林間学校2日目の夜には毎年恒例の肝試しが行われる。
クジで決められた男女のペアが
「じゃあ先生たちはここで一杯やってるんで、生徒の自主性を重んじて? 後はテキトーに上手くやってくれ」
と言って既に出来上がっている教師の合図で始まる。
「スゲーな、このクジ……」
「…………」
昨日のことをまだ整理できておらず、なんとなく気まずくて
都合良くというか悪くというか、運命に導かれるように2人はペアを組むことになった。
少し赤い顔でうつむいている彼女にドキドキしつつ、それはそれとして小野寺はどうなったと辺りを見回す
「宮本と、つぐみ……?」
「そっとしておいてあげて」
数人ほどオバケ役の方にまわっている都合で、男子の人数が不足しているらしい。そのため
落ち込んでいる彼女には悪いが、確かに適役だろう。
強く生きてほしい、そう思いつつ小野寺探しを続行する。
「……小野寺は岬とか」
「あ、一条君は
ようやく見つけたと思ったら、いつもの組み合わせだった。
変な男と組んでいたらと不安だったが、どうやら大丈夫だったようだと安心する。
「……にしても、都合よすぎないか?」
「くじって、いくらでも不正できるからね」
まあ別に、そこまであくどいことはしていない。それに引いた後にクジを交換するくらいのことは、
「怖がりの
「マイちゃん!」
「マイちゃん様!」
飛びついてきた2人を抱きとめた
悲鳴をあげてへたり込み、泣いてしまう姿が容易に想像できたので、それを独占するために手を回したのだ。
「マイちゃん、私は?」
「るりちゃんは強い子だからなぁ」
「キャーコワイワー」
「はいはい、るりちゃんもおいで」
じゃれ合う4人に和んでいた
「もしかしてお前……まさか」
「……苦手なだけよ」
小さな頃のトラウマで、暗くて狭いところが怖くなった。
「ほら」
「え?」
少し震えている彼女の手を握った。
「こうしてれば少しはマシだろ」
それに、参加者は手をつなぐって決まりがあるしな。
照れ隠しにそう言ってはいるが、顔の赤さは隠しようがない。
「……うん」
「あの2人、どう見ても本物よね?」
「強力なライバルでも出ない限り、このまま順調に結婚まで行きそうだね」
右腕に
彼ら4人は
「
「お嬢、カワイイです」
強力なライバルになり得るポテンシャルを秘めた
まあ彼女たちが居なくとも、まだ『
つまりライバルは少なくとも2人は居るのだから、まだまだ波乱は起こるのだろう。
がんばれ、一条
負けるな、一条
戦いの終わる、その日まで!
◆
さて林間学校が無事に終わり、数日ほどが過ぎたころ。
「林間学校の写真が焼き上がって掲示板に張り出されてるから、各自欲しい写真の番号を書いて提出する事」
朝の
連載時期を考慮しても、このやり方はちょっと古いような……
「わ~~! これ好きなの買っていいの?」
「……そーだけど、あんまり買いすぎんなよ?」
そうは言った
アレも欲しい、コレも欲しいと大はしゃぎの
「じゃあ、私たちも行こっか」
学年全体だと200人を超えるため、知り合いが写っているかを探すだけでも一苦労だ。写っていたとしても見切れていたり、後ろ姿だったりと。
まあそういう変な写り方をしていたほうが、見つけたときに楽しかったりするが。
「他には……ん?」
「…………」
あれだけテンションの高かった
何か変なものでも見つけたかと、その視線の先を見てみる。
「……おぉぅ」
それは肝試しのときの2人の写真だった。
顔を赤く染めて、手を握っている。
ある程度は分かっていたつもりだったが、客観的な視点からの自分たちというのはインパクトが大きかった。
2人はこの後、周囲から大量の微笑ましさたっぷりの視線を浴び、
購入リストにはこの写真をしっかりと含めるのであった。
おまけ。
「あれ?
彼とは幼稚園からの付き合いがある
「オレの…… オレの写真が…… バックアップまで……」
うわ言のように
コイツの写真がまともなはずがない、そういう信頼がある。
一部の男子が周囲で心底無念そうな表情を浮かべているのが、それを後押しする。
バックアップまでどうのというのなら、カメラが壊れて撮れていなかったとかではなく、その場その場で撮れていることは確認できていたのに、何かの拍子にすべて消えたとでもいうのであろうか。
まさか───────
そう思って振り向いた
そして
──────────────うん、まあ、平和なのは良いことだ。
現実からの逃避を試みる
>まだ『
『1人の人間に2つの
『この途方もない例外の意味を推し量れるか!?』
『与えざるを得なかったのだよ。その圧倒的な偉才を前に!!』
『マリー・ザ・