書きたいことを結構割愛して書いてますが、それでも説明文くさくなる(-_-;)
次回からはペース上げられたら良いなぁ(^^;
◇ 十六夜咲夜の多忙なる日々 〜カヒライス〜
デヘヘヘへ……。
いきなりだらしのない笑みで始まって申し訳ない。
でもどうかわかってほしい。
昨日まで着ていたのは、飾り気の全くない、実用一点張りのメイド服、いわゆる“メイドカチューシャ”が無ければ世界名○劇場のモブキャラが着てそうな、地味極まりない服だったが、今日からは違う。
エプロンの肩口や端っこ、スカートの裾に、ブラウスにもフリルがあしらわれ、エプロンの後ろ側も、腰の辺りが大きなリボンになっている。
飾り気の無かった胸元には、よく見ると中にスカーレット家の紋章が入った綺麗な石のブローチが光り、メイドカチューシャのフリルも5割ほどアップしている。
紅魔館にて、客人をもてなすメイドとあって、着る服にも手抜かりなどなく、紅魔館の威光を反映するかの如く華やかである。
そして、その華やかなメイド服に袖を通す、銀髪美少女の私!!
…………………………………うん…わかってる……そこまでナルシストじゃないし、身の程も弁えてるから…。
しかし、女の子なら、こんな服を着てテンションを上げずにいられようか!?
そんなわけで、鏡の前で絶賛自己陶酔中である。
しかも、普段より朝早くに起きて。
いや、昨日の夕方、パーラーの先輩メイドが新しい制服を届けてくれたんだけど、もう早く着たくてね…。同僚のメイド達が昇格祝いで軽く宴会をしてくれたので、お酒の酔いで眠れたけど、そうでなかったら今頃は目の下にクマを作っていただろう。
そんなわけで、酔いつぶれた同僚メイドはそのまま寝かせておいて、早速パーラーメイドの制服を着てみて今に至る。
そんな感じで一人でニヤニヤしてると…。
(コンコンコンッ)
早朝にも関わらず、部屋をノックする音。
だっ…誰っ!?
「カヒライス?起きている?」
あの声はメイド長!?
「は、はい!今開けます!」
部屋のドアを開けると、制服はビシッと、髪も薄化粧もバッチリなメイド長がそこにいた。
「あら?もう着替えていたのね」
「え、ええ……早く着てみたかったので…」
子供っぽい行動に我ながら恥ずかしくなり、照れながらそう答えた。
「ちょうど良かったわ、これから館内点検と、資材の数量確認、その後は朝食とお嬢様たちのお茶の準備があるから、手伝ってちょうだい」
にっこりと、眩い笑顔で仰られても…今、何時だとお思いで?
まあ、こんな時間に着替えてた私も大概ですけどね…。
「あの…まだ、みんな寝てますけど?」
「ええ、だからこそ、みんなが起きたらすぐ仕事にかかれるようにしないとね」
ああ……労働の喜びを謳歌するかのような笑顔が眩しい…。
「さあ、貴女も私の補佐役なら、これくらいは朝飯前にならなきゃね。文字通りに」
アハハハハ〜メイド長、それ、何かのギャグですかぁ?
本気でギャグでしたってオチなら良かったのに…。
朝は4時に起床、身支度を30分程度で済ませ、館内点検、膨大な量の資材管理、それが終了するのが朝7時頃。
他のメイド達より早めに起きている、キッチン作業専門のキッチンメイド達と、前日に用意し、発酵させていたパン生地を焼き始める。
同時にサラダやスープを作りつつ、レミリアお嬢様とその妹、フランドールお嬢様を起こしに行く。
御二人の着替えを他のベテランメイドに任せ、自身は再びキッチンへ。
紅茶の準備をしながら、キッチンメイド達にタイミングを見計らって卵を焼かせる。
朝の8時、身支度を終えたレミリアお嬢様とフランお嬢様がテーブルにつくと、最高のタイミングで焼けた目玉焼きと、お嬢様好みのちょうどいい温かさの紅茶が運ばれてくる。
お嬢様方の食事の間は付きっきりで給仕の役目を果たし、食事が終わるとその片付け。
別室にて、他のメイド達も食事を済ませてしまうため、洗う皿は一回の食事でもかなりの枚数となる。
洗うのはキッチンメイド達だが、一枚一枚全てメイド長のチェックが入る。
メイド長が遅い朝食を摂ることができるのは、それらが全て終わってからなのだ。
「メイド長〜…毎朝こんな感じなんですかぁ?」
まだ朝の仕事を終えただけなのに、この疲労っぷり…。
メイド長は人間だよね?24時間戦える機械人形じゃないよね?
朝、制服を着てはしゃいでいたのが嘘のように、今はただだるかった。
「今日はまだ良いほうよ?館内点検でも異常も侵入者もなかったし…」
「侵入者って…紅魔館にですか!?」
「ええ、大抵は金品目当てのこそ泥だけど、お嬢様方を狙うヴァンパイアハンターなんて来たりもするわ」
「そ、そんなとき、どうするんですか?」
「お帰り願うわよ?生死を問わずね」
「最後の一言が怖いっす」
そんな感じで和気あいあい(?)と食事を楽しむ間にも、妖精メイド達が報告に現れ、それに対して指示を与えてゆく。
短い休憩の後、膨大な量の洗濯、昼食の支度、片付け、掃除の統括、各所を見回りつつ門番を叩き起こし、食料品等を配達に来た業者から荷物を受け、足りないものがあれば里まで買い出し、夕食の支度とその片付け、お風呂の支度と明日のための仕込み、財務管理と……。
メイド長…こんなに一人でやってたんですか?
これ、過労で訴えられますよね?
まあ、当のメイド長が全く苦にしてないのが救いなんですが…。
メイド長がいなくなったら、紅魔館はなくなるな、確実に。
結局、私とメイド長がお風呂で一息つけたのはだいぶ遅い時間…他のメイド達の就寝時間になってからだ。
「ふぃ〜」
湯に浸かると、思わず声が出てしまう。
いや、こんな重労働とは…。合間にお嬢様達のお世話もあるし…。
「メイド長はよくこんなに働けますね?」
つい、本音をメイド長にぶつけてしまった。
「ん〜〜、そんなに大変とは思ってないわよ? 紅魔館で暮らし始めたときからのことだし、もう慣れたわ」
ん〜〜メイド長は美人さんだから、お風呂に入って上気してる顔とか、色っぽいですなぁ〜。
普通なら世の殿方は放っておかないんだけどなぁ〜。
「お嬢様の為に働くのは苦じゃないしね」
はい、お嬢様ラブ発言いただきました。
「まあ、定期的にお休みもあるし、貴女もそのうち慣れるわよ」
本音としては慣れたくないです。
ああ…でも、また明日もこんな感じなんだろうな…。
憂鬱になりそうな自分を奮い立たせねば!
とりあえず、早く寝て、明日に備えよう!
と、湯船を飛び出たのがはしたないと、メイド長に怒られましたとさ。
あ、そうそう、今日一番の驚きをひとつ…。
メイド長……PADじゃなかった!!
うん、我ながら最低なオチだ!!(^^;
一度やりたかったPADネタ……「咲夜さんはPADだ!」というPAD派の方々には申し訳ない…ウチの咲夜さんはノンPADなんだ…。
咲夜さんファンを二分するPAD論争に一石を投ずる問題作!「東方涙精潭」次回もよろしくね!!
……ごめんなさい、調子に乗りましたm(__)m