東方涙精潭   作:サラム

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 正直、どのくらいで「グロ注意」とかのタグを付ければいいんでしょうかね?(^^;
 出血描写もあるかもしれないので、付けた方がいいのかしら?(--;)


第19話 〜貴女だけは…〜

◆貴女だけは… 〜レミリア・スカーレット〜

 

 

 

 何故……何故、貴女はここへ来てしまったの?

 ここは貴女の死地。

 だから今日、ここに、貴女だけは来てはいけなかったのに…!

 

 普段は投げて使うナイフを握りしめ、ハンターに接近戦を挑む咲夜。

 もう、この一帯で能力が使えないことはわかっているのだろう。

 普段は時間と空間を操り、大量の投げナイフを駆使して戦う咲夜も、今はその腿のナイフホルダーにある3本のナイフで戦うしかなかった。

 しかも、そのうちの1本は、すでに機先を制するために投げてしまった。

 残り2本。

 左手に逆手でナイフを構え、一気に間合いを詰める。

 そこを狙うハンターは、構えた剣を咲夜に降り下ろした。

 剣を受け止めるには華奢過ぎるナイフだが、咲夜は降り下ろされた剣をナイフで受け流し、その勢いのままに身体を回転。

 背中をハンターに密着させて、その左脇腹にナイフを突き立てる。

 しかし、ハンターの反応が僅かに速かった。

 ハンターは咄嗟に左腕で咲夜の腕を押し止め、本来なら内臓に達したであろう刺突を筋肉までに止めた。

 致命傷に至らないことを悟った咲夜はその場で逆回転。

 右手の裏拳でハンターを牽制しつつ、今度は首筋を狙ってナイフを振り抜く。

 それもまた、ハンターは身体を後ろに反らしてかわす。

 ハンターは、咲夜がナイフを振り抜いた隙を逃すまいと、剣を構えようとするが、咲夜にとっては想定内だ。

 そのまま左肩でタックルをして、ハンターを突き放す。

 華奢な咲夜でも、体勢がまだ崩れたままの男に、それも体勢を崩しやすい箇所を的確に狙ったタックルならば、突き放すのは容易だ。

 狙い通り、ハンターは後ろによろけるが、転ばずに踏みとどまったのは流石というところだろうか?

 咲夜は無理に追撃せず、後ろに退いてナイフを構え直した。

 

「咲夜!下がりなさい!!」

 

 グングニルを再構成しながら、私は命令する。

 もちろん、咲夜の戦闘技能と力量を疑っているわけではない。

 むしろ単純な技量や経験を考えると、能力を尽く封じられ、片腕を失った私より上だ。

 だが、今回は咲夜には下がってもらう。

 咲夜を少しでも死の運命から遠ざけねば…。

 

「聞こえないの咲夜!?下がりなさい!!」

 

 咲夜は少し不満そうな表情をしたが、構えを解いて後ろに下がった。

 

「仰せのままに……しかし、必要ならば援護はさせていただきます…」

 

 主人を守るは従者の役目…それに忠実であるがゆえの、咲夜なりのせめてもの譲歩だろう。

 

「わかったわ……まあ、貴女の出る幕はないわ…。ちょうどいいハンデもできたことだし、楽しい戦いができるわ」 

 腕の無くなった左肩を見て軽口を叩く。

 無論、嘘だ。

 それでも私は強くなければならない。

 絶対的強者であり、常に余裕であり、常に傲慢であり、常に笑顔でなければならない。

 故に強がらなくてはならない。

 そして勝たねばならない。

 

「おやおや、お嬢ちゃん…召し使いに助けてもらわなくて良いのかな?」

 

 先ほど咲夜に刺された脇腹を押さえながら、挑発めいた戯れ言を口にするハンター。

 出血はしているが、やはりたいしたダメージではないようだ。

 全く……人間でありながら人間の規格からは外れた奴だ…。

 最も、だからこそ人外を狩ることを生業としたのか…。

 しかし、霊夢のような秩序のある妖怪退治ではなく、単なる暴力、破壊衝動の捌け口として妖怪を選んでいるにすぎない連中なのは、こあからの報告で聞いている。

 ならば情け無用、手加減無用。

 そんなことをしては勝てない相手なのも充分、身を以て理解した。

 失われた左腕も、破魔の加護や祝福儀礼済みの武器でやられたために再構成が遅い。

 このままだと再構成に丸一日かかるだろう。

 どうやら純粋に武芸の優劣を競う戦いを、片腕でやらねばならないようだ。

 

「くくく…」

 

 私は笑った。

 今までの強がりではない。

 これは闘争の愉悦だ。

 吸血鬼の血筋ゆえだろうか?

 この苦境にあって、片腕を失った状況にあって、能力を封じられた状況にあって、私は楽しんでいる。

 ようやく理解した。

 吸血鬼というものを、500年経て、ようやく…。

 今の私は、昔のフランより狂っているのかもしれない。

 そう思えるくらいの笑みが、自然と零れた。

 

「今度は何がおかしい…?そんなボロボロの姿で…」

 

「ああ、ボロボロにしてくれて、感謝の極みだ人間よ…お陰で眼が覚めた…」

 

「何…?」

 

 そう、幻想郷で暮らすこと、フランが幸せに暮らせるように友好関係を築くこと、幻想郷を安住の地とするために、私としたことが吸血鬼の本質を忘れていた。

 それは恐怖させること。 恐怖に怯える相手の命運を握り、それを無造作に奪うことだ。

 目の前のハンターは、今までの経験からか私に恐怖していない。

 ならば恐怖させてやろう。

 吸血鬼の闘争を語るのはそこからだ。

 

 

◆久々に… 〜紅美鈴〜

 

 

 こあさんからの報告で、お嬢様方の身に危険が迫っているのはわかりました。

 ですが、幻想郷でも一角の勢力を成す紅魔館の主が、そう簡単に危機に陥るか眉唾でしたが……なるほど、そろそろ森を抜け出るかというところで、気の流れが異常なのがわかりました。

 正確には、気を操る程度の能力を持つ私が、気を読めなくなりました。

 

「どういうことなの?」

 

 不意に咲夜さんが現れ、戸惑いの表情を浮かべた。

 

「時間を止めてお嬢様方の下へ向かっていたのに……勝手に時間停止が解除されたわ…」

 

 咲夜さんは自分の能力を確かめるように、いつも持っている懐中時計を見つめた。

 

「咲夜さん……私も気が操れません…」

 

「何ですって?」

 

 咲夜さんは怪訝な表情を見せたが、すぐに状況を把握したようだ。

 

「能力が制限されている?だからお嬢様方も苦戦を…!?美鈴…急ぐわよ!!」

 

 咲夜さんと森を走り抜け、森を抜けたところでまず眼に入ったのは、片腕を今まさに失ったレミリアお嬢様の姿だった。

 

「お嬢様!!」

 

 悲痛な響きの叫び声とともに、咲夜さんがナイフを投げた。

 間一髪でレミリアお嬢様を斬ろうとしたハンターの動きを封じ、そのままハンターに斬りかかっていく。

 あちらは咲夜さんにお任せして良いでしょう。

 あとは妹様を……ああ、いたいた…って、まったくの無防備じゃないですか!?

 ああ……片腕を失ったレミリアお嬢様にショックを受けているのですか…。

 って、そんなことより下!ハンターに狙われています妹様!!ああもぅ!今行きますよぉ!!!

 

「妹様ぁぁぁっ!!」

 

 弾幕は!?

 弾幕も出ない!?ならばっ!!届け拳よぉぉぉっ!!!

 

「はぁぁぁぁっ!!」

 

 妹様を狙う矢に……届いた!

 弾け飛んでゆく矢。

 まだ!もう一本!!

 振り向き様に、裏拳で飛来する矢を殴り飛ばす。

 

「ご無事ですか?妹様…」 

 背後から視線を感じ、肩越しに無事を確認する。

 

「め…めーりん…」

 

 泣きそうな妹様の声。

 ひとまず無事のようだ。 

「めーりん…もうね、弾幕も役に立たないし、能力も使えなくって…」

 

 とうとう泣きながら、状況を伝えようとする妹様。

 こういうところはまだ子供らしくて可愛いんだから…。

 

「あっ!お姉様!!お姉様は!!?」

 

「大丈夫です、咲夜さんが行ってますから」

 

 それを聞いた妹様の顔が、なぜか真っ青になった。

 

「めーりん駄目ぇ!咲夜が死んじゃう!!」

 

「…はいぃ?」

 

 思わず聞き返してしまいましたが、そこへ飛んでくる矢と魔法弾。

 

「話は後です妹様!まずはあいつらを蹴散らしますよ!!」

 

 さて…能力がダメ、弾幕もダメとなると……拳しかありませんねぇ……。

 フフフフ……むしろ熱烈歓迎!!

 久々に…カッコいいとこ見せましょうかね。

 

 

 




さぁて、美鈴さんの格闘描写……書きたかったけどハードル高いなぁ…(^^;
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