「それでは皆さん、集合時間まで
というわけで2日目のメインイベント、東映
「……ねえ、マイちゃん。なんだか人数が増えてるような気が」
「たぶん忍者が変装して紛れ込んでるんだよ」
「たしかウチの学年は200人ちょっとだったはずよね?」
「1列の人数と列数から見て、2クラス分くらい増えてそうですね」
一部で不穏な会話があったが、入り口前に整列していた生徒たちは担任の案内に従って映画村に入場していく。
団体行動を学ぶはずの修学旅行でなぜか単独行動のイベントだが、
「お正月の振袖とはまた違うのね」
「
「なんで私は子供用なのかしら」
「………………」
まずは町娘に扮する4人、
原色の派手目な着物ではあるが、
「こういう時って、馬子にも衣裳とか言って
「オレに何を期待してんだよ」
着飾った彼女たちに見とれていた
自宅では普段から着流し姿の彼は、今回は少し気合を入れて暴れん坊将軍的な衣装を選んでいる。髪も普段のボサボサ状態ではなく、
なお額の傷跡は見当たらない。愛と誠までとは言わないが、たまには出てきて欲しいものである。
「一条様」
何事かと緊張が走る。
「一条様は町娘の格好のほうが……」
「いや、何でだよ」
元日本人最強大関、
オマケ程度の立ち位置なのに割と酷い性癖をぶちまけている人だったりする。
実妹推しの
あの横綱から『最早まともな奴なんて誰もいねえ』と言われる現役大関たちですら、彼に比べるとマシなのではと思えてしまう。
「で、つぐみは町娘じゃないんだな」
「素浪人がコンセプトです」
白い着物に青い袴、白い
実にシンプルにまとめている。
「一条君」
るりが真剣な声色で呼びかける。
何事かと緊張が走る。
「
「いや、何の話だよ」
「これなら分かるでしょ」
そう言って
その姿は……
「ピンクのミニ丈チャイナドレス? そんなものあったのか?」
腕の部分は白く、袖口は広がっている。
腹部には白い布が巻かれ、背中側に武器となる棒が差してある。
貸衣装にこんなものは無かったはずなのだが。
「………………」
それにしても、丈が短い。
普段は
「一条君」
ヤバい視線の先がバレたかと緊張が走る。
「草木豊かな大陸生まれ 使う拳法
「いや、何の話だよ」
泣く子も黙る正義の美人である。
「ちなみに2000年ごろのネタなんだけど」
「いや、オレらまだ物心つく前じゃねーか」
分かるはずがない、と次に話題を移す。
「本田さんは……坂本龍馬?」
「正解です」
紋付きの黒い半着に薄墨色の袴、そして大小2本の刀。
何気にこの中では一番の長身(176cm)なのも相まって、妙に迫力がある。
「でも、何で靴なんですか?」
「え?」
ただし足元はリーボックのスニーカーである。
「坂本龍馬、記念撮影、高校生。ここまで揃えばスニーカーが必須では?」
「え?」
「……岬様、どうしましょう。一条さんに伝わりません」
「うーん、まさかコレも通じないとは……」
「え? オレが悪いの?」
「お姉ちゃん、私も分かんない」
「
同じ境遇の
「ちなみに1994年ごろのネタなんだけど」
「いや、オレらまだ生まれる前じゃねーか」
分かるはずがない、と次に話題を移す。
全員分の衣装の紹介は終わったので、記念撮影である。
「橘はどうすんだ?」
絶賛気絶中の
本田が背負ったまま撮影するのはどうかと思い、
「ご心配なく」
そして準備が終わると少し距離を開けて立つ。
「太郎丸!!」
勢いよく両手を動かすと、それに合わせて
その人形染みた動きは、すこし不気味である。
「え……?」
「本田さん、そっちは座って操作する方だよ」
「そうでした」
他紙ネタのため状況を理解できない
もう一度
「あるるかん。」
本田が振り上げた両手の動きに合わせ、再び
「
さらに糸を繰ると
大振りのギザギザとした凶悪なヤツである。
「……………………おい」
「失礼しました。つい勢いで」
少々アクシデントはあったが無事に記念撮影を終え、一行は引き続き映画村を満喫するのであった。