東方涙精潭   作:サラム

17 / 36
 戦闘パートは難しいですね(-_-;)
 読んでいて不快じゃなければ良いのですが(--;)


第17話 〜迎撃〜

◆迎撃 〜フランドール・スカーレット〜

 

 

 戦いは一本の矢から始まった。

 私めがけて放たれた矢を、私は無造作に掴み取る。

 

「っ!?熱っ!!」

 

 手の平が焼ける感覚に、掴んだ矢を手放した。

 見ると、その矢には小さな護符が貼り付けられている。

 

「運命通り、陽の気を封じ込めた矢か!当たっちゃダメよフラン!!」

 

 お姉様はそう言いながら、ハンター達に弾幕を放つ。

 いつもの弾幕ごっこのようなスペルカードルールに則った弾幕じゃなく、確実に殺しにかかっている弾幕だ。

 弾幕に優雅さや美しさを求めるお姉様らしくない、容赦なく的確に狙った弾幕に、お姉様は本気なんだって思った。

 

 でも、相手も私達の首を狙うだけあって、お姉様の弾幕を避けたり岩陰に隠れたり防御魔法で防いだり、なかなか当たらない。

 

「まったく…埒があかないわね。フラン、突っ込むわよ!」

 

 お姉様はグングニルを振り回し、飛翔して一気に間合いを詰めようとした。

 そこを狙って、ハンター達は弓や魔法弾でお姉様を撃ち落とそうとする。

 

「させないよ!!」

 

 お姉様を狙って飛んでくる矢と魔法弾を、私の能力で全部壊した。

 その間隙を縫って、お姉様は前衛に立っていた剣士のハンターに襲いかかる。

 私も距離を詰めて、後衛の魔法使い、弓使い、弩使いの3人に狙いを定める。

 私の“ありとあらゆるものを破壊する程度の能力”なら、3人をあっという間に肉塊にできる。

 お姉様が言っていた凄惨な結末としては充分でしょ。

 右手を突き出し、3人の命を握り潰すように、手を閉じる。

 それで3人は片付く……はずだったのに…。

 

「え……?」

 

 急に身体が重くなった。

 いや、そう感じた。

 まるで水の中にでも突き落とされたみたいに、身体を動かす度に抵抗があった。

 でも私は構わず、能力を使った。

 3人のハンターの身体は弾け飛び、バラバラの肉片になってしまう…はずなのに……。

 

「は、外した!?」

 

 そう、狙ったハンターではなく、足元の石ころや、木の枝が何本か吹き飛んだだけで終わった。

 しかも威力が弱い…。

 いつもの力なら、地面を抉り、木の太い幹を何本もまとめてへし折るくらいの力なのに…。

 

「もう一度!」

 

 二度目の攻撃も、結果は同じだった。

 それだけじゃない。

 弾幕も威力が落ちているし、スペルカードも弾幕自体が薄い!

 

「お姉様!!」

 

「落ち着きなさい!フラン!!そうか……これがお前達の切り札か…!」

 

 お姉様が苦々しげに呟いた。

 相手のハンターはお姉様と鍔迫り合いをしながら、笑っていた。

 

「ハハッ!ご自慢の能力やら弾幕が役に立たない気分はどうかな?」

 

 ハンターの、愉快だと言わんばかりの挑発的な口調振り。

 これがお姉様が言っていた、こいつらの咲夜に対する備え……パチュリーはダウン系の魔法だと言ってたけど…ここまで強力なんて…!

 

「ふんっ!弾幕がダメでも、純粋な吸血鬼としての力を嘗めるな!」

 

「あいにく、ただの吸血鬼なら相手にし慣れてるもんでねぇ!!」

 

 お姉様のグングニルと切り結ぶハンターの剣。

 純銀製な上に、加護を受けた剣みたい。

 お姉様のグングニルを受け止め、いなす。

 グングニルならば、加護を受けていようが純銀製だろうが、構わず剣士ごと両断してしまうのに、それができないのはやっぱりこの魔法のせいなんだろうな。

 

「だったら…あの魔法使いさえ潰せばぁぁぁっ!!」

 

「待ちなさい!フラン!!」

 

 お姉様の呼び止める声が聞こえたけど、かまわずにレーヴァテインを振り上げ、突っ込む。

 突っ込む私に恐れをなしたのか、弓使いと弩使いは道を譲り、私は魔法使いの眼前に一気に迫った。

 魔理沙が被っているのと似たような帽子の陰から、魔法使いの顔が見えた。

 

「!?」

 

 笑っている!?

 魔法使いは、レーヴァテインを振り上げて迫る私を見て、笑っていた。

 

「罠っ!?」

 

 慌てて止まろうとしたけど遅かった。

 私の身体は見えない何かに激突して、墜落した。

 

「っ……!? マジックウォール!!?」

 

 早い話が魔法の壁、魔法障壁だ。

 この魔法使い…私達の能力を下げるだけ下げて、後は防御に徹する気だ!

 いつもの破壊する程度の能力が使えていれば、こんな壁、術者ごとドカーンなのにぃ!!

 と、地団駄を踏んでる間もなく、弓使い達が矢を射かけてくる。

 当然、陽の気を封じ込めた矢を。

 

「あわわっ!?」

 

「フラン!?」

 

 慌てて飛び退いたところに矢が突き刺さる。

 お姉様の心配そうな声が響くけど、私には当たらない。

 矢をかわしながら後ろに下がって距離を取ると、お姉様もハンターを突き放して、私の隣に…。

 

「存外に…苦戦してるわね……」

 

 お姉様は、どこか他人事のように呟く。

 その呟きには、まだいつものお姉様の傲慢さが滲んでいるけど、実際には酷く苛立っているんだろうなぁ…。

 もっとも、それは私も同じで、霊夢や魔理沙のように全力を出し合った紅霧異変の時のような楽しさはない。

 むしろ、頭を押さえつけられているかのような不快感の中で戦っている。

 パチュリーなら、戦略的には正しい云々と言うんだろうけど、私はごめんだ。

 正面切って戦えないのなら、その程度の実力しかないんだろう。

 

「やっぱり…コイツら雑魚だ…」

 

 つい、感想が声に出た。

 それを聞いたお姉様は、隣で吹き出して

 

「そうね…じゃあ、彼らに教育してあげましょう…?本当の、強者の戦いを…」

 

 と、再びグングニルを構え直す。

 

「はい…お姉様…」

 

 私もレーヴァテインを構えると、再びお姉様とともに、ハンター達に突撃した。

 

 

◆緊急事態発生! 〜小悪魔〜

 

 

 

 はぁぁ…やっと紅魔館に帰れる……。

 私、こあこと小悪魔は、我が愛しのパチュリー様の命により、人里にてムサい男どもを四人ばかり監視する任に就いていました。

 何でも、そいつらはヴァンパイアハンターで、紅魔館襲撃を目論んでいるから監視し、動きあらば伝えよというのがパチュリー様からのお達しでしたが、まあ…監視すればするほどクズなハンターですわ…。

 腕が立つらしいという評判は聞かれましたが、それ以上に悪評が凄まじい。

 悪魔が言うのもなんですが、後は殺人でもやらかせば、この世の悪行をコンプリートできるんでは?というくらいに悪行三昧。

 どこぞの裁判長様も、わざわざ改心させに来たみたいですが……まあ、あの眠くなる説法じゃねぇ……。

 ハンター達が武装して、紅魔館へ向かった旨をパチュリー様に報告すると、ようやく任が解かれたわけで…。

 

「ふふふ〜♪待っていてくださいパチュリー様ぁ♪今夜は寝かせませんよぉぉぉっ!!」

 

 自分でもテンションが上がっているのはわかる。

 だが、わかってほしい。 数日間、パチュリー様とは音声のみでしかコミュニケーションが取れなかった私の苦しみを!

 

「げへへへぇっ!帰ったら思いっきりスキンシップですよぉぉぉっ!!」

 

 などと妄想して、身悶えしつつ飛んでいると、何やら下が騒がしい。

 

「何ですか?こんなとこで、何やら励んでおられる方でもいるんですかねぇ?」 

 と、下界を見下ろすと……げっ!?あれはレミリアお嬢様とフラン様!?

 我らがスカーレッツがこんな日中に…しかもあれは私が監視していたヴァンパイアハンター!?

 え!?咲夜さんも美鈴さんもいないの!?いきなり紅魔館当主が戦っちゃってるの!!?

 ステージ1からラスボス登場ってどうなのよ!?

 しかも、あの様子は…まさかの苦戦!?

 ああもう…こうしちゃいられないわ!緊急!!緊急事態発生ですよぉぉぉっ!!

 一刻も早く、美鈴さんや咲夜さんに知らせねばぁぁっ!!

 




 人間じゃ、お嬢様たちとはまともに戦えませんので、同じ土俵に降りてきてもらったのですが…。
 やはり無理矢理感が…(--;)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。