「どうしたの? さっきから騒々しいけど……」
「ん?
そんな声とともに
どうやら登校中に
「この子はね、つぐみの妹なの!」
「お嬢、妹じゃなくて妹分ですが……」
彼女はこの少女を迎えに行くために、今朝は
「……ポーラ・マッコイ、です」
少女は目線をあわさずにそう告げると、すぐに
「私の昔の仕事仲間でして。見ての通り人見知りが激しい子ですが、よろしくお願いいたします」
「おう、こちらこそ……って、つぐみの仕事仲間……?」
確か
「!! ええ、そうよ。これでも裏ではそこそこ名の知れた腕利きなの。ビーハイブの“
「おい、いきなり
「自分の事になると、ってのはよくあることよ」
「これでも昔に比べれば、だいぶ人付き合いができるようになったというか……」
「え、そうなの? それってつぐみがアメリカに居た頃の話?」
「って、ちょっと! 私の話を聞いてよっ!」
誰も自分に注目していないことに気付いて涙目になるポーラに、
「マイちゃん様には
「おいつぐみ、なんか子育ての話っぽくなってるぞ」
「好き嫌いはともかく、食材単位で食べないなんて決めてかかってると食事の幅が狭まるし、そうすると活動の幅も狭まるからね」
自分の話題になったからか、
その腕にぐったりとした
「偏食が過ぎて出先で食べるものが無いからって、外出することも、団体行動することも無くなる。
そんな状態になると人生の損だからね」
大人になって何だかんだと親に感謝することの1つとして、無理やりにでも嫌いな食べ物を克服させられたことを上げる人も少なくはない。
やり方を間違えると、ただのトラウマになってしまうが。
「ポーラちゃん、元気だった?」
「……うん」
腕に抱いていた
気恥ずかしさのあまり、
なまじ実力があったが故に高慢なお子様に育ちつつあった彼女だが、
ちょっとしたお節介で食生活の改善を考えた
そのときに短い期間だったが
もともと努力家で根が素直な少女だっただけに、
「セーラー服姿もカワイイね」
「…………」
真っ赤になって
思わず追撃したくなる
「……………つぐみといい、このポーラって子といい、
「ある意味、極一部の特殊な人たちにヒットしてるから大丈夫よ」
今回は何となくセットになっている
もしかしたら教育係の中に、左手にサイコガンを持つプロデューサーでも居るのかもしれない。
「ちなみにどうやって野菜嫌いを治したんだ? お残しは許しまへんで~とかか?」
「マイちゃん様はそんなことしませんよ。1週間ほど、野菜をメインにした料理だけを用意したんです」
「野菜嫌いには拷問では?」
訓練の後で空腹のところに、美味しそうな香りの料理が並ぶ。
ただしすべて自分の嫌いな野菜が入っているのだから、ある種の拷問ではあっただろう。
しかし周りの人が皆、
「こう言うと誤解が生まれそうですが、アメリカって
逆に素材に
「ただそのせいか、ちょっと食いしん坊キャラになってしまいまして……」
「あー、よくある話だな」
何でもよく食べる子はカワイイので問題ない。
「
ようやくポーラも落ち着いてきたので、
「よろしくね、ポーラさん!」
「……ん」
彼女も姉と同じで、こういう時に物怖じしない性格である。
「ポーラにお友達が……!」
「よかったなぁ、母さん」
「だから子育て感を出すんじゃない」
思わず涙ぐむ
そんな2人に思わずツッコミを入れてしまう
「ところで2人とも、時間は大丈夫?」
るりが腕時計を示しながら、1年生組に尋ねる。今日は入学式のため、在校生とはスケジュールが異なるのだ。
ちなみに
「えっ、あ、もうこんな時間?! 早く行かないと、ほらポーラさんも!!」
「ちょっ、私も?!」
お先に失礼します-! と走り去っていく
その姿を見て、やはり多少強引な
「……でもポーラの性格だと、この後クラスが別だったら泣いちゃったりしませんかね?」
「大丈夫、クラス割は既に入手済みで、同じクラスなのは確認してあるから」
事前に
クラス割もその中の1つで、仮に別のクラスだった場合はあれやこれやで変更するつもりだったのだが。
「もしかして、今年もオレたち全員同じクラスだったのって、お前が何かしたんじゃないだろうな?」
「いやいや、単に学校側が問題児をまとめた結果だから、安心して?」
素行不良というわけではないが、いろいろと騒がしい人間はひとまとめにしておいたほうが監視しやすいのだ。
「で、でも、私はみんなと一緒で嬉しかったよ!」
「そ、そーだよね、一緒のほうが楽しいもんね!」
しかしそんな学校側の思惑があったとしても、
また1年、仲の良い友人たちと同じ時間を過ごせるのだから。
「
「お嬢もそうでしたね。クラス替えがあると聞いて以来、ずっと不安そうでしたし」
「るりちゃん!!」
「つぐみー!!」
気付かれていないと思って安心していただけに、
2人とも羞恥で顔が真っ赤である。
ちなみにこちらも同じく変更する準備はしており何の問題も無かったのだが、不安気に袖を握ってくる
さらにちなみに
「同じクラスと言えばもう1人……」
「どうしたの?」
「いや、こういうときって橘が突っ込んでくるから……」
「……一条。こんなに居て、まだ足りないの?」
「さすが一条君ね、恐れ入るわ」
「一条様なら追加で後輩組も行けますよ」
「いや違ぇーよ! さらに収集付かなくなることが多いから、警戒してんだよ!」
濡れ衣である。たぶん。本人的には。
「
「
「基本的に一条にしか絡まないから、活躍させにくいんだよね」
「芸の幅を広げないと、レギュラー落ちしそうね」
「最近は『
「お前らは何の話をしてんだよ……」
まだ彼女の最大の見せ場は残っている、はず。
今後に期待である。