・146話から149話? なんのことやら……
・修学旅行。
しかも例によって班ごとの部屋割りってことは、男女同じ部屋の可能性があるし。
・
なんだかんだと仲良くやってたんだなというのが分かる、良いエピソードだった。
12-01 修学旅行 班決め
高校生活で最大のイベントは?
そう問われた場合、誰もがこう答えるだろう。
『もちろん、大学受験に決まっている』
学生の本分は勉強である。
「ついに来たわ、修・学・旅行!!」
高校で学んだことの集大成を今ここに、と言わんばかりのイベントなのだから、皆が納得するところである。
この日のために一切の誘惑にも負けず、勉学に
「高校生活の中でもトップオブトップの大イベント~!!」
まあそれはともかく、見開きの扉絵にはいろいろとツッコミたい。
るりだけなんでリュック背負ってるの、そのせいで普段よりも幼く見えてカワイイけど、とか。
「私、生きてて良かった~!!」
そんなお話である。
◆
「行先は京都! 3泊4日で体験学習等を交え、集団行動を学びます」
現在
そんな一部の中には、るりも含まれる。
「宮本はどうしたんだ?」
「厄介なのから逃げてきただけよ」
彼女が逃げるような事態というと
「……また
このメンバーは廊下側後方の座席に固まっているのだが、るりはその中でも中央寄りの端に座っている。
で、その斜め前に
ちなみに現在彼は男子生徒のグループに捕まっているので、こちらには来れていない。
「今回は何やったんだ?」
「……見てる方が恥ずかしかったけど、『ねぇねぇ、同じ班になったらどうする? どうする?』って」
「ああ……それはウザい」
いつもの
「せめて『同じ班になろう』くらい言えんのかと」
「
「いや、いくらオレだって、今回くらいは言うぞ? 一生に一度の修学旅行だ。みんなと一緒に行きてーよ」
まあ
「楽しみだね、婚前旅行」
「だから
今は修学旅行である。
「にしても京都かぁ。海外とか沖縄とか行ってみたかったよな」
「海外? ……つまり一条は、
「
力強い否定である。
「あれ?
「確か母親の方は世界中を飛び回ってるとか言ってたわね」
「あ、それについてですが、現在
なんでも日本での仕事が予定より早く片付いたらしく、一度アメリカに戻ったらしい。
現在はクロードが代理で
「……
自分に関する話題のわりには静かだなと、
なにやら暗い影を背負った
「………………
「お、おう」
家族の話題だから、何か地雷を踏んだのかと少し焦る。
「……………………もうあんな食事には、耐えられない!!!」
わっと涙を流して
「私は、私は
「いや、どーゆー流れなんだよ……」
家族の話題だから、何か地雷を踏んだんじゃなかったのかと少し呆れる。
そして食事の話題だからか、るりが喰いついた。
「アメリカの食事って、そんなに?」
「……砂糖と油をたっぷりと摂れますから、大きな満足感が得られますよ?」
実に魅力的だが、今の流れで出てこられると困る。
「宮本様は海外留学に行きたいとか」
「ごめんなさい、今はちょっと考え直したいわ」
実に魅力的だが、今の流れで出てこられると本当に困る。
将来は英語文学の翻訳家になりたいと思う少女にとっても、食事は切実な問題なのだ。
ちなみに。日本での
「
順調に脱線していく彼らを救ったのは、ご存じ自爆少女
果たして今回はどのような自爆を見せてくれるのだろうか。
「……背中に抱き着いているというのに、一条様は何の反応も見せませんね」
「悲しいくらいに脈が無いわね」
この中では身長が2番目に低いというのに、とある部分のサイズは上から2番目であるくらいにスタイルも良い。
そんな彼女が背中に抱き着いているというのに、
「では、宮本様はどうでしょうかね」
「えっ?」
るりの背後に回り、
「これは脈ありと見てもよろしいでしょうか」
「…………分かってるくせに」
背後から覗き込む顔から逃げるように視線をそらし、小さな声でつぶやく。
防御力がゼロなだけで、攻撃して墜とせるだけのスペックは十分に有している。
そして余談だが、るりにも防御力はあるのだ。
しかしその弱々しい防御がむしろ攻撃を誘っているのではという疑惑もあるのだが。
「…………ほぁあ~」
珍しいものを見たとばかりに目を丸くしているのは
そんな隙を捕食者が見逃すはずが無い。
「ふふっ、じゃあ
「えっ?」
そっと顔に添えられた指先が、視線を誘導する。
可愛らしく、それでいて蠱惑的に微笑む
そして、
「わたしのこと、すき?」
「大好きです!!」
迷いなど一切ない、心からの叫びであった。
今なら壺でも絵画でも連帯保証人でも、なんでも来いである。
愛の前には些細なことなのだ。
しかし一方で、恋人を奪われそうになっている一条
「まったく、授業中だというのにケシカラン」
「一条、鼻の下が伸びてるよ」
「
そう、こんなやり取りをしているが、今は授業中である。その証拠に隣のクラスからは大きな悲鳴とブーイングが聞こえる。
「……え、ブーイング? 何があったんだ?」
「隣のB組からですわね」
突然の出来事に
「……あー、あのね、実は1つだけ悪いニュースがあってね」
それを好機と見たか、教壇に立つ
「班決めの方法なんだけど、なんと今年から完全なクジ引き制になっちゃって」
「ええ~~~!!?」
なんでも毎年のように仲の良いグループが騒ぎすぎたり、班に
もちろんクラスからは悲鳴とブーイングの嵐である。
「ど、どーすんだよこれ?!」
「わわわ
そしてほぼ確実に
「マ、マイちゃんっ」
「お姉ちゃんっ」
「……引率さぼって酒飲んでる人たちに言われたくないなあ」
「しかもこれって、私たちのせいじゃなくて先輩たちのせいよね?」
「やり方完全に間違えてますよね」
ただこれも正確なところは分からない。
『
彼女が部屋の隅に独りでいることについては、もはや何も言うまい。
……取り合えず今は『班員は同室』という前提で話を進める。
なのでクジによる班決めをどうにかしなくてはならない。
「こうなったら班分けを完全無視で行動して、例年以上に、いや比べ物にならない規模の騒ぎを起こして、来年のクジ引きを阻止しないとダメだね」
悪いことをしていないのに、そこから学ぶ物の無い罰を受ける者と。
悪いことをしたのに、罰を与えられずに学ぶ機会の無かった者と。
どちらが哀れだろうか。
「これは自分たちのためではない。後輩たちのために、全力で大暴れするぞ~!」
『おおー!!!』
クラスの心が1つに合わさった瞬間である。
まあこのように変な方に暴走するのもむべなるかな。大義名分を得た、と信じる者の行動は誰にも止められない。
「いや、岬が
「でもマイちゃん、気の弱い子だと、班から外れて行動するのは難しいと思うよ?」
であればと、
「というわけで、クジに細工をしてみました。これで好きな人と班を組めるよ」
今回は班分けをクジで行うと発動するトラップ式である。別のクラスでも、そして来年以降でも安心である。
「好きな人と組めるなら、クジのままでもいいんじゃ?」
「一条、甘いね。『無理矢理クジで決められた』という事実が大事なんだよ」
クジ引きを無くすという大義名分は生きているのだ。つまり好きな人と班を組んだ上で大暴れできるということだ。
「なるほど………………なるほど???」
まあ結果として、ここに居る7名が全員同じ班になり、他のクラスも含めてほぼ希望通りになったようである。
ほぼというのは、例えば10人とかで一緒の班になりたいと考えている者たちが、ホテルの部屋の都合で2つに分けられたりとかであるので問題ない。
「……え? あれ、オレは?」
ほぼ希望通りであるので問題ない。どこの誰とは言わないが、彼は仲の良い男子生徒たちと同じグループになったようだ。
るりを守るように
まあそもそも『一緒になったら~』程度の想いでは一緒になれないのだ。