DX護摩の杖&DX胡桃なりきりセット   作:れいる

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きたきたきたきた。
やっときた。
さあ、こっちにおいで。


襲い来る暴威

「あんにゃろう、人が下手に出ているからってメチャクチャしやがって!」

 

 狼煙を上げてから10分ほど。降ってくる隕石をなんとか躱わしながら、岩場の陰に息を潜める。

 めちゃくちゃに降ってくる隕石に対してこちらの煙幕は、爆風で煙が散らされる上に、適当に降らせていれば良いというランダム性が跳ね上がることで危険度がさらに増す。もう手はないのか…?

 

「くそぅ、偽ベドだと気づいた時にさっさとおさらばするんだったな、これは!」

「偽ベドなんてひどい呼び名じゃないか、冒険者君。ますます殺したくなった。」

「やっぱりこれは禁句だったか!」

 

 さらに勢いを増す隕石をなんとか避けて這々の体で近くの岩陰に身を潜める。姿が見えないとなると、さらに適当さが増して隕石が降ってくる。そのくせ量は膨大で、逃げる隙がない。

 

「隠れても無駄だよ。土の印の応用できみがどこにいるかなんてぼくには丸わかりさ。」

 

 直後、私の隠れる岩場の頭上を隕石が吹き飛ばす。

 …正直もう本物のアルベドが来てくれる様なタイミングはもう逃したのだろう。生きるか死ぬか、私の運命はここで決まるらしい。

 何かないかと辺りを見渡す。そして気づく。

 

「このエリア、やっぱりおかしいんだ…」

 

 登山途中に発見した謎の蛹が目に映る。焦っていたせいもあって、水晶の塊に見えていたが、よくよく見ると例の繭だ。それが壁一面を埋めている。

 その周辺の木々は枯れ果て、明らかに寒さのせいではない枯れように息を飲む。

 生命エネルギーを吸収して育っているのか?

 蛹に目を取られ、近づく足音に気づかない。

 

「ふむ、これは興味深い。ぼくと似た気配だ。礼を言うよ、冒険者。ぼくをここに連れてきてくれて。」

 

 慌てて岩を回り込み、声の主から離れる。

 

「だったら見逃してほしいものだねぇ!」

「やだね。きみは殺す。」

 

 万事休すか。

 と、半ば絶望していたが、隕石落下が収まった。

 奴は何を考えている?私を殺すなら、今が絶好のチャンスだろうに。

 

「…きみに聞きたいことがある。」

「なにかな!?もしもお気に召したら見逃してほしいんだが!」

「それは…返答次第だね。」

 

奴は本気らしい。直後、隕石が私の真横を通っていった。

 

「ぼくは今、きみを追い詰めている。あと一手あれば、きみを殺せるんだ。」

「誠に遺憾ながら、その通りだね。」

「ならどうしてきみは、笑って逃げ続けているんだい?この絶望しか無い世界の中でさ。」

 

 その言葉に思わず頬に手を当てる。私が笑っている?この死に体の状態で?

 

「どうやら、無意識だった様だね。なら、それはきみの中の本性だと言うわけか。生物としての本能?それとも趣味かな。」

「…スリルは楽しいものだけどさ、自分が死ぬ様な激ヤバスリルなんて求めてないよ!」

 

 こんな魔物だらけの世界で無力な人間が、リスクを背負って世界を旅している。それを言われてしまうとなにもいえないが、闘争に快感を求めているなんて、私が戦闘狂みたいじゃないか。力もないのにそんなリスクを負うことはしたくない。

 

「私は、大好きなこの世界を、自分の目で見たいだけ!自分の足で踏みしめて、全身でテイワットを感じていたいだけなんだよ!だから別に気狂いとか言うわけじゃないよ!」

 

 瞬間、光が世界を塗りつぶす。

 私の身体を中心に、辺り一面を巻き込んで、あらゆるものを溶かし込んでいく。

 様子を察した偽ベドが驚きつつも離れていくのを尻目に、私は意識を失った。

 

 

 

 ドラゴンスパインには、悪龍の伝説がある。悪龍の力は、模倣に長けており、ホムンクルスの偽物を生み出した。偽物は本物を憎み、それと成り替わることを目指して活動する。

 トリックフラワーは、自身の姿を対象に似せて行動することができる。原理は不明だが、人の姿となる事もある。

 テイワットにおいて、アビスの力は人に害を為す。その汚染力は並の人には耐えられない。人どころか、世界の記憶に干渉し、自らを記憶を元に再構成できる。

 

 ファレノンが発した光は、周囲の繭が飲み込んだ。そのエネルギーを吸収し、壁から剥がれ落ちたそれらは、光の発生源であるファレノンへと集まっていく。

 その時を待っていたかの様に、ファレノンの周りを漂い、粒子となって彼女を優しく包んでいく。

 それらは周辺の物質を取り込みながら、徐々に集まっている。

 光、熱、風、水、雪、木々、大地。

 そして、悪龍のエネルギー。

 何もかもを吸収し、巨大な繭を創り上げる。

 その起点となるファレノンは、自身が何を起こしているのか、それを理解しないまま、深い眠りについていた。




アルベドのメモ書き:
配達員と別れたのち、彼女は雪山を観光すると言っていた
暫くしたのち、龍の谷方面から狼煙が上がっているのを確認した
彼女が救援を求めているのか?

到着後、僕は目を疑った。
巨大な結晶の中に、彼女が眠っていたのだ
…彼女を連れ帰るには、少々人手が必要かもしれない
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