ペルソナ5 Next Generations   作:NGファントム

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ペルソナ5Xで再燃した熱をここに吐き出し中


1.Beginning of a new day

 

20XX年4月13日月曜日

 

 

 新学期を迎えた朝、人混みでパンパンの電車から降りた俺は春の日差しで明るい街の下へと出る。

 

 あまりの眩しさに腕で太陽を隠し、日差しを遮ると手に持ったスマホへと視線を向けた。

 

 ニュースアプリを開いていたスマホの画面には次々とニュースが流れているが、どれもこれも陰鬱なニュースばかりだ。

 

 内容と言えば犯罪率が上がってるだの、喧嘩による暴力事件だの、ろくでもない事をまとめたものしかない。

 

 俺は見るに堪えず、アプリを閉じてホーム画面へと戻す。

 

 

「最近はろくでもないニュースばっかだな……ん?」

 

 

 スマホの画面を閉じようとしたとき、ホーム画面に目のようなアイコンをした赤いアプリが入っていることに気づく。

 入れた覚えのない謎のアプリだ。

 

 

「なんだこれ……?」

 

 

 見知らぬアプリに不思議に思うも、知らないのであれば触れるべきではないとアプリを消して画面を閉じる。

 

 ふと、スマホに映った時間に目をやれば、始業までもう時間がないことに気づき、スマホをポケットにしまって走り出した。

 

 そこから数分もすることなく学校にたどり着くと、張り出されていた教室表から教室を探す生徒たちで溢れ返っていた。

 

 ある意味、新学期の恒例行事というべきか。

 

 俺も急いで張り出されていた教室表から自身の名前を探し出す。

 

 

「藤宮、藤宮……あった、藤宮 新。クラスは……2のCか」

 

 

 同じクラスに知り合いはいないかと探してみたものの、それなりに交流があったやつは全員他のクラスのようだ。

 

 まぁ、これはこれで新しい気持ちで一年が初められると言うもの。

 こう言うのは前向きに考えるべきだな。

 

 

「行くか」

 

 

 と、振り返ったその時、目の前を通る少女が目に入った。

 日本人のものとはかけ離れた肩までかかる銀色の髪。

 翡翠色の目に白い肌と端正な顔立ちから、一目見ただけで美少女だということが伝わる。

 

 周りも少女の雰囲気に圧倒されてか、道を開けては少女に視線を向ける。

 

 格好は俺と同じ制服を着ているところを見るに同じ学校なんだろうが、彼女の姿を去年一度も見たことがない。

 

 アレほど目立つ銀髪。

 どう足掻いても、忘れるわけがないから間違いないはず。

 

 もしかしたら新学期を機に転校したきたのかもしれないな。

 

 なんて考え込んでいると、学校のチャイムが鳴り響く。

 

 掲示板の前に集まっていた生徒たちも急いで玄関へと駆け込みだすと、俺もその後を追うように急いで教室へと向かった。

 

 靴箱横にある階段から二階へ上がり、階段から横に行ったところすぐの教室、そこが自身の教室である2のCだった。

 

 教室の中は生徒たちがいそいそと座る姿が見える。

 俺も掲示されている席表から、席を探してだして窓側後ろ方向の隅近くにある席へと向かう。

 

 そこで、あれ、と思って俺の後ろの席に視線を向ければ、そこには先ほど見た銀髪の少女が座って、窓の外の景色を見つめていた。

 

 どうやら同じクラスのようだ。

 

 一瞬、声をかけてみようかと悩んだものの、勢いよく開けられるドアに視線がドア方向へと集中する。

 

 

「立ってる奴ら、早く座れ」

 

 

 入ってきたのは黒いジャージを着た気怠げな女性。

 

 見た感じでは担任……多分、担任のはずだ。

 かなりやる気が無さそうだけど。

 

 

「何突っ立てる、早く座れと言ってるだろう」

「あ、はい」

 

 

 俺は思わず気の抜けた返事を返して席に座ると、入ってきた女性は教壇に立つ。

 

 

「あー、私がお前らの担任をする藪見(やぶみ) 透子(とうこ)だ。教科担は世界史やってっから。質問は? ないね? はい、終わり」

 

 

 あまりのやる気の無さに教室は少しざわつく。

 

 こんなのが担任で大丈夫? 

 

 やる気なさすぎだろ。

 

 でも美人だよな。

 

 ってな具合に、周りは好き勝手に言い放題だ。

 担任こと藪見先生はそんな周りの声を気にすることなく、二度ほど手を叩いて声を鎮めると連絡事項を伝える。

 

 

「えー、このあと始業式あります。クソだるいけど全員参加するように。体育館に各自移動ね」

 

 

 今、クソだるいって言ったよな。

 

 あまりにもやる気がなさすぎて愕然としそうになったが、こういうほうがやりやすいのかもしれない、と思い直すことにする。

 

 と言うか、そう思わないと今年一年やっていけそうな気がしない。

 

 

「そんじゃ解散。体育館だからな、忘れるなよ」

 

 

 そう言うと大きなあくびを一つしながら教室を出ていった。

 教室から先生がいなくなった瞬間、教室は一気に活気で満ち溢れる。

 

 何気なく立ち上がって後ろへ視線を向けると、先ほどまで座っていたはずの銀髪の少女の姿は既になかった。

 

 どうやらもう教室を出ていってしまったらしい。

 

 

「……取り敢えず、始業式行くか」

 

 

 ぼちぼちと教室を出始める他の生徒達を見て、俺も立ち上がると教室を出て体育館へと向かう。

 

 だがその道中、俺はある光景に足を止めた。

 

 廊下奥にある空き教室の前で、銀髪の少女ともう一人……白髪のそれなりに年食った男が、二人で話し込んている姿だった。

 

 男の方はどっかで見たことあるんだが……記憶に残りにくい顔しているせいか、思い出せない。

 

 何話しているんだろう、と見ていると、少女は突然声を荒げる。

 

 距離が離れているから何を言っているかは分からないが、怒っているということだけは理解できた。

 

 それに対して男の方は表情を変えることなく何かを少女に伝えると、少女の方は狼狽えた様子で後退りする。

 

 その顔は青ざめており、今にも泣きそうな顔になると、こっちに向かって走り出す。

 

 俺に一瞥することなく横を通り過ぎると、体育館とは別の方向へと走り去っていってしまった。

 

 去っていく後ろ姿を呆然と見ていると、突然後ろから声を掛けられる。

 

 

「そこで何をしている」

 

 

 そこで思い出した。

 この男が、この学校の校長だと言うことに。

 

 

「え、えっと……同じクラスのやつが見えたから、ちょっと気になって……」

「……始業式が始まるだろう。急ぎたまえ」

「あ、はい」

 

 

 妙に威圧感のある言葉に、俺は大した言葉も返せずその場を去ることに。

 

 しかし体育館へ向かう途中、どうしても俺は少女のことが気になってしまった。

 

 そのまま体育館へ向かうこともできたが、彼女のあの様子を見てしまっては気になるのも当然と言うべきか。

 

 

「……ま、始業式ぐらいサボっても大丈夫だろ」

 

 

 初っ端から休むのはどうかと思いつつも、楽観的に考えて去っていった少女を探すべく学校を歩き回り始めたのだった。

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