・後輩組登場
・妹が出て以降、
「妹と仲良くなって欲しいからといわれたので仕方なく」
「お姉ちゃんのために、でも今回で最後だから私が」
を何度も繰り返したあげく、
いろいろと勿体ない使い方をされたキャラ。
・「超絶美人でスタイル良くて人当りも良さそう」な見た目だと称される
キャラに言わせるのではなく、読者にそう思わせて欲しいものである。
・あとアニメ化決定の見開きページ、なんで
無自覚の悪意なのか、気付かれないと思ってやってるのか……
08-01
季節は移り替わり、春になっていた。
今日も朝から日差しが暖かく、
「……ああ、そういや今日は入学式か」
真新しい制服に身を包んだ、ソワソワと落ち着かない生徒がちらほら見つかる。一年前は自分もそうだったなと少し懐かしむ。
今度こそ
これから3年間、また小野寺たちと一緒の学校だと思うと嬉しかったり。
「……ん? なんだ?」
前方に何やら揉めている集団がいる。
人数は4人。いずれも小柄で、
「って、小野寺? それに岬と宮本も」
よく見れば
「あ、一条君、おはよー」
「お、おぅ……」
彼に気付いた
ただその声色はいつも通りだったので、余計に状況が分からず混乱してしまう。
「一、条……?」
「……もしかして、
「あ、ああ、そうだが……」
急に自分の名前が出てきて驚いてしまう。
「ヤクザ集英組の組長の息子で」
「超絶美人の彼女がいるにも関わらず、多数のキレイな女の子を従えて」
「
「あの、一条
目を見開いて驚愕の表情でとんでもない内容の叫びをあげた少女。
「待て待て待て!! なんだその
初対面でいきなり悪しざまに言われ、彼は少し涙目である。
少女の方はというと、そんなウワサを持つ
それでも
「こらっ。
「だ、だってお姉ちゃんっ」
「ん? さっきからお姉ちゃんって……」
「そう、あの子は小野寺
近くに寄ってきた
改めて見てみれば黒髪にサイドポニーという違いはあれど、顔立ちはよく似ている。
「そういえば前、妹がいるっていってたな」
「見て分かると思うけど、今年から
◆
「にしても一般人からの一条のイメージって、そんなに外れて無かったね」
「ウワサの3分の2は合ってたわね」
「おい2人とも、あんなのは事実無根のただのウワサだ」
るりも合流して2人で笑っているが、当事者にとっては大問題だ。
「確かに親の権力で、ってのは間違ってるよね」
「おう」
ただし
「ヤクザ集英組の組長の息子、ってのは合ってるよね」
「……おう」
これは確かに仕方がない。生まれについてはどうしようもない。
「超絶美人の彼女がいるにも関わらず多数のキレイな女の子を従えてる、ってのも合ってるよね」
「ほら3分の2じゃない」
「待て、それはおかしい」
オレはそんな軟派な男じゃない!
彼はそう否定する。
「でもさ、美人の彼女はいるよね?」
「お、おう、それはまあ……」
が、ここに居る2人は
「普段自分の周りに居る『キレイな女の子』を数えてみたら?」
そう言われて
ここに居るだけで小野寺、岬、宮本。
あとはつぐみと橘……
「片手じゃ足りなかったね」
「
「い、いや、やっぱり
それでも
改めて考えてみると、自分の周りには女の子が多いことに気が付く。しかしウワサについては受け入れがたく……
「もしかして、本当はその中の何人かはキレイじゃない、ってこと?」
今しがたキレイな女の子としてカウントした人間の急接近に、彼の鼓動が跳ね上がる。
「い、いやそんなことはないぞ! みんな間違いなく美人だ!」
「チョロいわね。従えてる、のほうから意識を逸らされてることに気付いてないわ」
るりの
ちなみにこの男、るりがメガネを外して髪をおろした姿を目撃して以来、彼女も美人枠に入れている。それまではカワイイ女の子枠であった。
「ま、まあ、オレの方はそれでいいとして、岬たちは何をやってたんだ? 揉めてたように見えたけど」
実に強引な話題転換である。
「ああ、あれ? 実は俺、
「え? 彼女に何かしたのか?」
自分はウワサのせいで警戒されたようだが、と気になってしまう。
「まあ1つは、彼女はお姉ちゃん大好きっ子でね」
「それは、何となく分かるけど……」
「だからお姉ちゃんを取っちゃヤダ、的な」
「なるほどな……」
良くある話である。ただ、高校生にもなって、というのは……
「ああ、そこは
「元々思い込みが激しい子だったけど、閉じた環境でそれが強化された上に、離れて暮らしてたからさらにってとこね」
「へー……」
なんだかんだと頻繁に顔を合わせていたとはいえ、寮生活は淋しかったらしい。
高校は共学なので、なんとか落ち着いて欲しいところである。
「もう1つは、彼女の母親に嫌われてるせいだね。親の嫌いなものって、子供も嫌いにならなくっちゃって思い込むヤツ」
「親が子供に与える影響って、本人が思ってるより大きいのよね」
「いや、いったい何したんだよ、お前は……」
ちょっとファーストコンタクトに失敗しただけである。
あれは中学1年のころ。
ちょうど虫の居所が悪かったというのもあるのだろうが……
『中学生が
『確かに、中学生に用事は無いようですね。こんな年寄り向けの和菓子よりは、飴玉の方がマシだ』
第一声がこんな感じだったのである。
「それは確かに……いやでも、大人として……」
「てっきりそんな感じのやり取りが好きな人かと思って、ノリを合わせてみたんだけど」
「ただの
和菓子屋に若い娘が嫁いだという事で、近所の老人たちからチヤホヤされたのが原因だろうか。
接客業として致命的な態度のまま、
「おかげで、直後に出禁になってね」
「塩を
「なんというか、うん……」
近場にあった塩は和菓子用のお高い物だったため、幸いにも
ちなみに他人事としてのん気に構えている
よりにもよって和菓子屋『おのでら』の目の前にケーキ屋を出店するという、小野寺母からしてみれば正面から喧嘩を売るに等しい行為によって敵と認定されてしまったのだ。
開店直後のヘルプとして参加していた彼が、何とかして和菓子屋に客を戻そうとして何故か新作ケーキを連発し、より一層お客を集めて小野寺母の機嫌を悪化させ。
さらに客層を無視した小野寺母による起死回生の一手、娘の着る店の制服の布地面積を減らして客引きをさせるという作戦を察知した
そんな負のオーラをまとった彼女のところに和菓子を買いに行く
「お前は、我々に宣戦布告をしたのだぞ!」
「お互いに国境を封鎖しているせいで、緊張が高まっているのだ」
「未開人の宗教を崇めるとは、なんとも不愉快だな」
「お前は、我々の都市を滅ぼしたのだぞ!」
とまあいろいろと積み重なって。
「ちなみにマイちゃんの印象が強すぎたせいか、一緒にいた私は別に何ともないのよね」
「だから基本、るりちゃんとその友達と遊んでる、って建前で通してるんだよ」
さすがに気付かれてはいるのだが、名前や姿が直接出てこない限り何も言ってこないというのが現状である。
「まあこちらとしても顔を合わせたら、別の文句が出そうだから丁度いいんだけど」
「え? 他にも何かあるの?」
「昔の事で、ちょっと」
20年近く前の、いや正確には20年間の、といったところか。
そんな話をしているとお説教も終わったのか、
「ごめんね、一条君。妹がひどいこと言っちゃって」
「ごめんなさい……」
「い、いや、オレは全然気にしてないからっ!」
そして改めてお互いに自己紹介を行い、今回の件は終わりとなった。
「で、でも!!」
「お?」
その迫力は両腕を振り上げたレッサーパンダにも匹敵するほどに
「お姉ちゃんは岬先輩には渡しませんから!」
話は
しかし今回は、
「ごめんね、
「え?」
「私はもう、身も心もマイちゃんのモノだから」
「そういうことだ、
「お、お姉ぇちゃん?!」
「岬先輩もヒドいです! 私とは遊びだったんですか!?」
昨日はあんなに愛してくれたのに、と必死である。
何だかもうよく分からない状況になってしまった。
「ああやって事あるごとに
「いやそれが一番デカいような気がするが」
るりが語った嫌われているという話が、実際は4年近く前の状態のことだったりもするし。
そもそも
これからは同じ学校に通えるという嬉しさもあって、ちょっとテンションがおかしいだけなのだ。