ポンコツ主と悪魔執事たちの現実   作:青瑠璃

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ルカスに対する勝手なる解釈があります

解釈不一致が苦手な方は閲覧非推奨

ではなんでも大丈夫な方だけ、どうぞ












ラムリが語るルカス様

 

「ってことで、ルカス様はこーんなにいっぱいのワインを飲んじゃったんですよ!」

 

 ある日の昼間。私はデビルズパレスの自室でラムリと雑談で盛り上がっていた。

 

「へぇ〜……ルカスってそんなにお酒に強いんだね」

 

 私はそう受け答えながら、楽しそうに話すラムリを眺める。ラムリを担当執事にした日には、大抵話題にあがるのはルカスのことかカエルのことばかりである。たまに星の話もしてくれるが、どの話題にせよ、ラムリを担当執事にする時は私が元気を貰いたい時でもあった。

 

「それで、主様ってアルコールはお飲みになるんですか?」

 

 とラムリが自然な流れで私に訊いてきた。そういえば、お酒の話は執事たちにはしたことなかったかもな……。

 

「お酒は飲めるには飲めるんだけど、ビールやワインの独特な匂いが苦手でね……すごく甘くしたカクテルとか飲むんだけど」

 

 私は答えながら、酒席ではいつもジュースばかり飲んでいることを思い出す。家族の時は飲んでるけど、カクテルってつい飲み過ぎちゃうんだよなぁ。

 

「へぇ〜、そうなんですね!」

 

 と言いながら、ラムリはノートと羽根ペンを手に取った。

 

「え……っと、そんなことまでメモするの……?」

 

 私が困惑しながらそう聞くと、ラムリは嬉しそうにこう答えるのだ。

 

「主様の好みは忘れないようにしたいですから! だって大切な主様のことですし!」

 

「そう、なのね……」

 

 ラムリが楽しそうに話しているのを見ていると、メモされるのは恥ずかしい、なんて言える訳もなく。

 

「他にも色んなこと書いているんですよ〜」そんな私の心境を知ってか知らずか、ラムリは持っているノートのページをペラペラと捲った。「あ、そうそう! ルカス様が初めて主様の担当執事になった前の日のことも、メモに残しているんですよ!」

 

「ルカスの……?」

 

 そのノートには私とルカスの話がどちらも書いているのだろうか、と中身が気になったが、さすがにプライベートなことまでは……と遠慮しようとした。

 

「私……」

 

「ルカス様、主様の担当執事になる前日は、ずっとソワソワしていたんですよ〜」しかしラムリは、楽しげに話し続けた。「部屋の中を無意味にウロウロしたり、薬の置き場所を間違えたり……あ、薬の置き場所はボクが直したんですけどね!」

 

 いつも何事にも余裕そうに構えているルカスに、そんな一面があったのかと私は内心驚いた。それと同時に、ルカスがどうしてそんなにもソワソワしていたのか、と気になってくる。

 

「担当執事をしてくれた日はいつもみたいに穏やかそうだったのに……ルカスにも落ち着かないことがあるんだね」

 

「そうみたいです! 特に初日なんか、ボクに相談してきたんですよ!」とラムリは言う。「主様ってどういうものが好みなのかな〜? とか、髪の毛は大丈夫そうかな? とか!」

 

「へ〜……」

 

 私はラムリの話を聞きながら、ソワソワしているルカスを想像してみる。だけど真っ先に思い浮かぶのは大人な余裕があるルカスの表情ばかりで、全然想像がつかなかった。

 

「もし良かったら、ルカス様に大丈夫だよって伝えた方がいいかもしれません! ああ見えて内心ドキドキしてるんですよ、きっと!」

 

「ドキドキかぁ……むしろ私がドキドキさせられっぱなしなんだけど……」

 

 と考え込む私の目の前で、ラムリがふと真剣そうな眼差しになる。ラムリはただの無邪気で子どもっぽいだけではない。時々そういう目をするから、私も不意を突かれて緊張してしまうのだ。

 

「主様がお望みなら、ボクがドキドキさせますよ?」

 

「え……」

 

 今の会話でラムリの何に火を点けてしまったのか、普段とは違う表情に私はたじたじになってしまう。

 

「なーんて! ビックリしました? 主様!」

 

 しかしすぐにはいつものあどけないラムリの顔に戻り、イタズラっぽく笑って私に言うのだ。ちょっとドキドキしてしまった私は、一気に肩から力が抜ける思いがした。

 

「ビックリしたよ……」

 

「ふふーん、主様をドキドキさせることならいつでもやりますからね!」

 

「ハハ……程々にしてね?」

 

 毎日ドキドキしていたら心臓が持たないから、とまでは言わなくても、ラムリも成人男性だしその辺りの加減はよく分かっているだろう。

 

「はーい」

 

 ラムリはにこやかに笑いながら返事をした。私は彼の笑顔を眺めながら、今日も平和だなぁと幸せなひとときを感じた。

 

 おしまい

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