本当にせこい   作:七九六十

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原作:第131話サクセン~第145話タイイク まで

・129話と130話? なんのことやら……
・またもや小咲(こさき)ちゃんが不憫な文化祭編。
・文化祭なんかで見られる(フウ)ちゃんの『好きな人()を晒し者にする』というスタンスが舞斗(まいと)たちのそれと相性が悪く、どうしても彼女を活躍させることができない。
・話の都合というのは分かるが、小野寺姉妹ってミスコンで優勝するような感じではないと思う。
 むしろここに限って言えば、ポーラの方がミスコン受けしそうな……
美棘(みとげ)ってなんぞ?と思ってWikipediaを見たら、
 「稲荷(おたま)が生み出した千棘の分身。選択肢次第では、()()()()()()()()結末になる」
 ……なんでこうも後味の悪い方向に行ってしまうのか。
 世にも奇妙な物語のトラウマ(おばあちゃん)を思い出させないでほしい。




11 - ソックリ
11-01 文化祭 導入


 

 

 

 2学期の最初のイベントといえば、文化祭である。

 

「やっぱり本番は緊張するね~!」

「まぁ、気楽に楽しもーよ」

 

 もちろんそれは1年生の(はる)(すず)にも当てはまる。彼女たちのクラスはお化け屋敷をやるようで、2人はそれに合わせた衣装を着ている。

 (はる)は魔法使いで、黒いとんがり帽子にケープを羽織っている。

 (すず)はヴァンパイアで、(すそ)がボロボロで(えり)の立った黒いロングコート姿である。

 

「……ねえ、これってお化け屋敷の魔女じゃなくて、魔女っ子のような……」

「かわいいよ?」

 

 (はる)は自分の姿に疑問のようだが、(すず)はお構いなしだ。

 まあ彼女たちは脅かし役ではなく客寄せなので可愛いのは問題ないだろう。

 

 というわけで開店準備も整ったので、彼女たちの仕事が始まる。

 

「よし、お姉ちゃんのところにレッツゴー!」

「やっぱり(はる)ならそうなるよね」

 

 あくまで営業の一環である。

 それに姉の出し物も気になる。当日のお楽しみということで、2年生組も1年生組も自分たちの出し物について秘密にしていたのだ。

 

 ワクワクしながら姉のクラスにやってきた彼女を出迎えたのは……

 

「……コスプレ喫茶?」

 

 教室の前にある看板にはそう描かれていた。

 

「あれ? (はる)ちゃん?」

「あ、桐崎先輩!?」

 

 入り口で立ち止まっていたからか、中から人が出てきた。それは彼女のよく知る人物、桐崎千棘(ちとげ)であった。

 そしてその恰好は特徴的なエプロンドレス……

 

「もしかして不思議の国のアリスですか?!」

「そーだよー! (はる)ちゃんもカワイイ服ね!」

 

 キャーキャーとお互いの格好について盛り上がっていると、再び教室から人影が現れる。

 

「おい千棘(ちとげ)、何を騒いで……って、(はる)ちゃんか」

「一条先輩……!!」

 

 (らく)の姿を見た(はる)は目を輝かせる。

 彼は小袖に袴姿で、腰には大小の刀を差している。

 

「いいですね! 和服! 武士! カッコいいです!!!」

「お、おお。ありがと……」

 

 そういえば(はる)ちゃんは和風のものが好きだったんだっけ、と思い出しつつも、あまりの勢いにちょっと押され気味である。

 小さな子が相手とはいえ、カッコいいと言われて悪い気はしない(らく)であった。

 

「オレたちのクラスは見ての通りコスプレして接客する喫茶店でな。衣装はクジで決めてんだよ」

「へー、じゃあみんな衣装はバラバラなんですか?」

 

 そんな彼女の疑問に答えるため、(らく)はいつものメンバーを教室から順番に連れてくることにした。

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

「まずはつぐみだな」

「おー、忍者! カッコいいです!」

 

 最初は紺色の忍び装束に頭巾を装備した(つぐみ)だ。

 まさに忍者である。和風大好きな(はる)も大満足である。何故か背中に大きな箱を背負っているのが気になるが。

 

「でも、くノ一じゃないんですか?」

「あー、うん。ちょっとな」

「アレはちょっと恥ずかしすぎます……」

 

 クジで当たったのは如何にもコスプレ、といった感じのミニスカくノ一衣装だったのだが、(つぐみ)が着ると色々な意味でシャレにならないため、舞斗(まいと)小咲(こさき)が仕立て直したという経緯があったりする。

 そのときの(つぐみ)のリクエストにより、オーソドックスな忍び装束に十字手裏剣のワンポイントが入った手甲や額当てという今のスタイルに落ち着いたのだ。

 

「えー、かわいかったのにー」

 

 千棘(ちとげ)は残念がっているが、肌の露出がほぼ無くなった今の衣装じゃないと、(つぐみ)は接客どころか人前に出られるかも怪しいところである。

 

 

 

 

「で、次は宮本だな」

「えーと……ひげ?」

 

 るりの姿をみた(はる)は困惑する。

 

 両サイドから角の生えた兜に、肩当ての特徴的な西洋風の鎧。そして片手用のピックハンマー。

 しかしそれよりも目立つのが、サンタクロースのような白いひげである。

 

「ファンタジー物でよくあるドワーフね」

「ああ、言われてみれば」

 

 しかし何か物足りない。

 具体的な言葉にできないのがもどかしいくらいに、何か物足りない。

 

「女子に言うもんじゃないが、やっぱドワーフってずんぐりとした体型があってこそだよな」

「酒樽みたいな体型、ってやつですね」

「ああ! そうです、丸くないんです!」

 

 るりは小柄だが痩せているため、ドワーフとしての特徴をうまく出せなかったのだ。

 (らく)(つぐみ)の会話によってそれに気が付くことができ、すっきりである。

 

「詰め物とかで体型を変えてみたんだけどね、なんかしっくりこなくて」

 

 お腹周りにクッションを仕込んで丸さを出してみたが、手足までは太くできなかったためアンバランスになってしまった。

 それで諦めて今の形に落ち着いたのだ。

 

 

 

 

「で、次は(はる)ちゃんお待ちかねの……」

「お姉ちゃん!?」

「あ、(はる)も魔法使いなんだね」

 

 そして次に出てきたのは姉の小咲(こさき)である。

 しかも彼女と同じく、黒いとんがり帽子をかぶった魔法使いの格好である。

 といっても(こさき)はファンタジー系のローブ姿、(はる)はアニメ系のワンピース姿であるが。

 

「えっ?! お姉ちゃん、知って??! クジ?! アレ??!」

「クジを引こうとしたときにね、マイちゃんが『その2つ右のやつが良いよ』って教えてくれてね」

 

 お揃いだねー、と(はる)を抱きしめる(こさき)。ニコニコと実に上機嫌である。

 

 一方の(はる)はというと、大好きな(こさき)とお揃いの格好で嬉しいやら恥ずかしいやら、お姉ちゃんカワイイやらで少しパニック気味である。

 

 そしてそれとは関係ない一条(らく)はというと、『(はる)ちゃん落ち着け』と『岬は何でクジの中身が分かるんだ』と『小野寺カワイイ』が(くち)の中で渋滞し、声が出せないでいるのだった。

 

 

 

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