「は~~食った食った~」
「んじゃ風呂に行こ~ぜ~」
夕食を終えて連れ立って歩く男子生徒の中に、
彼を食堂まで担いでいった
「お前のことだし、のぞきしようとか言わねーだろうな」
「言わないって! オレもいつまでもガキじゃねーし。それに男子と女子の入浴時間は違うんだし」
胡散臭い笑みで答える
一方その頃。
「あれ? クロード、こんなとこで何してるの?」
「ぎくっ!?」
ベタな声を上げる
「これはこれはお嬢こんなtころで偶然ですねsういえば林間学校dしたkまさかコチラの旅館nお泊りとはおやもうknな時間だ私は仕事があるのでこれで失礼します!」
「え、ちょ」
彼はそう一気にまくしたてると、凄まじい勢いで走り去った。
呆気にとられる彼女は知らない。この瞬間1つの、大きな悪事を食い止めたことを。
「おーい、
「あ、はーい!」
まあ彼女を迎えに来た
「
「え! 温泉!? 私一度入ってみたかったのよ~!! わー、楽しみ!!」
10年前にみんなで入ったのは温泉じゃないのかというツッコミは置いといて。
温泉と聞いてテンションを上げて浴場に向かう人間がいる一方、いざ温泉を目の前にすると尻込みする人間も居る。
「わ、私、大勢でお風呂なんて初めてで……」
「
緊張と恥ずかしさで今にも目を回しそうである。
必死にタオルで体を隠すも、
「ううぅ」
「大丈夫大丈夫」
浴用タオルの頼りなさに、せめてもの抵抗で
精神的にはともかく、物理的には彼女よりも小さいので一苦労である。
ふと見れば、同じように
「宮本様?」
「メガネが無いと、ちょっと視界がね」
別に、それを口実にしているわけじゃない、とは本人の弁。
「わー、思ったより広いね~!」
「露天風呂ー!」
そこに
「みんなで並んで洗うって、何だか面白いわね」
「一般家庭では見られない光景だからね」
ふと一条家には大浴場があったようなと思い出した
ちなみに彼のマンションの風呂も大きいが、この人数が一度に使えるほどの洗い場は無い。
「マイちゃんマイちゃん、昇天ペガサスMIX盛り」
「るりちゃんの髪で遊ぶんじゃありません」
髪の長さの差によるものか、一足先に洗い終えて手持ち無沙汰になった
そんな彼女は変なところで手先の器用さを発揮し、シャンプーの泡でるりの髪を飾り立てていた。
「こ、
何が
そんな彼女のリクエストに応え、
楽しそうな2人を見やりつつ、
「
「……なんとか」
あまり視線の通らない洗い場に来たから良かったのか、それとも無心で体を洗っていたのが良かったのか、どうやら落ち着きを取り戻したようだ。
「それだけ立派なモノ持ってんだから、何も恥ずかしくはないでしょうに」
「そ、そうは言われましても、恥ずかしいものは恥ずかしいですし……」
昇天ペガサスMIXるりは
そのせいでより子供らしさが強調されている感があるが、本人には内緒である。
「
「うぅ」
カワイイと言われただけで真っ赤になる
そうやってじゃれ合っていると、後光二重螺千棘が完成したようだ。
「どう? カワイイでしょ!」
「カワイイかどうかはともかく、強そうだね」
「頭のドリルは外してもらう。私の趣味ではない」
るりはお気に召さなかったようだ。
「それだと宮本様がドリルで貫かれるフラグに……」
「るりちゃんはいつもマイちゃんにドリルクラッシャーされてるから大丈夫だよ」
「……?」
「
頭の上に大きな疑問符を浮かべているので、ドリルと合わせてお湯で洗い流す。
これで全員の準備が整った。
「さて、そろそろ温泉を堪能しに行きましょうか!」
「………………」
「あー、うん。分かったから
湯舟の中では浴用タオルすら使えないため、もはや頼りは
彼女の受難はまだ始まったばかりであった。
◆
「…………ねえマイちゃん、アレって」
洗い場から湯舟に移った
この露天風呂、旅館の部屋から見下ろせる位置にある、と。
顔を青くした彼女は
「うん。だから周囲の光の屈折率を
それについては抜かりない。
独占欲の強い彼が、周囲の有象無象に彼女たちの肌をさらすわけがないのだ。
ちなみに『学校行事で利用する者がいる場合』に発動するようにしてある。
このカードの効果は永続であり、そのため
ついでに気が散るので中からも旅館が見えないよう機能を追加してターンエンドする。
「マイちゃん様、日本の露天風呂とはこういうものなのですか?」
「まあ無きにしも非ず、ってところだけど。少なくとも教育の一環で利用する施設としては非常識だね」
元が連れ込み宿の場合、意図してこのような配置をしていることもある。旅館が建てられた当時はこれが一般的だったという場合もあるので、今の常識を当てはめて非難するのもそれはそれで間違いのような気がする。
とはいえ時代に合わせてある程度は変えて欲しいところではあるのだが。