東方涙精潭   作:サラム

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 年始の忙しさも落ち着いてくる時期なのに、いまだに忙しいのは何故だろう?(^^;
 ともあれ、第15話できました〜(^^;


第15話 〜対策会議〜

◇対策会議 〜カヒライス〜

 

 

 紅魔館に戻った私たちは、そのままパチュリー様、そしていつの間にかメンバーに加わっているフラン様と、図書館で対策を練ることにした。

 まずは、何故メイド長の命が失われるのか、その経緯、原因を探すところからになるのだが…。

 

「これはもう、アレだよね…」

 

「恐らくはね…」

 

 我らがスカーレッツの意見は一致を見た。

 そして私も同意見である。

 

「貴女達を襲ったヴァンパイアハンター達?」

 

 その場にいなかったパチュリー様が、怪訝な表情で訊く。

 

「霊夢のような弾幕の天才でもなければ、先代のような武技を極めた者でもない。どちらかと言えば、手数と創意工夫で逆境をはね除ける魔理沙のようなタイプかしら……しかし…」

 

 パチュリー様は開いていた本を閉じ、

 

「魔理沙と違い、強さを求める動機は不純。名声、富、権力……まあ、ある意味人間らしいわ…」

 

 呆れた口調で吐き捨てた。

 

「あら、普段は本を盗られているくせに、ずいぶんと魔理沙を評価してるじゃない」

 

「魔法を究めんとする熱意は本物だからね…その点は敬意を払うわ」

 

 レミリアお嬢様の言葉に、珍しく素直に認めるパチュリー様。

 パチュリー様にこんなことを言わせる霧雨魔理沙に対する認識を、少し改めた方がいいだろうか?

 

「まあ、手がかりがあるなら、見づらい咲夜の運命でも、ある程度は絞り込めるはず…。手がかりから私が咲夜の運命を辿れば、はっきりした状況がわかるわ…正直…あまり見たくはないけどね……咲夜の死なんて…」

 

 そう言うと、レミリアお嬢様は魔方陣を展開して能力を発動。

 メイド長の運命を探索し始めたようだ。

 

「お嬢様の能力って、どんな風に運命が見えるんですかね?」

 

 ふと、興味本意で口に出した。

 

「さぁね?それを言うなら、私は貴女が、どうやって死期を感じ取り、泣くのか…そちらも興味深いのだけれど…。実際のところ、どうなのかしら?」 

 

 パチュリー様にそう訊かれ、思案する。

 私が生まれてから当たり前に感じていたことを、そうした能力のない人に説明するのは難しい。

 

「そうですね……ただひたすらに、悲しいんですよね…。親しい人は当たり前ですが、無関係な人や敵対する人であっても、死期を悟ると背筋を寒気が走って…とても悲しくなって……涙が止まらなくなるんです…」

 

 上手く言葉にできず、曖昧な…抽象的な表現だけど、パチュリー様には伝わっただろうか?

 するとパチュリー様は柔らかな笑みを浮かべて

 

「フフ……優しいのね…貴女は…」

 

「ふぁっ?何故そうなるのですか?」 

「あら?悲しみに対して素直に涙を流せるのは優しさの現れよ?それも敵対者の死も泣けるなんて……私だったら高笑いしてあげるわ…」

 

 にっこりと微笑みながら冷たいことを仰る……まあ、むしろそれが「たまらん!」という殿方もいるんだろうけど…。

 

「ぐっ!!」

 

 運命を見ていたレミリアお嬢様が、不意に崩れ落ちた。

 

「お姉様!?」

 

 見守っていたフラン様が、悲鳴に近い声をあげて駆け寄る。

 

「だ、大丈夫よ……フラン…」

 

 そう応えるレミリアお嬢様だが、顔色は悪く、額には汗が浮かんでいる。

 そして何より……

 

「お姉様…その眼は…」

 

 フラン様が呟いた通り、レミリアお嬢様の眼には変化があった。

 レミリアお嬢様は泣いていた。

 ただ、その涙は紅かった。

 そう、文字通り、レミリアお嬢様は血の涙を流していた。

 

「レミィ…それ以上は危険よ…。咲夜の運命を、乱丁した難解な学術書を読むようなものと表現したけど……貴女のその様子は、質の悪い呪いを帯びた魔術書を読んだように見えるわ…」

 

 パチュリー様はレミリアお嬢様の眼前に手をかざし、治癒魔法を施しながら気遣いの言葉をかける。

 

「パチェが質が悪いと評するようじゃ、相当なものね…」

 

 レミリアお嬢様は肩をすくめて皮肉まじりに呟いた。

 

「誉め言葉と受け取っておくわ。それで…何か収穫はあったのかしら?」

 

 パチュリー様の問いに、レミリアお嬢様の静かに頷く。

 

「ええ……やはり、あのハンター達よ…。あいつらが言っていた咲夜の能力に対する備えも、本当のことだったのね…。時間操作も満足にできない中、よりによって太陽と同等の、陽の陰陽術を施した矢から、私を庇って…」

 

「時間操作ができないのは、一時的な能力ダウン系の魔法でしょうね…。それにしても、本当に魔法や陰陽術を使いこなすとは…人間にしてはやるじゃない」

 

 そんな評価とは裏腹に、パチュリー様の表情は険しい。

 

「じゃあさ、今すぐあいつらの所へ行って、やっつけちゃおうよ」

 

 フラン様は早くもやる気だが、パチュリー様は首を横に振る。

 

「ダメよ…。さっき、ハンター達の監視にこあを行かせたけど…あいつら、しばらくは人里に引きこもる算段らしいわ。こちらが先手を打ってくるのを警戒してのことでしょうね」

 

「ということは…、次にあいつらが動いたときが、紅魔館襲撃のときか…」

 

「そして、その迎撃に出た咲夜が……」

 

 フラン様が悲しげな表情をするのを見て、胸が痛む。

 

「紅魔館襲撃ともなれば、ハンター達も万全の準備をしているはず…。そんな相手を、紅魔館に近づく前に…咲夜と接触する前に叩く…。これが咲夜を守る上では最上の策…。でも、それは迎撃するレミィに、最も負担を強いることになるわ…」

 

「吸血鬼を襲うなら、日中を狙うだろうしね…不利な戦いは承知の上よ」

 

 レミリアお嬢様は余裕の表情だが、パチュリー様はさらに言葉を続けた。

 

「問題はそれだけじゃないわ…。そのハンター達が話の通りの相手なら、殺めなければ問題は解決しない…それも、レミィ直々にとなると……少なからず、人里では警戒されるでしょうね。レミリア・スカーレットが人を襲い、殺めたとなると…」

 

 木っ端妖怪が殺人を働くのはよくある話だが、レミリアお嬢様のような強力な吸血鬼がそれをした場合では影響力が違う。それも、人里の時のような、正当防衛を主張できる状況ではなく、こちらから襲いかかるのだ。

 レミリアお嬢様を見る眼が変わってしまう恐れはあった。

 

「折角、人里でも友好的な関係を築いてきたのに…それも無駄になってしまうかもね…」

 

 レミリアお嬢様はため息を一つついたが、それでも毅然とした表情で

 

「それでも咲夜の命には代えられないわ。私を虐殺者と呼び、忌むならばそうするがいい!」

 

 そう言ってのけた。

 

「お姉様だけにそんな汚名は着せられないなぁ…」

 

 と、フラン様はレミリアお嬢様に寄り添うように並び立ち

 

「私もやるわ。私も咲夜を守る」

 

 レミリアお嬢様の手を取り、フラン様ははっきりとそう告げた。

 

「いいの?フラン…人里に出入りできなくなるかも……いえ、それどころか幻想郷全体から警戒されるかも…」

 

「お姉様に汚名を着せておいて、平気で遊びに行けるわけないじゃない…。それに、“家族”を守れるなら、自由なんてどうでもいい…伊達に495年も閉じ込められてないわ」

 

「う……それは耳に痛いわよフラン…」

 

 ずっと幽閉状態にあったフラン様にとって、自由になることは悲願だったはず…。それすら引き換えにしてもいいとは…。

 レミリアお嬢様もそんなフラン様を健気に思ったのだろう。

 レミリアお嬢様はフラン様をぎゅっと抱き締める。

 

「ごめんなさいフラン…貴女にはまた辛い思いをさせてしまうかもしれない…」

 

「いいの…お姉様…。今度は二人で…乗り越えましょ…」

 

 抱きあいながら、言葉を交わす二人を見守っていたパチュリー様が微かな気配を捉え、注意を向ける。

 

「……こあから連絡が入ったわ…ハンター達は三日後の朝、人里を出発……紅魔館襲撃に乗り出すようよ…」

 

 パチュリー様が捉えた気配は、こあさんからの魔術的な念話の類いだったのだろうか?

 ともあれ、その報告にお嬢様達の表情も険しくなる。

 

「…フラン……やるわよ…二人で……」

 

「うん……」

 

 互いに見合わせ、頷きあうお嬢様達に、迷いはなかった。

 

 

 




 私は今、ある選択を迫られている……ちゃんと戦闘シーンを書くべきか、それとも割愛すべきか……。
 そもそも私に戦闘シーンが書けるのか……う〜む……(--;)
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