たぶん、書いているうちにわけがわからなくなるけど……(--;)
◆人里にて 〜レミリア・スカーレット〜
人に限らず、吸血鬼という存在も気分転換は必要だ。
一番良いのはやはり外出だろう。
というわけで、私とフランは咲夜とカヒをお供に人里へ遊びに来た。
「うわぁ〜お姉様!これ、すごく綺麗!!あっ!あっちのも!!」
日傘を片手にはしゃぐフランの様に、こちらまで嬉しくなってしまう。
何の変鉄もない露店の商品でさえ、フランの眼には宝物のように映るのだろう。
「う〜…お、お姉様…あの……お小遣いを…」
「あ、そうだったわね。咲夜」
「はい、こちらですフラン様。」
と、咲夜は首にかける形の財布を、フランの首にかけた。
中身は、とりあえず遊んで回るには充分な額を入れてあるはずだ。
フランはまだ世の中の仕組みに慣れていないところがあるから、金銭感覚というものもないに等しい。
以前はお金も持たずに甘味処で飲食したため、危うく無銭飲食になるところだった。
あのときはたまたま美鈴が探しに来たから事なきを得たが…。
「あまり変なもの買ってきちゃだめよ?」
「うん、わかった〜!」
元気よく答えると、フランは早速近くの露店で物色し始めた。
「さ、私達も行くわよ」
「はい」
気分転換も目的だが、今日はもうひとつ、メイド達の生活雑貨の仕入れという目的があった。
大きいものや重いものは後で届けてもらうが、その他の持てるものは持って帰る。
そのための荷物持ちとしてカヒを連れてきた。
もっとも、咲夜から離れられないこともあるのだが…。
「フラン!二時間ほどしたら、里の入り口の橋で落ち合いましょ。それまでは自由時間。みんなに迷惑かけちゃだめよ!?」
フランにそう叫ぶと、フランは「はーい」と笑顔で返事をした。
まあ、露店の店主と談笑しているようだし、コミュニケーションも問題なくとれているのだろう。
一人で行動することも、少しずつ学ばせるのも悪くはない。
何より、私は今のフランを信用している。
あの子が暴走するのは、私や紅魔館の“家族”絡みであって、昔のように無闇に暴れることはもうない。
キラキラと眼を輝かせているフランを置いて、私達は雑貨を仕入れるために市場へ向かった。
◆紅魔館の妹様 〜フランドール・スカーレット〜
お姉様達が市場へと向かうと、一人残った私は目の前にいる露店の店主とバトルを始める。
バトルといっても弾幕ごっこや、それこそ生死を賭した戦いじゃない。
まあ、ある意味戦いだと、魔理沙は言っていたけど…。
以前、里に来たときに、紅霧異変で出会った霧雨魔理沙と再び会った際、彼女から色々教えてもらった。
基本的な買い物の仕方から、どういう店で何が売っているか、飲食店での注文の仕方、品選びのコツ、そして値切り方。
私は露店の店主に値切り交渉をしているのだ。
魔理沙曰く、「値引いて安く買った方が、他にも色々買えてお得だZE☆」とのこと。
なら、教えを実践してみようというわけなんだけど……なかなかにこの店主……手強い!
狙うは木を削り出して作った髪飾り。
蝶の彫り物が可愛らしく、一目で気に入った。
とはいえ、一品一品手彫りなため、値段はそこそこする。
お姉様なら、「高貴な者は値切ったりしないわ」って、さっさと買ってしまうところだけど、お小遣いを管理されている私はそうもいかない。
無駄遣いしていたら、また咲夜に怒られて、一週間オヤツ抜きの刑に処されてしまう。
なので、値切るためには手段を選ばない。
「ねぇ、おじちゃん…私ね……どうしてもこれが欲しいの……」
精一杯瞳を潤ませ、見た目相応の少女の愛らしさを前面に押し出してねだってみた。
これはかなり効果があったようだ。
顔を真っ赤にした店主が、唸りながら考え込んで……結果、値札の半額での購入に成功した。
店主がボソッと、「俺、もうロリコンでいいや…」と呟いたのが聞こえたけど、ロリコンって何だろう?
早速、髪飾りを付けてショッピングを楽しむ。
甘味処であんみつを食べて、着物屋で可愛い浴衣を買ったら、草履をオマケしてくれて、人里のみんなは吸血鬼にも優しかった。
たぶん昔…狂ったままの私だったら、みんな怖がって優しくはしてくれなかっただろう。
むしろ、退治されてしまっていただろう。
お姉様は、私がそんな結末を迎えることを恐れて、私を地下に閉じ込めた。
理由を知らなかった私はお姉様を恨みもしたけど、私が変わってゆくとお姉様は以前と同じように優しく接してくれた。
だから私はもう狂わない。
もし狂うなら、それは私の大切なものを失った時だろう。
この前、お姉様から聞いた咲夜の話。
咲夜も私の大事な家族だから…。
お姉様が咲夜を守るなら、私も全力でお姉様を助ける。
里の中でめぼしいお店を見て回っていれば、二時間という時間はあっという間だった。
正確には後10分ほど時間があるけど、時間に遅れるとお姉様に「淑女たるもの時間にルーズでは…」とか言われてしまうので、ここは早めに待ち合わせ場所に行こう。
そう思って、駆け出したのが不味かった。
不意に、角から現れた壁。
正確には壁のような大男。
避けきれずにぶつかるが、当然体格差で私の方が転ぶ。
日傘を取り落としたけど、日が傾いて影が伸びていたのが幸いして大事には至らなかった。
慌てて日傘を拾って立ち上がる。
「ご、ごめんなさい!」
こちらに非があれば謝るのは当然。
お姉様や咲夜にはそう教わった。
そして、ちゃんと謝れば相手は許してくれるということも。
だから、私はそれを実践したのだけれど…お姉様や咲夜の言う常識が通用する相手ではなかったようだ。
「ぁんだ?このチビ!」
大男は、全体的に東洋文化の色濃い人里の中にあって、洋式の装飾を施した剣を腰に下げ、身体の各所に防具らしきものを付けた、お伽噺の戦士のような姿をしていた。
「おい、そいつ…吸血鬼じゃねぇか?」
大男には仲間がいた。
後ろに、同じような姿をした男達が3人。
持っている武器はそれぞれ違い、弓矢とボウガン、そして魔術的な刺青を腕に施した男は、たぶん魔法使いだと思う。
紅魔館を受け入れる幻想郷では、西洋の装いは珍しくはないけど、この人達は明らかに異質だ。
何より、私に対しての殺気を隠しもしない。
「へっ!なかなか良い身分の吸血鬼みてぇだ…。運が悪かったなぁ、吸血鬼の嬢ちゃん」
大男は腰に下げた剣を鞘から抜く。
その剣は、私達吸血鬼が忌み嫌う銀の輝きを放っている。
そんな剣を得物として使う連中は奴等しかいない。
吸血鬼を狩る者。
こいつら、ヴァンパイアハンターだ。
話をここで切る予定ではなかったのですが、長くなりそうだったので一旦カットします(--;)