『天』あの日の誓いとカレンデュラ 作:ある日そこに居たであろうクマさん
よお、聞こえるかい?読者諸君。
一応名乗っておこうか。
俺はオリジナルのロン。
知ってる奴も居るかもしれんがロン・クロイツという者だ。
さて、今回は最天のロン。奴の過去について触れていこう。まあ、どっかのクマが言ってた日より少し早いが...問題無いだろう。
おっとすまんな。このままじゃあ長くなりすぎる...
では、始めようか。
皆が知らぬその昔の話...
今の奴が奴で無かった...
いや、
ここはストライクワールド。
現実世界とはまた異なる世界であり、様々な種族のモンスターと呼ばれる存在達が暮らす世界。
そしてストライクワールド自体にもそれぞれ無数の世界が存在しているのだが...
場所は魔界。
その一角にて...
ギィィィィアァァァァッッッ!!!
「ぐわぁぁぁッッッーーーー!?」
「まっまずいッ!?」
「増援はッ増援はまだなのかッッーーーー!?」
そこは正しく地獄そのもの。広がるのは膨大な犠牲と甚大な被害。そしてその場から広がり続ける正体不明の
そしてその原因は...
「クソッ!何故こんな怪物がっ」
ギィィィアァァァッッッ!!!
こことは違う場所。自身達の領域である天界よりやって来た天使達。そしてそれと向き合う者こそこの事態の原因。
いや、元凶か。
二足歩行の人型で全身が蒼白い肌であり、最大にして約五十メートルはある巨人。そしてその腰には巨大な瓢箪と拳銃が一丁。更にその周囲をその巨人の能力であろう水柱が幾つも取り囲み周りの天使達目掛けて次々と襲いかかる!
「そんなッこのままでは...」
(...やむを得んッ!ここは一度撤退するしか...)
そして天使達の一人。その場での最大階級である人物が再度この絶望的状況を確認し自身達の不甲斐なさに歯噛みをしながら他の者達に撤退の合図を送ろうとした。
その時だった...
『闇』は晴れるッッ!!!
「な.....」
『全部隊に通達ッ!増援到着ッッ!!』
「増援?だが、これは...」
(誰だ...大天使長の方達では無い...だが、誰だこの力はっまるでッ!)
倒れ伏す者、未だ抗う者、守り続ける者。そして『魔』であろうその者。その場の全てが感じた。
その
故に現れるは...
「お〜い珍獣ゥゥ生きてるか?」
ギィィィィッッッ!?
「いや、無いわ〜マジで無いわー...緊急事態ってんで飛んで来たのに期待外れにも程があんでしょ。何でこんな奴に苦戦したんだか...」
「なんだ...あいつは?」
先程までの曇り空が嘘の様に晴れ、暗雲全てが吹き飛んだ上空。そこに至るはたった一人の『天』であり、その
「まあ、いっか。この世界でも
「おい!奴が動いたぞッ!逃げろッッ!!」
「あ?」
そしてその姿を見た巨人は先程よりも明らかな
だが...
「全くさぁ...
その殺意は...
その願いは...
ギィィィィッッ!?
『天』に届く事は無しッッッ!!!!!
「飛天御剣流...
その場に奔ったのは時間そのものすら置き去りにするかの如き九つの閃光。だが、その場の誰もが何が起きたのか、ましてやそれが
分かるのは...
ジャガァァァァッッッーーーー!?!?!?
「まさか...あの怪物を、あっさりと...」
哀れなり也、不浄なる者よ。
其方その身は滅びても...
その御魂...
必ず『福』へと返り咲かん...
そして九つの閃光と共に巨人は消え、その瞬間を目撃した天使達。そのリーダー格の天使はこれを成した者。即ち、援軍であろう彼に礼を言おうとしたのだが...
「あれ?先程の彼は何処に?」
その姿はいつの間にかその場から消えていた。
それはまるで...
その存在そのものが...
そしてそれから数日後...
場所は変わって天界
第一セフィラ。
トーラット大聖堂。
ある種の始まりの場所にて...
「では、これより君達を...我等が神が収める天界のメンバーとして迎え入れる為の儀式を行います」
集まったのは優に千は超える天使達とその見習いとも呼べる者達。そしてその彼等の目線の先に立ち、儀式などを含むこの集会における全てにおいて司会、進行を務める...
そして...
「はぁ...胃が痛い」
「なん...だと、ルシファー...お前」
「ルシ君が...」
「胃が...」
「痛、い?」
「「え?」」
「どうした先輩ッ死ぬのか!アンタ死ぬのかッ!?」
「嘘...さようならなの」
「いや、皆さんお静かにして下さい...それよりルシファーさん頭はハッキリしてますかッ!治療などは受けなくてもッ!」
「あぁ、大丈夫だよ。今現在進行型でお前ら全員殺す力はまだありそうだからな」
「「「「「「「「「.....」」」」」」」」」
「目を逸らすな、目をッ!」
そこに佇む者達。いや、騒ぎ出した者達。それこそが天界に存在する天使達の中でもずば抜けた能力を持つ大天使長と呼ばれる者達。
上から順にルシファー、ウリエル、ミカエル、ラファエル、ガブリエル、サンダルフォンとメタトロン、カマエル、ラミエル、そして最後にザドギエル。
以上の九名。尤もルシファーに関してはあまりの珍しい発言故に全員から心配されていたが...
「ルシファー...本当に何があったんだ?」
「いや、それが...」
「ルシ君?」
「一体どうしちまったんだよ。アンタにしちゃあ、何かこう...」
「本当にどうなされたので?」
本来彼女達が知るルシファーと呼ばれる天使は胃を痛める事など中々無い(尚、彼女達の偏見と本人の普段の行いありきである)筈だった。
だが、その事情はすぐに彼女本人...
いや、その事情を彼女より事前に知っていたある人物の口から語られた。
「皆さん...」
その時、突如前方から聞こえて来た優しい様な、それでいて少しの怒りを含んだ様な声...
『ッ!?』
彼女達はハッと何かに気づいた様に周囲を見た。そこには先程の話し声などに反応してこちらを見ている他の天使達の姿。
そして...
「少し...お静かにお願い致しますね」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
珍しくその眉間に皺を寄せながら顔に薄く青筋が浮かんでいるケテルの姿だった。
「コホンッ...そう言えばルシファーさんはもう知っていましたね。実はまだ到着していないのですが...今日からもう一人、我々と共に苦楽を共にする同士が増える予定です。そして先程、ルシファーさんが大天使長の皆さんに話そうとしたのが...そのもう一人」
その後、一度落ち着いたケテルは一度咳払いをし先程ルシファーが話そうとしていた内容について話出す。だが、問題なのは...
「えっ!?」
「いや、でもそのもう一人が居るとして何でルシ君が胃を痛めな...痛めるんですか?ケテル様」
ケテルの言葉に皆が困惑し、その中でミカエルがそのもう一人とルシファーの先程の話。それがどう関係しているのかを問い、その後ガブリエルがそれに同意し同じ様に質問をするも...
「そうですよ。何でルシ「姉弟」え...?」
「その方はルシファーさんとは
帰って来たのはあまりに衝撃の
それに対して彼女は...
「.....」
メチャクチャそっぽを向いた。
「つまり...」
つまり...
「ルシファーさんの実の弟君になるそうです」
『えぇぇぇッッッーーーーー!!?』
「は、はあ?ルシ君に弟...」
「嘘ッそんな人が居るんですか!?」
「わっ私、初耳ですよ!うっウリエルさんは!?」
「ラファエル、ダメです!
「わっわた、私はぁとも、友と、おぉぉして?何故...なぁんで...」
「ギャアアアッッッ!?やばいぞ、なんかこう...あいつとは長い付き合いなんだ。他の誰が何と言おうと、あいつが誰かに何を言おうと、私とあいつだけは分かり合える...みたいな事思ってたら突如その友人から思いっきり裏切られた人みたいになってる!」
「「いや内容が具体的過ぎッ!?」」
全天使、阿鼻叫喚の渦に陥る。突然の情報に大天使長達を中心にその他の天使達も一斉に混乱する。だが、それは仕方なかった。何せ今日訪れる新人とも呼べる新しい同士。そんな存在達の中に大天使長の一人の弟が混ざっているとは...そしてそんな混乱の中、それを収めたのは...
「皆さん!静粛にッ!!」
『ッ!!』
「驚くのは分かりますが、一度落ち着いてください。それとルシファーさん...同情する訳ではありませんが、こちら私の胃薬です。お使いなさい」
「.....すま...すみません、有り難く貰います」
「「...はぁ」」
立場上、その場で一番階級が上のケテルだった。彼は騒ぎ出した皆に向けて声を上げその場を何とか収めると、ルシファーの近くに寄り自身の胃薬を差し出した。そして彼女も少し嫌そうな顔をしつつもその薬を受け取り口に含む。
「なんか...ルシさんもケテル様も何かこう...」
「凄く疲れてるというか...」
「なんか、やつれてないか?あの二人」
「ねえ、何か凄い嫌な予感がするんだけど...」
「そうですね...何故でしょうか?急に悪寒が...」
そしてその二人の珍しい姿に皆は先程の騒ぎが嘘の様に静まり返る。更にその中でも大天使長達や普段のルシファーの姿やケテルの姿を知る者達。彼等は再び同じ気持ちになった。
だが、次に抱いたのは驚愕では無く...
謎の悪寒ッ
(おいおい、ルシファーの姐さんとは長い付き合いだが...今回のはやべーな。あの人がこんな顔した時点でまず面倒ごとは確実。つまりッ)
そしていち早く何かを察したある天使がそっとその場から去ろうとしたのだが...
「ギャアアアッッッ!?」
『!?』
「なっ何事だッ!?」
「ウリエルッ!いつの間に元に戻って!?」
「言ってる場合かッ!そもそも何、が...」
突如、大聖堂の入り口付近が破壊されその眼前に立って逃げ出そうとしていた天使が飛んできた無数の斬撃を回避する。そしてそれを見た彼等彼女等は皆があまりの事に動きを止めた。
そして、現れたのは...
背中まで伸ばしたプラチナブロンドのポニーテールの髪に金色の花弁のような紋様が浮かび上がった紫色の瞳。そして三対六枚の純白の翼。そして全体的に黒、所々に赤色の模様が入っている軍服の様な衣装。登場から色々とツッコミたくなる彼こそが...
「は、え...?あえっと」
「はい?何です、あの...変人は」
「まっまさか、アレが...」
「違う...とも言い切れないの...」
「うん。このタイミングで、きちゃったし」
「つまり、アレが...」
「ルシさんの...」
彼女達が思った通り。彼こそが今日ここにやって来た彼等の新しい同士にして同胞。
そして大天使長が一人、ルシファーの弟。
その名も...
「あ、自己紹介遅れました」
「オレの名前は
「「「「「「「「「はあ!?」」」」」」」」」
その者の名はメレエル。
またの名を...
4 最天のロン
異界の怪物、『ロン』の一人にして...
最上位個体と呼ばれる存在の一人。
そう、昔の奴は...
「イェーイ!!姉さーん見てるゥゥ!今日のオレの登場超カッコ良くね!」
「悪夢...いや、悪魔だな。これは...」
「それで、言いたい事があったら聞こうか...」
「お・と・う・さ・ま♪」
「いっいえ、結構、です...クマ」
クマ、戦闘不能!よって勝者最天のロン!
「お前、案外怒ってんな」
「だって過去の話はされたく無いので...」