!?」

 

 彼女がレジルを見てから見せた表情は様々だ。怒りと悲しみはもちろんだろう。しかし、再会した喜びもあった、彼の行いにも理解を示した。それでも依然として彼女は苦しげだ。その理由が、レジルには分からなかった。

 

「…私はっ!」

 

 時に感情が垣間見えながらも、努めて冷静になろうとしていた彼女は問い詰めるレジルにこれまでで最もその思いを滲ませた。うつむき、銃を抱く腕には力が入り、スカートをくしゃりと握りながら声を震わせる。

 

「あなたの行いの善悪も、その後のことももうどうでもよかった!だから全てを手放した!」

「なのに、私はまた生まれた。以前よりも自由な体で、自由な心で。だからこそっ」

「なんども思い返しては、苦しいのです。私はあなたの真意をわかっていなかった!一番側にいたはずなのに!」

「シン・マルファーがたどりついた結論が合っていたのであれば、私はあなたを見放すべきではなかった!」

 

 それは後悔だ。ガーディアンとゴースト、誰よりも互いを理解しているはずの彼女が、レジルの本心をわかってあげられなかったこと。そしてそれがわかった時、すでに彼が育てた英雄は茨の道を進んでしまっていたこと。どれもが彼女を苦しめた。しかし、それは彼女の非ではない。レジルもそう思い、否定する。

 

「違う、私の行いは間違っていたのだ。あの時お前は俺を正そうとした、お前が正しかったのだ!!」

「正しいも、間違いも、どうでもいい!!」

 

 善悪も、正しいも間違いも、彼女は気になどしていなかった。彼女が後悔しているのはそんなことではない。彼女は出会ってから一度も動かなかった祭壇の前から初めて動いた。うつむきながらレジルに近づき、彼の傷ついたアーマーを強く握って見上げた。

 

 彼女は、涙を流して慟哭した。

 

「どうして、全てを話してくれなかったのですか!?」

 

 それこそ彼女の唯一の怒りだ。たとえ暗黒に飲まれたとしても、なにがあっても彼女はレジルの片割れであり一心同体なのだから。

 

「どうして、私を連れて行ってくれなかったのですか…っ!?」

 

 そう言って、彼女はその場にへたりこんだ。ポタポタと、破損したアーマーによって傷ついた掌の血と、涙が床を濡らしていく。

 

「わたしは、あなたのゴーストだったのにっ」

 

 そう顔を覆い、啜り泣く彼女にレジルは手を伸ばそうとし、何かに縛られるようにその動きが止まる。

 

 それは彼の過去だ。真意がどうあれ、その中で奪った命たちで汚れた手で彼女に触れるべきではないという考えが、彼を雁字搦めにした。

 

 しかし、それでも、彼女はそんなことはどうでもよかったと言ったのだ。

 

 『十字架を背負う覚悟があるのはあなただけではない』

 

 彼女はそういった。あれはドレドゲン・ヨルの後を継いだシンたちだけではない、彼女自身なのではないか?

 それでも側にいたいと言ってくれた彼女の前で、自身で作った鎖に縛られて何になるのだ?

 

 この世界で、ドレドゲン・ヨルを経て再びレジル・アジールと呼ばれるようになった。その名を呼ぶ少女たちも、変わらぬ友と呼ぶ者もいる。いま、彼は全ての功罪を背負ってガーディアンとして蘇ったのだ。ガーディアンにはゴーストが、彼女が必要だ。

 

 レジルは一度、拳に大きく力を込めた。僅かな動き、しかし確かな強さをもったそれは、彼を縛る鎖を引きちぎったようだった。

 

 握った拳をゆっくりと開きながら。彼は跪いて彼女の手を取る。ゆっくりとその手を顔から離せば、彼女の顔は手の血と涙で汚れてしまっていた。彼はそれを優しく拭いながら、彼女に話しかける。

 

「すまなかった、ゴースト」

 

「俺は、大馬鹿者だ。罪を犯した自分がこの世界で何をすればいいかも、まだ分かっていない」

「だが、許してくれるのであれば、もう一度俺とともに来てくれないだろうか」

「俺には、お前が必要だ」

 

 この世界で目が覚めてから、自身の存在意義を探したこともあった。暗黒がこの世界にあると分かってからは、再び戦いに身を投じることがそれだと思った。そして、それがかつての自分の償いなのだと。

 

 だが、それよりも大事なことがある。

 

 過去ではなく、今を生き未来へ進む彼女たちのために戦うことこそ、彼が今するべきことなのだ。

 

「…はい、何時までもっ!」

 

 そうして、彼女はレジルに体を預けた。レジルは自身の破損したアーマーが彼女を傷つけないように細心の注意を払いながら。彼女をゆっくりと包んだ。

 

 しばしの間、教会には彼女の泣き声が響いた。けれどもそれは悲しみによるものではない。それを示すように、窓ガラスから差し込む月明かりが彼らを照らしていた。

 

 

 少し間を置いて、彼女が落ち着いて体を離した時。そういえばとレジルは彼女に聞いた

 

「ゴースト、お前のこの世界での名はなんだ?」

 

 彼女は赤くなってしまった目を少し擦ると、すっかり忘れていたというように答えてくれた。

 

「確かに、名乗ってすらいませんでしたね」

 

 どこかおかしそうに微笑む彼女は、大人びているが確かに少女らしい雰囲気だ。

 

「私はトリニティ2年生、シスターフッド所属。(のぞみ)ネオンです」

 

「そうか、よろしく頼む、ネオン」

 

 そう言って、2人は握手を交わす。その様子に、これまで見守っていたセイントたちも彼女たちに近づくことにした。

 

「ふむ、話し合えたようで何よりだ。はじめましてだが、ずいぶんと久しぶりだな、ネオン」

 

 矛盾した挨拶をセイントがすると、ネオンはクスクスと笑ってそれに答えた。

 

「ええ、本当に久しぶりですね、セイント14。これからまた、よろしくお願いします。先生?」

 

 そう言って笑い合う。面識もあったため、この世界でも彼らは上手くやっていけそうだ。そして、とネオンが横のユメに目を向ければ…

 

「う、ぐすっ…梔子ユメ、です。よろしくねぇぇ゛ぇ゛ぇ゛〜」

 

 顔をぐちゃぐちゃにしたユメがいた。それもそうだ、正直に言ってレジルとネオンの話は重すぎる。功罪としても大きすぎるし、大切な人とのすれ違いや別れを聞いている時にはとても心を痛めた上、2人が再開して手を取り合えたことへの安堵やネオンの頑張りなどで決壊してしまったのだ。

 その様子にネオン自身も困ったようにあらあらと笑った。脇で見ていたマイカはそれに少し呆れたように、そしてどこか嬉しそうにため息をつくと、目でネオンに何かを訴える。その意図を彼女は理解すると、腕を少しばかり広げた。

 

「よろしくお願いします、ユメ」

 

 それを見たユメは飛びつく勢いでネオンに抱きつく。「頑張ったね」「良かったね」など泣きながら彼女に抱きつき。ネオンはそれを嬉しそうに受け止めながら「ありがとうございます」と答え、ユメをなだめるように背中をさすっていた。2人の仲も心配することは無さそうだ。

 しばらくの抱擁の後に、2人は体を離す。その時、回した腕とともにユメを包んでいたネオンの翼ががふわりと揺れる。触れていたユメはその柔らかさと美しさに見惚れていた。

 

「わあ、ネオンちゃんの翼、とっても綺麗だね!」

「ふふ、有難うございます」

 

 それは片方しかなかったが、それが気にならないほどの美しいと皆思った。とはいえ多くの人はそのアンバランスさが気になるかもしれないし、もしかすれば侮蔑の対象にもなりえる。人と違う、ということは特に多感な時期には大きな影響をを及ぼすのだ。視線にその心配を感じたのか、ネオンは自身の翼に対して語る。

 

「人とは違う翼ですが、これが今の私ですから。数は人より少ないですが、美しさには自信があるのですよ?」

 

 そう微笑む彼女は特に何かを気にしている様子はない。おそらく強い子なのだろう。そう思っていれば、「それに」とくすりと笑みを浮かべて言う。

 

「片羽の乙女なんて言われていますが、思えばとてもピッタリな名だと思いませんか?」

 

 ピシリ、と空気が凍る。そう呼ばれている理由はセイントたちには分からなかったが、良い意味だけではないのは明白だ。ましてや見た通りとはいえ「片羽」とはあるはずのものがないこと、不完全なものという意味を持つ。そしてそれがピッタリだと言う彼女の視線はレジルに向いている。

 

「なんて、ジョークですよ?」

 

 そう彼女は笑うが、見ているこちらは笑えない。ユメなんて見るからに冷や汗を垂らしてアワアワと慌ててしまっている。エッジの効きすぎたブラックジョークだ。

 

「え、えーっと!ネオンちゃんの銃、すごくカッコいいよね!!」

 

 なんとか空気を変えようとユメはとても強引に話題を振った。ネオンが持っている銃は、深紅の銃剣だ。派手な色ではあるが洗練されており、カッコいいというのもユメの本心ではあった。それをネオンは前に掲げると「そうでしょう?」と誇らしげだ。

 

「レッド・デスの改良型、正確にはそのレプリカです。元の銃はかつてガーディアンを殺めたことで真紅に染まったという逸話が残っており、それを光の力で浄化し、改良したものだとか。かつてレジルが使っていたインフェルノに似ていますし、これも私に似合っているでしょう?」

 

 話題の選択肢を盛大に間違え、ユメは泣いた。レジルも流石に顔が引きつっている。くすくすと笑う様子からこれもジョークなのだろう。セイントはその強かさが気に入り、豪快に笑い飛ばした。

 

「ハッハッハ!この大馬鹿者にはもっと言ってやるといい!だが、ユメをいじめてやるのは止めてやれ」

「あら、そうですね。ごめんなさい、ユメ」

 

 情けない顔をしたユメは再びネオンにあやされている。その様子をこれまで静かに見守っていたマイカが、パンッと手を叩いて場を切り替えた。

 

「ほら、とりあえずは話せたんだ。そろそろ遅くなるし、最低限これからの話をして今日は帰ろうぜ」

「そうだな、レジルの今後についてだったか」

 

 もとよりこの顔合わせが終われば、レジルの処遇についてマイカから提案をすると聞いていた。もしネオンとの折り合いがつかなかった場合はどうするつもりだったのかとかと思ったが、たらればを聞いても仕方がないとセイントは忘れることにした。

 

「ああ、ちょいと頼みたいことがある。シャーレの権限も使えばなんとかなるかと思ってな」

「ええ、それに話をして確信しました。今のあなたであれば、適任でしょう」

 

 マイカの頼み。生徒でない以上レジルがシャーレに所属することはないと考えていたが、何かしら重要な役割らしい。そしてそれにネオンは太鼓判を押す。遠回しに外堀を埋められている気がしたが、レジルもここまで来て断るつもりもなかった。ネオンも望むのであればなおさらだ。そう思い、頷いて続きを促した。

 

 

「SRT特殊学園。そこのトップになってもらいたい」

 

 





 レジルとゴースト、彼らは向き合った。彼の行いを許すことも、裁くことも彼女なしない。ただ彼女は、彼のゴーストとして共に歩む。

 レジル・アジールとその影、ドレドゲン・ヨルの真実とその遺産についてを描かせてもらいました。少し駆け足になりましたが、それを受け入れるゴースト、ネオンの心情も。
 ネオンがレジルの死後にシンについていったかなどは本編では描かれてはおらず、独自の設定・解釈になります。とはいえ、レジルがドレドゲンとして凶行に及んでからもしばらくの間、彼に元に戻ってほしいと側で呼びかけ続けたことを考えると、きっと彼女はレジルを見捨てることはないだろうと考えました。
 彼はこの世界でただ彼として生きることを決めました。過去の十字架も、英雄の功罪も全て背負ってただの1人として生きること。そしてその道筋には、助けがいることも彼にはわかっているのです。支えなくして、1人では人は生きることはできないと、彼は身をもって知っているのですから。

Destinyネタ解説
■ドレドゲン・ヨル
 レジル・アジールが英雄の殻を捨て、影を纏った男。後に怪物と言われた存在。ゴーストとともに月を哨戒中に発見したハイヴの魔女に導かれ、月の内側、深淵へと足を踏み入れた。その時に戦ったハイヴナイトの強さに惹かれ、暗黒の理解を深めていくうちに行動が歪んでいった。ガーディアンや民間人を殺害し、暗黒に溺れたガーディアンとして後にシン・マルファーのゴールドガンによって殺される。その際、シンに「終わりなどない」という言葉を遺した。それはシンを英雄として縛る呪いの言葉だったのか、未来に訪れる人類と暗黒との交差点への警告だったのか、そのどちらかもしれない

■レジルのゴースト
 その名前はDestiny本編や伝承では明確な記載がない。シン・マルファーが言及した名前の中にあるのかもしれないが、正確なものは不明である。かつてレジルをガーディアンとして蘇生し、長きにわたって彼を支え続けた。レジルがわざと敵の中心地で死に、その死体に敵が集まった時に蘇生してハボックフィスト(スーパースキル)で敵を粉砕する戦法を取った時には、彼に二度とこんなことをしないようにしてほしいと懇願したが、彼はそれには答えなかった。
 その献身はレジルが暗黒に呑まれてもしばらく続いた。彼が深淵の中から光の元へ帰ることができると信じ、彼に言葉をかけ続けたが、レジルが拒絶したことでその長い関係にも終止符が打たれた。

■シン・マルファー
 かつて自身の故郷、パラモンをドレドゲン・ヨル(レジル)によって奪われた男。廃れた故郷を前に立ち尽くしていたところをガーディアンであるジャレンに拾われ、彼とともにドレドゲンを追う旅に出る。その間に彼はジャレンから多くを学び、彼を新たな父として慕った。しかし、とある日の夜明け前、数発の銃声が彼のいたキャンプの森の何処かで響く。1発目はジャレンのハンドキャノン、そして2発目は、異質な甲高い銃声。駆けつけた先にあったのは、ジャレンの死体だった。
 再び全てを奪われた絶望と怒り、憎しみが彼を支配した時、彼の元にジャレンのゴーストが現れた。ジャレンのゴーストはシンに『光』とジャレンのハンドキャノン『ラスト・ワード』を授けた。それからシンは復讐のためにドレドゲン・ヨルを追い続け、そしてついに彼を見つけた。その時には彼の復讐の炎は成長し、レジルの暗黒を消しされるほどになっていた。そして、炎をまとったゴールデン・ガンによってドレドゲン・ヨルにを殺すに至った。全てはドレドゲン・ヨルの想定通りに『ゴールデンガンの男』という伝説に、英雄の1人になった。
 復讐を終えた後、彼はザイア・オルサと名乗って正体を隠しドレドゲン・ヨルについての調査を始めた。彼の遺した言葉、そしてなぜ彼が最後に相対した時にキャノンを抜かなかったのか、思えばジャレンも先に撃っていたはずだ。そんないくつもの疑問を彼は解き明かそうとした。そして、彼はドレドゲン・ヨルの軌跡をたどり、その真意に気がついた。
 そして彼はザイア・オルサをドレドゲン・ベイルへと進化させた。いくつもの仮面を持って、人類の未来のための行動を開始したのだ。

■トルン
 かつてはレジルが持つハンドキャノン、ローズだったもの。シンプルで洗練された銃だったが、レジルが最初に倒したナイトの骨を組み込んでから変質し始め、その後いくつもの骨を組み込んだ後に暗黒を携えた銃、トルンになった。その銃でガーディアンを殺害すれば、ゴーストによる蘇生も不可能な最後の死を与えられるほどの強力なものであり、本物はドレドゲン・ヨルの死とともに失われたと思われている。しかし、ドレドゲン・ヨルの後を継いだ『ヨルの影』や暗黒の力を利用しようとするガーディアンがそのレプリカを持っており、オリジナルには劣るがそれでも強力な武器としてゲームのなかでもレアリティの高いエキゾチック武器として扱われている。

■ガーディアンの間引き
 ゲームとしては放浪者のシーズンであった一連のストーリーで起きた出来事。暗黒の武器の蔓延に対して動き出したゴールデンガンの男の行動を調査して判明する真実は、ドレドゲン・ベイル=カラム・ソル=シン・マルファーというものだった。シンが率いる『ヨルの影』の1人、カラム・ソル(またの名をドレドゲン・カル)がガーディアンたちに暗黒を用いることを、深淵を歩くことを説き、それに賛同する同士を募った。そうして集められたガーディアンたちは安易に暗黒との境界を踏み越え、堕落した者たちであるとしてシン・マルファーが残さず排除した。
 ゲームのストーリーではその粛清の時に死んだゴーストにカラム・ソルのゴーストのシェルを被せておき、カラム・ソルは死んだものの彼のゴーストは生きている、という結末となっている。もしかすれば今後のストーリーで生き残ったゴーストがカラム・ソルを蘇生する可能性もあるが、当SSではカラム・ソルのゴーストのシェルをレジルのゴーストが被ってから殺された、という形をとっている。それはレジルのゴーストが介錯を望み、実際に殺されたほうが大衆を騙しやすいという理由をつけてシンを説得した結果の出来事。シンはレジルのゴーストの意図を汲み取り、その苦しみから解放するために引き金を引いた。
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