書きながら眠ってしまうことも多く、文章が変になっていないか心配ですわ(^^;
◆我が力の総てを以て 〜パチュリー・ノーレッジ〜
咲夜とレミィが帰ってきた。
そう聞いたときは、咲夜がまだ生きていることから、レミィが首尾よく事を運んだのだと、内心ほくそ笑んだものだが……事態は最悪の状況に向かいつつあった。
「レ、レミィ…!?何て姿に!!?」
咲夜が泣きながら運び込んだ時、レミィの身体は下半身が失せ、両腕も喪失。
辛うじて心臓はまだ無事のようだが、まだ命を繋いでいられるのはレミィ自身が強力な吸血鬼だからに過ぎない。
並みの妖怪なら、もう何度死んだかわからないほどのダメージを受けている。
「ここまでレミィが深手を負ったのは何故?」
「フランお嬢様が仰るには…レミリアお嬢様が受けた矢には、太陽と同じ…陽の気が封じ込められていると…」
咲夜の説明で把握した。
今、レミィの体内では、陽の気がレミィを滅ぼし尽くさんと暴れまわっているのだろう。
それをレミィの魔力が抑え込んでいるが、その魔力が押し負ければ、レミィの身体は一気に崩壊に進む。
普通の怪我人なら、永遠亭の永琳の出番だが、なるほど、こうした魔術的処置は私の専門だ。
「こあ…こあ!!」
「お呼びですか?パチュリー様」
先刻のダメージから回復していない、包帯だらけのこあが現れる。
「治りきっていないところ、悪いけど…。緊急よ、手伝ってちょうだい!」
本当なら、充分な休息を与えたかったが、仕方がない。
「イエス、マム!」
元気よく答えるこあ…健気だ…。
怪我が治ったら、たっぷり可愛がってあげるからね…!
と、それよりも今はレミィだ。
レミィの魔力が尽きる前に、体内の陽の気を吸出し、魔力を回復させなければならない。
その後は、吸血鬼の再生能力に任せるしかないが、弱りきったレミィがもたないかもしれない。
場合によっては、私の魔力を供給することも考えなければ…。 今が満月の夜なら爆発的な再生も見込めたが、今は日中、しかも今夜は新月だ。
あのハンターたちは、それも考慮した上で襲撃の日時を決めたのだろう…。敵ながら小賢しい…。
私は忌々しい気持ちを抑え込み、魔方陣を展開。
レミィの身体から、陽の気を除去する処置に入る。
レミィ……我が友…我が力の総てを以て、貴女を助けてあげるわ!
◇厳戒体勢 〜カヒライス〜
紅魔館は今、レミリアお嬢様重体に伴い、厳戒体勢に入っています。
……いや〜…まさかお嬢様が、あんなにボロボロになって帰ってくるとは思わないでしょ?
武器庫の武器や鎧を本当に使う日が来ようとは…。
レミリアお嬢様が危険な状態にあることを好機とみて、またハンターとかが襲って来ないか、外に出れるメイドは全員武装化、警戒にあたるように、メイド長から指示が出たのだ。
実際、既に8人ほどハンターが、9匹ほど妖怪が攻めこんできたけど、みんな美鈴さんが片付けた。
美鈴さんといえば、フランお嬢様と一緒に帰ってきたけど、やたらと荒れているのだ。
戦い方も美しいというより荒々しい。
何かに怒っているような、そんな印象だ。
まあ、そんな状態の美鈴さんに「どうかしたんですか?」とは訊く勇気もないので、臆病な泣き妖精は自分の仕事に徹するだけですよ〜。
でも……私が見張っている所には、どうか誰も来ませんように……。
◆後悔すれど… 〜紅美鈴〜
「や、やめてくれ!俺が悪かった!!だから…だから…ぐぶっ!!?」
崩れ落ちるハンター…だった骸を眺めながら、私は、数時間前の失態を悔いていました。
トドメを刺さずとも、ほおっておけば死んでいたでしょう。
そう判断した結果…お嬢様が……。
「私のミスだ…!!」
そう考えるほど、拳は荒れ、技は精細を欠いてゆく。
これではあの方に顔向けできません…。
しかし…私の未熟が引き起こした結果はあまりに重い…。
「貴女なら……どうしていたでしょう……?」
返事などないのはわかっている。
それでも、私は問うしかなかった。
空の向こうに、あの人の背中を思い浮かべながら…。
◆スカーレットの名を持つ者として 〜フランドール・スカーレット〜
お姉様が瀕死の怪我を負って、紅魔館はガタガタだ。
咲夜は憔悴しきって、パチュリーがお姉様を治療している図書館の前で、ひたすら祈っているし…、美鈴はいつもとは違う、恐い顔で居眠りもせずに戦い続けているし…。
そんなピリピリとした空気のせいか、妖精メイドたちも完全に浮き足立っていた。
お姉様不在の今、私ができることはないのかな…。
私には、お姉様のようなカリスマもないし、咲夜のように器用でも、美鈴みたいな強さも、パチュリーみたいな賢さもないけど、それでも何かしたいんだ。
まずは、この空気を何とかしよう。
やり方なんてわからないけど、動くしかない。
大丈夫。私もお姉様と同じ、スカーレットの名を持つ、フランドール・スカーレットなんだ。
やれないことなんてない!
まずは手始めに……美鈴!
美鈴はいつも通り、門の前に立っていた。
ただ、いつもなら呑気な寝顔で居眠りしているのに、今日はどこか思い詰めたような、恐い顔をしている。
こんな時は……美鈴なら、変に優しくするとかえってドツボに嵌まりそうな気がするから、いっそのこと…。
「め〜り〜ん!」
ガバッと後ろから抱きつく。
「い、妹様!?」
「めーりん、まだ悩んでるの?」
いつも通りに接しながら、ストレートに訊いてしまう。
自然体で、わかりやすい方が美鈴には良いと思ってのことだけど…。
「ええ…まあ…」
美鈴は私を見て、深々と頭を下げた。
「申し訳ありません妹様!私のミスでレミリアお嬢様は…」
「はい、ストップ!」
ズンッと美鈴の頭にチョップする。
あ、思わず力入れちゃった…。
美鈴は頭を抱えて転げ回ってる。
ごめん、痛かったよね…。
「美鈴…私は怒ってなんかいないよ……」
「ふえ?」
まだ涙目のまま、美鈴は立ち上がる。
「そりゃ、あの時は取り乱しちゃったけどさ…。けど……お姉様なら、美鈴を責めることはしないと思う。それなら、私も美鈴を責めない!それより、今後はそんなことがないようにするのが先でしょ?」
「妹様…」
「前にお姉様が言っていたわ。昔……名前は忘れたけど、ある人が言ってた言葉だって。“過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だ”って」
「ああ……それはあの方の……」
「美鈴知ってる?」
「ええ、私の目標とする方が仰ってた言葉ですね」
美鈴はどこか嬉しそうな表情だ。
「だったら、次の糧にしましょ♪美鈴は、オ・ト・ナの女でしょ?」
「そんな艶やかなものじゃありませんが…。まあ、外見は妹様より年上ですからね」
美鈴憧れの人の言葉が良かったのか、美鈴の表情が柔らかくなった。
その後も、色々話したけど、美鈴に思い詰めたような陰はもうない。
もう大丈夫かな…。
「じゃあ、いつも通り…紅魔館をお願いね…門番さん♪」
「仰せのままに、可愛らしいご主人様♪」
美鈴もおどけて仰々しい会釈をしてみせる。
良かった…いつもの美鈴だ。 やっぱり美鈴は笑顔が一番だね。
それにしても、美鈴にここまで影響力のある、憧れの人ってどんな人かな?
できることなら、私も会ってみたかったな…。
◆あの人の言葉 〜紅美鈴〜
いやはや…まさか妹様の口から、あの方の言葉が聞けるとは思いませんでした…。
そうでしたね…。あの方は、口数はかなり少ない方ですが、残された言葉は意味深く、重々しく、そして力強いものばかりです。
そうか……あの方は、もう答えを示していたのですね……私が気づけなかっただけで…。
憧れの方なのに気づけなかったなんて、なんとお恥ずかしい…。
しかし、妹様のおかげで迷いは無くなりました。
もう間違いません。
今回の過ちを認めた上で、次の糧とします!
まずはもっと強くなり、皆を守れる門番になりますよぉぉぉっ!!
過ち気に病むことはない……という、フランが言っていた言葉…。
わかる人にはわかるかな?
※その肝心の言葉を間違えて覚えてましたので、修正しました(--;)
赤い人に怒られてしまうわ(^^;